著者
金子 敏信
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.14-29, 2013-07-01 (Released:2013-07-01)
参考文献数
51
被引用文献数
1 1

共通鍵ブロック暗号の安全性評価技術は,全数探索法とショートカット法に分類される.ショートカット法は,暗号アルゴリズムの内部構造の知識を利用して,攻撃の効率化を図る方法である.本稿では,1990 年以降の代表的な,ショートカット法である,差分攻撃,線形攻撃,高階差分攻撃から最近の,AES に対する関連鍵攻撃やBiclique 攻撃まで,その原理を紹介する.
著者
小野 峻佑
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.138-146, 2020-10-01 (Released:2020-10-01)
参考文献数
66
被引用文献数
1

ハイパースペクトル(HS)画像は紫外線領域から近赤外線域までの広い波長(スペクトル)帯の情報を細かく分光イメージングすることで取得される空間(二次元)―スペクトル(一次元)の3Dデータであり,人間の目や既存のRGBカメラでは捉えられなかった物理的性質や現象を可視化できる.しかし,空間―スペクトル情報を完全に取得することは計測環境/光学的設計の観点から困難なことが多く,計測の際に生じるノイズなどによる劣化も避けられない.本稿では,最適化を活用することで不完全かつ劣化を伴う計測データから所望のHS画像を推定する技術について解説する.
著者
齋藤 寛
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.3, no.3, pp.3_64-3_70, 2010-01-01 (Released:2010-10-01)
参考文献数
25

ローカルなハンドシェーク信号で回路を制御する非同期式回路は,グローバルなクロック信号で回路を制御する同期式回路と比べ,低消費電力,低電磁放射といった特徴がある.しかしながら,同期式回路と比べ設計が難しい.本稿では,非同期式回路設計の基礎となる,遅延モデル,制御方式,データエンコーディング方式を解説し,代表的な非同期式回路モデルを解説する.次に,合成技術を中心に解説を行い,こうした技術を実装したCAD ツールを紹介する.

4 0 0 0 OA シャノン理論

著者
植松 友彦
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.1_8-1_18, 2007-07-01 (Released:2011-03-01)
参考文献数
44
被引用文献数
2 2

シャノン理論とは,情報理論における各種の符号化問題に対して,符号化の限界について研究する分野である.シャノン理論の主要な研究分野は,情報源符号化,通信路符号化,乱数生成,予測,検定などであり,時代とともに広がってきている.小文では,通信路符号化定理を例として取り上げ,シャノン理論の研究対象がどのような問題であるかについて解説するとともに,符号理論との親密な関係を保ちながらシャノン理論がどのように発展してきたかについて概説する.
著者
森井 昌克 寺村 亮一
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.2, no.3, pp.3_66-3_75, 2009-01-01 (Released:2011-05-01)
参考文献数
48

ストリーム暗号は高速処理に優れた暗号のクラスであり,近年の情報の大規模化・通信の高速化に伴い注目を集めている.このストリーム暗号の次世代を選定するプロジェクトeSTREAM(the ECRYPT stream cipher project)が欧州にて3年間にわたり開催され,その結果として先日七つのポートフォリオが選定された.本稿では,ストリーム暗号を概観し,特にこのeSTREAMでの成果を踏まえて,現状最も使用されているストリーム暗号であるRC4,これからのストリーム暗号であるeSTREAM暗号,そして現在ISO(International Organization for Standardization)に提案されている三つの暗号の動向について解説する.
著者
白井 啓一郎 馬場 達也 小野 峻佑 奥田 正浩
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.40-53, 2017-07-01 (Released:2017-07-01)
参考文献数
71

本稿では,雑音除去や色補正などの様々な画像処理問題を画像の特徴を正則化として取り入れた一種の連続最適化問題として定式化することで見通し良く解決できること,及びそれらの最適化問題を実際に効率的に解く方法について解説する.具体的には,"Color-Lines特徴" と呼ばれるカラー画像の色分布が色空間において線状に広がる特徴を利用した応用に焦点を絞り,画像処理に伴う最適化特有の定式化・解法テクニックについて筆者らのこれまでの取組みを交えて説明する.

4 0 0 0 OA ネット理論

著者
太田 淳 辻 孝吉
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.2, no.4, pp.4_56-4_67, 2009-04-01 (Released:2011-05-01)
参考文献数
29
被引用文献数
2

ペトリネットはコンカレントシステムの重要なモデルの一つである.ペトリネットはチューリング機械と有限オートマトンの中間のモデル化,解析能力を持つ.ペトリネットの構造を限定することで,解析が容易となるサブクラスが得られる.一方,ペトリネットに拡張を加えることで,チューリング機械と等価なモデル化能力を持つ拡張クラスが得られる.本稿ではペトリネットの解析問題,サブクラス,拡張クラスに関して近年の研究成果の例を示しながら概説する.
著者
角 博文 奈良部 忠邦 齊藤 新一郎
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.3, no.3, pp.3_44-3_51, 2010-01-01 (Released:2010-10-01)
参考文献数
16
被引用文献数
1 2

CMOSイメージセンサ(Complementary Metal Oxide Semiconductor Image Sensor)は近年,ディジタル一眼レフカメラや,携帯電話,そしてビデオカメラにも搭載されるようになってきた.CMOSイメージセンサは,CCD(Charge Coupled Device)と比較し,その高速性と低消費電力を特徴として今後ますますの普及が期待されている.昨今のカメラの高画質化,高機能化等の性能向上は,キーデバイスであるCMOSイメージセンサに依存するところが大きい.本稿では高画質の中でも特に重要な特性であるノイズの発生原理と評価技術について解説し,高機能及び高画質化としての高速撮像技術について概観する.
著者
笠原 正雄
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.28-41, 2011-07-01 (Released:2011-07-01)
参考文献数
48
被引用文献数
1

リード・ソロモン(RS:Reed-Solomon)符号誕生後,半世紀の歳月が経過している.本稿ではRS 符号が情報通信・記録技術発展の歴史の中で,マイナーな存在からやがて私たちの生活の中に最も深く溶け込んだ符号,すなわち総合的に考えて最上位にランクされる符号として高く評価され,位置付けられていく過程をディジタル情報通信・記録技術の発展の歴史の中で幅広く捉えて解説する.更にRS 符号には高信頼度の情報通信記録システムを構築する上での大きな貢献に加えて,情報セキュリティ分野への応用をはじめとする多様な分野への応用が期待されることを述べる.
著者
福井 正博 林 憲一
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.210-217, 2013-01-01 (Released:2013-01-01)
参考文献数
23

GPU(Graphics Processing Unit)はコア数を増加させることで集積度を増し,電力密度を増やすことなく年率1.7倍の集積度増を続けており, 今後しばらくその勢いを緩めることはない.数百~数千個のコアを1チップに集積し,大規模な並列処理が可能となっている.GPUメーカーもソフト開発環境を提供するなど,普及に力を入れていることもあり,GPUの計算能力を一般科学技術計算に適用する試みが注目を浴びるようになってきた.大規模な問題を扱うLSI設計や検証に対しても,その可能性が広がっている.本稿ではGPUを用いたLSI設計の高速化の動向について,以下の二つの観点でまとめる.まず,画像専用プロセッサGPUがいかに生まれ,それが,どのような経緯で一般科学計算に用いられるようになったかという点を解説する.次に,複雑なLSI設計の各種問題に,GPUの計算能力がどのように適用され,どれだけのパフォーマンスの改善が期待できるか,あるいは,今後のアルゴリズム開発がどのように変わっていくかという点について述べる.
著者
平尾 裕司
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.124-132, 2013-10-01 (Released:2013-10-01)
参考文献数
4
被引用文献数
1

列車運転の安全を保障する鉄道信号における安全性技術も,過去の事故等の経験の蓄積の上に発展してきた.この中心となるものが異常時には列車を停止させるフェイルセイフ設計であり,1980年代中には,CPUによる冗長構成,診断に加えて異常時には出力を停止側に固定する手法によってフェイルセイフなコンピュータ制御の鉄道信号システムが実現した.本稿では,鉄道信号における安全技術と,コンピュータ制御の安全を対象とする機能安全におけるその位置付けについて解説する.
著者
大谷 卓史
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.16, no.4, pp.310-324, 2023-04-01 (Released:2023-04-01)
参考文献数
104

本稿においては,電子情報通信学会倫理綱領の策定に至るまでの前史から,同倫理綱領の策定及び,その後の展開を記述する.倫理綱領の策定・改定に関わる議論では,本会を取り巻く社会や技術,思想などの環境変化との関わりから,倫理綱領のあり方・内容が検討されている.本稿も,より大きな本会を取り巻く環境の変化の中で,倫理綱領がどのように策定・改定されてきたかに着目し,時代区分を行う.1998年電子ネットワークの倫理として策定された倫理綱領は,2011年改定によって,電子情報通信技術者の倫理として形を整え,2023年3月現在,多様性と対話の時代に向けての再改定作業が進められている.
著者
亀谷 由隆
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.83-92, 2022-10-01 (Released:2022-10-01)
参考文献数
81

現在注目される人工知能技術は高い予測性能をもつ機械学習モデルが主体となっており,これらのモデルを健康や財産に関わる分野へ応用する試みも始まっている.しかし,その際の問題の一つがモデルの不透明性であり,このような不透明性を軽減するための一連の技術が近年「説明可能AI (explainable artificial intelligence, XAI)」という研究分野を形成している.本稿ではXAI研究の流れを振り返り,現在行われているXAI研究における概念と手法の分類や整理を行うとともに,XAI研究における将来の課題について述べる.
著者
迎山 和司
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.15, no.4, pp.281-290, 2022-04-01 (Released:2022-04-01)
参考文献数
24

意味を理解して図像を補完することができるのはヒトだけである.その能力の発現に言語能力は深く関わっているようである.文字の発明後,太古のヒトが描く洞窟画は,バイソンや鹿といった実際にいる生き物から,神や精霊といった空想の生き物が多く描かれるようになる.これは記号的絵画といえる.絵画は文字より感情を喚起させることに優れている.そして,記号的絵画を人工知能で分析して生成することは,ヒトの感情認知の理解につながる.このような研究手法をAnalysis and Synthesis(分析と生成)と呼ぶ.この手法で,空想の生き物やマンガを描く人工知能ができた.今後この試みは,絵画が生成する意味そのものから,意味によって喚起される感情を対象とする時期に来ているのかもしれない.分析と生成を行って確信したが,絵画は感情を表現するための「言語」といえる.言語が文法をもつことが必然ならば,その文法を駆使して込められた欲求が洞窟画からマンガに連なる根源であり,ヒトの感情を芳醇に喚起させる感動なのである.
著者
森川 郁也
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.37-46, 2021-07-01 (Released:2021-07-01)
参考文献数
43

機械学習技術は,適切な処理方法を人間が明示するのではなくデータから学ばせるという新しいソフトウェアパラダイムであり,幅広い応用分野に大きな進展をもたらしつつある.しかし未解明の部分も多く,それゆえに機械学習特有のセキュリティ上の弱点が見つかっており,現在盛んに研究されている.本稿では機械学習のセキュリティに関する研究の動向を紹介し,セキュアな人工知能(AI)応用システム実現への展望を述べる.
著者
佐藤 光哉
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.7-16, 2022-07-01 (Released:2022-07-01)
参考文献数
49

機械学習の発展は目覚ましく,理論と実用双方から幅広い研究が行われている.一方,機械学習のアプリケーション拡大に伴い,データプライバシーや通信コストに対する懸念も顕著になっている.本稿では,こういった問題の抜本的解決とビッグデータ解析の両立に向けた方式として近年注目されている,連合機械学習(FL: Federated Learning)をはじめとした分散的な機械学習方式について概説する.特に,集中制御サーバを設けないFLである分散連合機械学習(DFL: Decentralized FL)に着目し,無線通信路における問題とその解決に向けた方策を述べる.
著者
原 晋介
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.32-38, 2010-07-01 (Released:2010-12-01)
参考文献数
12
被引用文献数
1 1

電波を送受信することによって目的とする対象物の位置を推定する場合,その電波についてのより詳しい伝搬特性やその対象物についてのより多くの情報を用いることができれば,それだけより高い精度が得られる.本稿では,位置推定で用いられている初歩的な統計的推定理論について解説し,それらが非線形連続関数の最大化あるいは最小化問題として解くことができることを明らかにする.また,推定誤差に関するクラメル・ラオの下界式を示し,その結果から導き出される幾つかの性質について示す.
著者
越田 俊介 阿部 正英 川又 政征
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.34-45, 2016-07-01 (Released:2016-07-02)
参考文献数
81

可変ディジタルフィルタは,遮断周波数や帯域幅などをリアルタイムで制御できる周波数選択性ディジタルフィルタであり,電気通信,音声・音響信号処理など幅広い分野にて用いられている.本論文では,主として設計と実現の問題に着目して,可変ディジタルフィルタに関する研究成果を紹介する.また,可変ディジタルフィルタの応用として,適応信号処理の分野における可変ディジタルフィルタの研究成果についても述べる.
著者
青木 孝文 伊藤 康一 青山 章一郎
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.119-130, 2015-10-01 (Released:2015-10-01)
参考文献数
14
被引用文献数
2

本稿では,東日本大震災において亡くなられた方の御遺体の個人識別(身元確認)が,いかにして行われてきたかを明らかにする.今回の震災では,顔貌,指紋,掌紋,DNA型などを用いた各種の個人識別手法の中でも,特に歯科的個人識別が有効であった.しかし,発災当時,我が国の警察でさえも,多数遺体の歯科的個人識別について十分な経験を有しておらず,その方法論の確立が急務であった.この状況を打開するために,筆者らは,2011年4月から,宮城県警察本部の身元確認チームに参画し,ICTを活用した歯科的個人識別の高度化に取り組んだ.最終的に,歯科医師会と合同で,歯科情報に基づく迅速な身元確認のワークフローを構築した.本稿は,この震災現場で学んだ教訓を共有することを目的としている.更に,将来の大規模災害の身元確認に備えるために,現在,厚生労働省が実施している「歯科診療情報の標準化」事業の現状と,将来へ向けた技術課題を明らかにする.
著者
伊藤 海斗 加嶋 健司
出版者
電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.269-278, 2021-04-01

動的な現象をモデル化する際に,それが内包する確率的不確かさを適切にモデルに組み込むことは重要である.特に近年では,突風による風力発電量の急激な変動など,システムに大きな影響を与えるレアイベントを考慮した不確かさのモデリング・解析手法がますます求められている.動的システムにおける確率的不確かさを表現するのに最も用いられるのは,ガウス型の雑音であり,解析的な扱いやすさという大きな利点をもつ一方で,裾が急速に減衰するガウス分布では外れ値を表現することができない.そこで本稿ではレアイベントモデリングが可能,かつ,動的システムでの解析的扱いやすさを併せもつ,安定分布を利用したモデリング手法を解説する.また本枠組みの応用例として,等価線形化による非線形システム解析,動的システムにおけるプライバシー保護を紹介する.