著者
大山 順 鴻巣 努
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.233-234, 2008

現在のリーダシップ研究はリーダの素質による類型論から,リーダシップを使い分けるべきとする状況適合論が主流となりつつある.本研究ではプロジェクトにおける状況を10個のカテゴリーに分け,カテゴリー毎にリーダシップを定義した.また重なった状況を表現するために適合条件集積法を提案し,効果的に発揮するためのリーダ・プロセスを提案した.本研究により,客観的評価に基づいたリーダシップを発揮することが可能となった.
著者
賈 縉
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2002, pp.23-28, 2002

本論文は, Offshoreリソースを利用するプロジェクトのチームビルディング方法を提案した。Offshoreリソースを活用したプロジェクトはコストメリットを享受できる反面, 非言語依存性要素を含むコミュニケーションにおいて非常に高いリスクが発生する。Offshoreエンジニアはお客様と接触する機会が少なく, お客様のニーズに対しての理解不足を生じやすいばかりでなく, プロジェクトチームのワーキングスタイル, 作業内容に対しての理解, 言語などの原因により, 従来のプロジェクトと比べると, 特有の問題を多く抱えている。プロジェクトチームとOffshoreチームのコミュニケーションを図るために, 双方のギャップをハンドリングできる"Liaison(連絡係)"の存在が不可欠である。Liaisonの役割はプロジェクトチームとOffshoreチームの間の情報伝達である。情報はプロジェクトチームがLiaisonに伝える情報とOffshoreチームがLiaisonから貰う情報という二つの部分に分けることができる。両者の差は情報の損失になる。情報損失の量が少なければ少ないほど, Offshoreチームのパフォーマンスは高くなる。分析とモデルプロジェクトの結果, Liaisonは情報伝達だけではなく, オンサイトとOffshoreの開発チームに参加し, できるだけ多くの範囲を担当すべきという結論が得られた。この結論に従って, Liaisonを中心とするLC (Liaison Centered)チーム・ビルディング方法を提案する。
著者
村上 邦彦 宇佐波 大輔 市川 勉 井上 浩仁 沖田 雄一 山田 隆 藤田 忠雅 橋詰 弘之 小田原 育也
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.266-270, 2008

筆者らは,前回の報告でリスクの因果関係に着目することで,プロジェクト・リスクのより早い段階での識別を実現するプロアクティブなリスク・マネジメント手法を提案した.ところが,現場のITプロジェクトへの適用では,その時点のプロジェクトの状況から乖離したリスク項目が識別されることがあった.筆者らは,リスク識別・リスク分析の対象タスクをプロジェクト全体に最も影響を与えるタスク群に絞り込み,かつプロジェクトの進捗に伴って動的に変化する「プロジェクト・リスク・ポリシー」(QCDの優先順位)を考慮することで,リスク識別・リスク分析の精度を向上できると考えた.CCPMによると,プロジェクトに最も影響を与えるタスク群は,タスク・ネットワークのクリティカル・チェーン上のタスクであり,またプロジェクトのリスクの大きさは,バッファの消費率などによって推測することができる.本報告では,動的に変化するプロジェクト・リスク・ポリシーを考慮して識別したリスク項目のリスク値と,それらのリスク値によって影響を受けるバッファに着目することで,より精度の高いリスク識別・リスク分析が可能になるよう拡張したリスク・マネジメント手法を提案する.
著者
高森 満
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.323-325, 2013

2012年11月12日に開催された頭記座談会の様子をレポートする.この座談会は,本年発行予定の"プロジェクトマネジメント入門"の最終章に掲載される企業の実プロジェクト事例集について意見交換すべく,その事例執筆者と,PM学会出版委員会メンバーが集まって開催された.座談会では"プロジェクトマネジメント入門"にかける期待や事例集の意義,その活用方法などについて活発な意見交換が行われた.そこから得られる知見が多くあり,それを整理し報告書としてプロジェクトマネジメントの教育やスキル向上に興味ある読者と共有する.
著者
北村 清一
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.115-120, 2013

プロジェクトマネージャーは,プロジェクトのゴールを達成するために必要な職位・経験,スキル,コンピテンシー,モチベーション等からプロジェクトチームを編成する.しかし,編成したプロジェクトチームにおいて,個性の違いの理解不足や非生産的な作業の割り振り方により,メンバー間で様々なコンフリクトが生じ,ストレスが増大することで生産性が低下してしまう.プロジェクトチーム編成には,(1)スキルベースのチーム編成の問題,(2)コンピテンシーが同一メンバーの問題,(3)コンピテンシーとプロジェクト特性のマッチングの問題の3つの問題がよく発生する.本論文では,FFS (Five Factors & Stress)理論の考え方を応用して,人の思考行動パターンやストレス要因を把握し,成果を生み出すチームを編成する手法を提案する.さらに,システム開発プロジェクトにおける実践的な作業割り振りをすることで,生産性を高める手法も提案する.FFS理論によって可視化されたメンバーの思考行動パターンを相互理解することで,コンフリクトの発生数を減少させ,メンバー間で各自の強みを活かしていく相互協力を促すことができる.プロジェクトの成功確率を高める一つの鍵は,プロジェクトマネージャーが職位・経験,スキルのようなハード面よりも,コンピテンシー(パーソナリティタイプの強みによる行動特性)のようなソフト面をより重視し,コンピテンシーを発揮できるようにプロジェクトチームを編成して作業を割り振る事である.この手法を用いる事で,過去のいくつかのプロジェクトにてチームの生産性を向上させることが可能となった.
著者
楠 徳生
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集 2014年度春季
巻号頁・発行日
pp.409-413, 2014-03-13 (Released:2017-06-08)

本論文では,中学校の行事を活用し導入したPBL (Project Based Learning)における事例を報告する.また,PBLにプロジェクトマネジメントの手法を活用することが,初めてPBLを実施する教師と生徒の活動に効果があることを報告する.
著者
荻上 裕基 越島 一郎 梅田 富雄
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集 2001年度春季
巻号頁・発行日
pp.232-236, 2001-03-12 (Released:2017-06-08)

プロジェクトのスケジュール手法としてPERTが多用され, 仕事を達成するための期間の算出する根拠に標準的な工数が使われている. しかしながら, 人間の作業に対する状態が考慮されていないので, 状況に合わせた人員配置とはなっていない. そこで, 本研究ではリソースの配置をより良くするために, 作業者のバイオリズムを考慮したプロジェクトスケジューリングやリソースの配置について新しい手法を提案する.
著者
北村 清一
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集 2013年度秋季
巻号頁・発行日
pp.115-120, 2013-09-05 (Released:2017-06-08)

プロジェクトマネージャーは,プロジェクトのゴールを達成するために必要な職位・経験,スキル,コンピテンシー,モチベーション等からプロジェクトチームを編成する.しかし,編成したプロジェクトチームにおいて,個性の違いの理解不足や非生産的な作業の割り振り方により,メンバー間で様々なコンフリクトが生じ,ストレスが増大することで生産性が低下してしまう.プロジェクトチーム編成には,(1)スキルベースのチーム編成の問題,(2)コンピテンシーが同一メンバーの問題,(3)コンピテンシーとプロジェクト特性のマッチングの問題の3つの問題がよく発生する.本論文では,FFS (Five Factors & Stress)理論の考え方を応用して,人の思考行動パターンやストレス要因を把握し,成果を生み出すチームを編成する手法を提案する.さらに,システム開発プロジェクトにおける実践的な作業割り振りをすることで,生産性を高める手法も提案する.FFS理論によって可視化されたメンバーの思考行動パターンを相互理解することで,コンフリクトの発生数を減少させ,メンバー間で各自の強みを活かしていく相互協力を促すことができる.プロジェクトの成功確率を高める一つの鍵は,プロジェクトマネージャーが職位・経験,スキルのようなハード面よりも,コンピテンシー(パーソナリティタイプの強みによる行動特性)のようなソフト面をより重視し,コンピテンシーを発揮できるようにプロジェクトチームを編成して作業を割り振る事である.この手法を用いる事で,過去のいくつかのプロジェクトにてチームの生産性を向上させることが可能となった.
著者
吉田 知加 木野 泰伸
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.308-313, 2014

アジャイル開発手法は,新しいソフトウェア開発手法として日本でもここ数年注目を集めている.しかしながら,その適用率は欧米諸国に比べて未だ低い.その理由として,日本では,ウォーターフォール型開発が標準的開発手法として成熟しているからと考えられる.また,アジャイル開発プロジェクトの契約管理の難しさも理由の一つとして挙げられる.契約はIT (Information Technology)システム構築プロジェクトの成功にとって大きな役割を担う.日本のシステム開発契約では請負,準委任,および労働者派遣という三つの契約類型があり,本研究はシステム開発委任契約に関わる請負,準委任を検討する.主に開発フェーズに締結される請負契約では,締結時に決められた要件に基づく最終成果責任が受託側に求められ,そのような場合アジャイル開発に不適切な制約事項が生じてしまう.本研究では,経済産業省の「情報システム・モデル取引契約書」,情報処理推進機構の「アジャイル開発のための契約モデル(案)」に注目し,アジャイル開発に適する契約の特徴を検討した.さらに,アジャイル開発により最適な契約モデルと,現実的に実務に適応する条項を提案する.
著者
中村 やよい 橋本 樹範 松尾 美貴
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集 2007年度秋季
巻号頁・発行日
pp.223-228, 2007-09-20 (Released:2017-06-08)

弊社ではISO9001を取得し,プロセス改善の取組みを行なってきたが,多様なシステム開発を行う会社として,以下の課題があった.(1)『標準プロセス』とその改善の重要性の理解が進まず,現場に浸透していない.(2)ISO9001での要求事項は抽象的かつ汎用的なため,開発現場の具体的な活動への展開が難しい.(3)開発内容が多岐に渡るため,開発プロセスの標準化が難しい.このため,開発にフォーカスしたプロセス改善手法であるCMMI(レべル3)のフレームワークを活用し,以下の取組みを行なうこととした.(1)トップダウンによる現場へのプロセス改善意識と知識の普及(2)CMMIフレームワークを用いての,開発にフォーカスした『標準プロセス』の構築(3)CMMIのテーラリングの概念を用いての各種開発プロセスの統合活動の結果,ISO/CMMIを統合した『標準プロセス(QMS)]を構築し,また,CMMIレべル3を達成している(2007年3月)今後,このQMSを成長させつつレべル4,5を目指した改善活動を進めていく.
著者
田島 彰二
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.142-146, 2009

"研究開発投資と,収益の相関がゼロあるいは負の関係"と言われるIT業界で,"PPP&O(Portfolio, Program, Project and Operations Management)サイクルを回して新事業を拡大し,収益を捕るには,どのようにプロジェクト評価し,プロジェクト運用をするのが良いのか?"が重要な問題である.本論文では,その問題に含まれる,マネジメントギャップ(ビジネス拡大の観点からのDeath Valley)の起こる原因と,その原因に内在する本質的な問題克服に焦点を当てて検討する.本論で得られた結果を使って,全体最適のための評価メトリッスク構築(フレームワーク)の検討を今後とも進めていきたい.
著者
竹久 友二
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集 2011年度秋季
巻号頁・発行日
pp.76-80, 2011-09-15 (Released:2017-06-08)

技術革新や社会・経済状況の激変する現代において,「伝統的なプロジェクト管理手法は,実際のプロジェクトを上手に管理するためには限界がある」という議論が行われている.これらの議論の中心は,変化や複雑性をそのまま認識してプロジェクトを扱う複雑性のマネジメントである.そして,複雑性としては,プロジェクトを構成する要素の数やその関係の複雑さだけでなく,プロジェクト目標や成功への筋道などプロジェクトの方向性がメンバに共有されない状態など,より人間系に関わる要因が含まれている.そのため,プロジェクトを成功させるためには,従来のような管理的な方法(計画・命令・把握・コントロール)ではなく,プロジェクトメンバーにプロジェクトの道筋を示し,メンバのやる気を引き出すPMのリーダシップが重要であると考えられている.本稿は,これらの議論をPMコンピテンシーの観点から考察し今後のPM育成のヒントを探る.
著者
菅谷 茂 西尾 雅年
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2006, pp.407-411, 2006

今日の企業の情報システムに関する問題は重要性を増してきている.システムの重複投資,知識偏在の問題は企業経営にとって重大な問題である.これらの問題を解決するためにEA(Enterprise Architecture)が注目を集めている.しかし,EAは業績に与える効果を評価することが困難という点がある.本研究では,仮想プロジェクトを設定し,EAがプロジェクトの業績に与える影響を測定する評価方法を提案する.
著者
柿田 文和 稲石 亨
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集 2011年度秋季
巻号頁・発行日
pp.253-258, 2011-09-15 (Released:2017-06-08)

2001年,17人の軽量開発手法の指導的実践者が「アジャイルソフトウェア開発マニフェスト(以下,アジャイル・マニフェスト)」を宣言して以来,「アジャイル」は世界規模で開発の主流となりつつある.日本においても2007年以降アジャイルに関するコミュニティやワークショップが多数設立,開催され,アジャイルはもはや異端の開発方法論とは言えない状況である.しかし,アジャイルソフトウェア開発とは一体何であろうか.アジャイルという用語の意味する範囲は曖昧模糊として捕らえどころがないように見える.そこで本論文では,最初にアジャイルの原典であるアジャイル・マニフェストとアジャイルの12原則から分析をはじめ,次いでアジャイル手法とプラクティスの価値を考察する.そして最後に「持続可能なペース」と「自己組織化」というキーワードを手がかりに,漠然と受け取られがちなアジャイル開発の総体を描き出し,その特徴と真の価値の提示を試みる.
著者
向坂 太郎 日下 照英 浅田 隼人 岡野 信保
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集 2014年度春季
巻号頁・発行日
pp.196-200, 2014-03-13 (Released:2017-06-08)

日立では,システム開発プロジェクトを効率的に進めてお客様に高品質なITサービスを提供するために,システム開発方法論HIPACEを整備している.HIPACEはIT戦略からITサービスの評価までのエンタープライズITサービスのライフサイクルにおける標準的なプロセスを定義しているだけでなく,プロセスの実施方法や成果物の作成方法も説明している.近年,筆者らはHIPACEのサポート範囲をグローバルに拡大している.オフショア開発などのグローバルプロジェクトでは,成果物の品質確保のために開発プロセスやルールの合意が国内プロジェクトに比べより重要である.筆者らは,価値観や文化的背景の異なる開発者にソフトウェアテストの重要性を説明するために,日立システム開発方法論で定義されているテストプロセスの詳細なルールや暗黙知を明確にし,各開発者のテスト作法を統一した.それをプロジェクトに適用した結果,開発効率および成果物の品質が向上した.
著者
森永 和宏 川又 千尋
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.51-56, 2011

当社の設計書に対する品質評価は,予め定められたチェックリストに沿った充分性に関する定性的評価が主であり,レビュー指摘件数などを目標値と比較する定量的評価が十分行えていなかった.その背景として,設計工程のプロセスがプロジェクトにより異なっており,相対評価用の目標値設定が難しいという課題があったためである.しかし,近年設計工程でのレビュー実施に関して「一人一本目チェック[○!R]技法」を導入することで設計工程の検証プロセスの統一が図られ,レビュー結果の数値データも収集できるようになりつつある.そこで本研究では,「一人一本目チェック[○!R]技法」の実績データを基に定量的評価を行うための目標値を設定する方法を検討し,その評価を行う.
著者
前田 英行 小西 千代美 鈴木 孝志 中川 正明 五百井 俊宏 永谷 裕子 柴垣 太郎 高橋 邦夫 小林 雅史
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.114-117, 2011-03-10

2010年8月にプロジェクトマネジメント経験者・学識経験者20名による「メンタルヘルス研究会ワークショップ2010」を開催した.ワークショップの目的は,ワールドカフェ手法を導入し,メンタルヘルス不全に関する暗黙知を予防に活用できる形式知に変換することである.ワールドカフェによりアイディアを抽出し,対話,統合,投票により得られた結果は,(1)「プロジェクトは明るくリーダが率先」,(2)「ビーチパーティでチームビルディング」,(3)「9番バッターで思いっきり三振」,(4)「ファミリーケア・フレンドケアを大切に」,という4つの文章にまとめられた.これらの結果から,メンタルヘルス不全の予防策として,プロジェクトを(1)明るく前向きな場,(2)良い仲間関係の場,(3)育成と成長の場,(4)生活と仕事のバランスのとれた場,とすることが最重要であることが分かった.
著者
森下 隆治
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.89-93, 2005

JAVA開発における開発方法論,実践については,最近は多く出てきているとはいえ,まだまだ小規模開発でのUML,RUP等の適用事例にとどまっており,大規模開発の際の開発方法の適用の仕方は,これといったものがないのが実情ではないだろうか?筆者が担当するProjectでは,レガシーシステムの刷新化計画が急ピッチで推進されてきており,レガシーであった大規模システムをオープンシステム化,JAVA化が要求されている.PM観点では,その開発方法を選定適用するに当たり,オブジェクト指向開発をそのまま適用することは,経験上の問題と規模的な問題,SKILLリソースの確保の問題など,リスクが高いとの認識である.そこで従来型の手法DOAをベースとした大規模JAVA開発というアプローチを試み実践した.またSCOPEの変更管理における影響分析,品質確保の仕組みはPM諸氏が苦労されているところと思われるが,PM観点から,それに対応できる開発方法として,CASEツールによる設計リポジトリィを構築し,JAVA生成ツールを独自開発し適用する方式を上流から下流まで適用統合化することにより,影響分析,品質確保などの実現,保守における生産性UPの実現を目指し実践してきており,その経験をPM諸氏につたえ,今後の大規模開発JAVA開発に参考にしていただくことが本論分の目的である.
著者
鈴木 隆
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.66-69, 2011-09-15

東日本大震災では東北地方太平洋沖地震とそれに伴って発生した津波,及びその後の余震により甚大な被害を被ったが,初期対応や災害対策についていろいろな問題が指摘されている.災害対策基本法や特定非常災害特別措置法に則り対策を実施していく必要があるが,復興計画を立案し,組織を立ち上げし,実行し,進捗を監視していく一連の工程において現状は手探り状態であり,必ずしも最善の方法が採用されているとは言えない.復興に関してはより早期にまた確実に進めることができる方法を選択すべきであるが,PM手法のフレームワークを適用することで解決できるものが多いと思われる.本論文では阪神・淡路大震災等過去の教訓に照らし合わせ,災害復興におけるPM手法適用の有効性を検証した.