著者
木野 泰伸
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.384-385, 2009-03-10

モチベーションが低下する状況を分析することにより,モチベーションを維持,向上させるための示唆が得られると期待できる.そこで,パーソナルPM研究会では,モチベーションが低下するケースを洗い出し,テキストマイニングや親和図法を用いて分析を試行した.今回は,収集できたケース数が少なく,説得力のある結果が得られたわけではない.しかし,今後,分析していくための道筋が見えてきたので,現在までの試行内容を報告する.
著者
鴻巣 努 関 哲朗 新井 浩志 西尾 雅年
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2000, pp.49-50, 2000

本研究は, 千葉工業大学プロジェクトマネジメント学科情報システム系列における, ソフトウェア開発に関する教育プログラムのコースウェアを概観し, その教育的効果について報告したものである. 情報システム系列ではコース設立当初からプログラミング技術のみならず, ソフトウェア開発における管理技術を含めた総合的能力を養うため, プロジェクトベース教育の試みが行われてきた. 受講者に対する質問紙調査および学習達成度に関する調査から, 従来の知識積み上げ型教育に比べ, 自発的学習が可能となり, 受講者の満足度も高いことが明らかになった.
著者
山寺 仁 伊東 昌子 松尾 睦 河崎 宜史 初田 賢司
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.80-84, 2008-03-14

本研究では,高業績プロジェクトマネジャーの初回ミーティング以前,初回ミーティング,プロジェクト中盤における行為とその頻度について調査した.因子分析の結果,初回ミーティング前では7要因,初回ミーティング時7要因,プロジェクト中盤では14要因が特定された.多くの利益を達成し,困難なプロジェクトを担当する高業績プロジェクトマネジャーの特徴と平均業績のプロジェクトマネジャーの特徴を比較分析したところ,前者の特徴は初回ミーティング以前とプロジェクト中盤で顕著な特徴が見られた.高業績のプロジェクトマネジャーは,初期では,関連部署の協力と参加の要請と自社類似事例の活用を有意に多く行っていた.また,中期では,民主的な環境を作り,変更管理を丁寧に行うなど柔軟で見通しの良い環境づくりを促進し支える行為を重点的に行っていた.これらの結果は,高業績なプロジェクトマネジャーは,変化する状況に対して適応的に,プロジェクトメンバーと関係者の目標に向けたチームビルディングに関する継続的な努力をしており,この努力がチームを高業績に導くことを示唆している.
著者
村井 睦子 東 弘之 佐々木 方規 工藤 邦博 西 康晴
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.75-80, 2007-03-15

ソフトウェア開発プロジェクトの成否には,リスク管理が重要な役割を果たしている.リスクの監視と対策を適切な時期に行うと,リスクの発生や影響を抑えつつ,対策に要する費用も抑制することができる.本論文では,リスクの監視項目の特定や対策時期を決定するための手順を示す.さらに兆候という概念を取り入れ,リスク要因の発生を容易に監視することができない場合における監視方法について提案する.また,本手法を実際のプロジェクトに適用し,検証を行う.
著者
宇田川 耕一
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.248-253, 2008-03-14

プロジェクト全体の意思決定者として,オーケストラの指揮者が果たしている役割について考察する.ここでの「プロジェクトマネジャー」は,プロジェクトの計画・実行について責任を持つ職能という意味で用いている.とりわけ、オーケストラのもっ責任型組織としての特性に注目したい.プロジェクト内の問題の認識と課題解決の仕組みを解明する,有効なアプローチとなりうるのではないだろうか.ここではオーケストラをプロジェクトチームの一形態として考察を進める,プロジェクト人的資源マネジメントの例として,オーケストラを取り上げることには,以下の3つのキーワードからみて意義があると考えるからである.1.プロジェクト内の意思決定の仕組み,2.プロジェクトにおける階層組織の構成,3.責任の明確化と分担.
著者
福田 淳一
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.92-97, 2009-03-10

本論文の目的はモンテカルロ・シュレーションを実務で使ってもらうようにすることである.はじめにモンテカルロ・シミュレーションについて"Riskology"を用いて解説する.次に,「データ白書2007」でのプロジェクト実績データを用いてモンテカルロ・シミュレーションの有効性を検証する.「データ白書」の要員スキルや仕様変更発生具合,プロジェクト実績評価(工期,工数,品質)等のデータをRiskologyでのシミュレーション結果と比較する.筆者の検証によるとシミュレーション結果とプロジェクト実績の工期等は同じような確率分布に従うことがわかった.これはプロジェクト・マネジメントの分野においてもモンテカルロ・シミュレーションが有効であることを示すものである.
著者
神庭 弘年
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会誌 (ISSN:1345031X)
巻号頁・発行日
vol.8, no.5, pp.55-58, 2006-10-15

今日の社会では人々は,あらゆる場面でシステムとの接点を持たざるをえない.ヒューマンエラーと言われる,操作者の些細なミスが大事故を引き起こしたり,障害を引き起こした例は沢山報告されている.これらの"些細なミス"の中に理解しにくい,誤解を生みやすいインターフェースが原因となっていたものがないであろうか?一般にプロジェクトは作り手側に属するため,ユーザインターフェースは作り手中心に考えられてきた.しかしそれではヒューマンエラーを減らすことは出来ないのではないか?高度なシステムへの要求が高まれば高まるほど,優れたユーザインターフェースが重要になるが,それに応えるインターフェースの品質検討をどのように進めればよいのであろうか.プロジェクトマオジメントはもともと学祭的な研究対象であり,本稿は認知科学分野の紹介であるが,システムの品質についての重要な考慮点を共有できればと考える.
著者
鈴木 聡 初田 賢司 内山 研一
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会誌 (ISSN:1345031X)
巻号頁・発行日
vol.7, no.6, pp.16-21, 2005-12-15

混乱プロジェクトを削減するためには組織としてプロジェクトのマネジメント力を向上させる施策に取り組む必要があり,そのための施策を企業レベルで推進するためにPMOが設置される.PMOの活動はPMOとプロジェクトチームの連携を基にしており,プロジェクトのマネジメント力の向上は両者の連携の仕方に依存している.本稿はこの連携の改善を図るためにSSM(Soft Systems Methodology(P.Checkland 1981))による"'本音"のディスカッションを通して問題把握を行った事例を述べ,SSMがプロジェクトの状況を改善するために有効なプロセスであることを示す.
著者
内堀 俊和
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集 2008年度春季
巻号頁・発行日
pp.421-426, 2008-03-14 (Released:2017-06-08)

我々の研究会は歴史上の人物や出来事からPMへの貴重な教訓を得ることを目的としている.今回,日本の戦国時代(正式には安土桃山時代)において有名な出来事の一つである羽柴秀吉の「中国大返し」プロジェクトを報告する.1582年,京都近辺において本能寺の変が起きた時,秀吉は中国地方(日本の西部)にある高松城で孤立していた.しかし結局のところ,秀吉は,暗殺された親分信長の仇を素早く討って,天下統一の扉を開いていったのである.いかにして秀吉は窮地を脱し,形勢を逆転させたのであろうか?私はこれらの点についてPMの観点から考察を行った.今報告において数冊の文献を参考にしたが,あくまでも歴史上の人物や解釈に関する力点はPMの視点に置いたものである.
著者
山本 和男
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.173-178, 2013

プロジェクトマネジメントの知識と技法をビジネス・プロジェクトばかりでなく,個人活動を含むビジネス以外の分野へ適用し,活動成果と品質を高めることは価値あることである.また,個人ベースのリスク・マネジメント実践を通して,マネジメントカを強化することは,そのメンバーが参画する集団プロジェクトのマネジメントカを強化することにもつながる.本稿では,ビジネス目的ではないパーソナル・プロジェクトにおいて,リスク・マネジメントを展開する方法について考察し,提案を行う.
著者
平石 謙治 岡田 清久
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.119-120, 2011

筆者らは失敗プロジェクトの分析,失敗学,技術者倫理等との対比を踏まえたリスクマネジメント等に関して,組織のプロジェクトマネジメント成熟度の視点で分析を行なってきた.これらの分析において,プロジェクト・マネジャーの交渉(ネゴシエーション)力がプロジェクトの成功を左右する重要な要因のひとつになることがある事を実感する場面が多くあった.本稿では交渉に対する姿勢を弱気型交渉姿勢と強硬型交渉姿勢の両極端から考察し,両者の間に位置する交渉の基本事項について考察,検討を始めた.交渉においては,1. 双方が勝者になるように心がける.2. 問題そのものと,人間関係に関わる事柄を混同しない.3. お互いの立場ではなく,関心事に注目する.4. 手に入れられる情報をできるだけ集め,活用する.5. 違いを解決するには,客観的な尺度を使用する.の5点の留意点について述べる.
著者
江熊 きよみ
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2002, pp.46-48, 2002-02-26

プロジェクト・チームの生産性に影響を及ばす要因として, プロジェクトの期間, 規模, メンバーの保有スキル, メンバー間のコミュニケーションなどさまざまな要因が考えられる。小論ではプロジェクト・チームの生産性に及ぼすこれらの要因を分類し, 定性・定量の両面からの分析を試みる。
著者
南 繁之 山田 知満 石原 徹
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集 2009年度秋季
巻号頁・発行日
pp.132-137, 2009-09-17 (Released:2017-06-08)

我社では,他社との競争力を今以上に高めるために,品質・生産性の継続的改善を目的とした活動を行っている.当組織では,CMMIレベル4を参考にした定量的管理プロセスを導入し,組織的に品質向上を目指して活動しており,この中でソフトウエア設計の品質向上のためにレビュープロセスを改善してきた.本稿では,「レビュー品質の見える化」を実現することで,改善してきた品質向上策の実施内容と評価,および課題について述べていく.
著者
井上 恵太 中前 雅之 桑田 すみれ
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集 2009年度春季
巻号頁・発行日
pp.247-251, 2009-03-10 (Released:2017-06-08)

定量的管理は,プロジェクトの目標を達成するために有効な方法である.プロジェクトの状態を定量的に測定することにより,客観的な判断を下すことができ,問題発生を未然に防ぐプロアクティブな対応が可能となり,その結果プロジェクト目標を達成することが可能となる.しかし,当社では定量的管理を実施しても,管理精度が低い,事業への貢献度が弱い場合があるという課題が見受けられた.この課題を改善するため, CMMI成熟度レベル4のプロセスに基づくギャップ分析を行い,改善したプロセスを適用・評価した.その結果,効果的な定量的管理プロセスを実践するには事業目標とプロジェクト特性を考慮することが重要であることが分かった.本稿ではこの改善事例について紹介する.
著者
青島 親年 久保田 大輔 奥村 敏彦 中村 皓一 木村 浩 石井 紀雄 木下 誠一 中島 雄作
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.290-295, 2014

1990年代から,企業の財務会計,生産管理,販売管理,調達・購買管理,経営管理,人事・労務管理,給与計算,就業管理(勤怠管理)等に関する社内情報システムは,フルスクラッチで開発せず,ERPパッケージを採用して構築することが,盛んに行われている.また,ERPパッケージの導入におけるプロジェクトマネジメントに関する研究も数多く存在する.さて,2010年前後から,筆者が所属する会社では,グループ会社の社内情報システムを統一し,グループ会社の間接業務プロセスの標準化,効率化を推進することを経営施策の一つとして掲げていたが,ある特定のグループ会社群の人事給与・就業管理に関する情報システムの刷新の際,ERPパッケージを用いて構築した.初回のあるグループ会社へのERP導入では,過去の研究論文や文献を参考に,プロジェクト成功のノウハウを取り入れ,納期どおりにカットオーバさせたが,品質が安定せず,運用フェーズに入ってからの仕様変更が相次いだ.そこで,初回の反省を踏まえ,要因解析と対策立案を行った結果,2回目の別のグループ会社へのERP導入では,大幅に品質が向上し,QCD全てが良好な成功プロジェクトとすることができた.本稿では,前記の人事給与・就業管理ERPパッケージの導入における品質改善活動について紹介する.
著者
大谷 晶子 藤原 良一 坂田 賢志
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.265-270, 2010

SI事業で培ったシステム生産方法を反映した,ISO9001対応の品質マネジメントシステム(QMS)を元に,CMMIレベル3相当の標準プロセス,情報共有環境(PJポータル)やプロジェクト管理支援ツール(PM支援ツール)を強化してきた.品質・生産性の継続的な改善を狙い,定量的プロジェクト管理の視点や価値観を活かしつつ,プロジェクトの状況をよりタイムリーかつ客観的に把握し,対策をフィードバックできるCMMIレベル4相当の企業風土を踏襲した定量的プロジェクト管理の標準プロセスを整備した.しかし,定量的にプロジェクトの状況を組織の管理者層やプロジェクトマネージャ(PM)が把握するために,人手でデータを収集しPM支援ツールを使って分析・評価を行っていた.本稿は,企業風土を踏襲した定量的プロジェクト管理方法を基に,プロジェクトのデータ収集や分析の負荷を軽減し,早期に問題点の検出が行える,定量的プロジェクト管理支援システム(P-Support)の開発した.このシステムの試行を通しての定量的プロジェクト管理の課題と展望を紹介する.
著者
福田 祥久
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集 2005年度秋季
巻号頁・発行日
pp.281-286, 2005-09-27 (Released:2017-06-08)

顧客が作業結果に満足しないため民事訴訟を提訴した場合,プロジェクト・マネジャー(PM)としてどのように対処すべきであろうか.より高度なソリューションが要求されるオンデマンド時代のSIビジネスを成功裡に遂行するためには,PMにとって,プロジェクトマネジメントおよびIT関連の知識のみならず,契約の締結から終了までの契約に関する法的知識も求められるのではないだろうか.本稿では,SI支援契約に焦点を当て,PMがプロジェクトを成功裡に遂行するために必要となる善管注意義務と解除権の判断基準を中心とした,SIビジネスにおける契約履行に関する法的指針とそのポイントについて述べる.
著者
黒木 敦
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.111-114, 2013

顧客の全国約1700拠点にも上る多拠点へのシステム機器約7500台の一斉導入展開作業を実施した.顧客の要求事項として限られた期間,コストで全国一斉に導入展開作業を行いかつ全国均一な高い作業品質での導入展開作業を実現する必要があった.想定されるリスクとして展開作業に携わる人員も新機器のキッティング要員,全国導入展開作業要員,現地作業統制要員などのべ9000人以上と試算され携わる人員が多くなることで品質低下,納期遅延,コスト増,が予想された.この対応策としてPC,携帯電話を活用した現地進捗管理システムを構築し関係者との連携強化を図り納期遅延の防止,コスト低減,品質維持・向上を図ることで本プロジェクトを無事完遂することができた.この進捗管理システムを活用したリスクマネジメント事例について報告する.