著者
鳥海 不二夫 篠田 孝祐 栗原 聡 榊 剛史 風間 一洋 野田 五十樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.94, pp.19-24, 2012-06-14

本論文では,東日本大震災時の前後にTwitterに投稿された約4億のTweetを用いて,震災がTwitterを用いたリツイート行動に与えた影響を分析した.リツイートの時系列を混合正規分布を用いてモデル化し,震災直後にはリツイートが行われるタイミングが短くなり多くの情報が素早く大勢のユーザに共有されたことを明らかにした.また,得られたモデルをクラスタリングすることで,リツイートの時系列変化を5パターンに分類しそれぞれの特徴を分析し,各パターンの出現数が震災前後でどのように変化したかを確認した.
著者
ミンテイ グェン 川村 隆浩 田原 康之 大須賀 昭彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.105, pp.19-23, 2010-06-18

本論文の目的は,twitterから取得した文中に現れる行動の基本属性(行動主,動作,対象,時間,場所)を自動的に抽出することである.しかし,先行研究では,頻度が低い行動を獲得できない.そして,抽出する前に,動詞リストとカテゴリワード(対象を表すワード)を予め準備しておく必要がある.そこで本論文では,条件付確率場(Conditional Random Fields)と自己教師あり学習(Self-Supervised Learning)を用いて,行動属性の自動抽出手法を提案する.提案手法では,人手でラベル編集や行動のドメインの定義などの必要がなく,頻度が低い行動も獲得できる.
著者
沢田 洋平 江渡 浩一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.208, pp.27-32, 2008-09-09
被引用文献数
1

様々なWebページの構造情報を,不特定多数のユーザの集合知によって収集・利用する手法(SITEINFO方式)を提案する.これにより,多種多様なWeb上の膨大な情報を,外部のアプリケーションから柔軟に利用できるようになる.インターネット上の誰でも編集可能なデータベース(wedata)の構築・運用を行い,SITEINFOを利用するアプリケーション(Auto Pagerize)を開発し,1年7ヶ月で821件の構造情報を収集することができた.本論文では,SITEINFO方式の基本思想,システムの実装,運用によって得られた知見について述べる.
著者
山下 澄枝 川喜田 佑介 鈴木 悦子 今田 美幸 神山 和人 市川 晴久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.301, pp.7-11, 2010-11-12
参考文献数
9

Twitterは経営者や政治家も多く利用しており,趣味や挨拶,新製品の発表や政策への意見など公私様々なツイートを投稿している.しかし,大量のツイートにより利用者にとって有益なツイートが埋もれてしまうことがある.そのため,Twitterの情報収集ツールとしての利用には,有益なツイートのみを取得する機能が必要となる.本研究では,ツイートの参照数と単語の出現頻度から,対象とするツイートの有益度を推定する手法を提案する.
著者
鳥海 不二夫 石田 健 石井 健一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.208, pp.33-38, 2008-09-09
被引用文献数
3

現在,地域活性化の手段として地域密着型の地域SNSが注目されている.我々は社会ネットワークの視点から地域SNSを分析し,どのような構造が形成され,成長しているかをあきらかにし,mixiなど大規模なSNSとの構造を比較することで,地域SNSの特色が明らかにした.分析結果に基づいてSNSのネットワーク成長モデルの提案を行った.その結果,既存のモデルを用いて構築したネットワークと比較した場合に比べ,ネットワーク指標の観点から実際のSNSと類似したネットワークを構築可能であることが確認された.
著者
石橋 智幸 脇屋 達 顧 優輝 真部 雄介 今野 将 菅原 研次
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.119, pp.69-74, 2008-06-23

近年,WWWにおける情報過多という問題を解決するために,多種多様なWebページ推薦システムの研究・開発が行われてきた.しかしながら,それらの多くは推薦対象を限定した推薦システムであった.WWWにおいてユーザが必要とするWebページを適切に推薦するためには,推薦対象を限定せず、永続的個人化に対応するWebページ推薦システムの開発が必要不可欠である.そこで,本研究では推薦対象を限定しない汎用的かつ,個人化度合の高いWebページ推薦方式を提案する.提案する方式は,ソーシャルブックマークを用いたハイブリッド法をベースとする推薦方式である.
著者
沢村 一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理
巻号頁・発行日
vol.105, no.105, pp.13-14, 2005-05-24

論理学の計算機科学、中でもソフトウェア科学や人工知能の分野で果たしてきた役割はよく知られていることである.他方、議論学は、1970年代頃より、それまでの形式的・数学的論理学では無視あるいは避けられてきた、広義の(非形式的)論理学(虚偽論, 修辞学, を含めて)を研究する分野として、人文社会科学の主に哲学、言語学、社会学などの分野で開始されてきた.最近、真のあるいは実際的な論理学であるといってもよいこの「議論学」が、計算機科学においても注目されてきた.特に、この10年世界的に精力的に研究が推進されているエージェント指向コンピューティングの分野では、エージェント間の通信、相互作用に基づく情報処理の有効な手段あるいは基礎として、その注目度は高い.本講演では、(1)論理学と議論学を改めて比較検討し、(2)議論が計算機科学における今後の有望な通信・計算機構となることを論じ、(3)議論の形式的モデル、特に不確定情報下における多値議論の論理とその応用について述べ、(4)今後の展望や世界的な研究動向を紹介する.また、議論に関係する周辺の話題として、弁証法的議論、西洋対東洋的議論、議論に関するe-learningシステムなどについても触れる.
著者
和泉 潔 松井 藤五郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.70, pp.15-19, 2011-05-19

Web上の大量のテキスト情報から現在人々が経済状況に対して抱いている気分を抽出することが出来るかもしれない.近年,機械学習を用いたテキストマイニング手法によって,テキスト情報と市場変動の関係性を発見し市場分析に応用する研究が増えてきた,経済指標やマーケットのテクニカル指標等の数値情報には指標化されていないような情報を,テキスト情報から素早く自動的に抽出することが期待されている.本稿で具体的に研究事例を紹介する.
著者
高野 芳彰 佐野 健太郎 千葉 諒太郎 山本 悟
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理
巻号頁・発行日
vol.112, no.70, pp.55-60, 2012-05-22

本論文では,密結合FPGAクラスタ上に構築する格子ボルツマン法(LBM)専用アクセラレータの性能モデルを示す.一般に,強スケーリングにおいては,ノード数が増えるにつれて各ノードが担当する計算サイズが減少し,通信遅延によるスケーラビリティの低下が顕著に現れる.提案する密結合FPGAクラスタは,小さな通信オーバーヘッドを実現する1次元リングのアクセラレータドメインネットワーク(ADN)を持つ.本研究では,ADNを効率良く用いるための,LBM専用計算機アーキテクチャを提案する.アクセラレータの実効性能モデルを構築することにより,アクセラレータの性能が,FPGA上の演算リソース量,オンチップメモリサイズ,ネットワーク帯域のいずれかにより制約されることを明らかにする.また,性能を左右する要因として,メモリ帯域よりもむしろFPGA間ネットワークの帯域が特に重要であることを明らかにする.ネットワーク帯域が広ければ,より多くのFPGAに対して性能が向上可能となる.以上の結果は密結合FPGAクラスタにおけるADNの重要性を示す.
著者
荒川 尚久 泉 知論
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.70, pp.131-136, 2012-05-22
参考文献数
13

大容量化するFPGAの活用には設計生産性の向上が不可欠であり、抽象度の高い言語と高位合成系の活用が求められる。高位合成のための最適化アルゴリズムや設計支援ツールは実用段階に入ってきているが、それらを効果的に活用し品質の良い回路を得るにはノウハウが必要である。我々は、高位合成系を活用しつつ設計者の工夫や英知を効果的に反映させる設計方法論、記述法の確立を目指している。本稿では、一般にはハードウェア化が難しいとされるゲーム思考アルゴリズムを対象として、高位合成系を用いた設計試行を行う。ボードゲームConnect6を対象に、ソフトウェアプログラムの作成から、単純移植、記述の工夫による最適化を行う。記述の工夫により、回路規模が53%削減できた。
著者
山口 竜一 鳥海 不二夫 石井 健一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.456, pp.69-74, 2009-02-23
参考文献数
6

近年,SNSなどのネットワークコミュニケーションツールが急速に普及してきている.SNSの社会的広がりもあり,学内SNSや社内SNSや地域SNSなどのユーザを限定したSNSも多数開設されている.しかし,開設されたSNSが効果的に利用されていることは少ない.本研究では,SNSを活性化することを目的とし,その足がかりとしてアクティブネットワークの時系列変化に着目した分析手法を提案した.そして,提案手法を用いて二つのSNSのアクティブネットワークの違いを明らかにした.
著者
木村 学 斉藤 和巳 上田 修功
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.38, pp.51-56, 2006-05-11

本稿では、新聞記事のような文書ストリームを対象に、ホットトピック抽出法に関する検討結果を報告する。具体的には、文書出現のバースト性を土台にしたKleinbergの抽出法に村し、単語出現のバースト性を土台にした改良法を提案する。新聞記事一年間分を用いた評価実験では、人手抽出したベンチマークのホットトピック群に対し、Kleinbergのオリジナル抽出法と比較して、提案法が高い抽出性能を示したことを報告する。
著者
大足 恭平
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.208, pp.23-25, 2008-09-09

ウィキペディア日本語版は,日本語によるインターネット上の情報源としてはもとより,参考図書的な扱いによる「百科事典」としても無視できないものとなっている.「誰でも自由に書ける」「フリーな」百科事典として紹介され,社会に一定の影響力をもつに至っている.しかし,ウィキペディアがいかなる理念のもとに運営され,また形成されてきているのかについては,多く知られているわけではない.本稿ではウィキペディア日本語版における知の形成のあり方を,理念と現実の面から振り返り,そのうえで社会的知との関わりを論ずる.
著者
得丸 公明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.105, pp.1-6, 2010-06-18
被引用文献数
1

ヒトとヒト以外の動物は,ことばを離散的に発するかどうかが違うだけで,感情,感覚,判断,記憶などを持つ点は等しい.最近の遺伝子研究やパブロフの行なった条件反射実験,文明を逃れての砂漠の生活などがそれを明らかにする.そのことに気づき,人間だけが偉いとするヒトの思い込みを正すには,意識の論理回路に自然論理を実装する必要があり,最澄や道元の仏道修行あるいは荒川修作の天命反転が有用ではないだろうか.
著者
江端 佑介 川村 秀憲 鈴木 恵二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.439, pp.7-10, 2010-02-22

YouTubeを始めとする動画共有サイトが隆盛である.これらのサイトは,ただ動画を共有するだけでなく,ユーザ同士でコミュニケーションを取ったり,動画にコメントを付与したりするようなSNSとしての機能を持ち合わせている.中でも近年,動画に付与されたコメントを用いた研究が広く行われているほか,YouTubeにて提供されているAPIにコメントを収集する機能が存在するなど,コメント機能に対する注目が集まっている.本研究では,「タイトル」や「タグ」などを始めとする動画に付与できる情報の中で,動画を視聴したユーザが付与できる唯一の情報がコメントであることを鑑み,コメントには動画の特徴を表す情報が存在するとの仮定のもと,コメントの特徴を用いた関連動画の提示手法を提案した.具体的には,一つの動画に付与された最大1000件のコメントを一つの文書としてみなし,tf-idf法を用いてコメント文書毎の特徴ベクトルを算出した.また,あるユーザが視聴した動画コメントの特徴ベクトルを合成したコメント傾向ベクトルと,他の動画の特徴ベクトルとの類似度を計算し,関連動画として提示した.
著者
沢村 一 高橋 武久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.548, pp.25-30, 2005-01-10
被引用文献数
1

我々は以前の論文[15]で多値議論の論理LMAを形式化した.これは知識表現言語として、拡張注釈付き論理型言語EALPを用い、不確実情報下におけるエージェント間議論を可能にするものであった.本論文では、このLMAを東洋論理を特徴づけるテトラレンマ(四句分別)に特殊化することを考える.そしてその表現能力や応用可能性を確認する.このために、LMAを、次のような東洋的、文化的な議論に適用する : 死刑制度の是非に関する多値議論、西洋と東洋の多元的な議論.これらを通して、西洋的あるいは東洋的議論の融合、表象をもたない議論の可能性について論じる.
著者
石津 亮輔 秋山 英三 鳥海 不二夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.477, pp.1-5, 2013-03-04

近年FacebookやTwitterを始めとしたマイクロブログがスマートフォンなどのモバイル端末の普及と共に急激に普及している。特にTwitterは手軽にリアルタイムな情報を多くのユーザに伝搬出来るため社会に多くの影響を与えている。現にTwitterは2011年3月11日に発生した東日本大震災時に、携帯電話がつながらない状況下での有用な連絡手段として活躍した。しかし、その有用性は時にデマや誤情報も大量に拡散させる手助けとなってしまっている。例えば東日本大震災時では数十種類のデマや誤情報が情報として拡散されてしまい、日本中を混乱させた。震災時のように連絡手段が限られた状況はこれからも発生する可能性は十分にあり、対策が必要である。そこで本研究では被験者実験で震災時に拡散したデマtweetを幅広く収集し、ツイートにデマを含むか否かを判定してもらった。そして、デマや噂、Twitter等のソーシャルネットワーキングの分析を始めとした、様々な分野の研究に役立てるようにそのデータをもとに東日本大震災時に投稿されたツイートがデマか否かを示すデータベースの作成をし、分析を行った。
著者
石塚 悠一 岩沼 宏治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.718, pp.1-8, 2000-03-22

近年、AI研究の分野ではマルチエージェント型ゲームであるサッカーの研究が盛んに行なわれている.しかし、サッカーゲームは不完全情報下での実時間分散協調システムとしては、考慮すべき他の要因が多過ぎて現段階では系統的な研究・考察が困難である.そこで、本稿では不完全情報下における推論と、エージェント間の協調性の2つの問題点を含む単純化したマルチエージェント型テニスゲームを作成する.不完全情報下で協調性の有無や環境の違いにより結果にどのような相違が生まれるかを実験を通して比較・考察する..
著者
小堀 大智 丸山 勉
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理
巻号頁・発行日
vol.112, no.70, pp.1-6, 2012-05-22

画像セグメンテーションは画像処理において重要なステップの1つであり,グラフカットはその効果的な手法である.グラフカットを行うために,最大流計算が広く使われているが,リアルタイムで行うには計算量が非常に多い.そのため,リアルタイムでグラフカットを行うためには,ハードウェアによる最大流計算の高速化が必要である.本報告では,FPGAでの画像セグメンテーションのための最大流計算の実装手法を提案する.本システムでは,FPGA上で高性能を達成するためにpush-relabel法とgap relabelingを用いた.ベンチマークにおいて,20〜30fpsの性能を達成した.
著者
福田 恵美子 舛井 道晴 伊藤 暢彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.383, pp.23-26, 2007-12-06

検索連動型広告とは,検索エンジンに入力された語に関連する広告を配信する広告手法である。広告枠はオークションによって取引され,Yahoo!,Googleなどでは"一般化セカンドプライスオークション"(GSP)が採用されている。GSPは,誘因両立性をもつことで知られるヴィクレイ・クラーク・グローブス(VCG)メカニズムと似た構造を持つ。Edelman and Ostorovsky [1]では,GSPにおいては各入札者の入札と収益が安定しないことを示している。それに対し,VCGでは理論的にはそのような不安定性はない。また,Edelman et al. [2]では新たに局所的エンヴィ・フリー均衡を定義し,入札者の戦略を制限したGSPにおける均衡では,VCGにおける支配戦略均衡による収益以上となることを示した。これらの結果を受け,本稿では経済実験によりGSPとVCGの比較を行った。