著者
阿部 賢太郎
出版者
一般社団法人 日本接着学会
雑誌
日本接着学会誌 (ISSN:09164812)
巻号頁・発行日
vol.55, no.8, pp.296-300, 2019-08-01 (Released:2019-08-22)
参考文献数
31
被引用文献数
1

It is well-known that nanofibers are produced in nature, for example, collagen fibrils in tendons andligaments and silk fibroin. Among the variety of natural nanofibers, cellulose microfibrils, which are the majorconstituent of plant cell walls, are the most abundant natural nanofiber on earth. The cellulose microfibrilshave great potential for use as reinforcement in nanocomposites and have attracted a great deal of interestrecently. Many researchers are now tackling the isolation of cellulose nanofibers from plant sources along withtheir efforts to utilize the nano elements. This report reviews the preparation of cellulose nanofibers fromvarious plant sources.Key words : Cellulose
著者
秋本 雅人
出版者
一般社団法人 日本接着学会
雑誌
日本接着学会誌 (ISSN:09164812)
巻号頁・発行日
vol.54, no.6, pp.212-218, 2018-06-01 (Released:2018-11-06)
参考文献数
10
被引用文献数
2

Features of dissimilar materials bonding are surface bonding and several type of adhesives can be used. Bycontrolling thermal expansion coefficient of an adhesive to get middle of dissimilar materials, residual stresscan be reduced, in case of internal stress caused by thermal movement the difference of thermal expansioncoefficient between a metal and a plastic.Also it is possible to reduce a stress which is caused by thermalmovement, by adjusting the elastic modulus of adhesive. We introduce structural and elastic adhesives usedfor dissimilar materials bonding and their characteristics and applications. We also would like to introduce ourSTPE base adhesives which newly developed for the purpose of dissimilar materials bonding. It is known that asea-island structure can be obtained by curing a STPE and an epoxy resin in mixture. The sea-island structureis that the epoxy resin is dispersed in the elastic matrix of STPE. New polymers which shows high strength,toughness and durability has been being developed as a sea matrix by blending and hybridization STPE andacrylic resin having silyl group. The development goals of the adhesive are 15-20MPa strength and more than100% of elongation. And also the curing trigger will be UV, not heating. UV cure can provide very fast cureand on-demand cure which is stably uncured until UV irradiation. We believe that our new technology couldprovide non-heating for application and curing of adhesive in production line in the future.
著者
鬼塚 賢三
出版者
一般社団法人 日本接着学会
雑誌
日本接着学会誌 (ISSN:09164812)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.122-128, 2017-04-01 (Released:2018-09-13)
参考文献数
11
被引用文献数
1 3
著者
樋口 泉 沢 俊行 志村 穣
出版者
一般社団法人 日本接着学会
雑誌
日本接着学会誌 = Journal of the Adhesion Society of Japan (ISSN:09164812)
巻号頁・発行日
vol.36, no.6, pp.209-216, 2000-06-01
参考文献数
24

衝撃曲げモーメントを受ける同稲材料被着体のスカーフ接着継手における応力伝播と応力分布を三次元有限要素コードDYNA3Dを用いて解析した。解析においては,一方の被着体の端部を固定し他方の被着体の端部に衝撃荷重を作用させ曲げモーメントを発生させた。その結果,固定される被着体と接着層との界面にミーゼス相当応力の最大値が発生した。被着体のスカーフ角,接着層厚さおよび被着体の縦弾性係数が応力挙動におよぼす影響を調べた。その結果,スカーフ角が45.及び60.でミーゼス相当応力の最大値はより小さくなることが分かった。接着層の厚さが小さくなるに従いミーゼス相当応力は大きくなる。接着剤の縦弾性係数が大きくなるとミーゼス相当応力の最大値は大きくなることが分かった。接着層中央部端部近傍のひずみ応答に関する実験を行い,実験結果と解析結果はかなりよく一致した。
著者
金山 公三
出版者
一般社団法人 日本接着学会
雑誌
日本接着学会誌 (ISSN:09164812)
巻号頁・発行日
vol.52, no.9, pp.276-280, 2016-09-01 (Released:2018-07-03)
参考文献数
12
著者
大久保 雄司
出版者
一般社団法人 日本接着学会
雑誌
日本接着学会誌 (ISSN:09164812)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.4-16, 2018-01-01 (Released:2018-10-23)
参考文献数
23
被引用文献数
1 1

フッ素樹脂は,多機能を有する合成樹脂であるが,接着性が乏しいという唯一の欠点を持つ。よって,フッ素樹脂と異種材料を接着する場合は,フッ素樹脂の表面改質が必須となる。従来の低温プラズマ処理では接着性が不十分となるが,プラズマ処理中に加熱する( 熱アシストプラズマ処理する) ことで,接着性が劇的に向上することを見出した。当初は,プラズマを発生させるための電力密度を高く設定することによってプラズマ処理中の表面温度を200℃以上に調節していた。しかし,プラズマ処理面積の拡大にともない,装置の改造費用が高額となるため,実用化する上で大きな障壁となっていた。そこで,ヒーターを使用して熱アシストプラズマ処理することを検討した。低電力密度であってもヒーターで加熱すれば,フッ素樹脂の接着性が大幅に向上することを実証した。フッ素樹脂の接着性を向上するためには,酸素を含む官能基の生成に加えて,表面硬化が極めて重要であった。
著者
並木 陽一 米野 正博 鈴木 敦夫 山本 保
出版者
一般社団法人 日本接着学会
雑誌
日本接着学会誌 (ISSN:09164812)
巻号頁・発行日
vol.39, no.5, pp.183-189, 2003-05-01 (Released:2014-10-31)
参考文献数
2
被引用文献数
2

ウレタンアクリレート系uv硬化性樹脂の厚膜について,硬化率のデプスプロファイルに及ぼすuv光照射条件の影響を光DSC法を用いて追究した。uv光の照射強度と照射時間を変えて得られた硬化物について光DSC法で硬化率デプスプロファイル(80.90および95%硬化の硬化深度)を求め,i)一定照射光強度における硬化率デプスプロファイルの経時変化.ii)一定照射時間において硬化率デプスプロファイルに及ぼす照射光強度の影響,およびiii)一定照射光エネルギー量下での硬化率デプスプロファイルに及ぼす照射光強度の影響を調べた。その結果,一定照射光強度における本樹脂の硬化率デプスプロファイルの経時特性を明らかにすることができた。さらに照射光強度の影響につ↓ては,おおよそ140mW/cm-までは照射光強度の増加と共に硬化深度が増加し,それ以降は逆に減少した。この樹脂膜について,最高の硬化深度を得るためには最適な照射光強度が存在することが確認できた。
著者
永田 員也 日笠 茂樹 酒木 大助 小林 淳 宮原 謙二 和泉 俊弘 須田 敬也 豊原 麻美 加藤 淳 中村 吉伸
出版者
一般社団法人 日本接着学会
雑誌
日本接着学会誌 (ISSN:09164812)
巻号頁・発行日
vol.43, no.9, pp.343-349, 2007-09-01 (Released:2015-04-30)
参考文献数
13
被引用文献数
1 1

高速撹拝ミキサーを用い炭酸カルシウム(CaCO3;平均粒子径1.4μm)とタルク(3.2μm)の複合化とステアリン酸表面処理とを同時に行い調製したハイブリッドフィラー(Hybridized Filler),,エチレンープロピレンージエン三元共重合体(EPDM)およびPPとを二軸押出機により混練し,複合材料を調製した。得られた複合材料はマトリックスPPにタルク,CaCO3,EPDMがそれぞれ単独に均一分散していた。PPにHybridized Fillerを充填した複合材料の衝撃強度はタルク充填複合材料に比べ優れていた。さらに,EPDMをPPに添加(ブレンド)によりHybridized Filler充填複合材料の衝撃強度は大きく向上した。EPDM(2mass%)ブレンドPPにHybridized Fillerを充填した複合材料の衝撃強度はタルクを充填した複合材料に比較し50%以上向上し,弾性率はタルクを充填した複合材料とほぼ同じであった。複合材料の弾性率向上にはCaCO3に比較してタルクが大きく寄与しており,衝撃強度の向上にはCaCO3が寄与していると考えられる。さらに,CaCO3による衝撃強度の向上においてEPDMのブレンドがその効果を著しく向上させおり,CaCO3粒子とEPDM粒子が共存するとその衝撃強度が相乗的に向上することが明らかとなった。アイゾット衝撃強度試験の破壊を顕微鏡観察した結果,マトリックスとは構造の異なる領域(白化領域)が観察され,これは,フィラー粒子界面に形成されるボイド,エラストマー粒子近傍に形成されるPPのクレーズ,フィラー粒子間でのせん断降伏に起因して形成されたと考えられる。この白化領域が形成される体積が大きいほど複合材料の衝撃強度が大きいことが明らかとなった。

1 0 0 0 OA 金銀糸

著者
東 泰雄
出版者
一般社団法人 日本接着学会
雑誌
日本接着学会誌 (ISSN:09164812)
巻号頁・発行日
vol.45, no.5, pp.197-202, 2009-05-01 (Released:2016-01-31)
参考文献数
4
著者
堀 靖郎 穂永 信 石部 功
出版者
一般社団法人 日本接着学会
雑誌
日本接着学会誌 = Journal of the Adhesion Society of Japan (ISSN:09164812)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.97-103, 2007-03-01
参考文献数
9

粘着テープを被着物から剥離する時の帯電について,その帯電量の測定手順,帯電の2次元分布測定を含めて,基礎的な研究を行った。ファラデーケージと前置増幅器,XY型帯電2次元分布測定装置を新たに作製した。用いた粘着テープは5種類,被着物は15種類を用い,それぞれの組み合わせについて剥離時帯電の測定を行った。得られた粘着テープの剥離時帯電量は,粘着剤がゴム系・アクリル系に拘わらず,普通の接触帯電と同様に被着物の帯電列に沿って,大きな負帯電(被着物:ポリメチルアクリレート(PMMA))から大きな正帯電(被着物:ポリテトラフルオロエチレン(PTFE))まで順番に変化した。但し被着物との組み合わせによっては,帯電量の大きさが順に並ばないものや,その帯電極性までも反対に出る組み合わせも有った。現在のところ,この原因は粘着剤に含まれる主剤以外の化合物と被着物との接触帯電作用によると推測している。剥離時帯電による,被着物の帯電2次元分布も測定し,いろいろな分布形態が有ることを見つけたが,この分布形態と接着形態及び剥離時放電との関係も考察している。
著者
小曽根 雄一 網野 由美子 杉崎 俊夫
出版者
一般社団法人 日本接着学会
雑誌
日本接着学会誌 (ISSN:09164812)
巻号頁・発行日
vol.48, no.12, pp.436-439, 2012-12-01 (Released:2014-06-30)
参考文献数
21
被引用文献数
1

感圧接着剤(粘着剤)でガラス等の無機物に貼付するような用途では,高温高湿の環境下においても長期間高い粘着性,耐久性,耐湿性が求められ,シランカップリング剤が添加される場合がある。例えば,建物や車両などの開口部におけるガラスへの機能性フィルム貼付用粘着剤,光学機能性部材を液晶セルのガラス基板に接着するための粘着剤などである。そのため,シランカップリング剤の分散状態を解析し,粘着特性との関係を明らかにする事により,効果的なシランカップリング剤の利用による,界面接着強度の制御が可能になると考える。しかし,これまでに粘着剤中のシランカップリング剤分散状態を具体的に数値化した例はほとんどない。本報では,アクリル酸エステル共重合体中のシランカップリング剤添加量を変化させた時の分散状態解析及びガラスに対する粘着力を評価し,シランカップリング剤分散状態との関係を考察した。ブチルアクリレート,2-ヒドロキシエチルメタアクリレートからなるアクリル酸エステル共重合体に架橋剤及びシランカップリング剤を添加し,酢酸エチルにて希釈後,ポリエステルフィルム上に塗布することで粘着シートを作製した。シランカツプリング剤の分散状態をX線光電子分光法(XPS)及びC60イオンスパッタリングを用いて解析した結果,シランカップリング剤は粘着シート表面に偏在し,添加量の増加に伴い表面存在量も増加する傾向を示した。また,粘着シート、表面のシランカップリング剤量が,粘着力制御に重要であることが示された。
著者
八田 一郎
出版者
一般社団法人 日本接着学会
雑誌
日本接着学会誌 (ISSN:09164812)
巻号頁・発行日
vol.52, no.5, pp.145-151, 2016-05-01 (Released:2018-03-20)
参考文献数
26
被引用文献数
2 5
著者
山浦 潔 伊藤 文就 池田 修 長谷川 匡俊
出版者
一般社団法人 日本接着学会
雑誌
日本接着学会誌 (ISSN:09164812)
巻号頁・発行日
vol.44, no.3, pp.92-96, 2008-03-01 (Released:2014-06-30)
参考文献数
9
被引用文献数
1

汎用的樹脂ポリエチレンテレフタレート(PET)上にインジウム-錫酸化物(ITO)を被覆した導電性透明フィルムに紫外線を照射し,PETの劣化に対するITOの影響を調べた。試料は劣化による重量減少を示し,ITOで被覆されたPETフィルムの重量減少率はPETフィルム単独の場合を上回っていた。さらに,XPSの測定結果はITOとの界面でPETフィルムが分解している事を示した。両結果とも,ITOによる分解促進を示唆する結果である。また,可視紫外光の照射によるITO及びTiO2電極の電位変化を水溶液中で測定したところ,照射によって電極電位は両者とも卑電位方向に変化した。これらの結果から上述のPETの分解がITOの光触媒的な作用(酸化)である可能性がある。この作用を考慮し,エポキシ樹脂接着剤を用いて接着したITOと樹脂フィルムに紫外光照射を行ったところ,接着強度にもITOの影響が観察された。
著者
望月 克信 河合 道弘
出版者
一般社団法人 日本接着学会
雑誌
日本接着学会誌 (ISSN:09164812)
巻号頁・発行日
vol.50, no.10, pp.306-312, 2014-10-01 (Released:2017-02-04)
参考文献数
4

高温連続ラジカル重合によるアクリルモノマーの重合は,その製造方法及び生成するポリマーにおいていくつかの特徴を有している。具体的には,①低分子量ポリマーが容易に得られる,②不揮発分100%の樹脂が容易に得られる,③組成分布が小さい,④開始剤,連鎖移動剤等の副原料の使用量が少なく,不純物含有量が少ない,⑤重合時間が短く,生産性が高い等の特徴が挙げられる。このようなアクリルポリマーをシーリング材の可塑剤に応用した結果,耐候性の向上および耐汚染性(耐ブリード性)の向上が認められた。また,シーリング材の基材の一部に応用した結果,配合物の低粘度化と耐候性の両立を実現できることが確認された。