著者
今井 繁 長尾 智晴
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理
巻号頁・発行日
vol.98, no.58, pp.59-66, 1998-05-21
被引用文献数
3

自動作曲を人間が作曲を行うための補助的なものと考えると, 作曲のための素材として, バラエティに富む多様な曲を人間に対して提供することが必要となると考えられる.以上の考えに基づき, ランダムな音符列を遺伝的アルゴリズム(GA)により一般的な音楽理論に適合させていくという手法を用いて作曲を行った.その際, コード進行とメロディを決定する双方のプロセスに対してGAを適用した.また, 生成された曲に対する人間の主観評価実験を行ったところ, 本手法により定めた適応度関数は人間の評価を的確に反映していることを確認した.
著者
福本 健冶 池田 冶 小野 典彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理
巻号頁・発行日
vol.96, no.77, pp.33-38, 1996-05-24
被引用文献数
1

近年, 強化学習を利用して, 未知の環境で振る舞うエージェント群に, 試行錯誤的に学習を行なわせ, それらの間に何らかの協調関係を組織化させることが試みられている. しかし各エージェントの状態空間は, そのタスクが他のエージェントとの連携をともない複雑化するにしたがい爆発してしまい, それらに効果的に強化学習を行なわせることはきわめて難しくなる. ここでは, 単純な強化学習の枠組みでは状態数が爆発してしまうマルチエージェントによる典型的な学習問題として, "追跡問題"をとりあげ, 各追跡者エージェント群に構造的Q学習を組み込むことによって, その状態空間の爆発を回避すると共に, それらに分業や群れ行動をともなう協調行動を獲得させることを試みる.
著者
河辺 義信 真野 健 小暮 潔
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理
巻号頁・発行日
vol.98, no.436, pp.21-28, 1998-11-30

本稿では, モバイルエージェントの形式化を行うため, プロセス代数π-計算に基づくネットワークプログラミング言語Nepi^2の言語仕様を拡張し処理系を実装する.この拡張は非決定和演算子に関するもので, モバイルエージェント処理系構築に要求するNepi^2言語の自己記述に必要である.Nepi^2を拡張した上で, 拡張言語の自己記述を与える.これによって, プロセス代数π-計算に基づくモバイルエージェントのための基礎づけを行う.
著者
但野 友美 川村 秀憲 鈴木 恵二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.462, pp.27-31, 2011-03-01
参考文献数
13

人間の主観的な勘や経験等を数値化した意思決定支援手法にSaatyのAnalytic Hierarchy Process(AHP)がある.AHPは問題を階層構造に分解し,各レベルの項目間で親要素に対する一対比較を行い,全体の総合評価を算出する.そのため,代替案数が多くなると一対比較の総数が増え,全ての対を比較することが困難となる問題がある.本研究では最も良い代替案を一つ求める場合に注目し,一対比較が全て終わらなくても解が一意に求まる場合,それ以上の入力を省略することで,問題を解決する方法として比較支援法を提案する.評価項目数 2,代替案数 3の場合について,比較支援法を用いた際の一対比較数を調査する実験を行った結果,最も良い代替案が求まるまでの一対比較数は従来のAHPの平均82%であることが分かった.また,全体の約4割が全ての一対比較値の入力を終える前に解が求まることが分かった.解が一意に求まる時点で一対比較を停止することにより,利用者の負担を軽減できる可能性が示された.
著者
島 広樹 武藤 佳恭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.536, pp.17-23, 2002-01-03

エージェントベース社会シミュレーション(ABSS)は現実世界との乖離を抑え、実用性を模索する方向に進めていくべきだ。このための鍵は適切な調査を実施することである。ABSSのための調査には、モデル構築のための調査とパラメータ設定のための調査がある。前者は自由度の高い調査を利用し、論理的規則の抽出や構築したモデルの適用範囲を把握するために利用する。後者はエージェントのモデルを反映した複雑な構造を持つ調査によって、個々のエージェントを定義するために利用する。パラメータ設定のための調査には、数値的尺度を調整するためのものと論理構造を調整するためのものがある。
著者
和泉 潔 橋本 康弘 鳥海 不二夫 山本 仁志 諏訪 博彦 岡田 勇
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.211, pp.13-18, 2009-09-18

So-net SNS(β版)において,アクティブに稼動するSNSの中からのべ約1,200個のSNSを抽出し,決定木分析を用いて成長するSNSの判別を行なった.その結果,高い精度で判別可能であることが明らかとなった.決定木を生成する際に用いる変数に,ネットワーク構造に関する変数を導入したところ,判別能力が向上することが確認された.この結果より,ネットワーク構造がSNSの成長に影響を与えていることが示唆された.さらに,高成長したSNSの特徴分析を行ない,4つのパターンに分類しそれぞれの特徴を明らかにした.代表的な二つのSNSについてコミュニティ構造の推移を分析することによって,SNSのより詳細な違いが分析できる可能性が示唆された.
著者
ミン テイ グェン 川村 隆浩 中川 博之 田原 康之 大須賀 昭彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.386, pp.19-24, 2010-01-15
被引用文献数
1

本論文の目的は,日本語Webページの文中に現れる行動の基本属性(行動主,動作,対象,時刻,場面,場所)と行動間の遷移を自動的に抽出することである.しかし,先行研究では,抽出のための準備コストが大きいことや,抽出できる行動属性が少ないこと,適用可能な文の種類が少ないこと,行動属性間の係り受け関係を十分に考慮されていないこと,そしてプライバシーなどといった問題がある.そこで本論文では,条件付確率場(Conditional Random Fields)と自己教師あり学習(Self-Supervised Learning)を用いて,行動属性と行動間の遷移を自動的に抽出する手法を提案する.提案手法では,人手でラベル編集,初期インスタンスの作成,行動のドメインの定義などの必要がなく,一回のテストで文中に現れる行動属性と行動間の遷移を漏れなく全て抽出でき,高い精度が得られる(行動:88.9%,基本行動属性:90%以上,行動間の遷移:87.5%).
著者
佐藤 大樹 菅原 俊治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.105, pp.31-35, 2010-06-18

本論文ではユーザのブラウザの閲覧履歴から探索行動と探索目的ページの抽出方法を提案する.近年,ウェブページの爆発的な増加に伴い,ウェブページ推薦の研究が盛んに行われている.我々は,小グループにおける検索サイトを利用した情報探索においての推薦システムをめざしている.特にウェブページ全体を推薦の対象としながらも,ユーザへの負担が少ないことを狙っているが,その実現にはいくつかの課題がある.本論文ではこの中で特に,推薦対象を自動抽出するという課題に対し,ユーザのブラウザの閲覧履歴に基づいた探索行動と探索終了ページの抽出手法を提案し,さらに終了ページが探索の目的ページ(推薦対象ページの候補)となる割合を調べた.評価実験の結果,52.3%の割合で探索行動を抽出でき,そのとき87.0%の割合で探索結果として有用なウェブページを抽出できた.
著者
グェンミン テイ 伊藤 雅博 川村 隆浩 田原 康之 大須賀 昭彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.70, pp.39-44, 2011-05-19

本研究の最終目的は,計算機がユーザの状況を把握し,それに応じて皆の経験に基づく最適な行動パターンを推薦することである.これを実現するために,皆の経験に基づく行動パターンの集合知(行動パターンの構成要素,行動パターン間の関係)が必要である.そして,これらの行動パターンの表現,参照,更新の方式が必要である.しかし,皆の経験に基づく行動パターンの集合知を人手で構築するには膨大なコストがかかる.そこで,本論文は行動パターンの集合知である意味ネットワークの自動構築手法を提案する.まず,webコーパスから取得した行動文の中に現れる行動属性を自動的に抽出する.次に,抽出された行動データ(行動属性と行動属性間の関係)をN3で記述する.最後に,行動主と行動間の関係(遷移関係,因果関係)で,行動間のリンクを付け,意味ネットワークを構成する.
著者
藤村 考
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.119, pp.57-62, 2008-06-23
被引用文献数
1

BLOGRANGER TGは、大規模タグクラウド・インタフェースを有する新しいブログナビゲーションシステムである。タグクラウドの背景画像として地形図を導入し、タグ間の関連を直感的に把握できるようにした。本システムは、直近の5週間の約1500万の日本のブログ記事を分析し、約5000の有益なタグを自動抽出している。タグクラウドは毎週更新され、ブログ界全体の最新の構造を俯瞰することを可能にした。本稿では、BLOGRANGER TGの開発の経緯と目的、そして実現されている技術の概要について述べる。
著者
田中 誠也 中窪 愛佳 木村 百輝 武田 和也 神田 智子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.424, pp.7-12, 2010-02-15

日本人の携帯電話における絵文字の解釈と文例を276名から6600件以上収集し,Web上で絵文字別,世代別,性別別の検索/閲覧が可能な絵文字辞書を構築した.この絵文字辞書に言語グリッドの機械翻訳サービスを適用することにより,絵文字の解釈と文例を多言語に翻訳するWebサービスを開発した.多言語翻訳可能な絵文字辞書の利用により,日本在住の外国人に日本人の絵文字の解釈と文例を提示し,携帯電話上の異言語・異文化間コミュニケーションの促進と円滑化を目的とする.
著者
岩上 将史 伊藤 孝行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.208, pp.39-44, 2008-09-09

SNSを利用して個人間でお金の貸し借りをするソーシャルレンディングでは,債務不履行のリスクが個人の貸し手に委ねられる.ソーシャルレンディングは比較的新しい分野であるため,仕組み自体は経験的に設計されていることが多い.本論文では特に利率の決定メカニズムを提案する.そして借り手が所属するグループの返済確率分布を尤度に加えたベイズ推定を用いた利率の更新による影響について,エージェントを用いて実験的に解析を行う.また,借り手をグループに所属させることによる返済遅延率への影響についても考察する.本手法により,借り手の返済履歴が多くなるほどバラつきの少ない利率決定が可能となる.その結果,リスク(利率毎の返済遅延率の分散)が少ないことを望む貸し手に対しては取引成立数を増やすことが可能となる.一般的には貸し手はリスクを避ける傾向があるため,リスク回避型の貸し手の取引成立数を増やせる本手法は有効であると考えられる.
著者
納谷 太 野間 春生 大村 廉 小暮 潔
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.224, pp.5-10, 2005-07-25
被引用文献数
2

Bluetoothのデバイス検出機構を用いた屋内での近接位置計測法を提案する.屋内での位置推定技術は, 作業者の業務分析やモニタリング, ユーザの行動分析など, 種々の位置情報を必要とするアプリケーションにおいて重要な技術である.本稿では, 具体的な対象領域として看護・医療現場における業務分析を題材としてとりあげ, 1)ユーザの部屋レベルの近接情報の検知, および2)移動しているユーザや物の相互の近接情報を検知するための要求事項について考察する.Bluetoothのデバイス検出時の問合せにおけるパラメータを効率的に選択することにより1Hz以上のID交換が可能であることおよび, 受信信号強度検出とデバイス間の相互距離計測実験結果について報告する.
著者
佐藤 浩 久保 正男 生天目 章
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.529, pp.67-72, 2001-01-03

人工市場とは, コンピュータシミュレーションを通じて市場を理解しようという学際的研究テーマであり, 経済のグローバル化と情報技術の発展を背景とし, マルチエージェント研究者をはじめとする多くの人々の関心を引きつつある.本稿は, 平成12年8月18日から20日にかけて, 富山県インテック大山研修センターで開催された計測自動制御学会第6回創発システムシンポジウムにおいて行われた, プログラムエージェントによる先物取引コンテストPre U-Mart 2000に関する実施報告である.テクニカル分析手法を用いた株価予測エージェントから, 他人の思惑を知り多数派に寄生するエージェントといった多様なエージェントが参加し, 取引を行った.
著者
秋永 利明 高階 知巳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理
巻号頁・発行日
vol.97, no.499, pp.25-32, 1998-01-23
被引用文献数
2

人工株式市場は、計算機内に作られた、自律的なエージェントからなる仮想株式取引所である。そこでは、パラメータの設定次第で盛んに株式の交換がなされ、暴騰暴落がしばしば起こる。この二つは現実の株式市場の大きな特徴である。しかし、標準的理論経済モデルではこの特徴が上手く説明できない。ここでいう標準モデルとは、合理的期待に基づく均質な個人を前提とした効率市場モデルを指す。この論文では、シミュレーションという経済学においては新奇な手法が、理論経済学のなかでどのような意義を持ち、今の時点でいかなる貢献をしているのかを解説する。また、Santa Fe研究所の実験に対する追試として行った、我々のシミュレーション結果をあわせて報告する。
著者
小林 真雄 伊藤 孝行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.211, pp.1-6, 2009-09-18

昨今,インターネットにおける商取引が盛んに行われている.特にインターネットオークションは大きな市場の一つである.現在多くのオークションサイトで用いられているユーザ評価システムには,取引の情報を反映しきれない等の問題点がある.そこで,本研究ではインターネットオークションにおけるユーザ間の関係性を考慮したユーザ評価システムの提案を行う.本論文では本システムにおけるユーザの評価手法を述べ,またユーザ間の関係性を実取引データを用いて検証を行った.らその結果,既存の評価システムとのユーザランキングにおける比較で高い相関を示し,また既存の評価指標よりも提案する関係性値はユーザを低く評価する傾向にあることが分かった.
著者
織田 瑞夫 木村 香代子 玉田 正樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.613, pp.43-46, 2003-01-22

本報では,マルチエージェントシミュレーションにより,国際取引市場における二酸化炭素の排出権取引の再現を試みる.各エージェントは排出権の購入,または自国内で二酸化炭素の排出量を削減することにより,自国の二酸化炭素排出の不遵守量をゼロにすることを目指す.また,排出権の購入や排出量の削減には費用がかかるが,各国は排出権を安く買って(または国内で排出量の削減を行って)得た排出権を高く売ることができれば,不遵守量の削減に関する収支を改善することができる.本報では,収支の改善および不遵守量の削減という目的をめざして各国が市場取引や自国内での排出量削減を行った場合の,価格の推移や全体としての削減効率等を相対取引およびオークション取引の場合について観察する.
著者
伊藤 孝行 横尾 真 松原 繁夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.614, pp.11-16, 2003-01-23

インターネット上のオークションでは,不特定多数の人間が商品(財)を販売しており,商品の質を正確に見極めるのは困難である.例えば,骨董品が売られていたとしても,その骨董品が本物であるか偽物であるかを見極めることは難しい.そこで筆者らは過去に,買い手が財の質(例えば本物か偽物か)について正確に判断ができない場合,条件付きの入札が可能なオークションプロトコルを提案した.ここでは,専門家に,自然の選択に関する情報を正しく申告させることによって,合理的な参加者が損害を被らないようなオークションプロトコルの設計に成功した.本論文では,上のような状況において,複数財の組合せに対して入札が可能なオークションを設計する.ここで,専門家が単一の財に関して専門知識を持つ場合と複数の財に専門知識を持つ場合が考えられる.前者の場合でも複雑な問題であるが,後者はより複雑な問題になっている.そこで,本論文では,まず前者の場合のオークションプロトコルを設計する.すなわち,単一の財に関して専門知識と興味を持つ専門家に自然の選択に関する情報を正しく申告させ,素人にとって,真の申告をすることが最適反応戦略になるプロトコルを設計する.
著者
小森 麻央 阿部 秀尚 橘 恵昭 山口 高平
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.709, pp.41-42, 2001-03-12

知識発見プロセスは,大きくデータ前処理とデータマイニングに分けられる.本稿では,属性処理と属性値処理に焦点をあてて,シーズ属性に基づく属性集合の決定方法について実験を行い,評価した.属性選択法としては,すべての属性の組合せを探索することはごく小規模な問題でしか現実的でないため,属性の出現頻度を考慮した少数のシーズ属性集合に,属性値処理を適用し,その中から最良のものを初期属性集合とし,さらに逐次的に他の属性を付加しながらよりよい属性集合を選択していく方法を採用した.小規模な野球のデータに対してはこれらの方法論は有効であった.今後はもっと大規模なデータ集合に対しても実験を行い,より一般的な知見を得,前処理の支援環境に結びつけることが目標である..
著者
岩田 具治 山田 武士 上田 修功
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.51, pp.13-18, 2009-05-15

トピックモデルに基づく内容に関連するタグの抽出法を提案する.ソーシャルアノテーションサービスでは,ユーザが任意のタグを付与できるため,しばしば内容に関連しないタグが含まれる.内容に関連するタグの抽出により,情報検索の性能向上や,文書分類や画像認識などの機械学習タスクの精度向上が期待できる.提案法では,内容とタグが生成される過程をモデル化し,確率的EMアルゴリズムを用いてモデルを推定することにより,関連するタグを自動的に抽出する.人工データ,および,Webページと画像を対象とするソーシャルアノテーションサービスの実データを用いて提案法の有効性を示す.