著者
津々見 誠 村上 浩司 梅田 卓志
出版者
人工知能学会
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

データの構造化は自然言語処理における重要なテーマの1つである.我々はeコマースにおけるデータ構造化の一環として,楽天市場の商品のメーカー名と,知識ベース上の企業との自動マッピングのタスクに取り組んだ.テキスト中で何らかの実体を指示する用語を知識ベースに対応付けるエンティティリンキングにおいて,語の多義性やエンティティの曖昧性,リンクの存在の不確定性等,解決すべき課題は多い.我々は役割の異なるDoc2Vecモデルを多段に重ねて複数の観点からリンキングの正当性を検証する手法を提案する.評価実験において本手法はテキストマッチングによる手法を31.0ポイント上回る83.5%のマッピング精度を達成した.本手法は用語の多義性をはじめとする課題の解決に対して有効である他,辞書や教師データの作成等人手を要する工程を必要とせず,コスト面での優位性が高いことを示した.
著者
石川 孝
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.27, 2013

本発表は,オンラインソーシャルネットワークにおけるバーストや情報共鳴などの特異な現象を説明するための情報伝播モデルを提案する.このモデルはソーシャルネットワークのダイナミクスを説明する同質原理に基づいており,Twitterなどのソーシャルメディアの特徴を仮定したシミュレーションにおいて情報共鳴現象が見られる.
著者
田村 浩一郎 大澤 翔平 松尾 豊
出版者
人工知能学会
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

ソーシャルメディアは,センサとしてだけでなく,アクチュエーターとしても機能している.ソーシャルセンサはソーシャルメディアから獲得されたデータを用いて,実世界の現象やトレンドを検出することができる.ソーシャルセンサによって獲得された情報は,実世界の観測と予測の可能性を高めたが,ソーシャルメディアその自身と実世界の間の因果関係は今まで議論されてこなかった.近年,インスタ映えというインスタグラムに投稿する写真をとるための消費行動が話題となり,ソーシャルメディアから実世界への因果関係を分析する重要性は高まっている.この研究では,ソーシャルアクチュエーターという新しい概念を提案する.ソーシャルメディアにおいて他のユーザーとの相互作用によって蓄積される内部情報を表すinternal statesを導入し,そして交絡要因の存在への対処方法を示す.今回の実験では,仮想通貨市場を対象とし,Twitterのデータを用いて,Twitterでの要因から仮想通貨市場に対する因果を検証した.そして提案手法の拡張性について議論し,我々全員がソーシャルメディアを通して実世界に働きかけることが可能であることを考察した.
著者
尹 聖在 菅 愛子 高橋 大志
出版者
人工知能学会
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

News articles play an important role in financial markets. This study analyzes the relationship between news articles and stock price fluctuations using high frequency trading data in Korean stock markets. Especially, we analyze differences in market reactions according to languages of news articles. In order to understand the influences of news articles, this study explores conditions of Long Short Term Memory (LSTM) models that classify news articles.
著者
加藤 旺樹 穴田 一
出版者
人工知能学会
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

近年,テクニカル分析を用いた株式売買に関する研究が多く行われている.テクニカル分析を用いた投資では,相場のトレンドや転換点を判断するテクニカル指標を用いることで,過去の値動きのパターンから将来の値動きを予測し売買を行う.しかし,そのためには専門的な知識を必要とする上,利益を上げにくいという問題がある.そこで,本研究ではテクニカル指標を用いた高確率で利益を生み出す投資戦略の構築を目的とする.
著者
木脇 太一
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.31, 2017

バッチ正規化(BN)と呼ばれる最適化手法はNeural Networkの学習効率を劇的に向上させるため大きく着目されている.定性的な議論および実験的な観測から,BNは自然勾配法(NG)との関係性が指摘されているが,厳密な数理的原理は不明である.本研究ではNatual Neural Networkと呼ばれるNGの実現方法とBNの類似性に着目し,BNがどの様にNGを近似しているのかを数理的に議論する.
著者
河野 圭祐 小出 智士 今村 千絵 田所 幸浩
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.31, 2017

タンパク質の立体構造の局所構造である二次構造を予測する研究が多数行われている.中でもLSTM による予測は高精度であるが,LSTMの内部はブラックボックスになっており,どのような判断基準で予測しているかを理解することは難しい.学習された予測モデルの妥当性を評価するために,本論では,LSTMによるタンパク質二次構造予測モデルをSaliency Mapによって可視化し,生物学な知見と比較する.
著者
山下 達雄 笹谷 奈翁美 鍜治 伸裕 石下 美保 沼田 瑞木 嶋 隆宏 清水 伸幸
出版者
人工知能学会
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

社員の働き方の改善に向けた分析対象として、我々はヤフー株式会社の社員食堂の利用ログに着目した。ヤフーの社員食堂では、社員IDと飲食したメニューと日時のログが蓄積されている。これらに対し、グループ分析とメニュー分類を行った
著者
関 喜史
出版者
人工知能学会
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

近年,日本では若年層の政治的関心の低さが問題になっている.しかしアンケートを用いたような調査は存在するものの,若年層の政治的関心がどのように他の世代と異なるのかについて,実際の行動に基づいた調査はほとんど行われていない.本研究では情報キュレーションサービスであるグノシーにおけるユーザ行動履歴を用いて,政治に関するニュース記事の閲覧傾向が世代によってどのように異なるのかを分析する.
著者
上村 卓也 澤山 正貴 西田 眞也
出版者
人工知能学会
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

自然な視覚刺激には光沢・半透明性・物体の素材などの豊富な質感が含まれる。一般に物を視る際には数多くの視覚特徴が処理されるため、多様な質感属性を統一的に説明することは難しい。本研究では、質感知覚に用いられる視覚特徴を説明するために、質感弁別課題の実験データを分析した。実験参加者の回答が刺激の画像特徴に基づいていると仮定し、画像特徴は画像分類に最適化された深層ニューラルネットワーク(DNN)によって計算した。画像分類に最適化されたDNNでは、深い層ほど複雑で抽象的な特徴が表現される。実験参加者の反応を最も良く説明したのは、中間の層の特徴であった。この結果から、質感知覚には比較的高次な特徴が重要であることが示唆される。また、質感の属性ごとに用いられる特徴が異なることもわかった。これらの結果から、DNNによって質感知覚に用いられる視覚特徴を効果的に説明できることが示唆される。
著者
高野 雅典 水野 寛
出版者
人工知能学会
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

現実の社会関係では相談しにくいことも匿名のオンラインコミュニケーションではしやすくなる。しかし日本の若者が主に利用するオンラインコミュニケーションツール(Facebook、Twitter、LINE)は現実の社会関係を多く含む。そのような現実とその拡張の社会関係を補完するコミュニケーションツールは重要であろう。本研究は、アバターチャットサービス「ピグパーティ」におけるソーシャルサポートについて考察することが目的である。そのためにサービス運営者によるインタビュー結果をオンラインソーシャルサポートの観点から整理した。
著者
両角 貴弘 大囿 忠親 新谷 虎松
出版者
人工知能学会
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

スポーツなどのスキルの習得に関して,練習者に対して熟達者のような指導が可能なシステムの実現が望まれている.本研究では,弓道を題材として,練習者に対する指導を可能とするシステムの実現を目指している.本稿では,弓道において基本となる型である射法八節を,システムが認識するために必要なデータの収集について述べる.また,射法八節習得支援システムの試作について述べる.弓道には段位が存在するため,初段以上を取得している者を熟達者として扱い,射法八節におけるフォーム(射形)の骨格情報を収集した.射形を評価する際に,重点的に評価したい節が撮影した動画において,どの部分であるかを把握するのは手間である.そこで,基本の型における各節の自動認識は有益である.本研究では,射法八節を認識するためのデータセットを作成するために,1)射法八節の映像・骨格情報の収集,2)骨格情報の評価・可視化,および3)映像上における各動作に対するタグ付けの3点を行った.また,射形評価を支援する射法八節習得支援システムの試作を行った.
著者
谷口 忠大
出版者
人工知能学会
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

汎用AIは本来,地球上の生命がそうであるように,自律的に環境で活動しその感覚・運動情報から適応的かつ発達的に知能・機能を形成すべきである.記号創発ロボティクスは感覚運動情報から言語利用までをボトムアップに繋げ,トップダウンな社会からの制約も考慮に加えて記号創発システムの理解に構成論的にアプローチする学問領域である.階層ベイズモデルや深層学習をさらに統合し,より統合的な汎用AIに向かっていくための記号創発ロボティクスが目指す自律適応型AIアーキテクチャについて議論したい.
著者
木村 昭悟 Zoubin Ghahramani 竹内 孝 岩田 具治 上田 修功
出版者
人工知能学会
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

本論文では,少量の訓練データのみからニューラルネットワークを学習する新しい手法を提案する.提案手法では,一般的な少数ショット学習の問題設定とは異なり,所与の少数訓練データ以外のデータ資源は仮定しない.提案手法では,少数の訓練データで学習した非NNモデルを参照モデルとして用いる知識蒸留を行うと共に,少数の訓練データから生成した大量の疑似訓練データを導入し,この疑似訓練データをモデル学習の過程で更新する.
著者
外園 康智 長谷川 貴博 渡邉 知樹 馬目 華奈 簗 有紀子 谷中 瞳 田中 リベカ Mart'ınez-G'omez Pascual 峯島 宏次 戸次 大介
出版者
人工知能学会
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

本稿では、日本語・英語のテキストを論理式に変換し、自動推論を行う意味解析システムccg2lambdaの基本的な機能を解説し、特にこのシステムを金融ドキュメントの処理へと応用する試みについて紹介する。ccg2lambdaでは、統語・意味解析から推論までの各モジュールが明確に区別されており、統語情報・意味合成・意味表現をCCG導出木としてグラフィカルに表現する機能をサポートしている。このため、処理プロセスのどの部分で解析エラーが起こったのかを容易に同定することが可能である。ccg2lambdaの意味解析と推論システムについて紹介した上で、特に金融ドキュメントを対象とした含意関係認識と矛盾検知について具体例に基づいて説明する。
著者
板東 勇樹 呉 双 林 友超 宇津呂 武仁
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.31, 2017

本論文では,ウェブ上の人狼ゲーム「人狼BBS」のプレーログを情報源として, 狼役職のプレーヤーを絞り込むためのセオリーをマイニングする手法を提案する. 具体的には,(1) 複数の矛盾する占い結果を利用して狼役職のプレーヤーを絞り 込むためのセオリー,および,(2) 狼に襲撃されたプレーヤーの発言を利用して 狼役職のプレーヤーを絞り込むためのセオリーをマイニングする手法を提案する.
著者
藤田 博
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.29, 2015

対称性等の選好的制約を探索制御のために用いることを特徴とするSATソルバー SCSat3を開発した。これを用いて、ラムゼーグラフの探索を行った。 その結果、ラムゼー数R(4,11)の下界を98から101に更新することに成功した。