著者
小野田 鶴
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.254, pp.66-70, 2005-11

名鉄名古屋駅から急行で約20分。郊外の駅でタクシーの運転手に行き先を告げると、「あぁ、『アメイジング』さんね。あそこができてから、うちもお客さんが増えたよ。この辺、本当に何もなかったから」と言う。 10分程で「アメイジングワールド」江南店に着いた。12歳以下の子供を持つ家族にターゲットを絞った、屋内型のアミューズメント施設だ。
著者
池松 由香
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.253, pp.68-72, 2005-10

2005年が明けたばかりの冬の夜。ウェブドゥジャパンのメディア営業部長、古瀬祥一(23歳)は、同社の開発チームが提示してきた「開発スケジュール」に憤っていた。開発チームを取り仕切る取締役の田沢知とも志ゆき(36歳)の元へ駆け寄り、睨み付ける。 「これ、どういうことっすか?
著者
永井 学
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.259, pp.114-117, 2006-04

1月27日、めん類製造のとりごえ食品(広島県三原市)は広島地方裁判所に自己破産を申請した。負債額は約43億円。主に中国・近畿地方のスーパーやコンビニに商品を納入していた。 「あんないい人の会社をなんでつぶすんじゃ。支え続けられんかった銀行が悪い」。地元の三原市の経営者仲間からは、恨み節も聞こえてくる。引導を渡したのが銀行だったからだ。
著者
桜庭 麻衣子
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.238, pp.88-90, 2004-07

90年代後半、渋谷・原宿に数多くの美容室が出現し、「カリスマ美容師」という言葉と共に世の話題となった。しかし、それより20年以上も前に、トップヘアデザイナーの地位を不動のものとし、以来、業界ナンバーワンの座に座り続ける人物がいる。美容室チェーン田谷の現会長、田谷哲哉である。 美容師の世界では、腕に覚えのある者ほど独立願望が強い。
著者
寺村 久義 高野 泰志
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.192, pp.50-53, 2000-09

寺村 東京国際フォーラムにある六〇〇坪のイベント会場を借り、当社の役員の写真を掲げた生花祭壇を一一基つくって展示しました。この生花祭壇は自由にデザインでき、なおかつ従来のものよりはるかに安価な点が特徴です。それを軸にこれから新たな葬祭関連事業を展開していく、ということを告知するのが生前葬の目的でした。
著者
江川 祐司
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.236, pp.148-151, 2004-05

電話加入権レンタルや回線再販、携帯電話販売で急成長したが、収益基盤が脆弱過ぎた。どの分野でも市場が拡大すると価格競争に巻き込まれ、先行者の優位を生かしきれなかった。 3月24日、電話関連の業界で市場の隙を突き、2003年3月期の売上高が283億円に達していたベンチャー企業が破綻した。
著者
河野 敏旺
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.206, pp.98-100, 2001-11

大日機工はトンネル工事に使う無人作業車の開発で一躍脚光を浴び、成長軌道に乗った。しかし、河野氏は会社が大きくなればなるほど、人には言えない自己嫌悪とプレッシャーに苛まれるようになったという。英国ジャガー社との技術提携は「日の丸ベンチャーの快挙」と讃えられたが、河野氏は「それが破綻への第一歩だった」と振り返る。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.197, pp.88-90, 2001-02

中小アパレルメーカーや生地問屋が建ち並ぶ東京都千代田区岩本町。昨年一一月一七日、この一角に本社を置く生地問屋、岡島商事(岡嶋光明社長)の社内は、妙な静寂に包まれていた。 週明け二〇日の月曜日は、一億八〇〇〇万円の手形の決済日。その資金が四〇〇万円ほど不足していた。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.235, pp.130-132, 2004-04

「1億円」が目標でした。しかも、土地や建物でなく現ナマで1億円、すなわち100万ドルです。ミリオネアー(百万長者)になって初めて、自他共に認める成功者になれるのだ、と。 創業から15年と半年、2003年にこの目標を達成しました。自社株の配当もありましたが、もっぱら社長の給料で貯めた金です。
著者
童門 冬二
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.231, pp.114-117, 2003-12

呆気にとられる家臣に対して、黄門様がテレビドラマでお馴染みの高笑いをしたかどうかまでは、記録に残っていない。 実際に、領主としての光圀は、収穫高を農民の自己申告に任せ、そのデータを元に年貢を決めるシステムを導入している。農民達から歓迎されたのは言うまでもない。
著者
桜庭 麻衣子
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.237, pp.86-88, 2004-06

今にも泣き出しそうな曇り空。埼玉県北西部にある「おおむらさきゴルフコース」に現れたのは、文具メーカー、ミドリの社長、会田一郎だ。パートナーは、ハルデザイン社長の田中秀樹。公私にわたる良き友人である。 「スタートの2時間前には到着しちゃったよ。田中さんと二人で回る機会なんて、よく考えたらコンペ以外に無いからね」とは会田の第一声だ。
著者
原 武雄
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.229, pp.143-147, 2003-10

1998年5月15日金曜日。仙台の朝は、前日の曇り空のなごりで、春とも思えない冷たい空気が頬を刺していたが、空は晴れ渡っていた。 同市若林区中倉にある東北紙工は、東北6県の中で、東北大日本印刷(仙台市)に次ぐ第二位の売上高を誇る印刷会社。東北の名門企業である。
著者
松井 道夫
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.279, pp.120-123, 2007-12

シェア奪回を狙った一手が裏目に—— 昨年秋、松井道夫は悪夢を味わった。思い切った値下げに踏み切ったものの、効果は思うように上がらなかった。じりじりと売り上げが落ちていくのを眺め続ける、焦燥と孤独……。今だかつてない苦悩の中、経営者として、いかに考え、決断し、行動したのか。松井証券の大きなターニングポイントを、松井が振り返る。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.205, pp.50-52, 2001-10

JR横浜駅前に一〇代後半から二〇代前半までの女性の間で人気を呼んでいる美容室がある。「ユニックス・ザ・スーパーモデル横浜店」だ。横浜市内に住む女子大生は、初めてこの店に行った時の感動が忘れられないという。 友人から「腕のいい美容師がたくさんいる」と聞いて、一度試してみようと考えていた。
著者
北方 雅人
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.271, pp.38-41, 2007-04

創業者精神を凝縮したものが社訓(社是)や家訓だ。創業者の血が流れるファミリー企業には社訓や家訓を通して脈々と創業の心が息づいている。それがファミリーと社内に求心力やロマンをもたらす。取材・文◎北方雅人「愛と誠心(まごころ)と感謝を込めて、お客様に愛される不二家になりましょう」。これは、消費期限切れの原料使用が発覚した不二家の社訓だ。
著者
北方 雅人
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.281, pp.66-69, 2008-02

住宅業界一筋。工務店で長年、積算業務を担当してきた。43歳で独立し、「反常識」の注文住宅メーカーを目指す。価格に透明性を持たせ、大手の2割安で販売。拙速な拡大に走らず、堅実に独自の地歩を築く。文◎北方雅人 写真◎菊池一郎上場初日は売り注文が殺到して値が付かず、翌日付いた初値も公募・売り出し価格を33%下回り、2007年のワースト記録。
著者
平松 宏之 奥寺 憲穂
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.224, pp.66-69, 2003-05

——上場の初値二二万八〇〇〇円(公募価格二二万五〇〇〇円)は見込み通りでしたか?平松 あの時は日経平均が非常に低調で、直前に公開したところが軒並み公募割れしていましたから、何しろ公募割れさえしなきゃいいが、と思っていました。ひとまずクリアしたことで、せっかく抽選で当たった方々が損をしなくてほっとした、といのが最初の感想でした。
著者
関 満博
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.224, pp.74-76, 2003-05

全国各地の中小企業を訪ねてきた私だが、実は唯一、沖縄には足を踏み入れたことがなかった。製造業の過疎地域とされ、私の出番はなかなか来なかったのだ。 この春、ようやくそのチャンスに恵まれた。面白い会社があるという噂を聞いて訪れたのは、沖縄の町工場。「佐喜眞さきま義肢製作所」である。 小柄な佐喜眞保社長は、スーツに着替えてニコニコと待ち受けていた。
著者
桜庭 麻衣子
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.232, pp.96-98, 2004-01

「『このゴルフ場は、一度は回ってみたほうがいい』って知人に薦められてた。どんなコースか楽しみやな」 冬晴れの空の下、時折ピリっと冷たい風が吹き抜ける、兵庫県・ザ・サイプレスゴルフクラブ。システムデザイン社長、古川善規のラウンドが始まった。自らデザインした紺色のスポーツウエアがしっくりと馴染んでいる。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.182, pp.36-39, 1999-11

横浜市保土ヶ谷区の相鉄線・和田町駅から徒歩七分。宅地化が進んだベッドタウンの高台に七年前、地上四階建て、外壁総タイル張りの豪華な建物が完成した。 付近の住民には、企業の独身寮になるという説明があったが、完成後も社員が引っ越してくる様子は見られない。入居者のいない建物は、住民の間でいつしか「幽霊寮」と呼ばれるようになった。