著者
今村 敏英 池田 克巳 藤枝 三郎
出版者
公益社団法人 石油学会
雑誌
石油学会誌 (ISSN:05824664)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.300-303, 1976

The variations of penetration and viscosity of binders with the addition of polymer were studied and following results were obtained:<br>1. The variations of penetration and viscosity of binders depend on the viscosity difference between the polymer and maltene.<br>2. Upon mixing polymer in 2-6% with maltenes, the following equation was obtained; log&eta;<sub>G</sub>/&eta;={1.00-29/(&Delta;S.P.&times;Mwm)<sup>0.43</sup>(1.00-C<sub>m</sub>)}log&eta;<sub>G</sub>/&eta;<sub>m</sub> where the term 29/(&Delta;<i>S.P.&times;Mwm</i>)<sup>0.43</sup> is the swelling volume of polymer in maltenes.
著者
森田 彰久 倉石 迪夫 近藤 欣也 佐藤 文夫 冨士野 司朗
出版者
The Japan Petroleum Institute
雑誌
石油学会誌 (ISSN:05824664)
巻号頁・発行日
vol.11, no.10, pp.778-782, 1968-10-25 (Released:2009-01-30)
参考文献数
13
被引用文献数
1 1

We are making a research on the catalytic steam reforming of various materials ranging from light hydrocarbons to heavier oils at low and high temperatures. Our research covered a study of the catalytic steam reforming of kerosene and pure hydrocarbons, very little study of which has been made thus far. The following results have been obtained from this study concerning the effect of various reaction conditions on gasification of kerosene at a low temperature.Atmospheric pressure: When pressure is increased to as high as 3kg/cm2•G, the rate of gasification becomes higher than that at atmospheric pressure. However, there is hardly any change noticed in the rate of gasification at pressures over 3kg/cm2•G.Liquid space velocity: The rate of gasification increases as high as 100 per cent at any liquid space velocity below 1.0; but it decreases with an increase in the liquid space velocity over 1.0.Steam/carbon ratio: The rate of gasification shows no change at any steam/carbon ratio up to 3.0; but it decreases with an increase in the ratio over 3.0.Temperature: With a rise in temperature, the rate of gasification increases sharply.Materials: Paraffinic hydrocarbon is most easily gasified, while aromatic hydrocarbon is the hardest to gasify. Petroleum is gasified at a moderate speed. A gaschromatographic analysis shows that the composition of unreacted hydrocarbon is the same as that of materials used.In all cases of the above test, no carbon has been separated from the catalysts.
著者
徳橋 秀一
出版者
The Japan Petroleum Institute
雑誌
石油学会誌 (ISSN:05824664)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.12-29, 1988-01-01 (Released:2008-10-15)
参考文献数
39
被引用文献数
3 4

石油貯留岩として本邦油田地域で重要な位置を占めているタービダイト砂岩単層の分布特性 (広がり•形態) を明らかにするため, 房総半島に分布する古海底扇状地堆積物 (鮮新統清澄層•安野層) を対象に, 4つの層準で単層解析を行い, 次のような結論を得た。(A) 同一層準に属するタービダイト砂岩単層の形態は, 互いに相似関係にあり, 特定の基本形態を有する。(B) タービダイト砂岩単層にみられる特定の基本形態は, 数10mから数100mの厚さにわたって保持される。(C) タービダイト砂岩単層の形態は, 砂岩単層内部の粒度や堆積構造と密接に関連し, その大きさ (厚さ•広がりの程度) は, 混濁流の規模の反映である。
著者
山本 洋司 橘 武史
出版者
The Japan Petroleum Institute
雑誌
石油学会誌 (ISSN:05824664)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.325-328, 1997-07-01 (Released:2008-10-15)
参考文献数
9
被引用文献数
1 1

内燃機関の代替燃料として, メタンを主成分とする天然ガスが注目され, 我が国でも既に千台程度の天然ガスエンジン自動車が導入されている。しかし, メタンは炭化水素系燃料で最も燃焼速度が遅く, これが今後の改良の障害の一因となることがしばしば指摘されている。他方, 現在の火花点火機関の燃料の主流であるガソリンの燃焼速度の詳細にわたる報告はほとんど見当たらない。そこで, 高温•高圧下での燃焼速度も得られる球形容器法を用いて両者の燃焼特性の比較を行った。また, 燃焼特性改善のため, メタンに容積割合で20%水素を添加したものの燃焼速度も測定した。その結果, (1)常温, 常圧での燃焼速度はガソリンの方がメタンより若干速く, 過濃側での差が大きい, (2) 温度上昇に伴い燃焼速度が上昇する傾向は類似している, (3)圧力が上昇するに従い燃焼速度は低下するが, ガソリンの方がその傾向が強い, (4)定容燃焼終了時圧力はガソリンの方が10%程度高い, (5)メタンに水素を20%添加することで燃焼速度が約25~35%上昇するが, 傾向はメタンと基本的に同じ, であることが示された。
著者
横山 伸也 小木 知子 小口 勝也 村上 雅教 鈴木 明
出版者
公益社団法人 石油学会
雑誌
石油学会誌 (ISSN:05824664)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.262-266, 1986
被引用文献数
12

前報では, コナラ木粉およびアルカリ水溶液を高圧反応容器に入れて, 適当な反応条件下で加圧, 加熱することにより, 約50%の収率で液状生成物が得られることを報告した。本報では, この水相における液化法が, コナラ以外の他の樹種, 樹皮, あるいはバガスなどに対しても, 適用でき得るか否かを調べるために11種の木材, 3種の樹皮およびバガスの液化を行い, 液状油の収率と性質を検討した。すなわち, 広葉樹としてコナラ, ドロノキ, ブナ, 針葉樹として杉, ツガ, スプルース, カラ松, 赤松, 南洋材としてレッドラワン, カプール, カメレレを, 樹皮としてカラ松, 赤松, トド松を用いた。この他に比較のため, 砂糖きびの絞りかすであるバガスも用いた。これらの分析値を <b>Table 1</b>に示した。液化は, 前報で最適と考えられた条件, 温度300°C, 初圧2.0MPa, 滞留時間 (設定温度における保持時間) 0分, 木粉/触媒/水比が5/0.1/30で行った。<br>アセトン可溶分として定義した液状油の収率とCHR (CとHの回収率) は, それぞれ以下の式から求めた。<br>収率(%)=(生成油の重量/原料の重量)×100<br>CHR(%)=(生成油中のCとHの重量/原料中のCとHの重量)×100<br>この結果をまとめて<b>Table 2</b>に示した。表から明らかなように, 木材に関しては, 収率は約50%程度であり, カラ松と赤松がやや低い値を示したが, 総体的には樹種による顕著な相違は認められなかった。バガスはほとんど木材と同じ収率であったが, 樹皮の場合は20-27%と低収率であった。収率と原料の組成との関係について, <b>Fig. 1</b>に示すように原料中のリグニンと収率とをプロットすると, 木材のグループと樹皮のグループに大別されたが, それぞれのグループ内では特に一定の傾向は見られなかった。また, 収率と他の成分との間にも特に傾向は見られなかった。<br>樹皮が木材に比べて低収率なのは, 反応性が低いためではなく一度生成した液状油が repolymerization して固体の residue になるからである。<b>Fig. 2</b>に, 原料中のリグニンと発生するガスおよび固体 residue の量との関係を示した。リグニンが増加すると, 固体 residue も増加するがガス量はほとんど一定である。前報では, 反応時間が長くなるにつれて液状油収率が減少してくる現象が観察されたが, これも同じようにrepolymerizationによると考えられる。事実, Boocock ら (文献12) は, リグニンを多く含む樹皮をフラッシュ的に熱分解し急冷した場合, 通常の数10分の加熱による液化に比べてはるかに収率がまさっており, これは primary oil の repolymerization が阻害されるためであると報告している。
著者
加藤 昌弘 村松 輝昭 植田 裕樹 山口 正人 小澤 智樹
出版者
公益社団法人 石油学会
雑誌
石油学会誌 (ISSN:05824664)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.312-317, 1992
被引用文献数
15

メタノールとヘキサン, シクロヘキサン, およびヘプタンからなる3種2成分系溶液の溶解度曲線と298.15Kにおける液密度を測定した。得られた液液平衡と液密度挙動を状態方程式で相関した。<br><b>Table 1</b>に実験で用いた試薬の物性値を示す。<b>Table 2</b>に298.15Kにおける液密度の実験値を示す。ここで, 括弧内の数値は2液相分離しているときの上相と下相の密度を示す。密度はデジタル密度計で測定した。液密度挙動を Fig. 1に示す。液密度曲線での屈曲点から相互溶解度を決定した。298.15Kにおける密度測定から得られた相互溶解度を<b>Table 3</b>に示す。<br>溶解度の測定は, まずガラスアンプルに望む組成の溶液を仕込み, ガラス上部を溶かして密封した。このアンプルを恒温水槽に人れ, 試料アンプルを振りながら液相の状態を観察した。温度を変化させ, 2液相状態と均一液相状態との境界温度を測定して, その組成での溶解度温度とした。得られた溶解度温度の実験値を<b>Table 4</b>および<b>Figs. 2~4</b>に示す。<br>得られた液液平衡と液密度データを, Eqs. (1)~(5) に示す状態方程式で相関した。今回は, 係数<i>a</i>と<i>b</i>の温度依存性をEqs. (6)~(10) に示すように持たせ, 298.15Kにおける密度と蒸気圧を満足させた。<b>Table 5</b>に各純物質に対する補正係数の数値を示す。<br>状態方程式を混合流体に適用するために, Eq. (11) で示す Huron-Vidal 型の混合則を導人した。ここで関数Fには, Eq. (12) に示す3定数 Wilson タイプ, およびEq. (13) に示すNRTLタイプを用いた。また, パラメーター<i>b</i>およびθについては Eqs. (15)~(17) に示す混合則を用いた。3定数 Wilson タイプのパラメーターとNRTLタイプのパラメーターはEqs. (18) および (19) に示す温度の関数として整理した。<b>Table 6</b>に, 液液平衡と液密度の実験値を同時に状態方程式で相関して得られたパラメーターの数値および液密度の相関精度を示す。<b>Fig. 1</b>の実線は, 状態方程式による液密度の計算結果を示す。<b>Figs. 2~4</b>に溶解度曲線の計算結果を示す。ここで,実線はNRTLタイプ, 破線は Wilson タイプを示す。
著者
岡崎 進 住谷 秀一 工藤 和夫
出版者
公益社団法人 石油学会
雑誌
石油学会誌 (ISSN:05824664)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.159-166, 1978

前報<sup>1)</sup>において天然ゼオライトの一種であるクリノプチオライトを一定組成比のNaOHとNaClとからなる混合水溶液中に浸せきし, 沸点付近で加熱するという簡単な処理により Faujasite が得られることを見いだした。この Faujasite はいわゆるXおよびY型の合成ゼオライトの主成分であり, したがって上記の天然品の処理生成物は適当な金属イオンで交換すれば合成XまたはY型ゼオライトと同様に触媒として使用できる可能性がある。Faujasite の生成について著者らの発表後, Robson らがアメリカ特許 (U. S. 3,733,390, 出願 1971-7-1, 成立 1973-5-15)として出願した内容においても認められているが, 原料が安価で操作も簡易なことから実用的にかなり有利なことが期待される。<br>そこで, 前報<sup>1)</sup>に引き続いて, 本報ではイオン交換が実際にどの程度可能であり, またイオン交換したものがどの程度の触媒活性を示し得るかを検討した。そのため, まず前報の処理条件およびその結果の再確認をかね, 処理水溶液の組成を変え, 生成物の形態を調べ, <b>Table 1</b>の(2)ないし(4)のような条件下に Faujasite が得られることを確かめ (<b>Fig. 1</b>), 今後(2)の組成, すなわち天然ゼオライト1gに対し, NaOH, NaCl, H<sub>2</sub>O各0.53, 0.44, 2.58gで得られる生成物を標準試料ときめた。初めにこの試料を14種の金属イオンおよびアンモニウムイオンで常温でイオン交換したところ, 交換度は60~87%に達し, 本試料には残存無水ケイ酸およびそのほかの不純物を含有するのにかかわらず合成Yゼオライト<sup>4)</sup>とほぼ同程度の交換活性を持つことを認めた (<b>Table 3</b>)。このようにして得られたイオン交換後の試料の固体酸性を測定した結果 (<b>Table 4</b>) H<sub>0</sub>〓+3.3酸点の密度 (mmol/m<sup>2</sup>) はCe型を除き, 交換イオンの電気陰性度と直線的関係にある (<b>Fig. 2</b>) ことがわかった。固体酸性の大きいLa交換体を代表例としてとりあげ, ピリジン吸着後のIR吸収を調べた結果 (<b>Fig. 3</b>), 吸着水の分極によるB酸点のほか, 露出した金属イオンに基づく, いわゆる pseudo L 酸点<sup>6)</sup>が存在した。これは合成XまたY型ゼオライトのイオン交換体<sup>4)~6)</sup>においても認められた事実である。引続き, 比較的弱い酸点によっても促進される2-プロパノールの脱水反応, とかなり強い酸点を必要とするクメン分解をテスト反応として種々の金属イオン交換品の触媒活性を調べた。両反応に対する触媒活性はともに, 固体酸性と同様に, 金属イオンの電気陰性度と関連する (<b>Fig. 4</b>)。したがって, 両反応に対する触媒活性間にも直線的比例関係 (<b>Fig. 5</b>) が認められる。さらにLaイオンで交換したY型ゼオライトと, この処理により変成した Faujasite をLaイオン交換した資料の両者について触媒活性を比較した。この結果変成ゼオライトのLa交換体は合成ゼオライトのLa交換体に比べやや活性が低くなる。低くなる原因は, La交換量が合成ゼオライトに比べ少ないこと, すなわち本試料単位重量あたりのLa保持量が少ないことによると考えられる。実際にLa交換率すなわちLa保持量と固体酸量 (<b>Fig. 6</b>) および触媒活性 (<b>Fig. 7</b>) の間に直線関係が存在する。<br>以上のように前報<sup>1)</sup>の処理により天然ゼオライトから比較的簡単な処理により得られる Faujasite は合成ゼオライトに匹敵するイオン交換活性を示し, さらにこのようにして得られたイオン交換試料はかなり量の不純分を持つのにかかわらず合成ゼオライトからの相当試料に近い触媒活性を示すことがわかった。
著者
久光 俊昭 後明 和幸 丸山 文夫
出版者
公益社団法人 石油学会
雑誌
石油学会誌 (ISSN:05824664)
巻号頁・発行日
vol.36, no.6, pp.479-484, 1993
被引用文献数
1

シェールオイルを水素化精製する際の脱ヒ素前処理反応器に適した反応条件と触媒を選定するため, 2種類のモリブデン-ニッケル-アルミナ触媒と1種類のγ-アルミナの脱ヒ素活性を評価した。その結果, 石油精製に使用されている通常のモリブデン-ニッケル-アルミナ触媒を使用し, 300°C, 2.0 LHSVの比較的温和な条件にて水素化処理することにより, 原料油中に含まれるヒ素の90%以上を除去できることが判明した。<br>さらに, 上記触媒の一つを使用してシェールオイルの水素化精製を130時間行ったが, その間での触媒活性は安定していた。使用後の反応器内部におけるヒ素の分布を調べた結果, 除去されたヒ素のほとんどが触媒上にあり, 排ガス中には検出されなかった。ヒ素の沈積量は触媒床上部で多く, 下方に行くに従って減少した。一方, 触媒床最上層から取り出した触媒ではヒ素が粒子外表面から内部に向かって減少しているが, 2層目からの触媒では粒子の外部から内部まで比較的均一に分布していた。このような分布の変化は, ヒ素化合物の反応速度と拡散速度の違いによって生じると考えられる。したがって, 前処理反応器の上部には適度な活性を有し, 細孔径および粒子の外表面積/体積比の大きな触媒が適している。また, 予想される運転終了時でのヒ素の蓄積量に比例して, 触媒上の金属担持量を増やすべきである。
著者
秋鹿 研一
出版者
公益社団法人 石油学会
雑誌
石油学会誌 (ISSN:05824664)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.112-122, 1994
被引用文献数
1

メタンの酸化カップリング反応の反応機構の特徴を分かりやすく示し, 触媒設計に役立つ速度式を提案し, 他の研究と比較して論じた。<br>反応を(1)酸素分子の表面活性化, (2)表面酸素によるメタンの脱水素, (3)メチルラジカルの酸化, (4)メチルラジカルのカップリングによるエタン生成の4過程に分け, 定常状態法を用いた速度式を導いた。第3過程は, 本来は100以上のラジカル素反応からなるものを"Magic number <i>x</i>"を用いることにより一つの式で与えたものである。この取り扱いによりこの反応の特異な選択性支配 (高温, 低酸素濃度, また触媒の比表面積の小さいほどC<sub>2</sub>化合物選択率が高い等) を説明することができた。<br>この方法は転化率の低い条件で種々の触媒の反応結果を統一的に比較し, その特性を明らかにするのに役立つが, 触媒設計が終わり, 高転化率での反応操作設計のための速度式としては, むしろべき乗型の経験式の方が簡便で有用であることを指摘した。