著者
近藤 勲
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン (ISSN:03743470)
巻号頁・発行日
vol.28, no.9, pp.706-711, 1974

VHF帯においてトランジスタを用いたアクティブバンドパスフィルターの設計法および実験結果について述べている.試作した4段構成のバンドパスフィルターは挿入損失がなく, 雑音指数が約6dB, カラーテレビ信号による赤色混変調は入力レベル70dB/<SUB>u</SUB>Vにおいて-50dBであった.また, これらの結果をもとに実用性についての検討も行い, 低レベルの回路であれば充分実用可能で, さらに小型で軽量なフィルターであることも述べている.
著者
吉田 興夫 岩本 明人
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.37, no.10, pp.819-825, 1983
被引用文献数
2

固体撮像素子の設計や撮像方式の決定に役立てるため, 規則正しく配列された画素からなる固体撮像素子の2次元サンプリングと2次元開口のフーリエ変換から, 2次元のナイキスト限界とレスポンス特性であるMTFを求める方法を述べた.2次元サンプリングの代表例として, 正方格子と市松画素配置となる斜方格子をとりあげ, 後者では水平方向のナイキスト限界が改善されること, 特に現状の500 (V) ×400 (H) 画素ではその改善効果が大きいことを示した.また, 従来解析されてきた水平軸や垂直軸などの特定方向のMTF以外に, 任意の方向におけるMTF値を求める方法を述べた.2次元開口の代表例として, 矩形とその一部を切り取られた矩形 (L形矩形) をとりあげ, 切り取られた方向でMTF値が増加する様子を明らかにし, それらのMTF値の等高線表示により2次元MTFを見やすく表示した.
著者
鈴木 桂二
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン (ISSN:03743470)
巻号頁・発行日
vol.12, no.8, pp.346-358, 1958

テレビ放送技術分野で久しくその成果が期待されていたビデオ・テープ・レコーダは, 1956年4月アメリカのAmpex社でその実用化が発表され, デモンストレイションの結果は全くスタジオ番組の画像と変らない良質の結果が得られたので, 各国テレビ放送事業者間に一大センセイションを巻き起し, わが国の放送業者の間でも深い関心が払われていた.今年4月以降OTV, NHK, KRT, に輸入され, 実際放送プログラムに実用化され目のあたりにその再生像を見る機会を得て, 再びその性能の素晴しさに驚嘆し, ビデオ・テープ・レコーダ・ブームを現出した.以下この分野の技術的展望に一瞥を加えて見よう.
著者
山本 明史 藤原 孝幸 橋本 学 舟橋 琢磨 輿水 大和
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.33, no.34, pp.73-76, 2009-08-27

本稿では、画像をブロック分割し、それぞれのブロックの画像中における独自性の高さを画素値とするレア度画像を提案する。レア度の計算は局所特徴量の発生頻度分布を基として行い、算出に用いる特徴はディジタル画像におけるもっとも原始的なものとして輝度値、勾配強度、最大勾配方向とした。また、レア度情報を用いることによるパターン情報等の教師を必要としない領域分割手法を提案し、3種のレア度画像それぞれにおける領域分割結果について考察する。
著者
金 淵培 柴田 正啓 江原 暉将 榎並 和雅
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.50, no.10, pp.1585-1592, 1996-10-20
参考文献数
13
被引用文献数
5

本論文では, 素材映像の内容を普通の日本語文で記述したスクリプトを用いて, 必要な素材映像を検索し, それらを時間軸上のどこへ配置するかを粗く決める編集=粗編集を行う映像シーケンサについて述べる.制作者は, 所望の素材映像の内容を日本語文で記述し, 個々の記述文を時間順に並べたリスト形式のスクリプトにより, 番組の構成を映像シーケンサに入力する.映像シーケンサは, 日本語を使ってインデキシングされた素材映像のデータベースを検索し, 適合する部分映像(カット)を切り出し, 順に再生することにより, 番組の概略を提示することができる.このスクリプトは, 普通の日本語で素材映像を指し示すため, スクリプトの可読性は極めて高くなる.この結果, 映像シーケンサを用いて, スクリプト上での番組の構成の概念的な検討と, 実際の映像を見ての具体的な検討を同時に効率的に行うことができる.
著者
土田 健一 居相 直彦 任 重坤 鐵尾 周平 熊谷 一樹 篠田 英二
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.25, no.33, pp.7-12, 2001-05-24
被引用文献数
3 1

地上波で放送エリアを確保する場合の問題として、高層建築物等の影響により放送波が遮蔽される地域がある。そのような地域に対して、ギャップフィラー局(GF局)を設置し、地上デジタル放送波を同一周波数で再送信したときの受信に与える影響を調査した。移動受信においては、GF局の照射エリアの受信特性が改善した。固定受信においては、親局に対してアンテナを向けたままでは、GF局から電波を送信することによって誤りが発生する地点が存在したが、受信アンテナをGF局方向に向けることにより誤りが回避できた。
著者
松岡 剛志 緒方 将人 若杉 耕一郎
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.119-122, 2013-01-23
被引用文献数
1

「地上デジタル放送に割り当てられたUHF帯のホワイトスペースを活用して行われるワンセグ携帯等の地上デジタルテレビ放送受信機に向けたエリア限定の放送サービス」であるエリア放送が注目されている。エリア放送とは、商店街街などの小規模のエリアを対象とし、お祭り等のイベント等での臨時的な、その地域限定のローカルな情報を配信するサービスとして期待されている。九州産業大学は、平成24年8月に地上一般放送局免許を取得し、平成24年9月からエリアワンセグ放送を運用している。本稿では、九州産業大学でのエリアワンセグ放送システムとのワンセグ放送の実績を紹介するとともに、エリアワンセグ放送を大学等の教育機関で運用の際に考えられる課題について検討した。
著者
栗原 明 井上 幸俊 汐見 勝彦
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.49, no.11, pp.1506-1512, 1995-11-20
参考文献数
5

フライバックトランスは, テレビセット内で使用される高電圧発生用トランスであり, 従来の方式では, 使用されるコイル内の短絡に起因するレアショート事故が発生していた.生産開始以来, 約25年を経過して, この対策のための新たな巻線, 工法の評価法を開発した.このシステムの採用により, 社会問題になっていたテレビの発煙発火については保護回路の研究も進み, ほぼ皆無にすることができた.同時に, フライバックトランスを使用する方法も改善し, 寿命を短期間に推定可能な加速寿命試験方法の開発に取組み, 成果を得ることができたので, ここに報告する.
著者
湊 健太郎 新藤 正人 掛川 直紀
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.36, no.23, pp.21-24, 2012-06-08

従来の回路割付制御機能は調光操作卓の一部として組み込まれているので、卓の不具合が発生した場合は根本的な回避策が無い状態であった。そこで、回路割付と割付情報記憶機能を持つ回路制御卓を開発した。調光操作卓がトラブル時でも汎用調光卓などとこの回路制御卓を接続することでデータをそのまま使用できるので、番組運用に支障をきたさない。また、スタジオ照明システムとして回線をイーサネットで構築したことにより、スタジオ内のいかなる場所でもタブレットPCやiPadなどを用いてサブと同様の機能を再現できるので、ドラマなどフロアを中心に運用する番組でも演出意図をより効率的に反映できるようになった。
著者
中村 有光 柳町 昭夫
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン (ISSN:03743470)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.169-176, 1963

プリント巻線モータの過負荷使用を考慮すると, 駆動素子としてSCRがトランジスタより適切であることを示し, 流通角制御の場合におきる駆動特性の劣化は速度帰還, とくに逆起電力ゲート帰還によって改善できることを一般的に明らかにした.これにもとついて出力95WのPM-488形モータを駆動できるSCRサーボ増幅器を試作した結果, 良好な性能を得ることができた.
著者
高野 洸 安田 靖彦 猪瀬 博
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン (ISSN:03743470)
巻号頁・発行日
vol.17, no.10, pp.606-610, 1963

テレビジョン信号のように直流をふくむ広帯域の信号を符号化伝送することは, 従来PCM, Δ変調を用いて試みられてきた.本報ではΔ変調と同等の簡単な回路でこれよりすぐれた特性が得られるΔ-Σ変調方式を取上げ, この方式によってテレビジョン信号の伝送実験を行なった結果を報告する.実験のため構成した変調装置はトンネルダイオードを基本要素とし, 最高サンプリング周波数60Mc/s, 伝送帯域3.5Mc/sのもので, これによって水平解像度300~350本の再生画像を得た.
著者
三木 信之
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 : 映像情報メディア = The journal of the Institute of Image Information and Television Engineers (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.103-111, 2001-01-20
参考文献数
7
被引用文献数
16 3

The variance of the bit error rate (BER) of orthogonal frequency division multiplexing (OFDM) transmission with the delay time and the phase of the multi-path has not yet been sufficiently clarified. Multi-path introduces amplitude ripples into OFDM transmission, and these ripples change the C/N of each carrier. These changes, in turn, lead to variations in the BER of each carrier. The BER of the entire OFDM is calculated by adding and averaging the carrier-by-carrier BERs. Using mathematical representations of these factors, we theoretically and experimentally demonstrated that the equivalent C/ N degradation from a reference C/N of 22 dB, where the BER of error-correction-free 64-QAM OFDM is 0.009679, oscillates periodically at a delay of 1/ (OFDM bandwidth) and approaches the average value as the delay time increases. We found that the BER has either local maxima or local minima at a delay time equivalent to 1/ (1&middot; (OFDM carrier interval)), where 1 is a positive integer.
著者
中村 有光
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.33, no.11, pp.901-904, 1979

中国の放送事情については, あまり知られていなかったが, 今年2月, NHKの技術関係代表団が中央広播事業局の招待を受けて訪中し, 中央テレビ局をはじめ各地の放送局や放送関係工場を視察して, 現状を把握し, 交流を深めることができた.今後の日中交流の促進のため, その一端を紹介するものである.
著者
岩館 祐一
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.44, no.11, pp.1579-1587, 1990
被引用文献数
3 1

現在, MUSE方式を用いたハイビジョンの実験放送が行われているが, 本格的な実用化を前にMUSE信号に対する伝送路の許容周波数特性を明らかにすることが求められている.伝送歪みと画質の関係は必ずしも1対1ではなく, 同じ画質を与える歪み波形は無数に存在する.したがって, 許容特性を求めるに当っては, 歪みと画質の関係を整理した上で, 主観評価実験を行う必要がある.本論文では, 伝送歪みがデコーダでサンプリングされることにより, 離散的な歪みになることに着目し, これをエコーの集合として扱う.その上で, 各エコーによる画質劣化度がロジスティク関数で表わされることを示す.また, 複数のエコーによる画質劣化の主観評価値がこれらのロジスティク関数の合成式で表せることを実験的に示す.さらに, 許容周波数特性を求める際には, エコーがリップル状の偏差を持つ周波数特性により生じることから, 一般的な周波数特性を周期の異なるリップル特性の合成として考えた上で, ロジスティック関数の合成式を用いて求めるている.