著者
稲葉 利江子 高崎 俊之 森 由美子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.640, pp.7-12, 2006-02-28

近年、多文化・多言語間でのコミュニケーションの重要性が注目されている。NPOパンゲアでは、世界の子供たちがインターネットを通して、言葉、文化、距離の違いを超えてつながりを感じられる環境を構築しようと、絵文字によりメッセージの交換ができる「コミュニケータ」の開発を行った。今回は、開発を行った「コミュニケータ」のユーザビリティ評価を小中学生を対象としたアクティビティの現場にて行った。そこで、子供たちのPCの利用率に関係なく使用できること、および、明らかとなった課題について報告する。
著者
湊 真一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.78, pp.27-32, 2007-05-31

二分決定グラフ(BDD)は,大規模論理関数を主記憶上に効率よく表現するデータ構造であり,1990年頃より,車にVLSI設計自動化の分野で盛んに研究開発されてきた.近年,このBDDが,データマイニング・知識発見の分野においても活用できることがわかってきた.特に,ゼロサプレス型BDD(ZBDD)と呼ばれるタイプのBDDは,疎な組合せ集合を効率よく扱うことができるため,現実に扱われる多くのデータベースの解析処理に適している.本稿では,ZBDDを用いた頻出アイテム集合マイニングの技法や,様々なクエリを集合演算として処理する渾繹データベースへの応用,アイテム集合に関する独立成分や対称成分を高速に抽出するアルゴリズム等,BDDを用いたデータマイニング・知識発見技術に関する最近の話題について述べる.
著者
城風 敏彦 羽生田 博美 木下 哲男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理
巻号頁・発行日
vol.95, no.265, pp.15-22, 1995-09-28
被引用文献数
3

ネットワークニュースの柔軟な検索のためには,キーワードと類似の単語をもキーワードとする機能が必要である.本報告では,検索に有効と思われる幾つかの単語間類似度の比較実験を行ってその性質を調べた.実験に用いた単語間類似度とは,単語の共起関係,連接関係,近接ベクトルの類似度,表記類似度の4つである.また,これら統計的シソーラスと記号的シソーラスを統合した検索システムを作成し,各機能間の相互作用について検討を行った.
著者
岩爪 道昭 武田 英明 西田 豊明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理
巻号頁・発行日
vol.95, no.265, pp.79-86, 1995-09-28
被引用文献数
4

本稿ではオントロジづこ基づく情報の収集・分類法を提案する.近年、インターネットに代表される情報ネットワークで提供される情報源は急速に多様化、大規模化しており、人間の処理能力では対応が困難になってきている.従来の情報検索ツールには、対象領域に関する体系的な知識が欠如しているため、ユーザの要求と関連のあるものは何か判断したり、検索結果を体系的に分類して分かりやすく示すことは不可能であった.我々は、情報ネットワークに散在する大量の情報群から、オントロジ-を利用して必要な情報を自動的収集・分類する知的エージェントIICAを考案し、プロトタイプシステムの開発を行った.また、WWWおよびネットワークニュースを対象した情報収集および分類の評価実験を行った.実験の結果、我々のアプロ-チが、広域ネットワークに散在する多様な情報の収集・分類に有効であることが明らかになった.
著者
海蔵寺 大成
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.533, pp.57-63, 2000-01-12
被引用文献数
1

この研究の目的は, 多くの経済主体が相互作用する金融ネットワークにおける新しい期待形成仮説, 「相対的期待形成仮説」を提案することである.相対的期待形成仮説はケインズの美人投票仮説の数学的定式化であると解釈することができる.この期待形成仮説から経済主体の投資態度分布として, ボルツマン分布が導出されることが示される.
著者
川前 徳章 山田 武士
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.51, pp.19-24, 2009-05-15

本稿では文書間及びそれらの著者間各々の類似性を評価する為に,著者の興味と文書の内容の依存関係を反映した潜在変数モデルを提案する.提案モデルの特徴は,通常のトピックモデルを拡張し,文書間及び著者間各々に潜在変数を導入している点である.文書毎に導入される変数(文書クラス)は,文書のトピックを選択するための確率分布を持ち,類似した内容の文書間で共有されるものとする.同様に著者毎に導入される変数(著者クラス)は,文書クラス選択の確率分布を持ち,類似した興味を持つ著者間で共有されるものとする.それ故,文書生成を著者クラス,文書クラス及びトピックとその依存関係を用いてモデル化し,そのクラスを用いて著者間及び文書間の類似性を評価できる.論文著者データを用いた実験により,提案手法が著者クラス及び文書クラスを推定し,その結果,文書と著者の関係データを内容と興味の低次元の空間に射影できること,及びテキスト生成モデルとしての有効性を確認できた.
著者
北村 泰彦 河本 健作 川崎 琢磨
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.325, pp.51-56, 2008-11-20

情報通信技術は現代社会に深く浸透しているが,利便性の一方で,その障害によって大きな社会問題を引き起こすこともある.このような問題に対処する一つの枠組は,人工物と人間利用者がうまく共存できる共生コンピューティングであると考えている.本稿では共生コンピューティングへの一つのアプローチとして,人工物であるエージェントと人間利用者が協調して,Webコンテンツを作り上げるSemantic Wikiを取り上げる.Semantic Wikiのプロトタイプとして開発したKawa Wikiと,コンテンツの整合性維持の機能ついて議論する.
著者
芦澤 宏樹 茅野 康臣 岩沼 宏治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理
巻号頁・発行日
vol.94, no.374, pp.63-68, 1994-11-25
被引用文献数
1

Stickelにより開発させたPTTPは一階論理コンパイラであり、証明すぼき一階論理式が与えられると、その上のトップダウン型の演繹を模倣する高速なPrologプログラムを出力する。本研究では、より高速な定理証明システムの構築を目指して、分散処理型のPrologコードを生成する一階論理コンパイラを構築する。生成コードは、LANで結合されたWS群の上で実行される。オーバーヘッドを軽減するため、分散処理の基的形態は極めて単純なものを採用している。幾つかの問題について性能評価実験を行なった結果、線形台数効果の確認等、良好な結果を得たので報告する。
著者
黒木 幹人 永田 守男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理
巻号頁・発行日
vol.98, no.635, pp.1-8, 1999-03-05

情報システム開発の要求分析工程において、分析者がユーザの要求を正確に把握することは、ユーザと分析者の知識や経験が異なるため非常に困難である。分析手法としてオブジェクト指向が注目を集めているが、既存の方法論は実装側に偏っているため、ユーザ側で理解しにくいという問題点がある。本研究では、「ユーザと分析者とのコミュニケーションツール」としてユーザ自身が業務内容を表現できる業務フロー図を提案し、これからオブジェクト図を自動生成するシステムを提案することにより、オブジェクト指向システム開発の上流工程を支援する。本研究の分析手法の有効性を確認するために、試作システムを用いた評価実験を行った結果、役割分担に基づく業務フロー図とオブジェクト図自動生成の枠組の有効性を確認した。
著者
佐藤 泰介
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.91, pp.43-48, 2002-05-17

確率的知識情報処理の標準的手法として欧米で定着しているBayesian networkで最近話題のloopy BP(ループのある信念伝播)を紹介する。
著者
三浦 稔隆 中西 泰人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.353, pp.5-10, 2007-11-19
被引用文献数
4

現在,実空間の設計では社内コミュニケーション活性化を目的とした情報システムの導入など,実空間の設計と共に情報システムの開発が行われるようになってきた.また,ユビキタスコンピューティング環境は,多様なメディアとスケールによって構成される実空間で動作する情報システムであるが,現在そのような多様なメディアやスケールを用いて情報システムと実空間を統合的に設計/開発する手法は確立されておらず,それぞれ異なった手法で構築されている.そこで本研究では,情報空間と実空間の統合的な設計/開発を実現するソフトウェアCity Compilerと,City Compilerを用いた設計/開発手法であるCity Debuggingを提案し,その構想と設計について述べる.
著者
寺野 隆雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理
巻号頁・発行日
vol.98, no.499, pp.23-24, 1999-01-12

計算組織論は、組織科学・計算機科学双方の研究者に、記号処理に基づくモデルや技法、応用分野を与えるものである。本講演では、人間同志またはソフトウェアエージェント間の社会的インタラクションや組織行動などのマルチエージェントシステムの研究を、計算組織論の立場から実施する場合の問題点について議論する。現在のアプローチには3つの欠点がある:モデルが単純すぎること;人為的なパラメタ調整が必要なこと;現実の問題との関連が希薄なこと。このような問題に対処する視点から、我々は、組織学習指向型分類子システム(OCS)と社会的インタラクションのシミュレータ(TRURL)の開発を行ってきた。本講演では、これらの概要を紹介するとともに、エージェントの理論と実問題の双方を扱う新しい枠組としての組織計算のありかたについて考察する。
著者
寺野 隆雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.244, pp.31-36, 2003-07-25

コンピュータ技術の進歩によって,シミュレーション研究を通じて社会・経済システムを分析することが可能になった.その中でも,エージェントベースモデリングは有望である.これらを含む計算社会科学(Computational Social Sciences)は,従来の社会科学研究を,計算機シミュレーションによって,操作的であり,伝達可能であり,かつ実験的なものに変革する可能性をもつようになった.本論文では社会・経済・組織科学分野における複雑適応系に対するエージェントベースアプローチの現状について考察する.このアプローチは,個別の内部モデルをもつソフトウェアエージェント;与えられた環境内でのエージェントのインタラクション;個々のエージェントのふるまいと社会現象との間のミクロ・マクロリンクによって特徴付けられる.エージェントに基づくシミュレーションを使用して,我々は,他のアプローチでは分析が難しい現実世界の複雑な現象を理解することが可能になる.この論文では,この分野の代表的な文献を参照しながら;我々の最近の研究を紹介することで,エージェントモデリングの手法の特性を伝統的な手法と対比させることを目的とする.