- 著者
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奥村 弥生
- 出版者
- 山梨英和学院 山梨英和大学
- 雑誌
- 山梨英和大学紀要 (ISSN:1348575X)
- 巻号頁・発行日
- vol.10, pp.A59-A68, 2011 (Released:2020-07-20)
本研究では,情動の抑制と統制可能感という二つの次元から捉えた表出統制モデルを提示し,情動への評価との関連を通して検討を行った。大学生186名に質問紙調査を行った。分析の結果,怒りの場合は,統制可能感が高いと情動への否定的評価が低く,肯定的評価が高いことが示された。悲しみの場合は,男性の場合に抑制と統制可能感の交互作用が認められた。抑制が高い場合に,統制可能感が低い方(出せない)が高い方(出さない)よりも否定的評価が高いことなどが示された。これについて,各情動の特徴や性役割期待の影響という視点から考察を行った。以上の結果から,抑制と統制可能感による二次元表出統制モデルの有用性と,各スタイルにおける情動への評価の違いが示された。