著者
北條 芳隆 後藤 明 関口 和寛 細井 浩志 瀬川 拓郎 吉田 二美 辻田 淳一郎 高田 裕行 石村 智 田中 禎昭
出版者
東海大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2019-04-01

考古学に天文学的手法を導入する研究領域を考古天文考と呼ぶが、この手法を日本列島の考古資料・文献史料の分析と解釈に適用すれば、従来の認知論的考察や景観史的把握には飛躍的な進展が期待される。この目的を達成するために、本研究では考古学・文献史学・天文学の各専門分野を横断させた研究体制を構築する。その上で天体現象と関わる歴史的諸事象に対する統合的分析法の構築を目指す。琉球列島を含む日本列島各地に遺された遺跡や各地の民俗例、海洋航海民の天体運行利用法の実態を解明する。こうした検討作業を基礎に、本研究は天体運行や天文現象に対する人類の認知特性とその日本列島的な特性を追求するものである。
著者
吉田 二美 デルマワン ブディ 中村 士 柳沢 俊史 黒崎 裕久 中島 厚 伊藤 孝士
出版者
日本惑星科学会
雑誌
日本惑星科学会秋季講演会予稿集 日本惑星科学会2005年秋季講演会予稿集
巻号頁・発行日
pp.45, 2005 (Released:2006-07-24)

8.2mのすばる望遠鏡と0.25平方度の広視野を持つ主焦点カメラSuprime-Camを組み合わせて、見かけの等級が約20-24等という微小メインベルト小惑星を100個同時に検出し、それらのライトカーブを得た。それらの自転周期分布を調べた結果、「全体の約25%が自転周期2時間以下のいわゆる高速自転小惑星である」という驚くべき結果を得た。高速自転小惑星はこれまで近地球小惑星のグループだけに発見されていたが、我々の結果はこれまで調べられていなかったメインベルトの微小サイズの小惑星には大きい割合で高速自転小惑星が存在することを示唆している。
著者
柳沢 俊史 吉田 二美 伊藤 孝士 奥村 真一郎 小田 寛 池永 敏憲 吉川 真 樋口 有理可
出版者
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

これまでの近地球小天体の発見手法とは全く異なる新たな検出手法を開発し、実際に日本及び豪州でのサーベイ観測をとおして近地球小天体を9つ発見した。これにより小型の望遠鏡とFPGAを利用した高速解析による安価で効率的な近地球小天体の発見手法が確立され今後多くの近地球小天体、特にこれまでほとんど発見されてこなかった10m-数100m級の近地球小天体の発見に大きく貢献すると思われる。これにより太陽系進化に関するあらたな知見をもたらすことが期待されるとともに地球衝突天体の早期発見にも役立つはずである。
著者
後藤 明 角南 聡一郎 大西 秀之 石村 智 吉田 二美 門田 修 今野 利秋
出版者
南山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究においては、日本国内の琉球列島の太陽信仰、西日本の降星伝説を中心に調査を行った。海外ではオセアニアおよび中米の資料を遺跡の踏査によって行うことによって、人類集団が従来もっていた天体に関する知識を改めて「ネオ・サイエンス」として捉え直す試みを行った。また本科研の成果は移動式プラネタリウムを使ったイベント「星空人類学」にて、ポリネシアや中南米先住民の星座にまつわる生活の知恵や神話などをプラネタリムの中で投影し市民に紹介した。このようにして本科研は学術的な資料の収集、国内外での学術成果の発表、さらに一般市民への還元という形で、新しい民俗科学のあり方を実践した。
著者
吉田 二美
出版者
国立天文台
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

天体の衝突破壊現象の素過程を現在まで良く保存していると思われる形成年代の新しい3つの小惑星族の小惑星を約50個観測し、自転周期分布、形状分布、自転周期と形状の関係を明らかにした。また、形成年代の新しい小惑星族の小惑星と古い小惑星族の小惑星の表面カラーの比較から、小惑星の表面年齢とカラー変化の関係を確認できた。