著者
岩本 圭介
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.67, no.7, pp.350-354, 2017-07-01 (Released:2017-07-01)

近年発展の目覚ましい人工知能は,様々な要素技術の集合体から構成されている。人間が知能を用いて行う活用をコンピュータに実現させるという課題において,機械学習の技術は中核をなす要素である。当社(株)NTTデータ数理システムは,適用分野と問題設定に応じた機械学習のツール群を開発・販売し,またそれらのツールを用いたコンサルティング等のサービスを通じて顧客の問題解決にあたっている。本稿では,こういった当社の取組みを紹介するとともに要素技術の概観を行い,機械学習技術の特許情報・技術文書に対しての適用例について述べる。
著者
中村 哲 佐々木 裕 菊井 玄一郎 清水 徹
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.55, no.8, pp.345-350, 2005-08-01 (Released:2017-05-25)

音声翻訳は, 日本語を喋ると英語やその他の外国語に翻訳して喋ってくれる, あるいは外国語を喋ると日本語に翻訳して喋ってくれるという技術である。音声翻訳を実際の生活のあらゆる場面で使えるものにするためにはまだ多くの課題が山積している。個別の技術で言えば, 音声認識, 翻訳, 音声合成といった要素技術を, 話し言葉を対象にいかにしてロバストで高精度にするか, そして, それらをいかに効果的に統合するかという音声翻訳特有の課題の解決が不可欠である。そこで, 本稿では, ATRが現在研究開発を進めている旅行会話を対象とした音声翻訳システムの解説を中心に, 音声翻訳研究の現状を紹介する。
著者
千 錫烈
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.60, no.10, pp.420-427, 2010-10-01 (Released:2017-04-25)
参考文献数
26

本稿では問題利用者への対処法を示すことを目的とする。最初に図書館における問題利用者の定義や問題行動の種類について概観し,問題利用者の範囲は広く,状況によっては問題行動かどうかの判断が困難なことを指摘する。次に日本における問題利用者の実態調査のレビューを行い,現実問題として問題利用者の被害が深刻であり,図書館員の精神的負担となっていることを示す。最後に,問題利用者の対処法として,最も遭遇頻度が高いであろう「怒った利用者」に焦点を当て,傾聴法に代表されるコミュニケーション・スキルを用いた方法や,意見が対立した際の「優位」と「回避」を用いた対処法を紹介する。
著者
佐藤 義則
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.59, no.11, pp.526-531, 2009-11-01 (Released:2017-04-25)
参考文献数
45

GIS(Geographic Information System)は,地図インターフェイス上でのさまざまな情報の視覚化にとどまらず,分析と意思決定を支援するツールとして大きな発展を遂げた。近年では,時間軸を導入した歴史GIS(Historical GIS)の活用も進んでいる。本稿では,図書館や情報センターにおけるGISの活用,特に,古地図等の資料のデジタル化や時間空間データベースの活用および関連するツールの整備について,現状を整理することを目的とする。また,今後の整備においては,図書館・情報センターという枠組みを超えた幅広い協力が必要であることを示す。
著者
蔵川 圭
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.61, no.11, pp.447-452, 2011-11-01 (Released:2017-04-20)
参考文献数
46

様々な学術情報がWeb上に展開されるようになって以来,著者に対する典拠の重要性は,昨今増しているように思われる。少なくとも著者や機関の識別子が重要視され,様々なデータベースを背景としたそれら識別子がWeb上に展開されるようになってきている。本稿では,こういった著者のデータベースと識別子に焦点を当て,どのようなデータベースと識別子がWeb上に公開されているのかを整理して概観する。まず,著者データベースの類型について述べる。そして,それらのデータベースからWeb上に著者識別子が公開され,Web上の著者識別子のリンケージをとり,コミュニティ形成によってリンケージ精度を向上していく展開となることを述べる。さらに,様々な人名検索サービスを眺めながら,著者データベースの位置づけを明確化する。最後に学術情報基盤としての重要性を指摘する。

1 0 0 0 OA 編集後記

出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.67, no.6, pp.338-338, 2017-06-01 (Released:2017-06-01)

1 0 0 0 OA 協会だより

出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.67, no.6, pp.335-337, 2017-06-01 (Released:2017-06-01)

1 0 0 0 OA 行事予定表

出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.67, no.6, pp.334-334, 2017-06-01 (Released:2017-06-01)
著者
水谷 長志
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.67, no.6, pp.309-314, 2017-06-01 (Released:2017-06-01)

東京国立近代美術館は国立新美術館,東京文化財研究所ほかと2014-2016年にわたりJALプロジェクト「海外日本美術資料専門家(司書)の招へい・研修・交流事業」を行い,プロジェクト最終日には,「日本美術の資料に関わる情報発信力の向上のための提言」をテーマとするワークショップを開催した。結果,海外からの日本への要望を踏まえ,日本からの情報発信をより高める方策について,一層の努力と議論の必要を確認した。2016年のWSを踏まえてのアンサー・シンポジウム(2017年2月3日開催)が貴重なステップとして機能し,「日本美術の資料に関わる情報発信力の向上のための課題解決についての提案」を策定して,3年間のJALプロジェクトは収束した。
著者
栗田 淳子
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.67, no.6, pp.305-308, 2017-06-01 (Released:2017-06-01)

海外での日本研究を支援する日本の機関はいくつか存在するが,政府関係の機関のひとつとして独立行政法人国際交流基金があげられる。本稿では国際交流基金が実施する日本研究支援事業の概要を紹介し,機関に付設している図書館の活動ならびに研究者と日本情報の仲介者として日本の情報提供・情報アクセスへの課題について考察する。
著者
相原 雪乃
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.67, no.6, pp.301-304, 2017-06-01 (Released:2017-06-01)

GIF(グローバルILL/DDフレームワーク)プロジェクトについて,日米,日韓間の現在の運用状況をGIFプロジェクトチームの活動内容や統計グラフと共に報告する。日米間では日本からの依頼件数が,日韓間では韓国からの依頼件数が受付件数を上回っている。さらにISOプロトコルの更新を機に見直しが図られた本プロジェクトについて,関係組織における検討の経緯と示された今後の方向性について報告する。
著者
神谷 信武
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.67, no.6, pp.290-295, 2017-06-01 (Released:2017-06-01)

チューリッヒ大学アジア・オリエント研究所図書館(以下AOI図書館)は,スイス国内で最も日本関連リソースを収集・所蔵している図書館と言える。AOI図書館は大学図書館に属するため,学内の日本研究者のサポートをすることは当然であるが,日本学を学ぶ学生への支援も重要な目的として考えている。この論文では,上述の研究・教育の支援へのAOI図書館の具体的な取り組みを,リソース収集,検索システムの質の向上,情報リテラシーという3つの観点から詳述する。
著者
中村 美里
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.67, no.6, pp.283-283, 2017-06-01 (Released:2017-06-01)

日々図書館サービスに携わっていると,時々思いもかけず遠く海外から所蔵資料についての問い合わせが届くことがあり,一瞬驚かされることがあります。あるいは,目録も公開されていない特殊文庫資料についての照会が外国の図書館から届き,その探索に四苦八苦するということもありました。そして,そのようなことがあると,海外では日本に関する様々な研究が行われていて,多種多様な資料が求められているのだなと,当たり前のことを痛感させられます。(日本の研究者や学生が,いろいろな国で刊行された資料を求めて図書館に相談に来ることを考えると,それは当たり前のことではありますが。)一方で,海外で日本研究を志す研究者は減少傾向にある,日本と比べ中国や韓国の資料(電子コンテンツ)は入手しやすい(=日本資料は入手しづらい)といった話を聞くことも最近は多くなりました。ただ,そういった危機感を感じつつも,問題が大きなものであるだけに具体的な対応策や改善方法については茫洋としていると感じている人も多いのではないでしょうか。そこで,海外における日本研究の最新動向を中心として,海外の日本研究あるいは日本研究支援に様々な立場で携わっている方の“いま”を捉えることにより,日本研究に従事する人への支援の在り方を考えられる特集を企画しました。総論には,『本棚の中のニッポン』の著者でもある国際日本文化研究センターの江上敏哲氏に,海外における日本研究の現状等について的確にまとめていただきました。それに続き,チューリッヒ大学の神谷信武氏にはチューリッヒ大学アジア・オリエント研究所図書館における日本研究支援の実際について,(株)ネットアドバンスの田中政司氏には,「ジャパンナレッジ」の海外販売戦略を中心とした日本資料の海外受容について,北海道大学附属図書館の相原雪乃氏には,グローバルなILL/DDサービスを実現するためのGIF(Global ILL Framework)プロジェクトについて,国際交流基金ライブラリーの栗田淳子氏には,海外の日本研究支援等を事業の中心とする国際交流基金の取り組み及びライブラリーでの研究支援について,東京国立近代美術館の水谷長志氏には,海外日本美術資料専門家(司書)の招へい事業であるJAL プロジェクトについて,それぞれ執筆いただきました。今回の特集で,海外における日本研究の現状をお伝えでき,そして日本研究支援において自分にできることは何か?ということを考えるきっかけになりましたら,委員一同大変嬉しく思います。(会誌編集担当委員:中村美里(主査),長屋俊,久松薫子,水野翔彦)