著者
飯野 勝則
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.102, pp.11-21, 2015

<p>ウェブスケールディスカバリー(WSD)は多層的なスケール概念を包摂したシステムである。そのスケールには,「実体」と「見かけ」の2種類が存在している。WSDの誕生には,それ以前のブロードキャストサーチや横断検索,ディスカバリーサービスの存在が影響を与えている。WSDにはファセットナビゲーションの主題項目など,利便性を高めることのできる機能が存在するが,一方で「見かけ」のスケールに起因するような課題も存在する。図書館はWSDのスケーラビリティを正しく理解し,利用者にとって適切な提供環境を構築していく必要があるだろう。</p>
著者
城 恭子 土出 郁子
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.97, pp.56-64, 2013-03

2012年5月,スウェーデンのウプサラ大学でオープンアクセスリポジトリ連合(COAR)の第3回年次集会および総会が開催された。COARは2009年10月に発足した,リポジトリとオープンアクセスの推進につとめる国際的な非営利組織である。本集会は2日間にわたり,「リポジトリをコンテンツで満たす」「リポジトリのネットワークとサービス」をテーマにした事例報告セッション,ワーキンググループ会議,参加組織限定の総会などのプログラムにより,各国,各地域の現状報告と,オープンアクセスやリポジトリの諸課題についての議論が行われた。本稿ではCOARの活動を含め,本年次集会の概要を報告する。
著者
三根 慎二
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.80, pp.54-64, 2007-08
被引用文献数
1
著者
高橋 菜奈子
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.80, pp.65-73, 2007-08

一橋大学附属図書館で行なったハングル図書の遡及入力を素材として,NACSIS-CAT における韓国・朝鮮人名の著者名典拠の同定作業について報告する。著者名典拠とのリンク率が低いこと,その原因として同姓同名や同音異名,別名表記によるリンク形成の困難さが指摘できる。リンクを形成するにはその著者の著作,漢字表記,学位・学歴情報が同定根拠として有効であることも明らかになった。各機関が著者名リンクを放棄しないこと, 手元の図書から判明する情報を追加していくことの重要性を指摘した。
著者
栗山 平 小川 稔
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.66, pp.49-54, 2002-12

九州大学における附属図書館と情報基盤センターとの連携は,双方の組織の一部を触合したことと,両組織が一統協力して電子図書館機能の強化を図ると共に,情報リテラシー教育等を進めていること,附属図書館の研究開発の整備を図っていることなどに特徴がある。本稿は,これまでの経緯を述べると共に,情報サロン,貴重資料の電子化,イメージデータによる図書目録カード検索システム,マルチメディア掲示板,キャンパスインフォメーションシステム,電子的情報の収集・検索システム,ICタグによる図書館管理システム,情報リテラシー教育などの個々の実施状況について具体的に紹介する。更に,九州芸術工科大学との統合,新キャンパスの移転統合が予定される中での今後の在り方について述べる。
著者
杉田 いづみ
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.65, pp.48-57, 2002-08
被引用文献数
1

地域圏大学を称する三重大学の学術情報基盤を担う三重大学は、これまで館種を超えた図書館ネットワークサービスなど、いくつかの先進的な地域貢献事業を実施してきた。本稿では、これらの事業を一旦総括し、独立法人化をにらんで進行中の「大学改革」と、今後ますます推進されるであろう「社会インフラの情報化」の観点から、今後のサービスのあり方について展望した。
著者
森本 英之
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.67, pp.58-69, 2003-03

日本で作成された書誌レコード群の一つである図書館流通センターがRLINに登録してきたTRCレコードの特徴について、それらの日本語図書に対するLCの目録慣行との互換性という観点から考察する。まず日本で作成されたソースレコードのRLINとWorldCatへの登録に関する背景と関連した先行報告を述べ、続いてTRCレコードを北米で加工する為の編集要件として、クラスター形成、基礎書誌単位、主記入、漢字の字体、分かち書き、大文字、ローマ字と原綴り組フィールド、物理的詳細、標目形、分類番号、固定長記号に関して概観する。
著者
江上 敏哲
出版者
学術文献普及会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.73, pp.45-56, 2005-03

2004年9月11日から同26日まで,京都大学教育研究振興財団の事業である海外派遣助成(短期)を受け,イギリス・アイルランド・オランダの日本資料・日本研究図書館を訪問し,スペインで開かれた日本資料専門家欧州協会年次集会に参加した。各館における実態(特に,活動・運営,資料の入手・提供,目録システム,古典籍資料等)について調査した。日本からの協力・働きかけとしては,ILL受付体制の整備,NACSIS-CAT参加及び総合目録・目録システム形成へのサポート,出版物の積極的な寄贈,貴重資料電子化の支援,発表・報告等の積極的な"発信"等が考えられる。