著者
山本 和男
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.395-400, 2007-03-15

プロジェクトの完了時に限らず,実行局面においてもプロジェクト活動を通して学んだことをLessons Learned(教訓)としてまとめることは価値あることである.知識ベース化するなりして,組織・チーム・個人で大いに活用するべきである.PMBOKをはじめとする文献において,"教訓"をとりまとめる事が薦められているが,その手法・進め方を具体的に示した物を目にすることは少ないように思う.小・中規模のITプロジェクトにおける教訓の進め方について以下,考察し,提案を行う.
著者
世良 規和
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.330-335, 2011

適応的,実装中心,自律型,顧客とのコラボレーションを特長とするアジャイル開発はIBM社内においてもWorld Wildレベルでのコミュニティやワークショップが多数設立,開催され,徐々に浸透しつつある.しかし一方で,Globally Integrated Deliveryと呼ばれるオフショア開発方式においてリモートでの開発が中心となっている昨今,アジャイル開発の前提や原則といった条件がすべて揃うことは稀であり,理想どおりのアジャイル開発を行うことは難しい.本論文ではプロジェクトマネージメントの観点より,Globally Integrated Deliveryを活用し,より効果的にアジャイル開発を進めていくためのプラクティスを筆者の実体験をもとに提案する.
著者
神保 良弘 由井 亮 由井 亮
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会誌 (ISSN:1345031X)
巻号頁・発行日
vol.14, no.5, pp.9-13, 2012-10-15

当社のシステム開発では,設計工程(品質の作り込み工程)と試験工程(品質の検証工程)のそれぞれにて定量的分析手法を用いた品質管理を実施している.定量的分析に用いられる指標値は,プロジェクト計画時の開発規模と過去のプロジェクト実績,プロジェクト特性を用いてカスクマイズし設定している.母数として使用される開発規模は,アプリケーション開発における設計規模(Ks),製造規模(Ks)を想定しているが,システム基盤開発のように設計規模や製造規模をKsだけで評価できない場合においては適切な測定,評価ができていない.特にビジネスパートナーであるベンダヘシステム基盤開発部分を作業委託した場合には,明確な受入基準が存在しないため,発注先ベンダによって品質確保のレベルに偏りが出てしまっている状況である.その結果,サービス開始後のシステムトラブルに発展するケースも散見される.本稿では,システム基盤開発における定量的な品質確保手法の取り組み,及び実際のプロジェクトに適用した際の事例を紹介する.
著者
岡田 久子 高田 将年 河崎 宜史 山形 和明
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会誌 (ISSN:1345031X)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.8-13, 2013-02-15

発電プラント建設プロジェクトは,大規模かつ多くのステークホルダーが関わる複雑なものであり,この巨大なプロジェクトの「品質,工程,コスト」を確保するため,建設分野へのIT・システム化適用を進めてきた.主眼点は,建設におけるリスク・コスト最小化のための,(1)大規模プロジェクト一貫/調和コントロール,(2)現地の作業効率向上・品質確保の実現である.1990年代よりこの実機適用と機能拡張を継続し効果を上げてきたが,管理側・システム面中心のアプローチでは,さらなる改善・効率化は限界に達している.そこでモノ作りの原点に立ち返り,ユーザ/人間の側に焦点を当てた,人間中心型のモノ作りのあり方を模索しプロジェクトマネジメントに反映させる取り組みを進め,管理視点と現場視点を繋ぐ建設マネジメントシステムとして高度化を図った.
著者
中山 裕美子
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会誌 (ISSN:1345031X)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.36-39, 2003-02-15

システム開発のプロジェクトを成功に導くには,早い段階でスコープを明確にし,システムへの要求仕様を確定することが鍵となる.本稿は,この目的を効率的に達成する方法として,DFD(Data Flow Diagram)を活用した要件定義を解説し,構造化手法型のDOA(Data Oriented Approach)を取り入れたシステム開発の特徴と留意点を述べる.
著者
三瀬 敏朗 新屋敷 泰史 中谷 多哉子 片峯 恵一 鵜林 尚靖 橋本 正明
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.211-216, 2008

家電製品などのソフトウェア組込み製品では,安全性や使用性などの高い品質が求められる.組込みソフトウェア開発プロジェクトでは徹底したテストが行われ,ソフトウェア仕様の不具合が発見されることによる開発の手戻りが多い.高品質なソフトウェア設計を開発の手戻りなく実施するためには,プロジェクトの課題を明確にし,その特性に適した品質マネジメントを行う必要がある,我々は,開発遅延したプロジェクトの調査を行い,製品が部分的な故障や誤操作などの正常な動作から逸脱した場合の振舞いが製品の非機能要求に逸脱していることが主要な要因であることを特定した.本論文では,非機能要求に着目した製品ソフトウェア開発における品質マネジメントを提案する.具体的には,ソフトウェア設計前に非機能要求を明確化するためのプロセスと,明確にできない非機能要求の項目を管理していくためのプロセスを追加した品質マネジメントと実現するためのツールと技法を提案し,その実用性の事例実験について述べる.
著者
長野 正 坂本 佳史 竹内 篤也 福田 晃
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.311-316, 2011-03-10

組込みソフトウェア開発は,多くの場合,派生(差分)開発の手法で開発されている.ところが,規模が大きくなるにしたがいソースコード自体を理解することが困難となり,少しずつ異なるモジュールが増える傾向にある.派生(差分)開発におけるソースコード・メンテナンスが複雑になっている.この課題を解消するひとつの手法として,オブジェクト指向(モデル駆動)開発による部品化やプロダクトライン開発が提案されてきた.しかしながら,全面的にモデル化を進めるだけの技術の効果を投資効果として浸透させるに至っていない.本稿は,部分的な対応であっても,モデル駆動開発としての価値を見いだせる部分の開発方針を定め,派生(差分)開発のように一部の既存コードを使って振舞分析からリバースモデリングを推進していくアプローチを定義し,そのアプローチに即した開発プロセスを考察する.
著者
土井 敬司 横田 毅
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.318-319, 2009-03-10

プロジェクトの現状を評価するためのプロジェクト現状認識技術を開発している.プロジェクトを成功に導き,その阻害要因を極小化させるためにはリスク管理が重要となる.その際,工程毎に焦点となるリスクパラメータの変化を考慮することが重要であると考えた.そこで本研究では, ITシステム開発プロジェクトを対象に,工程毎に重要視されるリスクパラメータの明確化を試みた.
著者
藤田 晶久
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会誌 (ISSN:1345031X)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.20-25, 2013-02-15

プロジェクト・マネジメント(PM)は,科学的なマネジメントである.科学的なマネジメントを追求していくと,科学的ではない感情はマネジメントされなくなっていく傾向にある.しかし,プロジェクトチームにおいて,感情は日常的に存在する.しかも,それはプロジェクトの重要な成功要因にも失敗要因にもなる.感情には様々なものがあるが,本稿では,「喜怒哀楽」を取り上げる.本稿は,プロジェクトチームにおけるこれらの感情をどのようなものとして認識し,受容し,活用していくかについて考察するものである.
著者
駒木 和彦
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会誌 (ISSN:1345031X)
巻号頁・発行日
vol.12, no.3, pp.13-18, 2010-06-15

ソフトウェア開発プロジェクトに定量的管理を導入しようとするとき,ソフトウェアの規模を見積もることが必須である.規模の尺度として代表的なのはファンクションポイントである.ファンクションポイント手法の中で代表的なのはIFPUG法である.IFPUG法は広く普及した手法であるが,世の中にはIFPUG法で計測が難しいソフトウェアがある.そのようなソフトウェア開発プロジェクトにおすすめできるファンクションポイント計測手法がCOSMIC法である.本稿ではCOSMIC法の計測手法と適用にあたっての留意点を紹介する.
著者
河崎 宜史 伊東 昌子 平田 謙次 星 幸雄 初田 賢司
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.373-377, 2007-03-15

従来高い成果を上げるプロジェクトマネージャに関しては個人のスキルや能力に焦点があてられてきた.しかし,複雑で大規模のプロジェクトを成功に導くには既有知識やスキルの適用ではなく,状況から学び状況に埋め込まれた知を活用した新たな適応行為の創出が不可欠である.この行為は所有知の適用と区別されノウイング実践として知られる.本研究では,複雑なプロジェクトを任せることのできる手腕の高いPMと複雑さがそれほど高くないプロジェクトを任せることのできるPMの差の解明と理解をめざして,ノウイング実践の観点から,両群の実践行為の差を明らかにするための調査を行った.
著者
竹久 友二
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.337-340, 2009

プロジェクトマネージャ(PM)の育成はPMBOK等の知識教育に加え実際のプロジェクトを経験させることが必須である.しかしプロジェクト管理のノウハウの大部分は「失敗から学ぶ」事が多く,経験の乏しい初級PMの育成のために実際のプロジェクトを任せることは企業にとって困難である.特に昨今のITシステムは半年あるいは3ヶ月前後での開発も普通となっており,このような短い期間のなかで重大な問題が一つ起きると,あっという間に期限を守れない,あるいはコスト超過といったプロジェクトの失敗に直結する可能性が高い.本稿は,初級PMに実際のプロジェクトのPMを任せながら,上位PMがプロジェクトリスクの観点から項目を抽出したプロジェクト点検リストを活用して初級PMを指導する,実践的な育成方法を提案する.
著者
初田 賢司 原田 晃 大野 治
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会誌 (ISSN:1345031X)
巻号頁・発行日
vol.4, no.4, pp.14-18, 2002-08-15

ソフトウェア開発プロジェクトの見積は,難しいと言われている.要求が曖昧な段階で見積を求められることに加えて,e-プロジェクト等の出現が見積の困難さに拍車をかけている.プロジェクトの成否は,見積の精度に大きく左右されるが,依然として見積者の暗黙知によるところが大きい.本稿では,見積の曖昧さを排除し,合理性,客観性,妥当性を高めるために,見積のアクティビティを分析し,マネジメントとエンジニアリングの観点から考察する.
著者
弘末 太郎 山本 和男 友田 大輔
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.287-290, 2007-09-20

EPM(Enterprise Project Management)展開の一つの方法として,自発的活動の場としてのPMコミュニティ活動があげられる.日本アイ・ビー・エムの開発製造部門においても,ボランティア(自発的参加)べースでこの活動を展開している.しかし,周囲からのPMコミュニティに寄せられる期待が大きい反面,成果をあげるための作業展開にあたって,人的資源の安定的確保が課題となっている.作業要員や時間の確保ばかりでなく,参加メンバーのモチべーションの維持もコミュニティ活動を進める上で重要な成功要因であると認識できる.これらをプロジェクト人的資源マネジメントの観点から捉え,ボランティア活動べースプロジェクトの課題点の整理及び対策を提言する.
著者
五百井 俊宏 井沢 澄雄 木野 泰伸 西山 寛志 布川 薫 左瀧 学 高木 英明
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会誌 (ISSN:1345031X)
巻号頁・発行日
vol.3, no.3, pp.49-54, 2001-06-15

本報告では,大学,初等教育,個別企業,推進団体で行なわれている,プロジェクトアネジメント(PM)の教育カリキュラムを調査し,評価する.第I部では,大学及び初等教育を取り上げる.まず,日本で最初にプロジェクトマネジメント学科を設置した千葉工業大学におけるPM教育の概要と教育成果及び検討事項を述べる.次に,米国の代表的な3つの大学院の修士課程で授与される学位とコースの特徴を示す.最後に,米国の初等教育の中でPM教育を行ない,若年層のドロップアウト防止に効果を上げているというNFTEの例を紹介する.学校におけるPM教育は,ケーススタディの活用により,基礎学力,モチベーション,コミュニケーション,問題解決等の能力向上に効果を上げることができる.また,総合的な目的達成の視野をもつ人間の育成に貢献するものである.