出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.204, pp.64-66, 2001-09

従順でおとなしそうに見える人間も、権力を手にすれば豹変する。中小企業の後継者選びの難しさは、多くの場合、そんなところにある。九州のある冷凍機メーカーでは、「創業者の娘婿」というレッテルから逃れようと焦った二代目社長が、新製品の開発とISO九〇〇一の認証取得という二兎追う戦略に固執し、会社を破産に追い込んでしまった。
著者
福光 恵
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.264, pp.19-25, 2006-09

毎週月曜日の午前、GMOインターネットの会議室ではリーダークラスの社員約50人が集まって、「スピリットベンチャー宣言」の唱和が行われる。全員で読み上げているのは、同社の憲章のようなもの。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.177, pp.52-54, 1999-06

R仙台駅前の商店街にある「お茶の井ヶ田いげた 一番町本店」には、夕方になると仕事帰りのOLが次々と買い物にやってくる。彼女らのお目当ては、お茶の井ヶ田が独自に開発した抹茶入りのお菓子。抹茶クリームをどら焼きのあんに使った「どら茶ん」などが、地元の若い女性から人気を集めているのだ。
著者
皆木 和義
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.260, pp.122-125, 2006-05

(それにしても、伊藤はんも粘り強いな。朝も早うから。もう何回来はったかいな……) 松下電気の主要な取引銀行は当時「六大銀行」と言われた一つ、川崎財閥系の十五銀行だった。山本が十五銀行一行としか取引しなかったので、幸之助も自おのずと深い付き合いになっていた。
著者
鈴木 信行
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.234, pp.168-171, 2004-03

山陰地方を代表するスーパーマーケットとして、地域経済を牽引してきたが、多角化を急ぎ過ぎた。県外勢力の侵攻や消費不況に対し中途半端な対応しか取れなかったことも、倒産を早める要因となった。 地域経済の地盤沈下に悩む山陰地方の流通業界が揺れている。震源地は、島根県安来市に本社を置くスーパーマーケット経営、原徳チェーン本部(足立優社長)。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.219, pp.76-78, 2002-12

「昨日、上山電機が従業員を集めて倒産を告げたらしい。大口取引先は仕掛品や在庫をすべて持ち出し、社長は台湾に雲隠れしたそうだ」。八月三一日、滋賀県の地元経済界をこんな噂が駆けめぐった。 上山電機(滋賀県志賀町、上山能成社長)は、携帯電話などのカラー液晶ディスプレーに使うカラーフィルターを生産する滋賀県では数少ないハイテク関連メーカー。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.263, pp.62-64, 2006-08

昨年話題になった近未来小説『半島を出よ』は、「戦う姿勢」を忘れている日本人への警告の書として読みました。 北朝鮮の「反乱軍」が福岡を制圧しにかかっているのに、日本の政府も国民も右往左往するばかり。北朝鮮の兵士たちが拍子抜けするほどのふがいなさです。けれど、現実にこういう事件が起きれば、やはり今の日本人は、こう反応するでしょう。
著者
皆木 和義
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.257, pp.128-131, 2006-02

起業直後の危機を乗り越え、アタッチメントプラグに二股ソケットと立て続けにヒットを飛ばした幸之助。自転車ランプに改良の余地と市場性を見出し、苦心の末に新製品を開発。増産体制を整えた。だが、問屋を営業に回ったところ、総スカンを食らう。文◎皆木和義 Kazuyoshi MINAGI画◎山本重也 Shigeya YAMAMOTO 「なぜなんや……。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.177, pp.34-37, 1999-06

千葉県を中心にカー用品のディスカウント店を展開するオートウェーブ(千葉市)は、九九年三月期、消費不況をものともせず増収増益を達成した。売上高は前年比七・二%増の一七九億円、経常利益は四億七三〇〇万円と前年の三倍以上に増えた。六月に予定される栃木県小山市での新店オープンを皮切りに、全国展開も始める。
著者
童門 冬二
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.259, pp.102-105, 2006-04

徳川第八代将軍吉宗の政治は"享保の改革と呼ばれ、そのスケールの大きさや施策のきめの細かさで後世の模範となった。そのため、かれは「幕府中興ちゅうこうの祖」ともいわれた。 当時の各大名家も、藩政改革をおこなったが、そのほとんどが手本としたのが吉宗の改革だ。米沢の名君上杉鷹山ようざんの改革の中にも吉宗の精神がかなりとりこまれていると思う。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.176, pp.80-82, 1999-05

「不況というより、人災による倒産ですよ」。三月一日に二回目の不渡りを出し、負債総額三四億円で任意整理中のコンベア製造メーカー、カワサキ製作所(東京都葛飾区)の元幹部は憤慨しながらこう語った。 カワサキ製作所は、食品メーカー向けにベルトコンベアを製造する中堅メーカー。スパイラルコンベアと呼ばれるらせん状のコンベアでは、パイオニア的な存在だった。
著者
小和田 哲男
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.176, pp.86-89, 1999-05

大友氏は、もともと相模国大友郷(小田原市)を本領とする関東武士で、鎌倉時代のはじめ、初代とされる大友能よし直なおが豊後国の守護となり、以後、戦国時代まで豊後国を中心に領国支配を展開した九州の名門である。 鎌倉・南北朝時代、さらに室町時代と下るにしたがって、惣領そうりょう家から庶子しょし家が派生し、志賀・田北・詫たく摩ま・田原氏といった庶子家が家臣団に組…
著者
童門 冬二
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.248, pp.94-97, 2005-05

"黄門様"と呼ばれた水戸徳川家二代目の藩主、光圀みつくには、奇抜な藩主人事を強行している。それは、讃岐(香川県)の松平家と、自らの水戸徳川家の「藩主交換」を行ったことだ。 最初は交換ではなく、 「水戸徳川家の相続人は、讃岐松平家から迎える」 というものだったが、アクシデントが起こって、結局は"交換"になった。
著者
池松 由香
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.260, pp.118-121, 2006-05

そんな思想で若手起業家に人気の高かった「経営のカリスマ」が、自らの「成功の美酒」に溺れて散った。 東日本ハウスの創業者、中村功氏(69歳)が1996年に設立した銀河高原ビールは、2006年3月9日、東京地方裁判所から特別清算手続きの開始決定を受けた。負債総額は約126億円。あまりにあっけない幕切れだった。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.181, pp.20-23, 1999-10

四国と本州の「夢のかけ橋」として一九八八年に完成した瀬戸大橋。この巨大な橋のケーブルを固定するボルトやナットは、一〇年経ったいまも、ほとんど錆びていない。 この防錆性に優れた「タケコート」を生産しているのが、東大阪市の竹中製作所だ。
著者
小野田 鶴
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.254, pp.152-154, 2005-11

パソコン塾などを経営するアルファスタジオ社長、松岡みどりは、今年6〜8月、"カリスマ教師と呼ばれる原田隆史の研修に参加した。初回、「契約2件」と目標を紙に書いた途端、背中を押されたように行動力を発揮し、目標を達成した。取材・文◎小野田鶴 A3用紙を前に、松岡みどりは呆ぼう然ぜんとしていた。 (私に足りないのはコレだ……) 2回目の研修も大詰め。
著者
宮本 ゆかり
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.249, pp.43-45, 2005-06

堀内 仕事がないか、その仕事を継続できない事情があるってことかもしれない。部品が入ってこないとか、あとはやっぱり、人間関係のトラブル。うちの夫は、社員さんともめると、「もういいっ!」と帰って来ちゃう。その辺が幼いと言うか、人間関係の緊張に耐えられないんです。宮本 うちは逆だな。早く帰ってくるってことは、ちゃんと部下に任せられているんだな、と思う。
著者
遠山 敏之
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.237, pp.132-135, 2004-06

「民事再生を申請と聞いた時は、えっ、まさか! という感じでしたよ」と、同業他社の従業員は言う。キャリアテープ製造大手、ヤヨイの破綻は、それほど業界では驚きをもって受けとめられた。 キャリアテープとは、小さな電子部品を挟み、組み立て装置へ供給する際に使う梱包材。ヤヨイは一時トップシェアを持ち、技術力にも定評があった。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.248, pp.108-111, 2005-05

自らの罪深さを認め、心から謝り、厳しい処罰を自らに下す。結論から言えば、これが「許される謝罪」に必要な、すべてである。だが、それができない企業の何と多いことか。 「時代の変化で、謝ることの重要性が高まっている」とリスク管理の専門家、田中辰巳氏は指摘する。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.226, pp.70-73, 2003-07

ようやく明るくなりかけた午前四時。中央タクシー(長野市、宇都宮英遠社長)の乗務員詰め所には、電話機のモニタースピーカーを中心に車座になった運転士達がいた。ボイスメールの内容を聞き逃すまいと皆、真剣な表情だ。 「総売り上げの八割弱を占める電話注文をもう一歩押し上げ、三期連続の赤字から回復を目指そう。