著者
済賀 宣昭
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.54, pp.18-32, 1998-12-31 (Released:2018-01-19)

今日の情報化の流れは,1)メインフレーム中心時代,2)パソコン中心時代,3)ネットワーク中心時代,4)コンテンツ中心時代の4つの流れに区分できる。それぞれの時代には,情報産業における産業構造の変化,パラダイム変化を背景にシステム形態の変化が連動し,情報化社会は現在進行中のネットワークの時代から,コンテンツの時代へと移行しつつある。これは見方を変えれば,ハードからソフトヘ,ソフトからネットワークインフラヘ,ネットワークインフラからエンドユーザヘとその主導的位置を移しているとも捉らえられる。来るべきコンテンツの時代に図書館の果たすべき役割も大きい。
著者
柴田 育子
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.103, pp.42-49, 2016

<p>昨今,電子ジャーナルの価格高騰問題など,大学図書館を取り巻く環境は一層厳しくなりつつある。近年,フランスでは大手出版社との5年間に渡る契約合意,ISTEXプロジェクトと呼ばれるバックファイルの取得を行い,国レベルでのアクセスを保証した契約を行っている。この背景にはフランスの大学図書館コンソーシアムCouperinと高等教育書誌センターのABESが大きな役割を果たしている。本稿ではこの2機関の運営方法,活動内容,他組織との連携方法等を訪問調査を通じて報告する。</p>
著者
尾城 孝一 市古 みどり
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.109, 2018

オープンアクセスとは査読済みの学術論文に対する障壁なきアクセスを意味する。1990年代初頭から始まった多くの運動の結果,OAは着実に進展してきた。本稿では,はじめにOAの定義,背景,小史を振り返り,次いで,近年の大規模なデータを使った調査に基づき,OAの進捗度と影響度を概観する。さらに,OAに関する最近の特筆すべき動向を踏まえつつ,今後の更なるOA推進のために,大学図書館が取り組むべきことを指摘し,最後に「OAの先にある」大学図書館の新たな使命について論じる。
著者
小陳 左和子 矢野 恵子
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.109, 2018

著者が出版料を支払うことによって学術論文を出版と同時にオープンアクセスにする方式は,今やジャーナル出版社のビジネスモデルの一つとして拡大している。本稿ではまず,著者支払型のゴールド・オープンアクセスを巡る状況を概観した上で,現在欧米の大学が,従来型の電子ジャーナル購読と著者支払型のオープンアクセスについてどのように整理し対応しているのかを解説する。次に,日本の大学図書館コンソーシアム連合(JUSTICE)における,国内研究者の論文公表実態調査を中心とした取り組みについて報告し,最後に今後の展望に関しても言及する。
著者
小林 廉直 森 いづみ
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.90, pp.1-9, 2010-12

<p>国立情報学研究所(NII)は,学術機関リポジトリ構築連携支援事業を実施し,国内の機関リポジトリの構築やコンテンツ拡充,相互連携を支援している。第2期(平成20〜21年)委託事業では,地域共同リポジトリの構築が進んだことにより機関リポジトリ数が増加するなどの実績を挙げ,その結果,政府の学術政策に関する計画にも機関リポジトリが取り上げられた。今年度から始まる第3期(平成22〜24年)でもさらなる成果が期待される。本稿では,その他NIIで実施しているCSI報告交流会や研修事業についても紹介する。</p>
著者
三根 慎二
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.80, pp.54-64, 2007-08-31 (Released:2017-11-09)

オープンアクセスを実現する戦略の一つとして位置づけられているオープンアクセスジャーナルの現状を調査した。その結果,査読制を持つオープンアクセスジャーナルとは,一般的に,1)大学・研究機関や学協会によって,2)2000年以降,3)英米に加えてアジアや南米諸国で刊行された,4)主に自然科学分野の学術雑誌であるということがわかった。
著者
常世田 良
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.108, pp.1711, 2018-03-31 (Released:2018-03-28)

「図書館の障害者サービスにおける著作権法第37条第3項に基づく著作物の複製等に関するガイドライン」の成立過程,ガイドライン策定の意義,および同ガイドラインの各項目における,法令との関連,著作権者による許諾の範囲,許諾により作成可能となる複製物の種類,対象となる障害の種類と認定手続きなどについて概観する。
著者
尾崎 文代 上田 大輔
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.79, pp.35-42, 2007-03

<p>広島大学では,2006年4月に機関リポジトリである広島大学学術情報リポジトリ(HiR)を立ち上げ,2006年12月6日現在で1,945件の教育研究コンテンツを公開している。本稿では,私たちが行った研究者への個別訪問による初期コンテンツの収集について,また,学内刊行物の収集やデータベースを用いた最新論文の提供依頼,機関リポジトリ活用のための工夫などによって継続的にコンテンツを収集し,機関リポジトリを育て続けていくための戦略について述べる。</p>
著者
大澤 類里佐 中山 知士
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.93, pp.36-41, 2011-12-31 (Released:2017-11-01)

国立情報学研究所CSI委託事業「オープンアクセスとセルフ・アーカイビングに関する著作権マネジメント・プロジェクト」(SCPJ)について,その発足からの経緯を振り返り,データベース作成を中心に現在の活動について述べた上で,課題と今後の展望について報告する。
著者
小倉 久男
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.55, pp.28-37, 1999-03-31 (Released:2018-01-19)

ここ数年間に国立大学における情報通信ネットワークの環境は充実し,各大学では電子図書館の構築に積極的に取り組んでいる。では,どのような電子図書館の構築が考えられるであろうか。エルゼビアという一学術出版社の立場から,ScienceDirectという同社が出版している約1000誌をカバーする電子ジャーナルを例にあげて,ローカルとリモートでのアクセス,コンソーシアムや著作権等を含め,その現況と今後の課題を大学側と出版社側の両方に焦点をあてて述べる。
著者
國見 裕美
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.103, pp.83-91, 2016-03-04 (Released:2017-09-29)

「学生が情報活用能力を身に着けるプロセスを支援すること」に着目した学習支援として,生命科学系の専門図書館である徳島大学附属図書館蔵本分館では「医生物分野において統計学に基づくビッグデータ解析やデータマイニングを駆使して,実践的な課題発見・問題解決能力を持つ人材育成を支援すること」「根拠に基づく医療を実践する重要性を学び,より質の高い医療情報を取り扱える人材育成を支援すること」を目的とした2つのプログラムを企画・主催した。情報リテラシーの面からみた学習支援の取り組みとして報告する。
著者
中元 誠
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.100, pp.20-28, 2014

<p>大学図書館における職員数の動向と業務委託の実態を俯瞰したうえで,これからの大学図書館サービスの在り方とこれを基盤的に支える組織や職員業務,業務委託の在り方について考察する。</p>