著者
小野寺 夏生
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.70, no.5, pp.273-277, 2020-05-01 (Released:2020-05-01)

電子ジャーナルサイトJ-STAGEのアクセス統計データを用いて,このサイトから公開されている『情報の科学と技術』に掲載された記事の本文ダウンロードデータを分析した。延べダウンロード数は漸次上昇しており,最近は月3万件程度で推移している。特集記事や連載記事など,非会員に6か月のエンバーゴ期間を設定している記事の多くは,発行当月多くのダウンロードがあった後大きく減少し,6か月経過後に急上昇に転ずる。この推移の分析から,会員と非会員の閲読傾向について考察した。
著者
公益財団法人 大宅壮一文庫
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.66, no.9, pp.461-466, 2016-09-01 (Released:2016-09-01)

評論家・大宅壮一が遺した雑誌コレクションを引き継ぎ,1971年に設立された雑誌図書館「大宅壮一文庫」。その前身である個人アーカイブズ「大宅資料室」から始まった雑誌収集やカードシステム,現在も受け継がれている“大宅式”といわれる独自の分類項目,所蔵雑誌とともに大きな特徴である雑誌記事索引の作成方法と変遷について解説する。インターネットの普及により容易に情報が得られるようになったが,“時代の証言”ともいえる雑誌記事索引をユニークな切り口で検索できるデータベース「Web OYA-bunko」の魅力,そして「大宅壮一文庫」の現在。
著者
大谷 周平 坂東 慶太
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.68, no.10, pp.513-519, 2018
被引用文献数
5

<p>Sci-Hubとは,6,450万件以上もの学術論文のフルテキスト(全文)を誰もが無料でダウンロードできる論文海賊サイトである。Sci-Hubからダウンロードできる論文には,学術雑誌に掲載された有料論文の約85%が含まれており,Sci-Hubは学術出版社の著作権を侵害する違法サイトである。大学図書館の契約する電子ジャーナル,OAジャーナル,機関リポジトリ,プレプリントサーバーなど法的に問題ない論文サイトが在る中で,世界中から1日に35万件以上の論文がSci-Hubを通じてダウンロードされている。本稿では先ずSci-Hubの概要・仕組み・世界的な動向について述べる。次いで2017年にSci-Hubからダウンロードされた論文のログデータを分析し,国内におけるSci-Hub利用実態の調査結果を報告する。栗山による2016年調査と比較すると,Sci-Hubの利用数やSci-Hubの利用が確認された都市数は増加していた。また,Sci-Hubでダウンロードされているのは有料論文だけではなくOA論文が約20%を占めていること,クッキーの情報から約80%のユーザーは1回のみSci-Hubを利用している状況も明らかになった。</p>
著者
斉藤 浩 清水 響子
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.69, no.9, pp.427-434, 2019-09-01 (Released:2019-09-01)

経済産業省が運営する400万法人のデータベース「法人インフォメーション(法人インフォ)」は,各府省保有の法人活動情報約160万件を集約しており,データを一元的に検索・取得可能である。法人デジタルプラットフォームの中核データベースとしての対象データ拡充をはじめとする継続的な発展を見据え,IMIを用いて「法人情報語彙」を整備し,多様な情報源からのデータ集約が容易に行える環境を構築した。本稿では,IMIの取組みと法人インフォにおける活用事例を紹介する。
著者
古橋 英枝
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.68, no.3, pp.85-85, 2018-03-01 (Released:2018-03-01)

今月号の特集タイトルは「Institutional Researchと大学」です。10年ほど前から日本でもInstitutional Research(大学の中にある様々な情報を活用し,教育・研究等の大学の業務の改善や意思決定の支援情報のデザイン・収集・分析・評価・活用・提供などの中核を担う)の必要性が叫ばれ,米国の事例紹介から日本での導入事例紹介まで幅広く文献が存在しています。本特集では,改めてIRとは何か,日本におけるIRの組織・人材育成等制度面の整備状況,そして具体的に何を目的としてどのような情報収集を行っているのか取り上げることで,日本におけるIRの現状を概観することを目的としています。東京工業大学の森雅生氏には,日本でのIR導入経緯から各国の動向,教学IRと研究IRという2大フレームについて,分かりやすく整理して解説いただきました。国立情報学研究所の船守美穂氏には,より具体的な日本におけるIR登場の文脈,及び現在学内でIRがどのように扱われているか等について包括的に解説いただいただけでなく,最後に大学図書館との関わりの可能性について考察いただきました。このような背景を前提に,神戸大学の高田英一氏には,国立大学を中心とした実際のIR人材についての調査結果を元に,人材育成の現状と今後の課題に関して考察いただきました。さらに,東京学芸大学の岩田康之氏にはIRの考え方から派生した教員養成IRについて,「HATOプロジェクト」を事例に具体的な取り組み内容をご紹介いただき,最後に岐阜大学の利光哲哉氏には,岐阜大学で開発したIRシステムである「戦略的統合データベース」について,開発に至る経緯やシステム仕様について詳細にご紹介いただきました。IRのためのデータ収集対象には垣根がなく,IRの取り組みは,大学をはじめとするすべての高等教育機関の関係者に関わる話題であり,今後の課題だと考えています。本特集が,こういった関係者のみなさまにとって,IRの基礎知識を改めて身につける機会になると共に,今後のIRへの関わり方について,なにかしらのヒントになれば幸いです。(会誌編集担当委員:古橋英枝(主査),田口忠祐,南山泰之)
著者
前田 朗
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.150-154, 2019-04-01 (Released:2019-04-01)

大学等の学術研究機関に所属する図書館員のスキルアップの手法として,学術情報システムの個人的なプロジェクトに取り組むことを提案する。この手法では,成果が出ることがモチベーションとなる,学習の機会が増えるといった利点がある。プロジェクトの取り組み対象は,業務の自動化,インターフェイスのカスタマイズ,ツールの作成,学術情報の解析,情報検索システムの試作とさまざまなものがありえる。これらのテーマごとに,筆者が職務ほか「図書系職員のためのアプリケーション開発講習会」講師や「専門用語自動抽出システム」開発に取り組んできた経験から,注目している情報を提示していく。
著者
稲木 竜
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.14-18, 2017

<p>慶應義塾大学メディアセンターでは2016年2月にディスカバリーサービスである,Primo Centralを導入した。本稿では,ディスカバリーサービス導入までの過程と運用開始後の電子書籍検索への活用事例について述べる。本学の資料検索システムであるKOSMOSにて大規模電子書籍コレクションの収録タイトルを検索できるようにすることを目的にディスカバリーの導入を進めてきた。サービス開始後はディスカバリーを用いた資料検索により,DDA(Demand-Driven Acquisitions)による資料購入や試読のアクセス状況に基づいた選書などの新しい業務の流れも生まれている状況である。今後,業務面では新たな資料購入フローに伴う購入決定判断の変化,システム面ではディスカバリーに搭載されるメタデータの質や新刊タイトル搭載の即時性やソート順などが課題となる。</p>
著者
田口 久美子
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.27-33, 2002-01-01

戦後日本の書店業界は他の業界と比較すると平穏な歩みであったろう, つい十数年前までは飛躍の一途であった。そして時代の変化との連動に不協和音が発生したまさにその時期に, 電撃のように襲い掛かったのがジュンク堂書店である。その最大店舗池袋店は1997年オープン, その後の増床を経て, 2001年12月現在で営業床面積2000坪で日本一, 販売在庫数では世界一の規模を誇っている。本文はこのジュンク堂の顧客戦略をモデルケースにして分析し, 戦後日本書籍業界の辿った道のりと, 現状の問題点を浮彫りにしたい。この困難な時期をどう乗り越えるか, 今が, 出版界のこれからを左右する大切な岐路であるだろうから。
著者
稲葉 洋子
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.64-70, 2008-02-01

世界の文化を比較研究するファイル資料としてアメリカ・イェール大学で開発され,現在も世界中で利用されているHuman Relations Area Files (HRAF)がある。国立民族学博物館は1976年HRAFの正会員となり,大学共同利用機関としてファイル情報の提供や利用法の研修会を開催し,利用促進や広報に努めてきた。また,館内においてはHRAFを研究に活かしていくだけでなく,標本資料や文献図書資料等所蔵資料の分類にHRAFの分類法の一つであるOWC分類を付与している。紙ファイルからWeb版に媒体変更しつつあるHRAFは会員数を着実に増やしているが,民博でもより研究に活かしてもらう方法を考える時期にきていると考える。
著者
三沢 岳志 砂原 めぐみ 田村 隆生 三橋 敬憲 矢部 悟
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.94-98, 2019-02-01 (Released:2019-02-01)

技術戦略や事業戦略を策定する上で重要であるコア技術について,技術情報を用いて特定する手法を開発した。対象企業の特許情報からFIを技術区分として生存特許シェアと自社引用比率を用いてコア技術領域を絞り込み,テキストマイニングでその候補を抽出した後,非特許情報を使って具体的にコア技術を特定する。最後に論文や雑誌,Webなどの広範な非特許情報を用いてコア技術の検証を行う。コア技術の抽出及び特定の手法としては,技術や特許に詳しくないスタッフでも利用可能と考えられることから有用な方法であると考える。さらに,この手法を使う際に留意すべき点も検討した。
著者
上山 尚子
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.66, no.8, pp.422-426, 2016-08-01 (Released:2016-08-01)

京都服飾文化研究財団(KCI)は,株式会社ワコールの出捐によって1978年に設立された,西欧の服飾及び,服飾に関する文献資料を,体系的に収集・保存・研究・公開する機関であり,同時に日本人デザイナーの活躍の発信も使命としている。現在,主に17世紀から今日までの服飾資料を1万3千点,文献資料を1万6千点所蔵している。KCIの活動内容紹介と共に,KCIにおける様々な形状,時代,コンディション,素材の服飾資料について,それらの保管前の処置と,収蔵庫における保管方法の実例を紹介し,現時点及び将来的な問題点について考察する。
著者
中山 正樹
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.54, no.9, pp.453-460, 2004-09-01 (Released:2017-05-25)
参考文献数
4

国立国会図書館(NDL)が2004年2月に策定した「電子図書館中期計画2004」を紹介し,今後,国のデジタル・アーカイブ・ポータルを有用なものとして活用されるために何をすべきか,個々のデジタル・アーカイブを提供する組織,構築のための技術を提供する組織に何を期待するか等について考察してみたい。なお,意見にわたる部分は,筆者の個人的な見解であることをおことわりする。