著者
藤井 裕康 坂本 暁良 出羽 来以 三田 隆之 三宅 優紀
出版者
公益社団法人 北海道作業療法士会
雑誌
作業療法の実践と科学 (ISSN:24345806)
巻号頁・発行日
vol.5, no.4, pp.86-97, 2023-11-30 (Released:2023-11-30)
参考文献数
39

スプリントは手外科,中枢性疾患や内科疾患など幅広く使用されるが,各施設の技術差や,採算性が合わない等の問題点が指摘されている.本調査目的はスプリント療法導入の現状と,導入に対する問題点を示すことである.調査方法は岡山・広島県医療機関253施設に,無記名の自己記入式質問紙による郵送調査法にて実施した.有効回答数117施設中,80施設が未導入であり,導入への問題点は人的資源や,採算性等の経済的評価,教育機会の少なさ,医師の影響や義肢装具士の介入,皮膚障害の医療安全の問題が示唆された.導入率向上へ技術指導等の研修会開催や費用を抑える方法,皮膚障害を予防するチェック体制の構築が必要と考えた.
著者
三宅 優紀 岩田 美幸
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.341-347, 2020-06-15 (Released:2020-06-15)
参考文献数
14

特別養護老人ホームに入所中で,生活全般において消極的な女性に対し,園芸活動を用い,作業機能障害の種類に焦点を当てた評価および介入を行った.観察を中心にした評価は,作業機能障害の4種類(作業不均衡,作業剥奪,作業疎外および作業周縁化)に対する必要な介入を明確にできた.その結果,症例は,笑顔が増え,外出するようになり,夜間の睡眠が十分とれるようになるなど,作業機能障害の改善に至り,健康な施設生活を送れるようになった.意味のある作業を同定しがたいクライエントに対して,作業機能障害の種類に焦点を当てた評価および介入は,有効であったと考える.
著者
三宅 優一郎 高見澤 滋 好沢 克 畑田 智子 服部 健吾
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.6, pp.1236-1239, 2018-10-20 (Released:2018-10-20)
参考文献数
13

症例は5歳女児.持続する不正性器出血を主訴に当科紹介受診となった.外陰部を含め,身体所見に異常を認めなかった.MRI検査にて膣内異物を同定し,全身麻酔下に膣内観察,摘出を行った.摘出異物は直径約18 mmのプラスチック製の玩具とビニール片であった.異物摘出後,小児用膀胱鏡を用いて膣内を観察すると膣内の炎症所見は高度で,子宮口は同定困難であった.性的虐待の可能性も考慮し児童相談所と相談したが,性的虐待の可能性は低いと判断されたため摘出後4日目に自宅退院となった.摘出1か月後に再度小児用膀胱鏡を用いて膣内観察を行った際,膣内ポリープを認めたため摘出した.ポリープは異物による慢性炎症が原因と考えられる肉芽組織であった.小児の難治性の帯下・不正性器出血は膣内異物を疑い速やかな膣内観察が必要であり,摘出後のフォローアップも重要と思われた.
著者
披田野 清良 清本 晋作 三宅 優
雑誌
コンピュータセキュリティシンポジウム2014論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.2, pp.1306-1313, 2014-10-15

インターネット上に保管されているパスワードや暗証番号などの秘密情報が漏洩する事例が多発している.それらの多くは,人的ミスや機器の故障,あるいは故意による不正などの潜在的な脆弱性に起因するものであり,根本的な原因を取り除くことは容易ではない.そこで,本稿では,上記のような最悪なケースが起きた場合においてもシステムが正しく動作することを目指す機能安全の概念に着目する.そして,システムから一部の秘密情報が漏洩した際に,残りのデータへの影響を最小限に抑える秘密情報の分割保管の方法を提案する.
著者
北本 勝ひこ 三宅 優 渡辺 誠衛 中村 欽一
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.80, no.1, pp.53-58, 1985-01-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
20
被引用文献数
2 2

白米の胚芽残存率と, それを用いて仕込んだ清酒のアミノ酸度との間に, 高度な負の相関が認められたので, それを確認するために胚芽単独に添加した仕込を行い, その効果を確認した。胚芽添加仕込により得られた清酒は, 次のような成分的特徴を持っていた。1. アミノ酸度, 総窒素, OD260, OD280, 酸度等は胚芽の添加量に応じて減少した。特にアミノ酸度は対照の50%となった。2. 各アミノ酸のうち, オルニチン, トリプトファン, プロリンを除いてすべて減少したが, 顕著な減少を示したアミノ酸のなかに高級アルコールの生成に関与するバリン, ロイシン, イソロイシン等のアミノ酸の減少が含まれ, それに相応する高級アルコールが増加した。3. 有機酸のうち, 清酒にとって好ましくない酢酸, ピルビン酸の減少が顕著だった。終りに, 御校閲頂いた醸造試験所所長, 佐藤信博士および第6研究室室長, 吉沢淑博士に感謝いたします。
著者
三宅 優也
出版者
東京大学大学院工学系研究科 技術経営戦略学専攻
巻号頁・発行日
2010-03-24

報告番号: ; 学位授与年月日: 2010-03-24 ; 学位の種別: 修士 ; 学位の種類: 修士(技術経営) ; 学位記番号: ; 研究科・専攻: 工学系研究科技術経営戦略学専攻
著者
三宅 優 横山 美江
出版者
岡山大学医学部保健学科
雑誌
岡山大学医学部保健学科紀要 (ISSN:13450948)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.1-8, 2007-03-15
被引用文献数
1

笑うことが人体に良い影響を及ぼしていることを証明する研究が,欧米を先駆けに,日本でも十数年前から実施されている。本研究は,現在まで日本国内において報告されてきた笑いの効果を身体面,精神面の二方向から概観し,医療や看護の場で笑いを用いる有効性を提示することを目的とし,文献考察を行った。身体面では,多くの研究において笑いの免疫系に関する効果が報告されていた。その他,疼痛緩和,アレルギー患者の皮膚症状の改善,食後血糖値上昇抑制,リラクゼーション効果を明らかにするもの,笑いと睡眠の質に関する研究なども行われていた。笑いの精神的効果として,ストレスコーピング,人間関係の確立,不安,緊張の緩和が挙げられていた。しかし,笑いの定義は研究者により様々であり,笑いやユーモアの定義,分類,尺度化が必要であるとの指摘もなされている。また,健康人を対象とした報告が多く,今後,医療の場でケアとしての笑いについての研究が期待される。
著者
竹森 敬祐 三宅 優 中尾 康二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.68, pp.27-32, 2002-07-18
参考文献数
11
被引用文献数
1

コンテンツの変更を検知してアラームを通知するWebサーバリモート監視システムにおいて,正規の更新によって通知されるアラームの中に,注意すべき改竄アラームが埋もれてしまいかねないという問題が明らかになった.そこで本稿では,監視中のコンテンツに変更を検知した場合,そのコンテンツの特徴や変更前後の変化の様子を解析することで,改竄を的確に検出する改竄判定手法を提案する.提案手法は,改竄にみられる特徴のうち1つでも1つでも該当する項目があれば改竄とみなす手法であり,その判定結果は,正規の更新と改竄を区別して出力する.実際の改竄のデータを用いて提案手法の改竄判定率を評価した結果,小さな誤判定率で全ての改竄を検出できることを確認した.これにより,サイト管理者は改竄アラームに集中できるようになり,検出された改竄の特徴を知らされることで,コンテンツの改竄状況の把握と改竄時の対策を迅速に実施できるようになる.We have developed a remoto patrol system for web servers which detects the change of contents. However, it could not distinguish between regular updata and and unauthorized manipulation. The administrator of web servers may receive many alarms from this system if the contents are updated, frequently. In this paper, we propose detection algorithm of unauthorized manipulation by concentrating on the characteristics on HTML contents as well as the correlation between before and after changes. We could abstract six characteristics, which are so-called signatures to detect manipulations based on the several sample data. We also evaluate our algorithm using many sample data, and as the results our algorithm is quite feasible to detect any types of contents with little miss-detection of faults positive. In conclusion, administrators of web servers detect and manage the unauthorized detection efficiently among their routing works.
著者
中村徹 渡辺龍 清本晋作 高崎晴夫 三宅優
雑誌
デジタルプラクティス (ISSN:21884390)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.13-20, 2015-01-15

筆者らは2011年より,データ対象者のプライバシーを適切に保護できるパーソナルデータ流通基盤として,Privacy Policy Manager(PPM)の設計と開発を行ってきた.本稿では特にプライバシー保護の観点から必要となる要件定義を中心として,PPMの設計について説明する.次に筆者らがこれまで進めてきたPPMのプロトタイプ開発について紹介する.さらに,2013年に行ったPPMの実証実験,および経産省ベストプラクティス認定について紹介する.
著者
三宅 優 横山 美江
出版者
公益社団法人 日本看護科学学会
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.3_61-3_67, 2011-09-20 (Released:2011-10-25)
参考文献数
51
被引用文献数
1 1

目的:国内において報告されてきた笑いの効果を身体面,精神面の二方向から概観し,看護の場で笑いを用いる有効性を提示することを目的とした.方法:引用文献の検索には,医学中央雑誌刊行会から,“笑い”or“ユーモア”をキーワードとして1980年以降,2009年5月までで検索を行い,29件採用した.また,国際誌はPubMedを用い,2000年以降,2009年5月までの文献からキーワード“laughter”and“effect”で検索し,20件を採用した.結果:笑いの身体面の効果としては,笑い体験によるNK細胞活性ならびにアレルギー反応などの免疫系に関して効果があったという報告が最も多く,その他疼痛緩和,血糖上昇抑制作用があることが報告されていた.また笑いの精神的効果として,ストレスコーピング,不安ならびに緊張の緩和などの効果が報告されていた.結論:笑いは,身体面と精神面両方での効果が期待できる.しかし,看護ケアとして笑いの効果を検討した研究は少なく,今後,看護師による笑いに関する介入研究の成果が期待される.
著者
山田 明 三宅 優 寺邊 正大 橋本 和夫 加藤 寧
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.203, pp.11-16, 2008-09-11
参考文献数
14

メールやWebなど様々なプロトコルにおける名前解決の基盤としてDomain Name System (DNS)が利用されている.そこで,DNS監視によって,それらのプロトコルにおけるクライアントの振る舞いを監視できる可能性が示されている.これまで提案されてきた方式は,企業LAN規模のようなクライアント数の少ないネットワークを監視する方式であり,ISPのようなクライアント数の多いネットワークへの適用が困難である.本稿では,クライアント数が多いネットワークにおいても,異常なクライアントを検知する方式を提案する.提案方式は,障害の原因となりやすい流量の多いクライアントのみを選別して判定処理を行うことによって,対象クライアントを個別に監視するのに要する総計算量や総記憶量を削減できる.実DNSサーバの6ヶ月間の通信による評価から,スパムメール送受信などの異常を検知できることを示す.
著者
竹森 敬祐 三宅 優 田中 俊昭 笹瀬 巌
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.54, pp.31-36, 2004-05-21
参考文献数
11
被引用文献数
3

昨今,急速にインターネット全域に拡大する攻撃が深刻な問題になっている.ネットワークサービスに影響を与える大規模攻撃やワーム感染ホストが与える局所的な攻撃の確実な検出と迅速な対応,被害規模の把握は重要な課題である.本研究では,侵入検知システム(IDS: Intrusion Detection System)のイベント出力に関する情報理論的な曖昧度を情報エントロピーによって算出し,その長期間の統計分布の平均と標準偏差を用いて,短期間の異常性を評価する手法を提案する.実際のIDSログを用いて局所的攻撃の検出率に関する評価を行い,本手法が未検出率ならびに誤検出率を低減できること,従来からのイベント頻度を用いた異常検出手法と組み合わせることで確実に検出できることを示す.本手法をインターネットの攻撃概況指標へ適用することで,セキュリティ監視者の迅速な対応と情報交換に寄与する.Recently, rapid increasing attacks that influence network services have become critical issues on the Internet. A detection technique for large scale attacks and worm infected hosts needs to estimate degree of its propagation. In this research, we propose an anomaly detection technique for IDS (Intrusion Detection System) events using the information entropy. And the information entropy is adapted to a profiling approach which compares the current information entropy with mean and standard deviations of the past information entropies. Experimental evaluations with real IDS events show that the detection ratio of false positives nd false negatives for the large scale attacks or the worm attacks on our approach is better than that using event counts on previous approach. Furthermore, the combination system of our approach and previous approach is able to detect potential issues perfectly. We also adapt the techniques to a thereat indicator, and its objective alarms effect with quick and reliable response for security operators.
著者
鷲見 拓哉 石黒 司 清本 晋作 三宅 優 小林 透 高木 剛
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.55, no.9, pp.2061-2071, 2014-09-15

W3Cは,HTML5およびJavaScript上で並列計算を行うための規格であるWeb Workersの勧告候補を2012年に公開した.JavaScriptおよびWeb Workersはプラットフォーム非依存である.JavaScriptで書かれたウェブアプリケーションは広く普及しており,インターネット選挙運動やブロードキャスティングサービス等を行うウェブアプリケーションの中には安全な通信を必要とするものが存在する.そのようなウェブアプリケーションにディジタル署名を組み込むことにより,安全な通信を実現することができる.Rainbow署名は,DingとSchmidtにより2005年に提案された多変数公開鍵暗号方式のディジタル署名である.Rainbow署名は有限体上の多変数2次多項式の連立方程式に対する求解問題がNP困難であることを安全性の根拠とし,ポスト量子暗号の1つとして期待されている.本稿では,Web Workersを用いたRainbow署名の並列実装手法を提案し,その応用例を述べる.また,マルチコアCPUを搭載する汎用PCおよびAndroidタブレット端末を用いて提案方式の実行時間を計測した.その結果,汎用PC上においては0.62ミリ秒,Androidタブレット端末上においては4.54ミリ秒で署名検証を行うことができた.
著者
竹森 敬祐 三宅 優 中尾 康二 菅谷 史昭 笹瀬 巌
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.87, no.6, pp.816-825, 2004-06-01
被引用文献数
11

近年,サイバーテロ対策の一環としてSecurity Operation Center(SOC)の設置が進められているが,広域や個々のネットワークを分析するための効率的な手段がない.本論文では,異なる環境のネットワークを集中監視するSOCのために,様々なIntrusion Detection System(IDS)から出力されるログを統合管理して,時間軸上での異常なイベントを客観的に検出するIDSログ分析支援システムを提案する.分析は,過去の長期間のイベント出力特性(長期プロファイルと呼ぶ)に対する最近の短期間のイベント出力特性(短期プロファイルと呼ぶ)の変化の程度を,異常率として評価する.各地で運用されているIDSから収集したログを用いて評価を行い,従来からの頻度分析結果の中から検証の不要なイベントを特定できること,頻度分析で発見が困難であったかすかな痕跡を抽出できることを確認する.本システムは,広域かつ詳細に監視を行えるシステムとして,SOCにおけるログ分析作業の信頼性の向上と効率化に寄与する.