著者
白山 昌樹
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.51, no.8, pp.534-540, 2013-08-01 (Released:2014-08-01)
参考文献数
21

小分子 RNA (small RNA) と呼ばれる非コードRNAは,標的RNAを検索することでRNA干渉 (RNAi) において中心的な役割を担う.しかしながら,これまでの研究から,小分子RNAのもつ役割はRNA干渉にとどまらず,ヒトを含む多くの生物で, 個体の発生や分化,がん化などの多彩な生命現象 に密接に関与していることが明らかとなってきた.ここでは,小分子RNAが「非自己」RNAを認識する仕組みについて最新の知見を交えながら解説する.
著者
國武 絵美 小林 哲夫
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.9, pp.532-540, 2019-09-01 (Released:2020-09-01)
参考文献数
45

糸状菌(いわゆるカビ)は生育環境中に存在するさまざまな多糖を分解してエネルギー源として利用する.近年,それぞれの多糖の分解酵素遺伝子に特異的な転写活性化因子が次々と同定され,その転写誘導メカニズムの全容も明らかになりつつある.一方でグルコースのような資化しやすい糖存在下で起こるカタボライト抑制では従来の転写抑制因子がかかわる経路とは別の新奇経路が見いだされ,この経路の関与の程度が多糖分解酵素の種類によって異なることが判明した.本稿ではこれらの転写制御機構を介して糸状菌がどのように利用する糖質の優先順位を決定づけているのかについて考察する.

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出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.9, pp.602-606, 1983-09-25 (Released:2009-05-25)
被引用文献数
1
著者
増田 佳苗 赤木 剛士
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.23-29, 2021-01-01 (Released:2022-01-01)
参考文献数
26

「性」は動植物を問わず,遺伝的多様性を維持するための根幹機構である.しかし,動物に代表されるような画一的な性決定システムとは対照的に,植物は,祖先型である両全性から系統独立的に何度も性の成立・逸脱を繰り返してきた.植物の遺伝的な性に関する研究は100年以上に及ぶが,性別決定因子はまだ数えるほどしか発見されておらず,その制御機構や進化過程も多くが謎に包まれている.いまだ黎明期にある植物の性決定研究であるが,そのシステムの多様性のなかにあって,植物特異的な性質や歴史から垣間見える「一般性」も確かに存在するようであり,本稿では,植物性決定因子の発見に関する最新の知見の中から,その多様性を駆動する仕組みについて考える.
著者
間藤 徹
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.63, no.8, pp.1395-1398, 1989-08-15 (Released:2008-11-21)
参考文献数
16
被引用文献数
3 1