著者
小川 莉奈 山西 良典 辻野 雄大 吉田 光男
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2022論文集
巻号頁・発行日
vol.2022, pp.11-18, 2022-08-25

ソーシャルメディア上には多くのイラストが能動的エンタテイメントとして投稿されており,様々な画風を分析する上での貴重なデータとして扱うことができる可能性がある.しかしながら,ソーシャルメディア上で投稿された画像は構造化されておらず,画像データベースとしてそのまま用いることはできない.本稿では,整理されていない画像集合を整理する作業を 2 つのゲームに分けることで,楽しく整理する手法を提案する.データセットを構築するための「検定ゲーム」と作成したデータセットにアノテーションを加えるための「パーティゲーム」の 2 つに分けた.整理されていない画像集合とし#ghibliredrawのタグを用いた描き変えイラスト画像を対象とした.
著者
横川 卓矢 渡邊 恵太
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2022論文集
巻号頁・発行日
vol.2022, pp.184-188, 2022-08-25

衣服のメーカーや衣料品店は,衣服は着る目的以上にブランドのアイデンティティや世界観を伝えるため,衣服を表現メディアとして利用することがあり,さまざまなディスプレイ方法が試されている.本研究では,衣服を表現メディアとして捉え,衣服という人型の形状の特徴を利用し,衣服を操り人形のように制御する衣服展示フレームPuppetClothを提案する.本論文ではPuppetClothの試作について紹介,PuppetClothを用いた表現を例示する.
著者
湯村 翼
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2022論文集
巻号頁・発行日
vol.2022, pp.99-101, 2022-08-25

サッカーの作戦会議では,ある局面における戦術を指示するために,書き込みとマグネット配置が可能な作戦盤を用いる.しかし,作戦盤は平面であるため,その局面における視覚的状況を想像しにくい.そこで,視覚的状況を容易に想像できるよう,一人称視点映像を提示するVRサッカー作戦盤システムTacticBoardVRを開発した.選手の配置を指定する指示ボードとしてタブレット端末を,ビューワとしてヘッドマウントディスプレイを用いてシステムのインタフェースを構築した.
著者
彭 雪儿 宮下 芳明
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2022論文集
巻号頁・発行日
vol.2022, pp.129-131, 2022-08-25

本稿では,非接触型のアロマサイネージシステムにおいて「気流への影響」という観点から最適なハンドジェスチャを考察した.例えば,手を横方向に払うジェスチャを行うと,ユーザの前に滞留する空気が横に押しのけられ,反対側から新鮮な空気が入り込み,自然な拡散よりも遙かに速い「消臭」が実現される.よってこのジェスチャは,現在のにおいを消したり,次のにおいに切り替えたりする際の操作への割り当てが適しているといえる.このような考察のもとで,ハンドジェスチャで操作するアロマサイネージシステムを設計・試作した.
著者
川島 拓也 渡邊 恵太
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2022論文集
巻号頁・発行日
vol.2022, pp.178-183, 2022-08-25

タスクをしながら頭に思い浮かんだことを語るシンクアラウド法では,ユーザの心理プロセスを知ることができる.一方でタスク中の言語化は負担が大きく,ユーザによって語句の差が出ることがあり,データの収集とその評価が難しい.そこで「あ」だけで心理プロセスを表現し,声の大きさやイントネーションで心理プロセスを評価する「あアラウド法」を提案する.本研究ではゲームをタスクとした実験を行い,実験手法としての有用性や得られる心理プロセスを示す.
著者
岡本 修飛 渡邊 恵太
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2022論文集
巻号頁・発行日
vol.2022, pp.235-240, 2022-08-25

動画配信サービスは,膨大な動画を提供するため,利用者は見たい動画を選ぶことが負担になることがある.そこで本研究では,知人が番組表を作成し,それに基づき動画を配信するPalStreamingを提案する.PalStreamingは,「人が勧める動画だから」という視聴動機を作る.本稿では,PalStreamingの試作と,知人同士で番組表を作成し,その内容の印象について調査した.
著者
吉澤 彩花 渡邊 恵太
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2022論文集
巻号頁・発行日
vol.2022, pp.153-154, 2022-08-25

チャットベースのコミュニケーションにおいて,他者から送られてきた写真に複数の対象が写り込んでいるとき,特定の対象物を指し示したいとき,テキストで返信し説明しようとすると、空間情報や対象の特徴や名前など説明を入力する必要があり,インタラクションが煩雑である.そこで本研究では,チャットに送信した画像に対して「これ」と指し示せるインタラクションを提案する.指示を受ける側は対象物周辺の画像を撮影し,指示をする側は画像に「これ」と指し示すスタンプを押すことで,指示を簡単にする.
著者
宮下 芳明
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2022論文集
巻号頁・発行日
vol.2022, pp.143-150, 2022-08-25

本稿では,味覚メディア(味覚センサ・味覚メガネ・味覚ディスプレイ・味覚プリンタ)のビジョンについて整理するとともに,最新事例として飲食物の味と見た目を変える調味家電 TTTV2(Transform The Taste and Visual appearance)を提案する.元飲食物Aと,目標飲食物Bを味覚センサで測定し,味の差(B-A)を算出し,元飲食物Aに基本五味の溶液を噴霧混合することで味を変える.また,可食インクの印刷で見た目を目標飲食物Bに近づける.作例として,エリンギを毒キノコ(ベニテングダケ)と同じ味と見た目にして安全に体験する,牛乳をカニクリームコロッケと同じ味と見た目にして甲殻アレルギーの人でも安全に体験する,といった,従来の食品では実現できない事例で検証を行い,その可能性について示した.
著者
温 婉言 橋田 朋子
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2022論文集
巻号頁・発行日
vol.2022, pp.226-230, 2022-08-25

日本語の文章から仮名を除去し漢字だけ残した「偽中国語」は、一見中国語のように見えて日本人も中国人も読める面白さから日中のソーシャルメディアを中心に話題になっている。本研究では、人が手動で行っていた日本語文からの偽中国語文への変換を、自動化することを目指す。特に可読性を高めるために、日本語形態素分析システムMecab、かな漢字変換ツールGoogle CGI API for Japanese Inputなどを利用して、含まれる漢字を増やした上で日本語文を偽中国語文に変換するシステムを提案する。本稿では提案システムの実装の詳細、生成された偽中国語の評価実験の結果、偽中国語の特性をいかした応用例について述べる。
著者
村上 幸乃 橋本 直
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2022論文集
巻号頁・発行日
vol.2022, pp.84-85, 2022-08-25

後ろを振り向くという行為は日常的な行為であるが,周辺環境によってはその行為がためらわれる場合がある.そこで本研究では首を回転させることなく,目の動きだけで周囲360°を視認可能な手法「Neckless」を提案する.提案手法では,アイトラッカによって水平方向の視線の角度を計測し,その3~4倍の角度に対応する方向の映像をヘッドマウントディスプレイ上に提示する.本稿では,バーチャルリアリティ環境でシステムを試作した結果について述べる.
著者
菊子 桃太郎 橋本 直
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2022論文集
巻号頁・発行日
vol.2022, pp.71-74, 2022-08-25

近年,VRの体験を充実させるために,さまざまな触覚提示の手法が提案されている.我々はこれまでの研究で,頭部への物体の侵入感を,ヘッドマッサージャを用いて提示する装置を開発した.この装置を利用した作品において,頭部に植物が根付いていくような感覚を提示できることを確認しているが,その生起メカニズムについては科学的に解明されていない.本研究では,頭部において侵入感が生起する条件について調査するために,刺激の移動距離,移動速度,提示箇所の数について比較する実験を行った結果,刺激の移動距離,提示箇所の数が増加すると,知覚する侵入感が大きくなることが示唆された.
著者
西村 駿 長谷川 孔明 大島 直樹 岡田 美智男
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2022論文集
巻号頁・発行日
vol.2022, pp.24-27, 2022-08-25

いまや日常化したアルコールによる手指消毒は、無機質であり面倒になりつつある。 本研究では子どもたちの動きに合わせて手をそっと伸ばし、アルコールを吹きかけようとするロボットを構築し、ロボットと心を一つにできたことの喜びや幸福感を味わえる関係性について議論している。 本デモ発表では、〈iBones〉の相互行為の様相やインタラクションデザインについて述べる。
著者
山口 海斗 渡邊 恵太
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2022論文集
巻号頁・発行日
vol.2022, pp.208-211, 2022-08-25

人は出来事を思い出として写真に残す.この行為は現実世界のみならず,ゲーム内のスクリーンショットでも行われる.一方でPC画面は思い出として残す行為がほとんど見られず,PCに向かう時間は長い一方,そこでの活動を思い返すことができない.そこで本研究では,カメラのように角度や画角を調整したりフィルタを施せるスクリーンショットEmoshoを提案する.Emoshoによって、PCのような作業画面であっても,積極的に思い出に残す行為を誘発する.本論文では、システム試作と,作例や実際に試用したなかでどのような撮影が行ったかを報告する.
著者
奥村 綾 辻野 雄大 山西 良典
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2022論文集
巻号頁・発行日
vol.2022, pp.41-47, 2022-08-25

映像やコンサートでは,楽曲中の局所的な盛り上がりであるキータイミングに合わせて,エフェクトや会場の照明,花火などの演出が用いられている.本稿では,キータイミングを推定するために,音楽ゲームの一つである「太鼓の達人」の譜面を利用し,音響特徴量を入力として,ある時刻に対して全ての難易度で共通して存在する指示符のタイミングを推定する機械学習モデルを構築した.音楽ゲームの指示符のタイミングを、楽曲のキータイミングを推定するための擬似的な学習データとして利用するアイデアの有用性を検討した.
著者
本田 悠貴 斉藤 翼 井尻 敬
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2022論文集
巻号頁・発行日
vol.2022, pp.160-163, 2022-08-25

筋力トレーニングには筋肉量の増加や病気の予防などの利点がある一方で、モチベーション維持が難しいという課題がある。そこで本研究では、筋力トレーニングのモチベーションを維持することを目的として、トレーニング種目とユーザを自動的に推定できる、加速度センサを利用したスマートダンベルを提案する。このダンベルを小規模なグループで共有し、トレーニングを実施することで、トレーニング種目・トレーニング回数・利用したユーザが自動的に推定・可視化され、グループ内でのモチベーション維持が期待できる。
著者
坂田 敢海 岡村 遼 横山 拓 勝本 雄一朗
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2022論文集
巻号頁・発行日
vol.2022, pp.31-33, 2022-08-25

本研究は、腱駆動によって髪が逆立つフィギュア・超変シーンを制作した。アニメや漫画などの架空作品では、しばしば変身という表現が登場する。この変身を再現した玩具として、人型のものは少ない。そこで私たちは、漫画「ドラゴンボール」の孫悟空の変身をモチーフに、頭髪が逆立つ瞬間を機械機構をもちいて胸像化した。実現にあたっては、ロボットハンド研究における腱駆動を参照した。本発表では、超変シーンのデザインプロセスについて説明する。
著者
藤原 優花 中村 聡史
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2022論文集
巻号頁・発行日
vol.2022, pp.120-128, 2022-08-25

オンラインゲームにおいて,聴覚や視覚のハンディキャップにより,自身の実力と関係ないところで不利になる人がいる.特定の色が見えづらい色覚多様性者は,色の情報の読み取りに時間がかかるため,色による判断が迫られるゲームにおいてハンディキャップを背負っている.色覚多様性者のゲームプレイを支援するために,色覚タイプに合わせた配色を使用する色覚サポートのような配慮も行われているが,全ての色覚タイプに対応しておらず,サポートする部分にも限界がある.我々はこれまでの研究において,D型模擬フィルタを実現し,選択肢の中で異なる1色を選択してもらう実験や背景色を考慮した実験を行い,一般色覚者とD型色覚者両者にとって識別しやすい色や両者にとって識別する時間が近い色を明らかにした.しかし,実際のゲームにおいて有効かどうかを明らかにしていなかった.そこで本研究では,これまでの我々の研究で得られた結果から仮説をたて,Among Usを用いた実験を実施し,色のハンディキャップにおける制御が可能かに関する検討を行った.その結果,配色次第では一般色覚者も色覚多様性者もゲームの有利不利制御が可能であることがわかった.
著者
平林 真実
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2022論文集
巻号頁・発行日
vol.2022, pp.246-248, 2022-08-25

音楽ライブや舞台等のような会場空間は、演出上薄暗いことが多くスマートフォン等のカメラによるARを用いた演出は明るさの点から非常に難しい。本研究では、LEDテープによる会場演出と同時にLEDをAR用マーカとして利用するARマーカ手法について検討する。ステージ演出にとりいれたLEDテープによる演出をLEDの発光パターンを画像として認識するために、ステージ演出に耐えられる堅牢なマーカの生成手法について検討する。
著者
住田 拓郎 上村 綜次郎 長谷川 孔明 岡田 美智男 大島 直樹
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2022論文集
巻号頁・発行日
vol.2022, pp.93-95, 2022-08-25

人と人とが一緒に何かを成し遂げるには協調性を必要とする。 人とロボット、あるいはロボット同士で互いに「こうして欲しいな」という気持ちを汲み取り行動することは可能だろうか。 本発表では、人とロボットとが身体的協調を伴ないながら目的に向かって貢献しあうことで、一体感を生みだすロボットを提案する。
著者
田川 紘都 橋本 直
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2022論文集
巻号頁・発行日
vol.2022, pp.78-83, 2022-08-25

VR体験の振り返りは,体験者視点のプレイ動画や体験風景を撮影した動画を見返す方法にとどまっている.我々は,VRにおいてより充実した振り返り体験を作ることを目的に,VRのリプレイ鑑賞のためのVR空間「ReplayExpo」を提案する.ReplayExpo内には,VRコンテンツの体験におけるハイライトシーンを時空間的に切り取ったものが複数展示される.鑑賞者は,自他の体験を行動情報の可視化を利用しながら三人称視点で観察することができる.本稿では,ReplayExpoの概要と実装方法を説明し,開発中のプロトタイプを用いて予備実験を行った結果について報告する.