著者
重岡 成
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.66, no.12, pp.1739-1747, 1992-12-01 (Released:2008-11-21)
参考文献数
64
被引用文献数
1 2
著者
金澤 章
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.241-248, 2014-04-01 (Released:2015-04-01)
参考文献数
57

植物においては,核酸の塩基配列特異的に起きるRNA分解,ならびにDNAのメチル化やヒストン修飾の変化を伴うエピジェネティックな変化を誘導することが可能である.本稿では,これらの反応経路が明らかになった経緯を概説するとともに,後者の例として,ウイルスベクターを用いてRNA-directed DNA methylationを誘導し,外来遺伝子をもたずに特定の内在性遺伝子の発現が抑制された植物を作出した研究を紹介する.また,遺伝子特異的,あるいは非特異的にエピジェネティックな変化を誘導する方法,ならびにCRISPR/Cas系などによるゲノム編集を含む,新規な植物育種技術の有効性と特徴を論じる.
著者
竹居 セラ
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.49, no.7, pp.509-512, 2011-07-01 (Released:2012-07-01)

本研究は,平成22(2010)年度日本農芸化学会大会(開催地 東京)での「ジュニア農芸化学会」において“優秀ポスター賞”に選ばれた.花に生息する野生の酵母・花酵母を分類し,その分布と花の種類との関係を調べ,さらには酵母の生態から花粉の媒体である昆虫の生態を観察しようとするユニークな発想と,実験に用いられている遺伝学的解析手法の完成度の高さから多くの研究者の注目を集めた.
著者
山形 裕士
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.104-110, 2018-01-20 (Released:2019-01-20)
参考文献数
27

サイクリックGMP(guanosine 3′,5′-cyclic monophosphate; cGMP)はサイクリックAMP(cAMP)とともに動物細胞の二次メッセンジャーとしてよく知られている環状ヌクレオチド(cyclic nucleoside monophosphate; cNMP)であるが,植物でも形態形成,ホルモン作用,ストレス応答などを仲介するシグナル分子として機能している.動物では,cGMPの合成,代謝,作用機構などが解明され,一酸化窒素(NO)の二次メッセンジャーとしてのcGMPの働きもよく理解されているが植物では不明な点が多い.本稿では,動物と対比しながら植物におけるcGMPの働きを概説する.なお,植物におけるcAMPの機能についても多くの研究報告があるが,ここではcGMPを中心に述べる.
著者
戸田 安香
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.115-120, 2019-01-20 (Released:2020-01-20)
参考文献数
15
被引用文献数
1 1

味覚は,食物を摂食可能であるかを決定するうえで重要な化学感覚である.味は甘味,旨味,苦味,酸味,塩味の五基本味からなり,それぞれの味は口腔中の味蕾に発現する受容体タンパク質により受容される(1).近年20年の間に,味覚受容体分子とその関連分子が次々と明らかになり,培養細胞を用いた機能解析技術により味物質の探索や味覚受容の分子メカニズムの解明が行われてきた.本稿では味覚受容体の機能解析技術に関する解説と,私たちヒトを含む動物の食性(食べ物の種類や食べ方)と味覚受容体のかかわりについて紹介したい.