著者
宇佐美 眞
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.27-30, 1998-01-01

大学図書館と関わってきた個人利用者としての立場から, 大学図書館がどのような意味で市民に閉鎖的であるか, これまで図書館と関わった経緯をまとめながら, 私見を述べた. また, 学外者に対し, 多くの大学図書館が公開されていると言われながら, 個人利用者にとっては, その実態には不満足なものがある. その理由を分析してみた. そして,その解決に向けての方策を提示した.
著者
石川 敬史
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.8-13, 2018-01-01 (Released:2018-01-01)

公立図書館による移動図書館車の台数はゆるやかに減少傾向にあるが,近年は各地でさまざまな特徴をみることができる。本稿では,自動車という移動手段に焦点を当てた「移動する活動」(「はたらく自動車」の活動)を対象として,公立図書館による移動図書館をはじめ,民間団体等による本に関する活動,さらには移動博物館車,移動天文台車,移動販売車における活動事例を読み進める。これらを踏まえながら,こうした「はたらく自動車」の特質について,①メディアとしての自動車,②想いを運ぶ自動車,③地域の「時計」になる自動車,④境界を越える自動車,という4点の視角から序論的に解読した。
著者
太田 文徳 橋本 武彦 井手 康裕 遠藤 優希 周 興喜 柳井 孝仁 井手 正美 青野 祥博
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.68, no.9, pp.470-476, 2018-09-01 (Released:2018-09-01)

2016年度PLASDOCオンライン研究会では化学系の特許調査における人工知能(AI)の活用に関し,AIに学習させる文章(教師データ)に着目した,特許調査の効率性に関する研究を実施した。具体的には,無効資料調査における化学分野に特徴的な請求項の影響検討,及び先行技術調査における教師データの検討結果について報告する。さらに特許調査以外のAI活用方法として,分類既知の公報を教師データとした,分類未知の公報の仕分けについても合わせて検討結果を報告する。
著者
柴野 京子
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.63, no.8, pp.310-314, 2013-08-01 (Released:2017-04-18)
参考文献数
20

ここ10年ほどの間に,日本の新刊書店数は7割程度まで減少した。とくに著しいのは個人経営の小規模書店の閉店だが,郊外化や都市部への大型出店をすすめてきたチェーン書店や大書店もまた,ブックオフやアマゾンなど,既存の枠組みの外からもたらされた環境の変化に直面している。ここではそれらの状況を概観したうえで,インターネット書店のデザインが現実の書店にもたらした影響や,バーチャルとの対比で新たに発見される「リアル」書店のありようなどについて,代表的な事例を用いながら,実験的に言及していく。
著者
平井 克之 林 貴宏
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.68, no.6, pp.298-302, 2018-06-01 (Released:2018-06-01)

URAのプレアワード業務として,学内の研究者に対する研究資金公募情報のメール配信は,広く実践されている。一方で,研究者自身の研究分野と関係のある公募情報だけを知りたいという声も多い。そこで,公募のテーマに合致する研究者を抽出する推薦システムGaletteを開発した。研究者データとして,KAKENデータベースから取得した研究課題を使用し,自然言語処理により特徴ベクトルを作成した。検索クエリとしての公募文書も同様に特徴ベクトルを作成し,コサイン類似度でランク付けして結果を出力するシステムを実装した。全国の有志のURAの協力により推薦結果を評価したところ,良好な結果を得た。URAにとって,より有用なシステムの開発を目指している。
著者
堀 渡
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.65, no.9, pp.397-403, 2015-09-01

公共図書館で資料請求に応える予約サービスは,各館の蔵書蓄積と円滑な図書館間相互貸借がそれを支えている。現在,全国の県立図書館には県内蔵書を一括検索できる横断検索サイトが整備され,他館の所蔵調査が容易になっている。書庫の有限性からどの館でも除籍を日常化していかざるを得ない。除籍か保存かの判断に,他館蔵書を調べ,地域内の希少資料は互いに残し,提供のためタイトル維持を図る考えがある。県内の希少タイトルを集約し残そうとする幾つかの県立図書館の実践に注目したい。東京都多摩地域には市町村立図書館の中にそれをすすめる提案があり,支援するNPO法人の活動がある。NPO法人が研究してきた共同保存図書館の意義と可能性について。
著者
鈴木 みどり
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.48, no.7, pp.388-395, 1998
参考文献数
15

メディア・リテラシーとは何かについて, 理論と実践の両面から概観する。多様な領域で行われてきたメディア研究を3つの流れに整理して振り返ると, それらの流れの接近と交差が顕著になる1980年代に, メディア・リテラシー研究という独自の研究領域が形成されてきたことがわかる。本稿では, このような理論的位置づけを行う一方で, メディア・リテラシー研究の基本的枠組みについて述べる。さらに, メディア・リテラシーの実践として, 学校教育, 市民講座, メディアによる取り組み, パブリック・アクセス活動, の4側面からその展開を概観する。
著者
長塚 隆
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.46, no.7, pp.404-409, 1996-07-01 (Released:2017-05-25)
参考文献数
2
被引用文献数
2

インターネットなどの通信ネットワークを通じて提供される科学雑誌,電子ジャーナルが急速に増加している。OCLC (Online Computer Library Center)は, 1992年10月に,電子ジャーナルのオンラインサービスであるElectronic Journals Onlineを開始した。Electronic Journals Online はOCLCが開発した専用の通信・検索ソフトGuidonと汎用のWWWブラウザーで、近々予定のものを含め12タイトル(複数の対応印刷物を持つものがあるので印刷物では50タイトル)が利用できる。印刷体のない最初の本格的な電子ジャーナルである臨床医学分野の科学雑誌The Online Journal of Current Clinical Trials (OJCCT)の構成の特徴と,専用の通信・検索ソフトGuidonでの利用方法について説明した。さらに,専用の通信・検索ソフトGuidonと汎用のWWWブラウザーでの検索や文献の表示機能などについて比較したところ,現状では文献の表示機能などGuidonのほうが優れている点が多いといえる。
著者
ウッドワード ヘーゼル ローランド フィトン マックナイト クリフ メドゥズ ジャック プリチェット キャロライン 尾城 孝一 細川 真紀 手塚 敬子 砂押 久雄
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.48, no.5, pp.303-311, 1998-05-01 (Released:2017-05-25)
参考文献数
21
被引用文献数
2

電子ジャーナルに対するエンド・ユーザの反応の調査を目的としたCafe Jusプロジェクトのこれまでの調査結果について考察を加えた。電子ジャーナルへのアクセス, 雑誌の利用方法, ヒューマン・ファクター, 財政的問題, さらには, 電子出版の環境下における, 図書館員, 雑誌取次業者, 出版社のこれからの役割についても論じた。
著者
石川 敬史 渡辺 哲成
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.68, no.6, pp.268-271, 2018-06-01 (Released:2018-06-01)

十文字学園女子大学司書課程と日本事務器株式会社は,2013年より産学連携による教育実践を積み重ねてきた。これらの実践の目的は,学生と企業社員らが図書館システムを通して図書館の可能性をともに創造することであり,両者がとともに学びあうプロセスを重視している。本稿ではこうした実践のうち,①Pepperと図書館システムとの連携づくり(2016年度),②手話・字幕つきOPACガイダンス動画の制作(2017年度)を中心に,「学生傍聴」による図書館システムリプレイス(2017年度)についても報告する。産学連携による学びあいは,多くの学生や企業社員らを巻き込みながら広がっていく。
著者
岩﨑 崇宏 梶原 瑠衣 木下 博貴 竹内 嘉与子 平野 かおる
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.165-168, 2018-04-01 (Released:2018-04-01)

九州大学附属図書館では,2018年10月にグランドオープン予定の新中央図書館に対する利用者の期待感創出等を目的として,2017年6月から附属図書館公式Instagramアカウントの運用を開始した。運用開始にあたっては,運用ガイドラインを定めると同時に,動作検証を重ねて投稿要領を作成した。情報の拡散のため,Instagramへの投稿内容は,附属図書館公式Twitter・Facebookアカウントとも連携させている。投稿前には,図書館広報室内で内容を精査し,適切かつ効果的な広報となるよう調整している。新中央図書館の建物等だけではなく,図書館移転全般に関わる内容をコンスタントに投稿することにより,2018年1月時点で約240人のフォロワーを獲得している。
著者
小川 晋平
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.61, no.10, pp.416-420, 2011-10-01

電子ジャーナル時代におけるILLについて,大阪大学附属図書館生命科学図書館のこれまでのILL受付件数の推移から今後の課題を述べる。最初にこの20余年間の受付件数の増減の経緯と特長を示す。さらには,今後の電子ジャーナル購読規模縮減があった後,冊子体のない図書館でのILLによる効率的な文献情報提供には,電子媒体での新たな文献情報提供システムと文献情報と文献所在情報が統合的に検索可能なシステムの開発と運用が必要なことを述べる。
著者
神崎 正英
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.67, no.12, pp.622-627, 2017-12-01 (Released:2017-12-01)

リンクするデータ(Linked Data)は,リソースの識別に用いられるURIをリンクとしても機能させ,データの連鎖を生むことで「データのウェブ」を構成しようという考えである。URI設計に作法が求められることもあるが,重要な点はアクセスしたらデータが取得できるようにするところにある。これを優先することで,語彙についてはデータ取得後に確認できるというRDFの利点を生かし,より柔軟なデータ提供と再利用が可能になる。JSON-LDのような緩やかな記述は,特定アプリケーション用のデータを無理なく外部からも利用できるようにし,分野を超えた新たな応用の可能性を開く。
著者
浜田 雅美
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.63, no.5, pp.193-200, 2013-05-01
参考文献数
10

医学中央雑誌刊行会は,国内の医学および関連領域の文献データベースを医中誌Webにて提供している。データ内容は,(1)書誌事項,(2)抄録,(3)索引データに大別される。索引データを付与することで,特定の主題について記述された文献が,効率的に検索される。索引作成は,専門のインデクサーが1つ1つの文献に目を通し,主題となる概念を抽出し,それを適切な索引語に置き換えて付与することにより行われる。索引やシソーラスを理解することはそれほど容易でないことから,医中誌Webではシソーラスを意識しなくとも,それが検索に活かされるような機能の充実も図ってきた。しかし,索引データの意味を知って頂くことで,検索の多様性は広がるものと考える。この索引データについて「医学用語シソーラス」を中心に,米国国立医学図書館が発行するシソーラス「Medical Subject Headings」(MeSH)との比較に焦点をあてて述べる。