著者
加藤 克知
雑誌
長崎大学医療技術短期大学部紀要 = Bulletin of the School of Allied Medical Sciences, Nagasaki University (ISSN:09160841)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.111-117, 1988-03-31

現代日本人上腕骨,橈骨,大腿骨および脛骨の最大長と骨幹中央周を用いた判別分析による性別判定法について検討し,さらにその縄文時代人骨への適用の可能性について調べ以下の結果を得た.1)中間点法による単項目ごとの的中率は橈骨最大長と上腕骨骨幹中央周で84.7%,86.7%と高率である.2)全8項目からの判別式では87.8%の的中率が得られた.また,骨幹中央周に関する分析では上肢骨(上腕骨と橈骨)からの判別式の的中率は88.8%で高く,一方下肢骨(大腿骨と脛骨)からのそれは73.5%とやや低い.3)現代人骨の骨幹中央周から得られた判別式に縄文時代人骨を適用してみると,的中率は一般に現代人の場合より10%程度低下したが,これは縄文時代人骨と現代人骨の計測値の差による境界値のずれに起因すると考えられる.
著者
石野 友子 北川 知佳 田中 貴子 中ノ瀬 八重 與座 嘉康 田所 杏平 三川 浩太郎 千住 秀明
雑誌
長崎大学医学部保健学科紀要 = Bulletin of Nagasaki University School of Health Sciences (ISSN:09160841)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.1-5, 2003-06

本研究の目的は,慢性呼吸器疾患患者に対するADL指導の有用性を検討することである.対象は慢性呼吸器疾患患者(12名)と高齢者(9名)で,洗濯物を干す動作を上肢挙上位と非挙上位にて行い,異なる作業方法が呼吸循環応答と自覚症へ与える影響を呼気ガス分析,Borg scaleを用いて検討した.結果,呼吸器疾患患者では分時換気量,体重あたりの酸素摂取量,Dyspnea index,上肢の疲労感において上肢挙上位が有意に高かった.一方高齢者では動作間の有意差は認められなかった.このことから呼吸器疾患の特異性が示唆され,ADL指導での工夫は有用であった.
著者
田代 隆良 浦田 秀子 岩永 喜久子 辻 慶子 半澤 節子 鷹居 樹八子 宮原 春美 宮下 弘子 石原 和子
出版者
長崎大学
雑誌
長崎大学医学部保健学科紀要 (ISSN:09160841)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.51-55, 2003-06
被引用文献数
1

長崎大学医療技術短期大学部看護学科では,B型肝炎防止対策として平成2年度からHBs抗原・抗体の測定を実施し,平成10年度からはHBs抗原・抗体陰性者に対するB型肝炎ワクチン接種を行っている.平成2年度から13年度までの入学生932名のHBs抗原陽性率は0.54%,HBs抗体陽性率は1.82%であった.B型肝炎ワクチン接種は315名に行い,3回のワクチン接種による抗体獲得率は97.8%であった.抗体を獲得しなかった6名に追加接種を行い,4名がHBs抗体陽性となったが,抗体価は低かった.また,ワクチン接種後の経過を追跡した76名では,3年次に8名(10.5%)がHBs抗体陰性となった.Antigen and antibody tests for hepatitis B (HB) have been conducted from 1990 to 2001, and HB vaccination has been performed from 1998 to 2001 to the student nurses in School of Allied Medical Sciences, Nagasaki University. The overall positive rates of HBs antigen and HBs antibody were 0.54% and 1.82%, respectively, in 932 students. The seroconversion rates in 315 students who received 3 shots of HB vaccine, was 97.8%. Additional vaccine inoculation to nonresponders showed seroconversion in four of six, but HBs antibody titers were low. HBs antibody returned to negative in 8 (10.5%) of 76 at 3rd grade who acquired HBs antibody by vaccination at 1st grade.
著者
加藤 克知 イルダ ビダル 篠田 謙一 真鍋 義孝 北川 賀一 小山田 常一 六反田 篤
出版者
長崎大学
雑誌
長崎大学医学部保健学科紀要 (ISSN:09160841)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.13-17, 2002-12

頭蓋骨折と思われる傷痕を有するインカ時代ペルー先住民のTrepanation(頭蓋穿孔)施術頭蓋3例を観察し,骨折痕と頭蓋穿孔の関連について考察した.頭蓋穿孔痕は,一例は骨折受傷部と異なる部位に,残り2例は骨折受傷部に一致して存在した.これらの観察から得られた所見は,頭蓋穿孔が何らかの治療的意図を持って骨折痕に対してとられた処置であることを示唆する.すなわち,特にインカ時代は戦闘行為による頭蓋骨折発生頻度の高い時期であり,当時人々は頭蓋穿孔が骨折受傷後の状態や予後の改善に有効であることを経験的に認識していたと考えられる.Three trepanned skulls with fracture traces in ancient Peru (Inca period) were presented, and whether the trepanations were intended to the fracture lesions or the following symptom was briefly discussed. The skull fractures, probably resulting from violence, was located in the frontal or parietal regions. In one case, the trepanations were performed in different regions from the fracture lesions, and in other two cases the operations were probably done at the correspondent regions to the lesions. The observation on these skulls suggests the possibility of trepanations as an intended therapeutic procedure of the skull fractures in Inca period of Peru, where people might frequently experienced the traumatic injuries by violence such as the fight.
著者
前田 恵子 河本 令子
雑誌
長崎大学医療技術短期大学部紀要 (ISSN:09160841)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.89-98, 1989-03-31

長崎市内のY小学校の子どもの実態調査を行った.この調査結果からも,子どものからだのおかしさは「朝からあくび」,「登校時のフリッカー値の低下」に代表される「大脳系の問題」と「からだの防御反応」に関する反射系の問題, 「いすにすわっているとき,背もたれによりかかったり,ほおづえをついたりする」ということに代表される「背筋力,すなわち体幹の筋肉系の低下」の問題が中心であるようにおもわれる.The purpose of the present investigations was to examine the problems occurring in the body of child of the Y elementary school in Nagasaki City. The present investigations showed that many male and female children are yawnning from the mornig and their flicker values also decrease at the time when they go to school. Therefore, these results may show the decrease in awakening of cerebral cortex system. Furthermore, from the present results it seems that the decline of reflex system, which contributes to the defensive reation of the body of child, occurs in mamy male and female children. In addition, the present results showed that many male and female children are resting on the back of chair and supporting the cheek with the hands, when sitting on the chair. It seems likely that these results are due to the decline of back strength.
著者
園田 健二
出版者
長崎大学
雑誌
長崎大学医療技術短期大学部紀要 (ISSN:09160841)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.7-14, 2001-03

begin(start)to-Vとbegin(start)V-ingの意味の相違について,最初はDeclerck(1991)が示した双方の間の相違について批判し,その後,potentialityとperformance,a point in time とduration in timeなどの観点から双方の相違を検討した.このpoint of timeとduration in timeはbegin(start)to-Vとbegin(start)V-ingの意味の根本的な相違を示すもので,point in timeを示すbegin(start)to-Vはsuddenly,all at onceのような語と共起し,duration in timeを示すbegin(start)V-ingはalways,often,usually,regularlyなどと共起している.Regarding the difference between begin (start)+infinitive and begin (start)+gerund, there are some who simply dismiss it by saying that there is not much difference between the two. There are, however, cases in which there certainly exist some differences in meaning between the two. This article explores, first, the validity of Declerck's differentiation between the two, and then discusses some major differences that exist between the two: the differences in terms of potentiality and performance, and in terms of a point in time and duration in time, All in all, I am sure that I was able to make a number of important new discoveries in this study that had not been made by the grammars in the U. S. and the U. K.
著者
横山 茂樹 千住 秀明 管原 正志 田井村 明博
雑誌
長崎大学医学部保健学科紀要 = Bulletin of Nagasaki University School of Health Sciences (ISSN:09160841)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.63-68, 2002-12

この研究の目的は,運動中において腹式呼吸による呼吸コントロールの有効性を明らかにすることである.対象は12名の健常男性とし,運動負荷は自転車エルゴメーターを用いて,Ramp負荷法によって最大酸素摂取量(maximum oxygen intake:Vo2max)の80%(80%Vo2max)まで施行した.実験条件は呼吸コントロールを行わない場合と,運動開始時から腹式呼吸を用いて呼吸コントロールを行った場合の2条件とした.呼吸代謝測定は呼気ガス分析器を用いて分時換気量(minute ventilation:VE)や体重あたりの酸素摂取量(oxygen intake/body weight:Vo2/BW),一回換気量(tidal volume:TV),呼吸数(respiratory rate:RR),心拍数(heart rate:HR)などの換気パラメータを測定した.その結果,運動中における腹式呼吸の効果としてVE減少やTV増加,RR減少が確認できた.また80%Vo2maxの運動負荷中において,運動初期にVEをはじめRR,HRの項目にCentral command説によると考えられる一時的な変化がみられた.運動時間70%以降の運動後半において,腹式呼吸によってVo2/BW増加とVE/Vo2減少という影響が出現していた.またV-slope法による無酸素性作業閾値(anaerobic threshold:AT)ポイントも,腹式呼吸により有意に高値を示しており,有酸素系エネルギーの供給が高められると考えらえた.
著者
田川 泰 浦田 秀子 井口 茂 中野 裕之 石橋 経久 楠本 真理子 片田 美咲 Saunders Todd 山口 美和子 松本 愛 山根 幸子
雑誌
長崎大学医学部保健学科紀要 = Bulletin of Nagasaki University School of Health Sciences (ISSN:09160841)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.89-94, 2002-06

音楽の種類による心理的,身体的影響の差異はいまだ明らかではない.そこで,整形外科領域で同様の体動制限を受けている症例を対象に,クラシック音楽群4症例とロック音楽群5症例による受動的音楽療法下における心理的ストレス反応と細胞性免疫能を検討した. クラシック群はほとんどの症例において快感を感じ,空想,回想のため思考低下を認めたが,睡眠傾向はほとんど認められなかった.免疫能の指標であるCD4/CD8は音楽療法開始時より終了時に低値を示した.一方,ロック群は快感と不快感を感じる個人差を呈したが,空想,回想は認められなかった.5症例中3症例に睡眠傾向を認めた.CD4/CD8は個人差を認めたが,快感を感じた症例は終了時に低値を認めた. 上記のように,音楽の種類により,心理的,免疫学的差異があり,これらの特徴を理解して音楽療法を評価・活用すべきである.
著者
半澤 節子 石原 和子 永田 耕司 黒岩 かをる
出版者
長崎大学
雑誌
長崎大学医学部保健学科紀要 (ISSN:09160841)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.75-80, 2002-06
被引用文献数
1

従来,模擬患者(Simulated Patient=SP,以下SPと略す)を導入した演習は,医学生による医療面接や看護学生による看護場面など個別に試みられてきている.今回本学では,SPを導入した看護学生と医学生による合同演習を初めて試みた.SPの面接場面には,父親の癌について母親から情報を受けた長女が,医療スタッフに父親の病状を確認する場面を設定した. 演習終了後アンケート結果の自由記載欄の記述から,看護学生は長女の気持ちを汲み取り,理解のある態度で接することが大切であると記載したものが多かった.一方,医学生はその場面を観察し,家族の気持ちを理解しながらも,データに基づいて現時点での治療方法について科学的に説明する必要があると記載したものが多かった.
著者
Yoshito Hamada Yasuyuki Ohta
出版者
長崎大学
雑誌
長崎大学医療技術短期大学部紀要 (ISSN:09160841)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.1-8, 1996-03
被引用文献数
1

DSM-ⅢRの基準で診断された分裂病者100例に対し,1988年4月~1992年4月の期間に行われた継続的治療を臨床的に評価した.1988年4月から始まった観察期間4年間を外来のみで経過したのは53例(A群),入院を必要としたのは47例(B群)であった.B群はA群より教育水準は有意に高いが,就業率は低く,生活保護費受給率も高かった.この特徴は男性に顕著に現れていた.B群の精神症状や社会適応度もA群より悪かった.1988年4月以前は100例の約80%が入院歴を有していたが,観察期間内の入院率は47%に低下した.B群の入院理由を検討すると,家族の治療的意欲が大きい入院希望や患者自身の短期入院など,精神科施設の積極的な利用が目立った.交通の便が悪い離島においては,精神科医・精神科作業療法士・保健婦の三者による訪問リハビリテーションの実施が臨床的に有効であることについても言及した.We clinically evaluated continuous treatment of 100 patients diagnosed as having schizophrenia according to DSM-III-R for four years from April 1988 to April 1992. During the four-year investigation period, 53 of the patients (Group A) received treatment by visiting as outpatients, while the remaining 47 patients (Group B), required hospitalization. In Group B compared to Group A, the level of education was significantly higher, but the employment rate was lower and the rate of receiving social welfare benefits was higher. These differences were stronger for male patients. Psychiatric symptoms and social adjustment were poorer in' the patients of Group B than those of Group A. Prior to April 1988, 80% of the 100 patients had had the experience of hospitalization, but in the investigation period the rate of hospitalization decreased to 47%. Examining reasons for hospitalization in Group B, positive attitudes towards for the use of psychiatric institutions, such as hospitalization, together with family members' strong hopes for successful treatment and patients' own desire for short-term hospitalization, were seen. We also discuss the clinical advantages of on-visit rehabilitation by a group of a psychiatrist, a occupational therapist and a community nurse on offshore islands where the public transportation system is not very adequate.
著者
宮原 春美 相川 勝代
出版者
長崎大学
雑誌
長崎大学医療技術短期大学部紀要 (ISSN:09160841)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.61-64, 2001-03
被引用文献数
3

知的障害養護学校であるK高等養護学校の保護者を対象に,知的障害児・者の家族のセクシュアリティに関する質問紙調査を実施し,セクシュアリティ確立のための課題について検討した.知的障害児の性的発達,性教育についての考え方では,約8割の人が「普通に発達する」「性教育は必要である」と回答しており,保護者は知的障害をもった子どもの性的発達を認め,性教育の必要性も認めていた.しかし,結婚や出産,性行動についての対応,意識には戸惑いがみられ,現実的な性に関する心配事もあげられていた.従って,知的障害児・者の家族に対する認知領域,感情領域,行動領域における支援の必要性が示唆された.
著者
古川 恵利 草野 可代子 宮下 弘子 西山 久美子
出版者
長崎大学
雑誌
長崎大学医学部保健学科紀要 (ISSN:09160841)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.77-81, 2003-12

医療依存度の高い患者とその妻が在宅で療養生活を送る事を強く希望した.患者の状態は不安定であり在宅で療養する事は困難であるように思われた.しかし,患者と妻の思いを尊重し,介護者である妻の介護負担の軽減を考慮しながら,在宅で療養できるよう支援した.その結果,患者は在宅療養に至る事ができた.この事例への関わりの中で,自分自身も高齢であり弱視というハンディキャップを抱えながらも夫を連れて帰りたいという一心で努力する妻の姿から,在宅療養に至るには家族の存在がとても重要である事を学んだ.また,私たち医療従事者は患者だけでなくその家族を支える援助を行う必要性がある事を学ぶ事ができた.
著者
Akiyama Tomitaro Goto Yoshiko Tsurusaki Toshiya Ogi Shohei Kusano Mineko Miyaichi Kazuko
雑誌
長崎大学医療技術短期大学部紀要 (ISSN:09160841)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.1-9, 1994-03-31

発達指数では,修正年齢6ヶ月のPDIおよび12ヶ月のMDIにおいて,危険率5%でSFD児がAFD児より低値を示したが,36ヶ月の時点では有意差がなかった. 6ヶ月時の家庭環境値(Caldwell)と発達指数との間に,有意な相関を認めた. 新生児行動評価の個々のクラスター値のみからは発達障害児の予後診断は困難であるが数回の評価を通して,低クラスター値の持続期間とそれらの重複度数とから可能となる.したがって,high risk児に対してはNBASを介入手段として早期評価を実施し,必要に応じて早期療育下に発達経過を観察することが肝要である.In the development of SFD infants, the indices at 6 months and 12 months were significantly lower (P<0.05) compared to AFD infants, whereas the indices at 36 months didn't show significant differences. The environment scores at 6 months by Caldwell (Home) significantly affected the development indices. Prospective diagnosis of high risk infants is difficult when it is based only on the scores of individual clusters for the neonatal behavioral assessment. However, such a prospective diagnosis in the neonatal period is available to some extent when the duration of low cluster scores and the frequency of overlapped lowscores are taken into consideration. It seems essential to perform assessment of high risk infants using the NBAS as a means of early intervention and to observe the process of development under early treatment and care. We would like to carry out further studies with more cases.
著者
Inadomi Hiroyuki Tanaka Goro Sugasaki Hiroyuki Ohta Yasuyuki
雑誌
長崎大学医療技術短期大学部紀要 (ISSN:09160841)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.19-24, 1999-03-02

精神分裂病患者の行動特性を分析して,精神科デイ・ケア(DC)における精神分裂病患者への関わり方を検討した.対象はDCに通所中の精神分裂病患者15名で,DC通所期間が2年未満の短期通所群と2年以上の長期通所群に区分して検討した.行動特性の指標は,座席占有度と作業療法士(OTR)からの距離を用いた.そして,社会生活能力は精神障害者社会生活評価尺度を用い評価した.その結果,DC長期通所群は短期通所群に比べ,ナワバリは広いが生活能力は劣り,OTRへの対人的な親和性も弱いことが示唆された.このことから,DCの活動は対人関係技能の訓練に焦点をおくだけでなく,治療構造,及び治療契約の定期的な見直しも必要であると考えられた.We examined how to deal with schizophrenic patients in a psychiatric day care program (DO) by analyzing some features of their behavior. The subjects of the study were 15 schizophrenic patients who were attending the DC, and we divided the subjects into two groups: patients who had been attending the DC for less than two years (a short-term attending group) and those attending for more than two years (a long-term attending group). As indexes of behavioral features, we used seat occupation assessment and distance from occupational therapists. Social life ability was evaluated according to the Life Assessment Scale for the Mentally III. The results were that the patients in the long-term attending group had larger territoriality, but lower social life ability and weaker affinity to the occupational therapist compared to those in the shortterm attending group. These findings suggested that in DC activities we should not only focus on interpersonal skills training, but also review the treatment structure and treatment contract regularly.
著者
金城 正治
雑誌
長崎大学医療技術短期大学部紀要 (ISSN:09160841)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.173-178, 1989-03-31

大学生を対象に生活行為の関心と活動調べを行った.生活行為を日常生活行為・娯楽休息行為・自由活動行為・社会経済行為に分類し,そして関心・現在の活動行為・以前の活動行為の縦断的な視点から検討したところ,1) 日常生活行為は男性群にやらない傾向はあるが,比較的に男女共関心をもって以前からやられている.娯楽休息行為は社会人的遊びが増え高等学校までとは違った変化が見られる.自由活動行為は高等学校までは色々とやっており,娯楽休息行為よりも多いが,大学生活では逆に少なくなっている.2) 現在の生活行為は大学生としての学問を除けば日常生活行為と娯楽休息行為志向主体の生活である.その中でいくつかの自由活動行為をやっているが,人又は種目により偏りがあり,やってない対象者もいた. つまり自由度の増えた生活行為が量や質的変化と共に日常生活行為と娯楽休息行為に流れやすく,対象者によっては自由活動行為への気づきや選択が十分でない事が分かった.
著者
坂梨 薫 渡部 節子
出版者
長崎大学
雑誌
長崎大学医療技術短期大学部紀要 (ISSN:09160841)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.91-98, 1998
被引用文献数
4

実習指導のより効果的なあり方を検討する目的で,ECTB(Effective Clinical Teaching Behaviors)を用いて,看護婦の実習指導に対する自己評価の調査を実施した.今回は看護婦の経験年数による違いを中心に分析し,以下のことが明らかになった. 1)経験年数1~3年目の看護婦と4~5年目・6年目以上を比較すると,全項目の平均点で有意差がみられた.さらに,各項目の平均点をみると経験年数4~5年目では,43項目中30項目,6年目以上では43項目中38項目有意に低かった. 経験年数4~5年目の看護婦と6年目以上の間に有意差がみられたのは43項目中3項目であった.実習指導評価に関しては経験年数1~3年目と4年目以上の間に隔たりがみられた. 2)平均点の高かった項目は,経験年数に関係なく「良くやった時は誉め認めようとしていた」,「緊張している時にはリラックスさせるようにした」など学生との関係性や指導態度を示す内容であった. 経験年数別にみると,1~3年目の看護婦に学生との関係性や指導態度を示す内容が多く,4年目以上の看護婦では学生との関係性や指導態度のみではなく実践指導や指導方法に関する項目がみられた. 3)平均点の低かった項目は,経験年数に関係なく「実習グループの中で刺激しあって向上できるように援助していた」,「学生同士で意見交換ができるように働きかけていた」など,学生のグループダイナミクスを喚起し,意欲を向上させるような内容を示す項目と「看護者としての良いモデルになっていた」であった. 経験年数別にみると,1~3年目の看護婦は学生の意欲向上に関する項目が低い評価であり,4年目以上の看護婦は「看護婦間の指導方法は統一していた」という指導方法に関する項目が,6年目以上では看護実践に関する項目がみられた.Using ECTB (Effective Clinical Teaching Behaviors), a survey of nurses' self-assessments of their clinical teaching was carried out to consider how to make clinical teaching more effective. An analysis of differences according to their years of experience has shown the following results: 1)Comparing the nurses having 1 to 3 years experience with those having 4 to 5 years experience and having more than 6 years experience, a significant difference was found in the average score of all the items. Examining each average score of every item, the nurses having 4 to 5 years experience had significantly low average scores in 30 out of 43 items and those having more than 6 years experience had significantly low average scores in 38 out of 43 items. Significant differences were seen in 3 out of 43 items between the nurses with 4 to 5 years experience and those with more than 6 years experience. In almost all items of the self-assessments of their clinical teaching, there were wide differences between the nurses with 1 to 3 years experience and those with more than 4 yeare experience. 2)Regardless of their years of experience, the average scores were high in the items concerning the relationship to their students or their teaching attitude such as "tells students when she/he has done well", or "keeps self available when students are in stressful srtuations" Examining the average scores according to their years of experience, the nurses with 1to 3 years experience had the high average scores in many items concerning the relationship to their students or their teaching attitude. The high average scores of the nurses having more than 4 years experience were found in the items concerning not only the relationship to their students or their teaching attitude but also practical instruction and the teaching method. 3)Regardless of their years of experience, the low average scores were found in the items concerning stimulation to the group dynamics of students to raise students' motivation such as "Interacts well with students in a group situation", or "Permits freedom of discussion", and the item "is a good role model for students". Considering according to their years of experience, the nurses with 1 to 3 years experience had low opinions of themselves in the items concerning stimulation to students' motivations. The nurses with more than 4 years experience judged themselves low in the item concerning the teaching method, "is organized with clinical instruction". It was in the items concerning nursing practice that the nurses having more than 6 years experience had low opinions of themselves.
著者
沖田 実 中野 裕之 田原 弘幸 井口 茂 宮原 勝彦 吉田 佳弘 片岡 拓巳 田口 厚
雑誌
長崎大学医療技術短期大学部紀要 (ISSN:09160841)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.9-15, 1993-03-31

異常歩行をきたす症例は,下肢,体幹の可動域制限,筋力の低下,疼痛,痙性などが原因である.その中で,距腿関節や足根中足関節など,足部の可動域制限によるものを多く経験してきた.そこで,足部の可動域制限が歩行に及ぼす影響を床反力,動作解析より検討し,理学療法のあり方について考察を加えた.その結果,heel strike後に荷重に対する調節が行われ,推進力は低下した.歩容においては,膝関節の角度変化に3種類の代償方法が考えられた.したがって,可動域制限を最小にとどめるとともに他の関節周囲筋の筋力強化,早朝からのアーチ機能の維持・向上,靴に対する配慮,工夫が必要と思われた.Abnormal gait is the result of limited range of motion in the lower limbs and trunk, muscle weakness, pain, and spasticity. We often experienced patients who presented with abnormal gait because of limited range of motion in the foot. Thus we investigated the effect of limited range of motion in the foot on gait using force plate and motion analysis, and we considered the status of physical therapy for limited range of motion in the foot. 1) The weight bearing was controled after heel strike 2) The acceleration force decreased. 3) The knee angle variation could be categorized into three patterns. We considered it important, therefore, to minimize limitations on range of movement, to strengthen knee, hip and trunk muscles, to maintain arch function from the early stage, and to consider and improvize the structure of shoes.
著者
山崎 真紀子 野間田 真紀子 片山 清美 中尾 優子
出版者
長崎大学
雑誌
長崎大学医学部保健学科紀要 (ISSN:09160841)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.83-86, 2003-12

ネットワークグループ長崎Cキューブの7年間の地域母子保健活動を振り返った.主な活動内容は,母子保健・助産に携わる人たちへ向けた勉強会・セミナーや地域の母子およびその周囲の人々へ向けた各種クラス等(両親学級、育児学級等)のイベントの開催,月2回の定例会とイベント前の臨時例会,会員へ年に4回のミニレター発行などであった.開催した各種イベントは参加者や主催者ともに満足度や評価が高かった.今後の課題として①女性のライフステージ全般へのアプローチとサポートという視点で振り返ると,幼児期,思春期,更年期などは取り上げていないので今後活動に入れていく必要がある,②専門職としての活動の活性化は図れているが,地域に根ざしたネットワーク活動を行っていくには,お母さんグループ等の地域で活動しているネットワークグループと交流をもち地域のニーズを把握していく必要がある,③イベント後にとっているアンケート内容の検討を行い,評価方法を再考する,④マンパワーの確保と強化があがった.
著者
Ogi Shohei Akiyama Tomitaro Fukuda Masafumi Goto Yoshiko Kusano Mineko
雑誌
長崎大学医療技術短期大学部紀要 (ISSN:09160841)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.11-20, 1994-03-31

我々はこれまでブラゼルトン新生児行動評価法(NBAS)を未熟児やリスクを有する成熟児の早期発達評価と介入手段として応用してきた。今回は未熟児を対象にNBASの評価結果から発達障害を予測された児の新生児行動上の特性を4つの行動系に分けて整理し,我々の実施している早期療育プログラムについて報告した。また,これまでフォローした児について発達経過を加えた。We have applied the Brazelton's Neonatal Behaviour Assessment Scale (NBAS) for the evaluation of early development stages in both premature infants, and mature risk infants, as well as for the clinical application of early intervention method. This paper reports the neonatal behaviour peculiarities of premature infants forecast by NBAS to have mental-motor delays. This paper also report on our practical application of the early intervention program. Finally, we conclude with the progress made in these infant's developments.
著者
浦田 秀子 西山 久美子 勝野 久美子 福山 由美子 田代 隆良 田川 泰 田原 靖昭
出版者
長崎大学
雑誌
長崎大学医学部保健学科紀要 (ISSN:09160841)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.43-48, 2001-12
被引用文献数
1

女子学生573名を対象に,BMIおよび体脂肪率(%Fat)による体型と体型認識との関係を検討した.BMIと%Fatとの間には相関係数0.741で高い相関関係があったが,BMIは普通群であるが%Fatが28%以上の者,いわゆる"隠れ肥満者"が35名含まれていた.隠れ肥満者は全対象者の6.1%,肥満者の71.4%であった.隠れ肥満は生活習慣との関連が高く,生活習慣の改善や,身体組成,脂肪分布を考慮した体型評価が重要である.また,「太っている」と認識している者は409名(71.3%)であった.BMIでは16から,%Fatでは16%から「太っている」と認識している者がおり,体型と認識との間に乖離がみられた.約9割の者は理想体重を現体重より低く設定しており,理想体重によるBMIは19.0であった.現代の若年女性はやせ願望が強く,誤った体型認識による健康障害を予防するためにも,医学的根拠に基づいて適正に体型認識ができるような健康教育が重要である.We examined 573 female students and analyzed the relation of the physique and the recognition of it, by body mass index (BMI) and percent body fat (% Fat). There was high correlation between BMI and %Fat by the coefficient correlation of 0.741. However, among these group with BMI in normal range, there were 35 girls whose %Fat were more than 28%, so called masked obesity. The masked obesity was 6.1% of all the object and 71.4% of the obese group (% Fat≧28%). As masked obesity is associated with the life habits, it is important to improve of the life habits, and to recognize the appropriate physique in consideration of body composition and fat distribution. And, 409 girls (71.3%) regarded themselves as overweight. Some girls with BMI of more than 16, and %Fat of more than 16 regarded themselves as overweight, thus there was disparity between the physique and the awareness. About 90% of the girls regarded their ideal body weight lower than the actual weight, and BMI by the ideal body weight was 19.0. As modern young girls have a strong desire to be thin, health education, which leads them to an appropriate recognition based on the medical basis is important to prevent health disturbance caused by the inappropriate recognition of their physique.