著者
王 飛 高橋 光輝
雑誌
研究報告コンシューマ・デバイス&システム(CDS) (ISSN:21888604)
巻号頁・発行日
vol.2016-CDS-15, no.7, pp.1-7, 2016-01-14

戦後女性が社会生活で活躍し,同時にアニメ作品の内容も変貌した.特に近年における日本のヒットアニメはフェミニズムが色濃く反映されていると言っていい.影響を及ぼしているオタク文化やコスプレ文化など,フェミニズムがアニメに浸透している.日本のアニメにおけるフェミニズムの歴史に遡り,近代ヒットアニメのフェミニズム的要素,市場ニーズなどを通じ,ヒットとフェミニズムの関連性を分析し考察する.
著者
村松 佳奈 中山 雅哉 斎藤 馨
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告コンシューマ・デバイス&システム(CDS)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.5, pp.1-8, 2015-01-19

本研究では近年普及している iPad を始めとするモバイル端末において、森林等の自然環境を視聴した際に視聴者に与える効果について考察した.具体的には,都市近郊の森林を対象として,全方位のパノラマ景観を視聴できるアプリケーションを用いる.このアプリケーションを通した場合に,視聴者が抱く森林への印象と,森林現地における直接的な体験に及ぼす影響の双方を,主観評価によって調査した.In mobile terminals including the iPad, which have become popular in recent years. This study discussed effect on viewers when they watch the natural environment such as forest though mobile terminal. In this study, we use an application that can watch the panoramic views in all directions of forest lanndscape. We investigated the effect on the impression of forest landscape and forest local experience the effect on the impression of forest landscape and forest local experience though this application by a subjective evaluation .
著者
山本 太郎 関良 明 高橋 克巳
雑誌
研究報告コンシューマ・デバイス&システム(CDS)
巻号頁・発行日
vol.2012-CDS-5, no.19, pp.1-8, 2012-10-10

我々は,情報工学と社会科学の学際的アプローチにより,インターネットを利用する際の 「安心」 に関する研究を行っている.その一環として,不安を制御することによる安心の獲得を実現するための現実的なソリューションを検討するにあたり, 23 種類の実在ネットワークサービスの各利用者を対象として,各サービスにおける不安に関する Web アンケート調査を 2011 年に実施した.本論文では,そのうちソーシャルゲームサイト・複数参加型オンラインゲーム各 2 種について,それぞれ不安を感じるサービス利用者各 78~120 名が,どのような不安を,どのような理由で感じ,どのような解決策を望んでいるのか等について,調査結果を提示するとともに,得られた知見と考察について言及する.
著者
藤田 裕之 杉村 博 村上 隆史 一色 正男
雑誌
研究報告コンシューマ・デバイス&システム(CDS) (ISSN:21888604)
巻号頁・発行日
vol.2016-CDS-16, no.14, pp.1-7, 2016-05-26

iOS デバイス上で動作する ECHONET Lite パケット送受信ツール 「SSNG for iPhone」 を開発した.ECHONET Lite 仕様書に定義されている機器情報 (EOJ, EPC, EDT) の詳細をツール内部に持たせることと iPhone の限られた画面サイズを考慮した UI をデザインすることで,ECHONET Lite パケット作成時のパラメータ設定が飛躍的に容易になった.また受信したデータ解析も容易に行える.このツールは ECHONET Lite エキスパートの作業効率を高めるだけでなく,ECHONET Lite 初心者がプロトコルを理解するためにも活用できる.
著者
山本 恵理 佐々木 良一
雑誌
研究報告コンシューマ・デバイス&システム(CDS)
巻号頁・発行日
vol.2015-CDS-12, no.26, pp.1-8, 2015-01-19

近年,自分で自分の健康を管理するヘルスケアへの関心が高まっている.ヘルスケアを目的とするデバイスとして用いられるウェアラブルデバイスは,WBAN(Wireless Body Area Network) とよばれる人体を中心とした無線通信により,ハブ端末であるスマートフォンやタブレットとの通信が行われている.この WBAN は,IEEE 802.15.6 によって規格が策定されており,物理層として UHF 帯狭帯域通信,超広帯域通信 (UWB),人体通信 (電界方式) の三種類が技術仕様として定められている.我々はこの中でも,ウェアラブルデバイスへの搭載が期待されている,消費電力の少ない人体通信について着目した.人体通信機能がウェアラブルデバイスへ実際に搭載された事例は ID カードと玩具の数例しかなく,その通信の安定性については,まだいくつかの課題が残されている.そこで著者らは,ハブ端末とウェアラブルデバイス間の通信を,人体通信を用いて行う場合の人体上の伝搬特性と周波数特性について,21MHz と 455kHz の搬送波周波数を用いて測定を行った.この結果,21MHz に比べ 455kHz の搬送波周波数を使用した場合,安定した通信が行えることを確認した.この結果を用い,455kHz の搬送波周波数を使用し,人体通信で情報を送信または受信するウェアラブルデバイスの製作と,受信した情報をスマートフォンで可視化するためのアプリケーションの開発を行い,さらに,人体通信の実用化のため,通信の安全性を考慮し,AES を用いて通信傍受対策を行った.これにより,雑音にそれほど強くない符号化 ASK でも,手先や顔の周辺では人体通信でウェアラブル機器同士の通信が十分行えることを確認したが,足付近では雑音によって情報が誤って受信されるという課題が残った.今後、雑音対策として FEC の実装を行い,消費電力に考慮した対策を行っていく予定である.
著者
赤池 勇磨 金丸 智史 米田 純 久米 由花 荒川 豊
雑誌
研究報告コンシューマ・デバイス&システム(CDS)
巻号頁・発行日
vol.2014-CDS-10, no.5, pp.1-8, 2014-05-15

本研究では,現実世界の対話における問題点を緩和し,コミュニケーションの円滑化を目的とした,AR (拡張現実) を用いた対話システムを提案する.提案システムは,没入型 HMD とカメラを組み合わせ,カメラに映る目の前の世界がリアルタイムに HMD に表示される.このとき AR により,対話者の顔の上にアバター (自分の分身となるキャラクター) を,対話者の隣に対話者に関する情報や話題となる情報を表示する.これにより,個人の持つコミュニケーション能力のレベルの差や,人間関係,対話者についての知識量の不足などによって起こるコミュニケーションの問題の緩和を狙う.今回,初対面の人と会話する必要がある代表的なコミュニケーションの場である 「合コン」 に対して本システムを使用し,提案システムの有効性を評価した.
著者
水野 淳太 後藤 淳 大竹 清敬 川田 拓也 鳥澤 健太郎 クロエツェー ジュリアン 田仲 正弘 橋本 力 奥村 明俊
雑誌
研究報告コンシューマ・デバイス&システム(CDS) (ISSN:21888604)
巻号頁・発行日
vol.2015-CDS-14, no.14, pp.1-13, 2015-09-24

我々は,災害時に Twitter に投稿される膨大な情報を効率よく検索するために対災害 SNS 情報分析システム DISAANA を開発し,誰もが利用可能な Web アプリケーションとして試験公開している.本論文では,これまでに行ってきたシステムの改善ならびに不適切な回答候補を抽出する事を回避するために新たに導入したモダリティ解析,ツイート属性判定,予報表現抽出について議論する.その上で,これまで東日本大震災関連の災害情報のみで行われてきた本システムの評価を,台風や大雪といった一般的な災害にまで拡張し評価を行う.その結果,さらなる改善の余地が残されているものの,実用可能な性能に達していることを確認できた.
著者
井上 義隆 松村 択磨 深澤 佑介 山田 和宏
雑誌
研究報告コンシューマ・デバイス&システム(CDS) (ISSN:21888604)
巻号頁・発行日
vol.2018-CDS-23, no.9, pp.1-8, 2018-08-23

本研究では深層学習による美的評価エンジンの開発と構図推薦カメラの実装を行なった.美的評価エンジンは画像の 3 値分類モデルとして構築した.学習済みモデルを用いた美的評価エンジンのファインチューニングによってロバスト性を獲得し分類精度を改善した.また,深層学習の推論をリアルタイムに動作させ,撮影すべき構図を撮影者に推薦するデジタルカメラ型デバイスを実装した.構図推薦カメラは初心者の撮影技術をサポートするだけでなく,熟練者に対してもシャッターチャンスの気づきや構図を追求する機会を与えることができる.
著者
奥村 明俊 星野 隆道 半田 享 西山 雄吾 田淵 仁浩
雑誌
研究報告コンシューマ・デバイス&システム(CDS) (ISSN:21888604)
巻号頁・発行日
vol.2017-CDS-19, no.19, pp.1-8, 2017-05-18

近年,転売を目的としたイベントのチケット購入やダフ屋行為が増加しており,本人確認が今まで以上に重要となっている.チケットの本人確認の課題は,大規模イベントにおいて入場者のなりすまし防止と確認作業の効率化を両立することである.我々は,この課題の解決に向けて顔認証による本人確認システムを開発し実用化してきた.本人確認システムは,20 以上の大規模コンサートで活用され,なりすまし防止に効果を発揮している.このシステムは,チケット購入時に登録された購入者の顔画像とイベント入場時の入場者の顔画像を照合し,購入者と入場者が同一であることを確認する.顔認証による本人確認システムでは,イベント係員が入場者を静止させてチェックインや顔認証を実行し,一人あたり平均 7 秒で本人確認を行っていた.本論文では,より効率的な本人確認を実現するために,入場者が顔認証のために立ち止まることなく歩行したまま本人確認を行うノンストップ顔認証システムを提案する.歩行中の入場者は,横を向いたり目を閉じたりするなど顔認証に不向きな状態で撮影されることが多い.提案システムは,入場者を 2 つの異なるカメラで撮影し 2 種類の画像と登録画像を照合して顔認証を行うことで,歩行中の入場者の高精度な顔認証を実現した.提案システムは,アイドルグループのコンサート入場者 4226 名の本人確認に活用され,顔認証精度は 91% である.本人確認から入場までの時間は,顔認証に成功した場合一人あたり平均 2.5 秒,顔認証が成功せずに係員が目視で確認した場合も含めて一人あたり平均 2.8 秒である.従来の顔認証システムによる本人確認と比べて確認時間を 60% 削減した.
著者
竹渕瑛一 鈴木浩 服部哲 速水治夫
雑誌
研究報告コンシューマ・デバイス&システム(CDS)
巻号頁・発行日
vol.2013-CDS-6, no.24, pp.1-5, 2013-01-09

近年,投稿されたコンテンツに対して利用者が自由にタグを付けられるサービスが増加している.それに伴い,コンテンツに付けられたタグ群を自動分類する研究も盛んになっている.自動分類の一つとしてタグの階層化が挙げられる.タグの親子関係を構築することにより,検索の利便性を向上させる研究である.一方で,現状の研究では不特定のタグを階層化するため,目的のタグが見つからない問題がある.本論文は Pixiv を対象に,二次創作イラストに付けられるジャンルタグを自動分類する手法 (ジャンルタグ分類法) について述べる.ジャンルとは, 2 次創作における原作を意味している.ジャンルタグ分類法とは,対象のイラストのタグ群から,対象のイラストと同様なタグを付けたイラストとの相互関係によりジャンルタグの推定を行う手法である.ジャンルタグの分類を行うことによって,階層化されたタグのうち,どの階層にジャンルタグが存在するか特定できるようになる.
著者
玉井森彦 永田大地 前中省吾 森下慈也 安本慶一 福倉寿信 佐藤啓太
雑誌
研究報告コンシューマ・デバイス&システム(CDS)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.15, pp.1-8, 2014-08-20

近年,景観の良さを評価指標とするナビゲーションサービスが提供され始めている.しかし,既存のサービスでは,景観の情報を人手により編纂しているため,あらかじめ決められた特定の時間帯や季節における静的な情報を提供するに留まっており,最新の状況を反映した情報提供が行われていない.また提供される情報もテキストや画像を中心としたものであり,経路選択の判断材料として不十分である.著者らは,参加型センシングに基づき,多数の車両が車載スマートフォンを用いて走行中の経路の動画を撮影し,景観の良い場所の動画を自動的に収集,配信するシステムの研究開発を行なってきた.これにより,広範囲にわたって動画付きの景観情報を様々な時間帯や季節のもとで自動的に収集可能となり,各ユーザのコンテキストを考慮した上で鮮度の高い景観情報を提供可能となる.本稿では,景観の良い場所として桜が見られる経路に着目し,スマートフォンにより撮影された動画から桜の写っている度合い (桜度合い) を数値化する手法を提案する.提案手法では,桜の花びらに出現する色の分布を表すヒストグラムを事前に作成しておき,そのヒストグラムを用いて入力画像における桜度合いを算出する.また,桜の花びらに近い色を持つ建物などが誤検出されることを防ぐため,フラクタル次元解析に基づきフレーム中で木の葉が茂っている場所のような複雑なエッジを持つ領域を特定した後,その領域に対してのみヒストグラムに基づく色解析を行う手法を考案した.提案手法による桜度合い算出結果の妥当性を検証するため,車両走行中に撮影された動画から桜の写っている部分,または写っていない部分の 1 秒間の動画を約 5000 個切出し,各々に対し目視で桜の有りなしを分類したものを正解データとして,提案手法に基づく分類精度を調べた.結果,提案手法は適合率が約 0.87,再現率が約 0.91 で桜の有りなしを分類できることが分かった.
著者
赤坂 幸亮 大曽根 諒 天城 康晴 山口 高男 安部 惠一
雑誌
研究報告コンシューマ・デバイス&システム(CDS) (ISSN:21888604)
巻号頁・発行日
vol.2017-CDS-18, no.24, pp.1-9, 2017-01-13

本稿では,大規模災害発生時,ICT (Information and Communication Technology) を用いて避難者情報を収集し,救援ニーズを含む避難者名簿等を迅速に作成 ・ 発信,かつ避難者の在席状況を管理する避難所管理システム (Refuge Management System: 以下 RMS と呼ぶ)を提案する.我々が提案する RMS は,電力 ・ 通信インフラ断絶時を想定して稼動させるため,市販の組込みシステムを活用して一層の RMS の省電力化を行った.また RMS は太陽光発充電システムで充電したバッテリユニットを主電源としている.この 1 台の鉛バッテリユニット (DC12V,電流容量 20Ah) で約 3 日間 RMS を稼働すること (常時 LCD バックライト OFF のとき) ができる.さらにバッテリ交換時 RMS の電源をシャットダウンせずに満充電したバッテリと交互に交換する技術により,RMS の稼働時間を延長できた.さらに本稿では我々が開発したプロトタイプを実際に多くの方々に見てもらい,アンケート調査を行った.このアンケート調査の結果より,本研究で提案する RMS の有効性を確認できた.
著者
赤池 勇磨 金丸 智史 米田 純 久米 由花 荒川 豊
雑誌
研究報告コンシューマ・デバイス&システム(CDS)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.5, pp.1-8, 2014-05-15

本研究では,現実世界の対話における問題点を緩和し,コミュニケーションの円滑化を目的とした,AR (拡張現実) を用いた対話システムを提案する.提案システムは,没入型 HMD とカメラを組み合わせ,カメラに映る目の前の世界がリアルタイムに HMD に表示される.このとき AR により,対話者の顔の上にアバター (自分の分身となるキャラクター) を,対話者の隣に対話者に関する情報や話題となる情報を表示する.これにより,個人の持つコミュニケーション能力のレベルの差や,人間関係,対話者についての知識量の不足などによって起こるコミュニケーションの問題の緩和を狙う.今回,初対面の人と会話する必要がある代表的なコミュニケーションの場である 「合コン」 に対して本システムを使用し,提案システムの有効性を評価した.