著者
榊原 彰
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2000, pp.57-61, 2000-09-25

クライアント/サーバーや, Web技術を大幅に採用したアプリケーションはここ何年かですっかり定着した感がある. 最近ではミッション・クリティカルな業務, 企業の基幹業務にまでこれらの技術を採用することも多く, その品質と信頼性の向上は重要なポイントとなっている. しかしこういった新技術適用の品質に関する問題は, 従来のように「設計工程=品質作り込み工程」, 「開発/テスト工程=品質保証工程」といった単純な局面構成で接するだけでは本質的な解決に至らない. 本稿では, 品質保証ツールを導入することによりソフトウェア開発プロジェクトの作業手順がどのように変化し, そのための開発体制がいかにあるべきかを論ずる.
著者
日下部 裕美 横山 真一郎
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.89-92, 2005

プロジェクトには多くの不確実性,すなわちリスクが存在する.そのため,リスクマネジメントがプロジェクト成功にとって重要な役割を担っている.プロジェクトのリスクは「不確実性」,「損失」,「時間的要素」の3つの特性を持っている.ここで,「時間的要素」はプロジェクトのリスクが有期的であるということを指している.しかし,現在,「時間的要素」を考慮し,リスクマネジメントを行うための具体的な手法がない.一方,信頼性工学の手法の1つにFTA(Fault TreeAnalysis)がある.FTAは,故障の結果から原因に遡るトップダウン型の手法により故障が発生する因果関係を明確にし,視覚的,演繹的な解析が可能である.そこで,本研究では,FTAを用いたリスクマネジメントについての提案を行うことを目的とした.本稿では,リスク事象抽出と同時にFT図を作成する手順および,FT図の活用方法についての提案を行った.
著者
岡田 公治 福島 聡史 窪田 敦之 堀水 修 椎名 一弘
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会誌 (ISSN:1345031X)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.3-8, 2012-06-15

2011年3月11日に発生した東日本大震災は,東日本の広い範囲に甚大な被害をもたらした.本稿では,ある被災工場における生産復旧プロジェクトのスケジュール可視化の取組みについて報告する.復旧プロジェクト内で作成されていた多様なスケジュールを,一元的にモデル化し可視化することを試みた.生産工程の複雑性と先行後続関係の複雑性に対応するために多観点WBS構造を考案し,OR型先行後続関係を導入した.更に これらの概念を取り入れたITシステムを迅速に構築し,実運用を開始した.最終的には,短期間で生産復旧を達成することができた.
著者
木野 泰伸
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2000, pp.174-178, 2000-09-25

リスクの特定では, 通常, チェックリストやプレインストーミングによって特定作業を実施する. しかし, プロジェクトには独自性があり, それぞれ個性を持っているため, チェックリストによる特定だけでは, 個性に対応することは難しい. また, プレインストーミングもメンバーの経験に依存しているため, リスクの見落としが生じる危険性がある. そこで, プロジェクト構成要素とりスクの原因分類によるマトリックス表を用いて, リスクを連想し, 特定する方法について研究を実施した. プロジェクト構成要素とりスクの原因分類による方法は, "もれ"が少なく, また, 前例(経験)の無いプロジェクトにおいてもリスクの特定が可能であるという特徴がある. そして, 「学会の研究発表大会において発表を行う」ことを一つのプロジェクトと考え, この方法を用いてリスクの特定作業を試行した.
著者
前田 英行
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.355-360, 2007-03-15

少年野球では、(1)ある試合・大会での勝利という、有期限で達成したい目標が明確であり、(2)所属する個性ある子供たちでチーム編成を行い、(3)相手に応じて勝つための作戦を企画実行する、プロジェクトマネジメントが実行されている。年間約50試合の結果が出る非常に短いPDCAサイクルで実行される少年野球のチーム運営から貴重なノウハウと多くの学びが確認された。これらは、ITプロジェクトのマネジメントに有効である。・事例1 K監督は試合中は決して選手を批判しません・事例2 エラーはあたり前のこと、その後どうするかが勝敗を決める ・事例3 少年野球の監督が教える最も大切なことは野球の楽しさです ・事例4 少年野球の監督、この素晴らしい仕事
著者
森 知恵 西尾 雅年
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.291-296, 2005

近年,SCMを導入して経営を行っている企業において,ものづくり現場が脅かされる工場火災事故が多発してきた.そこで本研究では,この問題について,「2003年9月に起きた,株式会社ブリヂストン栃木工場火災時の生産復旧プロジェクト」を例に,SCMのリスク発生時(工場火災時)における迅速な生産復旧プロジェクトマネジメントのフレームワーク提案を研究目的とし,そのフレームワークの有効性を,PERT的期間見積もり手法を用いて検証し,その結果について報告する.
著者
安永 裕幸 真鍋 洋介
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集 2003年度春季
巻号頁・発行日
pp.56, 2003 (Released:2004-06-08)

我が国の半導体関係研究開発に関する代表的な国家プロジェクトである「超L(70年代)」「超先端(90年代)」「MIRAI(2000年代)」の3事業につき、(1)プロジェクト発足の背景、(2)対象技術テーマ及び技術目標、(3)予算規模及び推進体制、(4)実用化へのシナリオ、(5)成果及び産業界のインパクトにつき比較·分析を行い、これらのプロジェクトのマネジメントがそれらの実施された時点における我が国半導体産業の置かれた社会·経済状況を反映した態様で行われていることを明らかにした。
著者
長野 伸一
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会誌 (ISSN:1345031X)
巻号頁・発行日
vol.7, no.5, pp.3-8, 2005-10-15
被引用文献数
1

組込ソフトウェアの規模は増大し複雑化する傾向を示している.さらに,その製造において,高品質で短納期・低コストであることが求められている.これらの厳しい要求を満たすためには,対象となるソフトウェアを定量的に把握し,製造プロセスの改善を行っていくことが必要である.本稿で,組込ソフトウェアの定量化手法として,COSMIC-FFPが有効であることを述べる.COSMIC-FFPは,リアルタイムシステムにも適用できるようにファンクションポイント法を拡張した機能規模測定法である.リアルタイムシステム向けに拡張された機能規模測定の手法が,組込ソフトウェアの特徴にも上手く適用できる.本論文で,組込ソフトウェアの特徴を述べ,定量化に際しての課題を提示し,COSMIC-FFPが当該課題をどのように克服しているかを述べる.また,これまでに実施されたCOSMIC-FFPの検証を参照し,COSMIC-FFPが組込ソフトウェアに有効であることを実証している例についても述べる.
著者
椎名 隆彦 越島 一郎 梅田 富雄
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2002, pp.136-139, 2002-02-26

近年, 音や画像を用いたマルチメディアソフトの需要が高まっている。従来のソフトウェア開発手法は, 主にビジネス向けソフトウェアの開発を対象として提案されてきた。しかしながら, マルチメディアソフトに要求されるリアルタイム性やシンクロナイズ性等の性質, またソフトウェアの構造的な点について考慮されていない。そこで本稿では, 効率的な管理手法を開発したので報告する。
著者
宇都宮 潔 橘 成一 齊藤 道成
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会誌 (ISSN:1345031X)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.13-16, 2009-02-15

組織がパフォーマンスを発揮するためには,メンバは勿論,チーム/組織として行動し,成果を上げることが重要である.そのためにはメンバが学習し,知(経験)を蓄えるように,チーム/組織としても学習し,知(経験)を蓄えていくことが極めて重要となる.しかしながら,チーム/組織における学習の方法は一律ではなく,各組織において試行錯誤しているのが現状と思われる.そこで,本稿では,チーム/組織がパフォーマンスを向上させるために,本組織において試行的に実践している取組みを紹介する.
著者
藤田 雅之
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.372-377, 2008-03-14

従来,アジャイル開発は,適用範囲の限られる特殊な手法であると考えられがちであった.しかし,米IBMのRationalチームは,すでにアジャイル開発は「主流となった」として,アジャイル開発のガイダンスを強化している.そこでは,主流として適用範囲を広げるアジャイル開発に関して,環境を含めてどのようなベストプラクティスを実践すべきかを示している.また,日本BM社内の研究会での調査では,アジャイル原則が広く有効であることが認められる一方,アジャイル開発への理解度によって現状への問題認識に差があることが浮き彫りとなった.アジャイル開発は文化や意識の変革であり,様々な分野に関わっている.それをただしく認識し,問題意識を培うことが急務であると考える.
著者
青木 政之
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.177-178, 2007

プロジェクトメンバーは,対話によってプロジェクトの価値を認め,S-QCDでは語ることができない「このプロジェクトは成功した」という達成感を得る.本稿では,筆者が問題プロジェクトにプロジェクトマネージャーとして参画したとき,プロジェクトメンバーのモチベーション回復に役立った「7つの習慣」と「ハーマンモデル」によるコミュニケーション方法を紹介する.
著者
中田 雅大 溝口 英里子 関 哲朗
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.170-175, 2005-03-17

近年のゲーム市場の縮小により,日本のゲーム産業の景気は低迷している.一般に,ゲームソフトウェア開発は通常のソフトウェア開発に比べ,複雑で困難な特徴を持っているといえる.これは,「おもしろさ」を追及するというゲームソフトウェアが持つ独自の性質を原因とし,仕様変更々作業追加による遅延を引き起こし,企業利益喪失の原因となっている.本論文では,ゲームソフトウェア開発プロセスの改善のために以下の2点について議論する.一つは「おもしろさ」を価値であり,一方はゲーム開発へのプロジェクトマネジメント導入の価値である.これらの議論の解を得るために,ゲーム開発企業の管理層およびプロジェクトマネージャとのディスカッションを行った.その結果,「おもしろさ」はゲームソフトウェアの質を高く確保するためには欠かすことのできない要素であることがわかった.また,プロジェクトマネジメントの導入は,ゲームソフトウェア開発プロセス改善にとって有効な手段であることが明らかとなった.