著者
新矢 麻紀子 棚田 洋平
出版者
大阪産業大学
雑誌
大阪産業大学論集. 人文・社会科学編 (ISSN:18825966)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.37-52, 2016-02

This paper discusses from the viewpoint of literacy how immigrant women in Japan through international marriages live in an area, where Japanese language classes are unavailable, and what strategies they use and how they maintain their independence to compensate for this disadvantage. Ethnographical data gathered through life history interviews of immigrant women, interviews conducted among the residents in their area, and participant observation, are used in the present analysis. This research clarifies that social participation of these women is limited and partial, although they survive in the society by complementing their lack of literacy with their human resources, such as family members and friends. In order for them to realize fully their potential through social and community participation, there is need for stronger public support systems and provisions in the community for their empowerment. These forms of assistance can be considered" literacy compensations" and should be considered for implementation.This paper discusses from the viewpoint of literacy how immigrant women in Japan through international marriages live in an area, where Japanese language classes are unavailable, and what strategies they use and how they maintain their independence to compensate for this disadvantage. Ethnographical data gathered through life history interviews of immigrant women, interviews conducted among the residents in their area, and participant observation, are used in the present analysis. This research clarifies that social participation of these women is limited and partial, although they survive in the society by complementing their lack of literacy with their human resources, such as family members and friends. In order for them to realize fully their potential through social and community participation, there is need for stronger public support systems and provisions in the community for their empowerment. These forms of assistance can be considered" literacy compensations" and should be considered for implementation.
著者
新矢 麻紀子 山田 泉 春原 憲一郎
出版者
大阪産業大学
雑誌
大阪産業大学論集. 人文・社会科学編 (ISSN:18825966)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.115-140, 2011-10

韓国では近年,移民受入れが進み,それに伴って移民政策も急速に整備されてきている。本稿は2010年9月に科学研究費補助金により,日本語教育保障法研究会で実施した韓国における移民関連施策および移民支援の状況に関する現地実態調査の報告後編であり,2009年度調査の報告書から通算すると第4号となる。本稿は,「朝鮮日報」(第2章),「中央日報」(第3章),「韓国日報」(第4章),「戸田郁子氏」(第5章)に対する聞き取り調査報告,および「2009年度,2010年度の韓国現地実態調査から」(第6章)によって構成される。
著者
佐藤 潤一 新矢 麻紀子 大谷 晋也 春原 憲一郎
出版者
大阪産業大学
雑誌
大阪産業大学論集. 人文・社会科学編 (ISSN:18825966)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.69-97, 2012-06

移民の受入れと,それに伴う移民政策が急速に進んできている韓国。そこに,筆者らの研究グループ「日本語教育保障法研究会」は科学研究費補助金によって2009年より3か年にわたって赴き,移民関連施策や移民への生活・教育支援に関する調査を行ってきた。本稿は,2011年9月に実施した第3 回目となる現地実態調査の報告後編であり,2009年度調査の報告書から通算して第6号にあたる。本稿は,本研究全体の概略及び韓国現地実態調査の概要(第1章),「ソル・ドンフン氏」(第2章),「法務部(法務省)」(第3章),「アジア人権文化連帯」(第4章),「富川市労働者の家」(第5章)に関する調査報告によって構成される。なお,2011年度調査報告の前編は本号に報告(5)として掲載されている。
著者
新矢 麻紀子 山田 泉 岩槻 知也 三登 由利子
出版者
大阪産業大学
雑誌
大阪産業大学論集. 人文・社会科学編 (ISSN:18825966)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.41-67, 2012-06

移民の受入れと,それに伴う移民政策が急速に進んできている韓国。そこに,筆者らの研究グループ「日本語教育保障法研究会」は科学研究費補助金によって2009年より3か年にわたって赴き,移民関連施策や移民への生活・教育支援に関する調査を行ってきた。本稿は,2011年9月に実施した第3回目となる現地実態調査の報告前編であり,2009年度調査の報告書から通算して第5号にあたる。本稿は,本研究全体の概略(第1章),2011年度韓国現地実態調査の概要(第2章),キム・ヒョンチョル氏への聞き取り調査報告(第3章),ムジゲ青少年センター訪問調査報告(第4章),マン・ヒ氏への聞き取り調査報告(第5章)によって構成される。なお,2011年度調査報告の後編は本号に報告(6)として掲載されている。
著者
新矢 麻紀子 大谷 晋也 三登 由利子 春原 憲一郎
出版者
大阪産業大学
雑誌
大阪産業大学論集. 人文・社会科学編 (ISSN:18825966)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.101-127, 2010-10

韓国では近年,移民受入れが進み,それに伴って移民政策も急速に整備されてきている。本稿は2009年10-11月に科研費補助金により,日本語教育保障法研究会で実施した韓国における移民関連施策および移民支援の状況に関する現地実態調査の報告後編で,「韓国移住女性人権センター」(第2章),「緊急支援センター」(第3章),「安山市外国人住民センター」(第4章),「安山市多文化家族支援センター」(第5章),「安山市サハリン永住帰国者の家(コヒャンマウル)」(第6章),「平澤大学校多文化家族センター」(第7章),「チョ・ソンギョン氏」(第8章)に関する調査報告によって構成される。本編で2009年度調査の報告は完了し,次号では,2010年度調査について報告が行われる予定である。
著者
新矢 麻紀子 山田 泉 大谷 晋也 三登 由利子
出版者
大阪産業大学
雑誌
大阪産業大学論集. 人文・社会科学編 (ISSN:18825966)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.177-197, 2010-06

韓国では近年,移民受入れが進み,それに伴って移民政策も急速に整備されてきている。本稿は2009年10-11月に科学研究費補助金により,日本語教育保障法研究会で実施した韓国における移民関連施策および移民支援の状況に関する現地実態調査の報告(1)である。本稿は,研究全体の概要および韓国調査の位置付け(第1章),韓国調査の概要(第2章),政府関係機関である「韓国女性政策研究院」1)(第3章)と「保健福祉家族部多文化家族課」(第4章)の訪問調査報告によって構成される。調査によって,労働移民や結婚移民にかかわる施策の充実,特に韓国人男性との結婚移住女性およびその子どもたちを含めた多文化家族への支援に特化した法律が制定され,支援施策が進行形で日々拡大されていることがわかった。
著者
新矢 麻紀子 山田 泉 窪 誠 大谷 晋也 三登 由利子
出版者
大阪産業大学
雑誌
大阪産業大学論集. 人文・社会科学編 (ISSN:18825966)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.187-212, 2011-02

韓国では近年,移民受け入れが進み,それに伴って移民政策も急速に整備されてきている。本稿は2010年9月に科学研究費補助金により,日本語教育保障法研究会で実施した韓国における移民関連施策および移民支援の状況に関する現地実態調査の報告前編であり,2009年度調査の報告書から通算すると,第3号となる。本稿は,本研究全体の概略(第1章),2010年度韓国現地実態調査の概要(第2章),人権保護の国家機関である「国家人権委員会」(第3章),マイノリティ支援市民団体である「青い市民連帯」(第4章),ハングルの研究や普及促進を行っている「ハングル学会」(第5 章)への訪問調査報告によって構成される。
著者
吉川 和子
出版者
大阪産業大学
雑誌
大阪産業大学論集. 人文・社会科学編 (ISSN:18825966)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.35-54, 2011-10

『天使の戦い』の後,『ガラスの動物園』で,ブロードウェイで大成功を収めた詩人であり,劇作家であるテネシー・ウィリアムズは,1911年ミシシッピー州コロンバスに生を受けた。作家が生まれ育った環境に大きく影響されるのは当然であり,ウィリアムズもまた,生まれ育った牧師館での祖父の宗教感覚と共に南部という環境に大きく影響を受けている。また,その後工業の街セントルイスに引っ越し,そこでの経験や環境の違いなどが彼の描く作品に色濃く反映されている。彼の作品の中で主人公は,自らの心に忠実に生きようとするが,彼らを取り巻く過酷な現実や繊細すぎる神経のため,正気を失っていく。彼らを閉じ込める状況は,閉塞感(=Confinement Imagery)としてウィリアムズ作品での重要なテーマである。本稿では,近親相姦的愛と罪の意識に注目し,その要素が顕著に描かれている『ガラスの動物園』と『欲望という名の電車』及び『二人だけの芝居』を考察することによって,作品の重要なテーマである閉塞感と今もなお上演される彼の作品の魅力を論じてゆく。
著者
中山 英治
出版者
大阪産業大学
雑誌
大阪産業大学論集. 人文・社会科学編 (ISSN:18825966)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.75-91, 2016-10

タイの日本語教育機関で日本人日本語教師がタイ人日本語教師と協働するとき,何を経験し,課題があればどのようにそれを克服しているのかを質的分析法で調査した。その結果,タイの日本語教育機関における協働には,次の(a)から(c)があることが明らかになった。(a)日本人日本語教師は,日本式の強固な仕事観や指導観を協働現場に持ちこむ。(b)日本人日本語教師は,協働の可能性を見出し,教師間協働に適応していく。(c)日本人日本語教師は,3 年目から充実した協働に入っていける可能性がある。タイの教師間協働に関する研究については,協働の現実や教師の実態を把握するための質的な研究が多かった。しかし,複数の質的な研究で明らかにされた概念や協働の実態についての関連性は曖昧なままであった。本研究では,先行研究で指摘された概念や協働の実態を丁寧に引き継ぎ,繰り返し実施したインタビューのデータから抽出された概念を加えながら,新しい協働体験の仮説モデルを再構築した。
著者
新矢 麻紀子
出版者
大阪産業大学
雑誌
大阪産業大学論集. 人文・社会科学編 (ISSN:18825966)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.19-33, 2013-02

The purpose of this paper is to clarify, using ethnographical data, literacy problems among permanent foreign residents in Japan and discusses the contents and methods of the literacy education they receive. First, the data indicates permanent foreign residents have problems with reading and writing Japanese even if they can speak quite fluently in their daily life. Second, the paper examines the contents and methods of literacy education offered in most community-based Japanese language classes. This study demonstrates that oral education practice is given priority over literacy education, and that this emphasis in language education is not suitable for permanent residents. As a result, many foreigners often miss the chance to study kanji and are unable to read and write sufficiently because of the absence or lack of proper literacy education. Finally, the analysis of educational practices in other classes shows that literacy education suitable for permanent residents would not be `school-type' education, but an education to develop learners' quality of life, and giving them self-confidence, self-esteem, and their own voices through acquiring functional literacy.
著者
佐藤 潤一
出版者
大阪産業大学
雑誌
大阪産業大学論集. 人文・社会科学編 (ISSN:18825966)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.129-172, 2011-06

From 1990's, theories of Japanese Constitutional Law had been radically changed. The constitutional law is discussed by many books and articles of the political theory, history of law, and the philosophical theory. Constitutional theory is influenced by these theories. In this lecture note, I try to reconsider the theories of constitution interpretation, especially the historical aspects and comparative study about the constitutional theory of common law countries, e.g., U.K., Australia, Canada, New Zealand and South Africa.
著者
吉川 和子 ヨシカワ カズコ Kazuko YOSHIKAWA
雑誌
大阪産業大学論集. 人文・社会科学編
巻号頁・発行日
vol.13, pp.35-54, 2011-10

『天使の戦い』の後,『ガラスの動物園』で,ブロードウェイで大成功を収めた詩人であり,劇作家であるテネシー・ウィリアムズは,1911年ミシシッピー州コロンバスに生を受けた。作家が生まれ育った環境に大きく影響されるのは当然であり,ウィリアムズもまた,生まれ育った牧師館での祖父の宗教感覚と共に南部という環境に大きく影響を受けている。また,その後工業の街セントルイスに引っ越し,そこでの経験や環境の違いなどが彼の描く作品に色濃く反映されている。彼の作品の中で主人公は,自らの心に忠実に生きようとするが,彼らを取り巻く過酷な現実や繊細すぎる神経のため,正気を失っていく。彼らを閉じ込める状況は,閉塞感(=Confinement Imagery)としてウィリアムズ作品での重要なテーマである。本稿では,近親相姦的愛と罪の意識に注目し,その要素が顕著に描かれている『ガラスの動物園』と『欲望という名の電車』及び『二人だけの芝居』を考察することによって,作品の重要なテーマである閉塞感と今もなお上演される彼の作品の魅力を論じてゆく。
著者
徳永 文和
出版者
大阪産業大学
雑誌
大阪産業大学論集. 人文・社会科学編 (ISSN:18825966)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.65-90, 2008-10

This article, by examining various inhumane methods of execution used previously in Europe, in particular the horrible guillotine which was used during the French Revolution until its abolition in 1981, concludes that the death penalty is nothing less than an extremely cruel form of punishment and that under the principle of retribution (the Law of Talion), the death penalty for any criminal is never justifiable. Secondly, in Baudelaire's views, human beings' "innate animal instincts" [nature] have led humans to commit grave crimes such as murder, and as long as humans exist in this world, various crimes will continue to be committed. Finally, taking into account the Catholic dogma and the doctrine of Joseph de Maistre, who, on one hand, believes in the theosophical effect of execution as punishment for a criminal, but on the other hand, affirms that the true way to control humans' "innate animal instincts" is to recognize the significance of the original sin expiated by the Passion, it is possible to find ways to solve the capital punishment debate. According to Joseph de Maistre, all human beings could be linked together through the "unity" embodied in Jesus Christ, who sacrificed his life, so that any criminal can be saved by means of the doctrine of "reversibility" and the dogma of "Communion of Saints".
著者
平尾 昌宏
出版者
大阪産業大学
雑誌
大阪産業大学論集. 人文・社会科学編 (ISSN:18825966)
巻号頁・発行日
no.13, pp.21-34, 2011

This article is a part of a series of the researches that chase the history of reception of Spinozism in Germany, and is the second half of an oral report at the congress of the Spinoza Society of Japan (at Osaka University, on Feb. 27, 2010) which took up Moses Mendelssohn's debut work "Philosophical conversations". In that report, his understanding of Spinozism which appeared in the book was surveyed, and its historical contexts were confirmed. In the first half, the context from Wolf to Mendelssohn, and in the second half, the context from Mendelssohn to his successors was treated respectively. This paper presents the latter. We have pointed out Mendelssohn's understanding of the similarity and difference between Spinoza and Leibniz. In this paper we trace the reception of the two points after Mendelssohn. On the similarity of Spinoza and Leibniz: Mendelssohn saw the similarity of both between Spinoza's parallelism and Leibniz's preestablished harmony theory, and this understanding was criticized by Lessing, was quoted affirmatively by E. Platner, and was criticized again by Heydenreich. On the difference of Spinoza and Leibniz: Mendelssohn considered that Spinoza had subsumed all things in the god and Leibniz had recognized the outside of God. This consideration was accepted by Platner and Maimon and through these two philosophers, Spinozism was formulated as "Acosmism". The famous formulation of Hegel that Spinozism is Acosmism is not Hegel's original one, but the conclusion based on these contexts.
著者
定金 浩一
出版者
大阪産業大学
雑誌
大阪産業大学論集. 人文・社会科学編 (ISSN:18825966)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.191-201, 2015-06

大学の教員養成課程において発達障害に関する内容を学ぶように通知されているが,各種テキストをみると概論が述べられている程度で,学校で勤務をした時には大変困ることが想像できる。また,学校不適応者に発達障害や発達障害が疑われる児童・生徒が多い。そこで,学生が教師になった時に,すぐに役立つように,対処法なども少し述べたテキストの作成を意図した。そこで,本稿は,発達障害について概略を述べると共に,学校現場で最も多いと思われるアスペルガー症候群やその傾向がある生徒について不適応事例やその対応方法,そして予防対策について記していくこととした。