著者
杉浦 徳利
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.68, no.11, pp.559-565, 2018

<p>インターネット書店の隆盛で,従来型の書店は淘汰の波にさらされている。一方で実空間の店舗ならではの"ぶらぶら歩き"による「思いがけない図書との出合い」を期待する声も根強い。図書との思わぬ出合いを促すような書店の設計を目標に据えつつ,書架のブラウジング実験を行った。見る,触れる,手に取る,読むのような図書への関与の行動の発生頻度と書架配置および図書の配架方法との関係について論じる。さらに機械学習の枠組みの一つである帰納論理プログラミングを用いて,特定の書架配置と配架方法に固有な,被験者の潜在的行動パターンを発見する試みについて紹介する。</p>
著者
鈴木 理加
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報プロフェッショナルシンポジウム予稿集 第3回情報プロフェッショナルシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.79-82, 2006 (Released:2006-10-26)
参考文献数
2

Webで利用できる無料の検索データベース、Google Scholar, Windows Live Search Academic, NII CiNiiと商用データベースCA, JSTPlusなどについて、各データベースの内容・検索機能・表示機能などを比較した。Google Scholarは無料で全文を見られることがあり、Windows Live AcademicはRSS対応や概要表示・ダウンロード機能があり、CiNiiは日本の文献の収録範囲が広いという特徴がある。
著者
森 大二郎
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.9-14, 2013-01-01 (Released:2017-04-18)
参考文献数
17

検索エンジンが次の数十年で社会にもたらす変革について予想する。情報端末とヒューマンインタフェースの進歩は,検索エンジンの利便性を飛躍的に高め,人間の記憶と意志決定を強力に支援するようになる。検索サービスを利用する契機が拡大することにより,より多くのユーザデータのフィードバックが得られるようになり,検索精度の大幅な向上も期待できる。一方で,情報取得に対する能動的な態度が損なわれ,類型的で偏向した情報にユーザが満足する危険性についても指摘する。
著者
永嶋 千夏子
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.49, no.9, pp.464-471, 1999
参考文献数
24

日本の労働に関する主な統計について, 慨要, 事例, 統計中の用語, 公表資料等を紹介し, 比較評価することを目的とした。現在の変化する経済動向を背景とし, それに深く関連する雇用関連指標として「毎月勤労統計調査」, 「労働力調査」, 「就業構造基本調査」, 「職業安定業務統計」, 賃金に関しては[賃金構造基本統計調査」, 労働時間統計として「賃金労働時間制度等総合調査」, 労使・労災統計として「労働災害動向調査」, 「労使関係総合調査」を挙げた。現在は, 労働省などでホームページから主な統計をダウンロード出来ることから, 直近の調査結果の入手方法として有効な手段である。ただし時系列でのデ一夕はまだ数少ない。
著者
佐藤 貢司 青木 文男 芝﨑 克一 土田 哲平
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.43-46, 2019-01-01 (Released:2019-01-01)

高齢化社会を迎えた日本においては,就労人口の減少や都市部と地方における地域格差など「人」を中心とした多くの課題がある。食料自給率の低い日本では一次産業は重要な産業であり従事する人の確保のために効率化や高収益化が求められている。近年の漁業においてはマグロなど養殖技術が検討され,高収益化を目指した新たな取り組みもされている。本稿では特許分析を中心とした情報分析を用いて今後の養殖において必要となる技術の推定を試みた。個体判別のための誘導や個体に傷をつけない捕獲技術なども必要であると推定された。
著者
橋間 渉
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.10-15, 2019-01-01 (Released:2019-01-01)

独立系調査会社のサーチャーとして求められる能力は,基本となる特許の情報検索能力のみならず,ヒアリング力や提案力など多岐に渡る。サーチャー育成にあたっては,段階的に経験を積んでもらい,周囲のサーチャーとディスカッションを行い,互いの考えの共有を図っていく。サーチャーのキャリアパスは一義的に決まるものではないと著者は考える。キャリアパスはサーチャー自身の強みを活かせるものが好ましい。クライアントや業界に求められるものが何であるかを捉え,鍛錬し,サーチャー自身がどの様なサーチャーになるのかを思い描く事が,サーチャーのキャリアとなり,組織の総合力に繋がって行く。
著者
南山 泰之
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.1, 2019-01-01 (Released:2019-01-01)

2019年初の特集は「インフォプロのキャリアパス」です。インフォプロの「働き方」や「人材育成」というテーマは,弊誌でも度々特集を組んできており,近年では2016年12月号に「インフォプロの仕事術」,2017年8月号には「図書館の人材育成」について取り上げました。INFOSTA界隈では日常的に使われる言葉であり,インフォプロとはどういう人か,何らかのイメージをお持ちの方も多いと思います。しかしながら,インフォプロは「情報専門家:Information Specialist」とどう違うのでしょうか。また,客観的には何をもって「インフォプロになった」と言えるのでしょうか。INFOSTAでも度々シンポジウム等で議論を重ねておりますが,未だに統一的な見解は生まれていない,と言わざるを得ないようです。しかしながら,Googleの登場,AI技術の進展などを背景に,従来までの検索技術者や図書館員などの役割が変容せざるを得ない中,「インフォプロ」を再定義しその専門性をもって情報を発信することは,今後もインフォプロであり続けるために急務と言えるのではないでしょうか。このような問題意識のもと,今回の特集では従来の「インフォプロのような人」の枠組みだけではなく,より広範な「様々な情報専門職のキャリアパス」という視点から現在の「インフォプロ」の全体像を外延的に素描することを試みています。具体的には,背景の異なる5名の方々:1)サーチャー(アズテック株式会社 橋間渉氏),2)アナリスト(旭化成株式会社 和田玲子氏),3)システムベンダー(あるいはシステム・ライブラリアン)(株式会社ブレインテック 関乃里子氏),4)サブジェクト・ライブラリアン(ミシガン大学 横田カーター啓子氏),5)アーキビスト(アーカイブズ工房 松崎裕子氏),にご執筆をお願いし,ご自身や有識者,あるいは職場でのバラエティに富んだ経験を寄せていただいております。さらに,本特集に合わせた特別企画として,INFOSTA三役による特別座談会の記録を掲載しています。「インフォプロ」について自由に思うことを述べていただいた本座談会は,INFOSTAが推し進めてきた「インフォプロ」の歴史を振り返り,現在を見つめるための一つの材料を提供するものと考えています。本特集が,情報を取り扱う専門職の方々の相互理解や交流を促進し,ポジティブな未来を描くための議論の一助となることを期待します。(会誌編集担当委員:南山泰之(主査),長屋俊,寺島久美子,光森奈美子,稲垣理美)