著者
内田 翔 中村 太一
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2006, pp.192-195, 2006-03-16

コミュニティを立ち上げ運営する,あるいは周期的に繰り返されるイベントを企画立案し実行する場合にも,何らかのマネジメントが行われている.しかし,それらのマネジメントは体系的に整理された知識体系に則っているとは眠らない.その原因は,マネジメントに対する重要性の意識欠如であったり,メンバが入れ替わったりすることにより実施ノウハウが継承されないなど,多々ある.本稿では毎年,国内の大学が持ち回りで主催・実施する「ACM国際大学対抗プログラミングコンテスト(ACM/ICPC)」にメンバとして参加しPMBOKの知識体系に則ったマネジメント方法を提案する.
著者
藤野 博之
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会誌 (ISSN:1345031X)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.21-26, 2008-02-15
被引用文献数
1

プロジェクトを効率良く成功に導く為の最も重要な要素の一つに,プロジェクト・チーム・メンバーのモチベーションと意識レベルの問題がある.これらが,プロジェクトの成功の行方に大きく影響を与えることは,改めて説明するまでもない.本稿では,プロジェクト・メンバーの仕事に対する意識が,どのような要因に影響され,どうすれば意識レベルが向上して行くのかについて,我々の部門における草の根活動をベースに考察する.
著者
建部 清美 阿部 未寿希 関 哲朗
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会誌 (ISSN:1345031X)
巻号頁・発行日
vol.8, no.5, pp.30-35, 2006-10-15

ソフトウェア開発プロジェクトにおける短納期化への要求は,ビジネススピードの加速とともにますます高まってきている.1990年代以降,スピードを重視した方法論は提唱されてきているが,大規模プロジェクトをマネジメントするには至っていないのが現状である.こうした中で,制約理論をプロジェクトマネジメント分野に適用したCCPM(Critical Chain Project Management:クリティカル・チェーン法)が注目されている.本論文では,CCPMをソフトウェア開発プロジェクトへ適用したモデルを提案する.本モデルを適用し,短納期開発を実現したプロジェクトの事例を用いて,スケジューリング方法や適用結果の分析を行いモデルの有効性について検証する.
著者
島田 さつき 西 康晴 富澤 和美 栗田 浩一郎
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会誌 (ISSN:1345031X)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.19-23, 2004-04-15

プロジェクトマネジメントにおいてモチベーションは重要である.モチベーションを向上するには,プロジェクト,仲間であるメンバ,自分自身をきちんと理解することで,自らプロジェクトを成功させたいと思うことが必要となる.そこで本研究では,プロジェクトの立ち上げ時期でプロジェクトヘの,推進時期で仲間への,完了時期で自分自身への「理解」を促進するフレームワークを提示する.ツールとして,自分の業務負荷を仲間に知らせるための"セルフコンディションシート"と,プロジェクトにおける自分の貢献や成長を再認識する"自己振り返り分析"を提案する.本フレームワークを用いることで,よりよいヒューマンマネジメントが期待できる.
著者
中里 幸雄
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2001, pp.30-33, 2001-09-11

当プロジェクト事例は, 本年6月22日に成立した法案により可能となった我が国初の新規参入業務を支援する業務システム開発プロジェクトの事例である。新規参入業務ゆえに業務要件が明確にならず, またそれに加えて法案成立が数度となく見送られ, 見送られるたびに業務要件の修正が発生してきた。そういった状況の中で数回にわたるサービスインを余儀なくされ, それにあわせた同時並行した複数のシステム開発のスケジュールを策定し実施するにいたった。ここでは, 同時並行する複数のシステム開発の中で, 変更管理手順ならびにモジュールのバージョン管理手順など, 前例のないプロジェクト運営の実践結果につき, 評価し今後の課題につき考察する。
著者
山内 貴弘
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会誌 (ISSN:1345031X)
巻号頁・発行日
vol.4, no.3, pp.34-38, 2002-06-15

お客様満足の向上とコスト削減は,共に現代の企業経営にとって重要なテーマである.一方,企業経営の一端を担っているプロジェクトマネジメントにおいても,この2つのテーマは経営戦略上,設定すべき重要な管理目標となっている.しかし,お客様満足の向上とコスト削減は背反する内容もはらんでいる.お客様満足の向上を進めるあまり不用意なコスト増加に繋がったり,またコスト削減を図ることによりお客様満足の低下をもたらしたりするような場面があるからである.筆者の従事するシステム開発の請負プロジェクトを基に考えるならば,この2つの目標を同時に達成するには,コミュニケーション・マネジメントの効果的適用が重要である.また特に,プロジェクトの開始段階でのチーム・ビルディングのためのキックオフ・ミーティングが効果的であった.本稿では,システム開発プロジェクトにおけるお客様満足向上とコスト削減の関係を明らかにし,それに向けてキックオフ・ミーティングを有効活用したコミュニケーション・マネジメントのあり方を述べる.
著者
島中 一俊 古賀 順二 坂本 毅 杉若 直樹
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2003, pp.289-292, 2003-03-11

現在NTTコムウェアでは, RUP(Rational Unified Process)[1]を全社的な作業標準として全社展開を進めている。RUPの目的は, 遍く広く様々なシステム開発を前提とし, 高品質なソフトウェアの開発方法を提供することにある。ところが, その幅広い記述のため, 本来はプロセス・フレームワークとしてプロジェクト毎に適合させるはずにも関わらず, 額面どおりヘビーウェイトプロセス[5]のカテゴリが与えられている。そこで, 我々は高品質を維持しつつ柔軟さと素早さを身に付けることを目的とし, RUPのカスタマイズ指針を得るための検討を行った。本論文においては, 我々が得た効果的にRUPを適用するための実践的なカスタマイズ指針を提案する。
著者
岡村 正司
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.1999, pp.97-105, 1999

この数年プロジェクト管理に対する関心と必要性が叫ばれています. 日本でもPMI (Project Management institute) の資格獲得が盛んに行われ, 学問としての重要性が高まっています. こうした状況の中で, PMIコンセプトの実践事例として, 開発要員1,000名を超える超大型プロジェクトの, プロジェクト管理における基本的考え方とグループウェアを利用した機械化に関して記述します. 具体的には, プロジェクト開発成果物の管理手法と成果物単位のアーンドバリーを利用した進捗・コスト管理, 及び変更管理の考え方と仕組み, またこれらを効果的に運用する為に開発された, ロータス ノーツ を基盤とするプロジェクト管理システムの機能を紹介します.
著者
村井 康真
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会誌 (ISSN:1345031X)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.16-20, 2004-06-15

プロジェクトを最適な計画の下で実施,管理するために,ワーク・ブレークダウン・ストラクチャー(WBS)を作成する必要がある.WBSとは,プロジェクトの範囲を成果物やそれを生成する作業の観点から定義し,構造化したものである.WBSで定義した各要素は,プロジェクト計画の立案や実施を通して利用される.ところが筆者の知る限りにおいて,WBSには構成要素の抜け洩れを確認する方法が示されていない.そのうえ定義したWBS要素が,運営管理上の観点から適正な規模かどうかを判断する有効な基準を備えていない.本稿では,ネットワーク・ロジックをWBSの作成過程に適用するための有効な手法を提案する.また,クリティカルパスの算定により,所要期間に余裕のないアクティビティを特定することで,それらに対してリソースの追加や並行処理を同時に検討することが可能となる.
著者
田中 伸一
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会誌 (ISSN:1345031X)
巻号頁・発行日
vol.5, no.4, pp.36-41, 2003-08-15

多国籍企業にとって社内プロジェクトマネジメントの標準化は,各国で培われたベストプラクティスの存在と,共通基盤となるグローバルスタンダードとのコンビネーションが必要になる.ビジネスがますますグローバルに展開される今日,効果的・効率的なPM標準の確立は重要な課題である.欧州と米国の企業合併により活動している弊社は,PMI/PMBOKとPRINCE2の融合をベースとした実践的な体系を定義している.これらの体系は,事業展開を推し進めるためにプログラムマネージャーとプロジェクトマネージャーの双方にとっての共有基盤となりつつある.今,我が社においてプログラムオフィスとプロジェクトオフィスの連携により,PM標準の見直しとPM要員の育成が開始された.
著者
香月 秀文 中 憲治
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2003, pp.153-157, 2003-03-11

プロジェクトマネジメントの技術としては, C.P.M手法とC.C.M(クリティカル・チェイン)手法がある。最近米国で顕著な実績を上げ、日本でも注目を浴び始めたクリティカル・チェイン手法によるTOCプロジェクトマネジメントは、従来のC.P.M手法に基づくプロジェクトマネジメントと比較し、幾つかの際立った特徴を持っている。一方、「駅伝」は日本で誕生し育った今やワールドワイドなスポーツである。その中でも、いまや日本の正月の風物詩となったと言える「箱根駅伝」は、関東学生陸上競技連盟加盟の各大学が、1年がかりでその頂点に立つことを目標とする一大プロジェクトである。「駅伝」をプロジェクトとみなした時、その特徴はC.C.M手法のもつ特性の物差しを当ててみると多く共通の要素が見られる。C.C.M手法においては、各タスクを担当するリソースは"リレーランナー"と呼ばれ、幾つかの役割を持つ。他方「駅伝」において各区間を走る走者は、区間というタスクを担当する"リレーランナー"である。本論においては、駅伝における"リレーランナー"として役割に焦点を当てその特性を明らかにする。又、"リレーランナー"をマネージするプロジェクト・マネジャーや、リソース・マネジャーの役割にも言及する。
著者
川崎 寿之 本田 勝巳 小山 明美
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2003, pp.114-118, 2003-09-09

ISO9001の認証登録をしたけど効果が出ない, 形骸化しているという話を聞くことが多く, ISO9001の品質向上や組織のレベルアップに有効活用されていないケースがある。また, 形骸化を感じているが何から手をつけなければいけないかわからないという話もよく聞く。そこで, 効果と負荷(作業工数, 気持ち)を焦点とした「ISO適用アンケート」を考案した。このアンケートを使った現状分析により, 現在の運用において効果が出ている活動および形骸化や改善が必要な活動が明確になる。本報告では, 組織として効果的, 効率的な品質マネジメントシステム(QMS)の実現に向けて, 改善計画を立案するアプローチを述べる。
著者
橋爪 宗信 濱 久人 丹波 武志
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会誌 (ISSN:1345031X)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.7-12, 2006-06

プロジェクトマネジャーの重要な個人特性としていわゆる肝が据わっている("胆力"がある)ことが,重要な要素ではないかと考えている.どんなに危機的な状況に追い込まれても笑える力やチームを動かしていくために,チームメンバーの笑いを引き出す力が必要である.これを我々は「笑力」と呼ぶ.本研究では,「笑力」をプロジェクトの成功要因と関連性の観点で研究し,プロジェクト成功に向けた笑力の効用を提言する.
著者
横塚 知典 五十嵐 剛 大橋 新悟 大黒 英和 塩見 慎吾
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会誌 (ISSN:1345031X)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.46-48, 2005-04-15
被引用文献数
2

企業内にITが浸透し, ITの無いビジネスは考えられなくなっている.それに伴い, システム開発プロジェクトの数も急激に増大しており, 多くのプロジェクトマネジャーが, 日々, リスクやコミュニケーション等に関する苦労を重ねながらプロジェクトを進めている.今回, 我々は多くの先人たちのプロジェクトマネジメント経験からプロジェクト遂行上の実践的ノウハウを集約しPMBOKの体系に合わせ整理統合を試みた.本稿では, 当該ノウハウ集を構築し, Webサイトに公開し現場のプロジェクトマネジャーの座右の銘としたプロジェクトマネジメント強化の取り組みについて紹介する.
著者
藤貫 美佐 西尾 敏郎 端山 毅
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会誌 (ISSN:1345031X)
巻号頁・発行日
vol.8, no.4, pp.3-6, 2006-08

ソフトウェア開発プロジェクトにおいて,生産性等に関する過去の実績データを計画策定に用いる際に留意すべき事項を整理した.一般にこのようなデータはばらつきが大きく,平均値や中央値でその特徴を簡略には表していると解釈することには危険が伴う.全社スタッフとしての著者らの日ごろの活動から,実用的な観点でプロジェクトにおける生産性データ活用を促進するアプローチについて議論した.