著者
多田 篤志 加藤 伸子
雑誌
筑波技術大学テクノレポート (ISSN:13417142)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.70-75, 2013-12

本研究では,就職活動中の聴覚障害学生にとって大きな課題の一つである面接対策として,面接練習システムの検討を行った。就職担当者との面接練習の前に用いるシステムとして,個人での繰り返し練習を可能することを目的としている。試作した面接練習システムでは,学生の回答に応じた面接官の質問文提示,時間計測,フィードバッグの3つの機能を実装した。本稿では面接練習システムの概要と試作システムを用いて実験を行った結果について述べる。
著者
小林 真 笹岡 知子
出版者
筑波技術大学学術・社会貢献推進委員会
雑誌
筑波技術大学テクノレポート (ISSN:13417142)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.57-62, 2019-03

クロアチア共和国ザダルにて開催された欧州の視覚障害学生サマーキャンプ,ICC2018 に学生2 名を引率して参加した。キャンプは,ワークショップやイブニングアクティビティ,エクスカーションデイなどで構成される。期間中,学生たちは積極的に友達のネットワークを作る活動を進め,諸外国からの参加者,とりわけギリシャからの参加者たちと良い関係を築くことができた。
出版者
筑波技術大学学術・社会貢献推進委員会
雑誌
筑波技術大学テクノレポート (ISSN:13417142)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.68-72, 2012-03

鉄道駅の案内サインにおいて、聴覚障害者に分かりやすく情報提供するための方法を探るため、聴覚障害者学生および健聴者学生に対してアンケート調査を行った。その結果、聴覚障害者は目的の場所にすぐに行けない場合にも、駅員に質問することが難しいためか、自分で解決しようとする傾向が強いこと、アナウンスが聞こえないために、事故や災害などの影響でダイヤが乱れた際の状況把握が難しいこと、路線や施設を探す際に、路線色やピクトグラムではなく、文字を優先しがちな人が健聴者よりも多い可能性があること、などのことが分かった。
著者
脇中 起余子
出版者
筑波技術大学学術・社会貢献推進委員会
雑誌
筑波技術大学テクノレポート (ISSN:13417142)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.5-11, 2017-12

筑波技術大学における1年次必修科目「日本語表現法A」と「日本語表現法B」の中で,聴覚障害学生の日本語に関する困難点を,特に「もらう・くれる」と「いただく・くださる」に焦点をあててまとめた。「あげる」と「もらう」について,助詞は適切に扱えるが,ウチソトとの関連で正否が適切に判断できない学生が相当数見られた。また,「くれる」について,助詞が適切に扱えない学生が相当数見られ,このことが「くださる」や「いただく」における助詞の誤用につながっていると思われた。
著者
隈 正雄
出版者
筑波技術短期大学学術国際交流委員会
雑誌
筑波技術短期大学テクノレポート (ISSN:13417142)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.145-149, 2002

本学視覚部情報処理学科における就職支援の現状についての報告である。はじめに、情報処理学科の就職支援体制について説明する。次に、SPIの模擬試験や企業採用責任者による模擬面接等の受験テクニックの指導方法について報告する。本学科の支援の特色として、学生に企業の視覚障害者採用の実態を理解させることがある。本学科ではその理解を元に、企業選定、職種選定、企業へのアプローチの方法をアドバイスしている。
著者
齊藤 まゆみ
出版者
筑波技術短期大学学術国際交流委員会
雑誌
筑波技術短期大学テクノレポート (ISSN:13417142)
巻号頁・発行日
no.7, pp.43-47, 2000

ステップ系の運動は、聴覚‐ 運動連合を発達させるものであり、聴覚のサポートにより音楽と動作を同期させ、運動をコントロールしている。しかし、聴覚に障害がある学生は、視覚情報に頼って運動をコントロールしなければならず、リズミカルな動きを苦手とする者が多いことが指摘されている1) 聴覚部では、エアロビクスダンスを教材とした保健体育授業を展開し、音楽をスポーツ感覚で取り入れ、踊ることの楽しさとリズミカルな動きやボディバランスの向上を図ることを目指してきた。そこで、基本のステップa をもとに5 種類の基本のステップを段階的に展開するエアロビクスダンスプログラムの教材としての検討を行った。その結果、技術的な面に着目すると、基本のステップa による技能レベル差は、その後のパフォーマンスレベルに大きく関与していることが示唆された。しかし、運動技能の低い者でも、持久力の面から十分効果が期待できる教材になることも示唆された。これらのことより、大学体育におけるエアロビクスダンスは、新しいステップの獲得、複雑な動きの獲得による達成感・楽しさだけでなく、体力・持久力の維持、向上という面でも達成感・楽しさを得ることができると考えられた。
著者
齋藤 玲子
出版者
筑波技術短期大学学術国際交流委員会
雑誌
筑波技術短期大学テクノレポート (ISSN:13417142)
巻号頁・発行日
no.8, pp.247-254, 2001

過去に日本で用いられた数学点字記号を資料に基づいて収集整理し、現行体系成立の過程を調査した。明治時代から現在に至る日本数学点字記号の歴史的変遷を年代順に一覧表に示す。2002年向け暫定改訂版も併せて示す。
著者
池部 実 三宅 輝久 大越 教夫 小野 束
出版者
筑波技術大学学術・社会貢献推進委員会
雑誌
筑波技術大学テクノレポート (ISSN:13417142)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.37-42, 2012-03

教育におけるICT 活用のためグループウェアやe-Learning などのWeb アプリケーションが導入されている。本報告では、視覚障害者のWeb アプリケーションへのログインなどにおいて、アクセシビリティ向上を目指し、学生証・職員証などのIC カードを用いたWeb アプリケーションへのログイン方法を検討し、IC カードによるログイン可能なWeb アプリケーションを実現するためのシステム設計、実装について述べる。保健科学部に設置されている共同学習室のPC や、ノートPC に付属しているFelicaリーダを用いて、容易にWeb アプリケーションへログインし利用することを目的として、Moodleの改良を実施したことを報告する。
著者
荒木 勉
出版者
筑波技術短期大学研究委員会
雑誌
筑波技術短期大学テクノレポート (ISSN:13417142)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.157-161, 1996-03

筑波技術短期大学機械工学科では学内LANおよびインターネットによるコンピュータネットワークを利用して,マルチメディアによるビジュアルコミュニケーションや,文字,画像・映像(含音声)等の各種データの送受信を行っている。これは学内ばかりではなく,姉妹校やライバル校とのデータの交換や,視覚情報による遠隔コミュニケーションを可能にしている。また,本学における設計製図教育の特徴ある取り組みとしてペーパーカーレースの模様をカラー写真を添えてホームページに載せ公開を始めた。これによりインターネットを通して世界中から自由にそのページにアクセスでき,ネットワークの活用の幅が急速に広がってきた。そして設計製図やCAD/CAM等の教育のように図面を多く用いての取り組みにおいても効果的に利用できるばかりではなく,ネットワークを介した教育活動におけるコラボレーションへと発展が見られるようになった。
著者
Martin Pauly 青木 和子 市川 あゆみ 島田 啓史 野村 香介 日向 賢
出版者
筑波技術短期大学学術国際交流委員会
雑誌
筑波技術短期大学テクノレポート (ISSN:13417142)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.67-73, 2004

平成15年7月4日から7月18日までの日程で、学生3名、教官2名、技官1名が本学の姉妹校であるアメリカのニューヨーク州立大学バッファロー校(UB)とナショナル聾工科大学(NTID)を主として訪問した。これは、視覚部アメリカ研修旅行としては第4回目である。UBでは、リハビリテーション・サイエンス学部、障害補償技術センター、障害者サービス室、スポーツ医学施設見学やELIの英語のクラスへ参加した。さらには、バッファロー市の視覚障害センターや自立生活センターの訪問などを通じアメリカにおける高等教育の現状や障害者へのサービス、社会自立の状況について理解を深めた。ロチェスターではNTIDの施設見学を行った。他には、ナイアガラの滝、エリー運河、博物館なども訪れ、アメリカの自然、歴史に触れる機会となった。参加者各自がそれぞれの視点で今回の海外研修についてレポートする。
著者
長谷川 洋 菊池 真里 竹中 佐和 斉藤 康幸 佐々木 寿子
出版者
筑波技術短期大学学術国際交流委員会
雑誌
筑波技術短期大学テクノレポート (ISSN:13417142)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.57-63, 2001

本学の在学生を対象に聴覚障害児教育における分離教育(聾学校)と統合教育についてアンケートを実施した結果を報告する。統合教育における問題点は、授業が分からないことと友人との人間関係の構築が難しい点にある。統合教育を受けた学生の半数は難聴学級もない学校で学んでいる。それにも拘わらず、統合教育を受けて良かったと評価している。一方聾学校の場合は、学力が低い、人数が少なすぎる、通うのに遠いなどの問題がある。こうした結果をもとに、統合教育と分離教育のあり方について考察する。
著者
伊藤 三千代 松井 智
出版者
筑波技術短期大学研究委員会
雑誌
筑波技術短期大学テクノレポート (ISSN:13417142)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.165-170, 1998-03

聴覚障害者の施設利用時の情報受容と行動の関係から、聴覚障害者への情報提供の配慮点を明らかにすることを目的にテーマパーク内の情報環境調査を行った。その結果、施設内で提供される情報は、1)従業員のコミュニケーションによる情報、2)スピーカーから流れる音声案内・音・音楽等の情報、3)表示物、印刷物などからの視覚的情報、4)空間の配置や風景から得る視覚情報であった。本研究では「テーマパークにおける情報保障・サービス」に関するいくつかの提案のうち、2)スピーカーからの音声案内情報で、情報の構成要素(仕掛け)となる発信源が人間側にあり現実に改善が可能なジャングルクルーズに着目し、その音声言語情報の現状把握と問題点から聴覚情報の入手に障害を持つ来園者が健聴者と同じ水準でアトラクションを楽しめるための手話表現によるガイドの可能性と具体的なガイド方法を提案するものである。
著者
今井 計
出版者
筑波技術短期大学研究委員会
雑誌
筑波技術短期大学テクノレポート (ISSN:13417142)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.41-48, 1998-03

平成3年から本学に着任し、テクノレポート第3号では、平成7年度の本学バレーボール部の活動について報告した。現在指導7年目を迎えている。97年7月13~26日にデンマーク(コペンハーゲン)で開催された第18回世界ろうあ者競技大会の日本選手団役員として派遣させていただいた。そこで世界のろうバレーを見、現在の日本ろうバレーの現状と今後の課題が自分なりにわかった気がする。そこで今大会の男子バレーボール競技を通じて、今後の日本ろうバレーの方向と本学のバレー部の果たす役割を報告する。
著者
村上 佳久
出版者
筑波技術大学学術・社会貢献推進委員会
雑誌
筑波技術大学テクノレポート (ISSN:13417142)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.13-17, 2013-03

ゲーム関連のソフトウェアの教育への応用について、いくつかの実例を元に検証を行った。特に、『初音ミク』『Miku Miku Dance』『Kinect』『バランスFitボード』などのソフトウェアやハードウェア関連商品などをパソコンとともに活用することにより、東洋医学、理学療法の動作分析、中学校のダンス教育など幅広い教育への活用が期待できることが示唆された。
著者
越川 和忠 宮川 正弘
出版者
筑波技術大学学術・社会貢献推進委員会
雑誌
筑波技術大学テクノレポート (ISSN:13417142)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.45-49, 2006

本学テクノレポート10(2)に紹介した文字盤入力方式を習得するための練習方法について述べる。一般に、文字盤入力方式は、目的字の文字鍵を知っていれば直ぐ入るが、不明の場合には、それを知るために手間がかかり、はじめのうちは入力作業のほとんどがその手間に費やされることが難点とされる。そこで、同方式に実装されている「倣い入力」の機能を応用して、(1)実際の文章を次々打ってみる、(2)「NHK新用字用語辞典第3版」の用例集にある約2万語を例にして、常用漢字を教育漢字1学年配当表文字から1字ずつ語例と共に習得して行くなど、作者の使用経験に基づいて整理した練習方法を紹介する。この練習過程で、文字の位置を知ることは配列規則を拠り所にすれば容易であり、文字→位置→指で入力に至るこの方式の有用性が理解されると思われる。
著者
染田 貞道
出版者
筑波技術短期大学研究委員会
雑誌
筑波技術短期大学テクノレポート (ISSN:13417142)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.101-102, 1996-03

墨字と点字双方の資料を作成する場合,従来はまず墨字資料を作成し,これを点字に変換しているが,この変換の際に文節分けや漢字の読みの誤りをなくすことは困難である。ここで提案するエディタは墨字資料作成時に当然入力される読みを保存活用し,点字変換の誤りを排除しようとするものである。
著者
伊藤 隆造 Pauly Martin 遠藤 純子 園田 壮史 高橋 弘 田巻 香織 笹谷 知幸
出版者
筑波技術短期大学学術国際交流委員会
雑誌
筑波技術短期大学テクノレポート (ISSN:13417142)
巻号頁・発行日
no.8, pp.211-216, 2001

平成12年7月13日から7月24日までの日程で第2回視覚部海外研修旅行を実施した。参加者は学生4名、教官2名、技官1名で、アメリカのニューヨーク州立大学バッファロー校とナショナル聾工科大学を訪問し、様々な施設見学や講義への参加を通じアメリカにおける高等教育の現状や障害者へのサービス、社会自立の状況について理解を深めた。
著者
松藤 みどり 奈良 初美
出版者
筑波技術短期大学研究委員会
雑誌
筑波技術短期大学テクノレポート (ISSN:13417142)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.73-78, 1995-03

英語のリスニング試験において、「試験実施者が問題文を読み上げ、受験者が読話によって受信し、解答する」というやりかたが、聴覚障害者にとって妥当な代替方法であるかどうかを検討する資料を得ることを目的として、T聾学校の英検受験者を対象にアンケート調査を行った。その結果、この代替方法を用いても、英語のリスニングは、日本語の聞き取り・読み取りよりも格段に困難であると感じられていること、それにもかかわらず、練習の機会があれば取り組もうという意欲を多数の者が持っていることがわかった。この結果を英語検定協会に報告し、今後の試験の実施方法を検討していただくことを要請した。