著者
鈴木 重行
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.49, no.5, pp.488-491, 2001

本校で,毎年(もう6年間も)行っている実験,知り尽くしているはずだった,頭の中では分かっていた。時間を節約できるつもりだった。忙しさにかまけて予備実験をせず,頭の中での実験だけで,こうなるだろうと思いこんでしまったためにやってしまった失敗を報告(懺悔)いたします。ひとつ間違えば,生徒の感電という事故につながったかもしれない。今考えるとぞっとする。実験道具を1セットは使いものにならなくしてしまった位ですんだのは,不幸中の幸い。やっぱり実験はやってみないと分からない。
著者
長谷川 誠 石田 宏司
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.68-72, 2005
被引用文献数
4

平成16年度文部科学省・大学等開放推進事業「大学Jr.サイエンス事業」として,「光のふしぎにふれてみよう」と題する講座を開催した。これは,小学生や高校生に理科・科学への興味・関心を持たせることを目的としたものであるが,その中で,大学生から高校生へ,さらに小学生へのリレーティーチングを試みた。大学生及び高校生に他人に教える機会を提供することで,自らの知識を再確認・再構築する機会を提供できたと考えている。
著者
鬼塚 史朗
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.45, no.6, pp.349-356, 1997
被引用文献数
1

科学と社会,両者の接点にコーヒーの姿がみえる。ギリシアを始点とする自然科学と,アラビアを原点とするコーヒーは,イタリア,フランスをへてイギリス,アメリカへとその舞台を移した。その間コーヒーは,科学と社会の間にあって,相互作用因子としての機能をはたした。18世紀中葉,コーヒーはイギリスの地にしばしの安息を得るが,この間にイギリス文化の基礎を築き,その地に近代科学を育んだ。しかしロンドンとパリではその様子は大きくことなっていた。そこにはイギリスとフランスの国力や社会制度のちがいがみえる。英語と仏語の間にも文化的闘争があった。ロンドンのコーヒー店はイギリスの社会制度を育んで自然科学の確立に寄与したのに対し,パリのカフェーは社会科学の揺動因として社会変革の震源となった。本稿では,コーヒー店を視座に近代科学成立の要件をさぐる。
著者
山本 和久
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.23-25, 1998
参考文献数
2
被引用文献数
1

大学新入生を対象に,「スペースシャトルと無重量状態」に関するアンケートを取ってみた。その結果,高校時代に物理学を履修していたか否かに関わらず,シャトルの中の「無重量状態」がなぜ起こるのか,多くの学生が誤った認識をしていることがわかった。彼らにとって,「宇宙」は依然として,地上とは別の不思議な現象が起こる世界なのである。
著者
小久保 慶一
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.50-51, 2009

溶液の組成などの工夫を行えば-2℃程度の気温の中,シャボン玉を凍らせる事ができることがわかってきた。シャボン膜に出来る結晶の形,その結晶が成長する様子や,凍ったシャボン玉が割れる様子などは神秘的で見る人に感動を与えてくれる。また,凍るシャボン玉が理科部の研究対象としてだけでなく,その研究成果が地域イベントなどへ還元されており地域貢献にもなっている。
著者
高野 文彦
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.211-218, 1990
被引用文献数
2

高校における物理教育への影響を考慮しつつ,大学入試での物理の問題のあり方を考える。まず影響の大きいのは,共通第1次試験(センター試験)ではなく,各大学が行う入試であることを指摘する。次いで各大学の入試問題を調査した結果に基づき,物理の入試問題の具体的な改善策を提案する。主なものは,受験生の途中の思考過程も採点の対象とするよう,穴うめ式や多肢選択式の問題はできるだけ少くすること,計算問題にかたよらず定性的な文章やグラフにより解答させる問題を多くすること,数値計算を混ぜること等である。さらに条件設定を余り複雑にせず,基礎的材料で工夫した出題をすること,また独立した科目での出題にこだわらず,いろいろな形での試験方法を考えるべきことを指摘した。
著者
堀込 智之
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.227-231, 2012

疑似津波実験と,被災地の津波到達水位調査から平野とV字谷を襲う津波のメカニズムを考察した。
著者
霜田 光一
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.303-305, 2006
参考文献数
4

水分子の振動と回転スペクトルによる共鳴吸収は赤外域にあるので,電子レンジのマイクロ波の吸収に関与するのは,液体の水の誘電率の異常分散に伴う吸収である。有極性分子は印加電場の方向に統計的に配向して,固体や液体の分極をつくるが,配向分極の生成・消滅には時間的遅れがある。この誘電緩和に関するDebyeの理論によれば,水はマイクロ波の広い周波数範囲で強い吸収を示す。これが水分をもつ物質が電子レンジで加熱される理由である。そして,無極i生分子からなる物質は電子レンジの加熱が弱い。
著者
斯迪克 艾尓肯 山下 信彦
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.1-5, 2003

食塩水にPbとMnを添加した後,蒸発・乾固させるという簡便な方法によって,蛍光性の食塩を合成することに成功した。著者達のこれまでの研究によると,紫外線の下で蛍光を発するカリフォルニア産岩塩は,不純物としてPbとMnを含んでおり,Pbによって吸収された紫外線エネルギーがMnに伝達され,その後,Mn内の電子遷移により鐙赤色の蛍光を発することが分かっている。蛍光性食塩の合成は,この天然岩塩にヒントを得たものである。この蒸発・乾固法は,電気炉やマッフルなどを使って合成する溶融法に比べて経済的にも時間的にも極めて簡便な方法である。学校教育における授業実践を想定し,明るい蛍光を発する食塩微結晶の合成方法を提示する。
著者
鬼塚 史朗
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.36-43, 1997
参考文献数
21
被引用文献数
2

ニュートン力学が創始されたとき,フランスのデカルト派からは"ニュートン力学は,悪魔の算術に依拠した恣意的仮説である"と批判された。ニュートン力学の要諦は天界の力と地上界の力の統一にあったわけであるから,その観測的,実験的検証は不可欠であった。しかし,地球の半径や地球太陽間距離の測定ができなかった当時,その検証は困難を極めた。これらの値の確定に航海学は大きく寄与した。航海学の背後にはポルトガルとイスパニアの世界「2分割支配」がみえる。航海学が天文学の進歩をうながし,天文学の知見が近代科学成立の礎石となった。本稿では,ポルトガルとイスパニアを視座に航海の動機や目的を議論し,ニュートン力学の確立に寄与したハリーの足跡をたどる。
著者
中川 雅仁
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.141-144, 2007
被引用文献数
1

単極モーターの動作原理について,理論的な考察及び計算を行った。特に,単極モーターの反作用は磁石に働くという誤解を解き,その上に立った解釈を与えた。すなわち,磁石(と流れる電流)の磁場により単極モーターの金属板部分に回転軸まわりの力のモーメントが働き,それによって回転するが,磁石には,金属板や導線に流れる電流からの力のモーメントは働かない。導線部分には金属板部分に働く回転軸まわりの力のモーメントと,大きさは同じで向きが反対の回転軸まわりの力のモーメントが働く。
著者
矢野 淳滋
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.312-315, 1989
被引用文献数
2

GM計数管のガスを大気圧の乾燥空気とし,針状陽極を使用して先端の角度と曲率を適当にすることにより,高校生にも容易に自作できるGM計数管を作ることが出来た。このGM管は管内外の圧力差が無いため,極めて薄い窓が使用でき,管外からのα線も計数することが出来る。またこのGM管の感度を良くするため口径を大きくすると平坦なプラトーが無くなるので,GM管自身を定電圧コロナ放電管として使用し,電源コンデンサーの電圧を調整してから測定する方法も開発した。
著者
渡辺 儀輝
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.40-42, 2010

平成20年度,独立行政法人科学技術振興機構(JST)が公募した地域ネットワーク支援事業に函館市の提案が採択された。その内容は地域の独自性を活用した国際科学祭,科学網,科学寺子屋の3つのイベントの有機的・複合的なものであり,他に採択された各種大学の提案事項と一線を画している。ここでは,その中の「はこだて国際科学祭」を中心に取り上げ,従来から開催されていた青少年のための科学の祭典函館大会との関連と,今後の展望も紹介する。