著者
長田 陽一
出版者
京都光華女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

発達障害(自閉症スペクトラム、AD/HD、学習障害等)は、中枢神経系に高次の機能障害が推測されるものの、今のところ原因を特定できず、時に「目に見えない障害」と言われる。このような発達障害(者)の特徴は、しばしば「障害」をその人のpersonalityに帰属させる傾向を生じさせている。発達障害(者)における、個人的特性と「障害」の区別の困難性は、とりわけ発達障害者との関わりがなかった者にとっては、しばしばpersonalityに関する偏見やレッテル貼りの一因となっていることが考えられる。これらを踏まえ、従来なされてきた本質理解(原因追及)とは異なる観点から、発達障害という言葉(概念)を隠喩(メタファー)として捉えなおし、その諸作用を検討することを目的とした研究の一環として、当該年度は以下の研究を実施した。「発達」や「障害」の概念における、近代以降の目的論的な人間観の影響について文献収集および検討を行った。それぞれの隠喩(メタファー)は、近現代人の価値観(人間主義的、個人主義的、合理主義的、あるいはロマン主義的)と密接に関連している。しかし、近現代人の価値観を客観視する際に、より広範囲な進化の視点がどうしても必要であり、これをこれまでの研究と繋ぎ合わせるための新しい座標軸を検討しているところである。
著者
鳴岩 伸生 桑原 知子 川部 哲也 佐々木 玲仁 加藤 奈奈子 佐々木 麻子 渡邉 研太郎 大野 義一朗 重田 智
出版者
京都光華女子大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01

長期閉鎖環境におけるストレスの実際と有効な対処を明らかにするために,南極地域観測隊の越冬隊員に対し,出発前の日本および現地での質問紙調査と帰国後の面接調査を実施した。その結果,越冬後半の白夜の時期に,怒り・敵意の感情が高まる者が現れる一方で,高まらない者も多くおり,隊内に感情の溝が存在することが明らかになった。また,越冬中の肯定的感情が積極的なストレス対処に影響を与え,否定的感情が非建設的なストレス対処に影響することが明らかになった。
著者
野田 泰三 肥留川 嘉子 朝比奈 英夫
出版者
京都光華女子大学
雑誌
京都光華女子大学研究紀要 (ISSN:13465988)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.142-156, 2013-12

了以以前の角倉氏と嵯峨地域 / 野田泰三本学図書館所蔵の「角倉切」と「嵯峨本」 / 肥留川嘉子角倉素案の古典学 : 藤原惺窩と素庵 / 朝比奈英夫
著者
西川 智文 岡村 智教 上羽 哲也 宮松 直美 北条 雅人 福田 俊一
出版者
京都光華女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

脳梗塞既往者314名のデータベースを作成し、これと並行して行っている健常者集団の調査(「日常的な健康度を指標とした都市コホート研究」(神戸トライアル)参加者の内、比較対象となる1013名)のデータと比較した。その飲水習慣から脳梗塞既往者の脳梗塞発症前の水分摂取量は健常者集団と比較して少ないことが推測された。この成果を国内外の学会にて発表を行い、まとめたものは国際英文雑誌であるCerebrovascular Diseasesに掲載された。