著者
大澤 博隆 江間 有沙 西條 玲奈 久保 明教 神崎 宣次 久木田 水生 市瀬 龍太郎 服部 宏充 秋谷 直矩 大谷 卓史
出版者
人工知能学会
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

オンラインサービスでは、ユーザーのコミュニケーション活動とコンテンツが公開される。 このオンライン情報は、ユーザー生成コンテンツの作成サイクルを加速するのに貢献する。 さらにこれらのサービスは、研究者がオンラインテキストを、社会活動の調査研究とも呼ばれる、人間活動を容易に分析するための公的な資源として利用することを可能にする。 しかし特に創造に関わる分野では、コンテンツが公開されている場合においても、プライバシーに関する論争の的になる問題が存在することを認識する必要がある。 本研究では、オンラインファンフィクション小説における性的表現の抽出とフィルタリングを試みた研究が起こした炎上事件のケースを通し、オンライン研究のための新しいガイドラインを作成しようと試みる。 本研究では法と倫理を含む工学と人文学の両方の分野の研究者が、それぞれの専門分野に応じて倫理的、法的、社会的問題を抽出した。
著者
江間 有沙 秋谷 直矩 大澤 博隆 服部 宏充 大家 慎也 市瀬 龍太郎 神崎 宣次 久木田 水生 西條 玲奈 大谷 卓史 宮野 公樹 八代 嘉美
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.322-330, 2016-08-01 (Released:2016-08-01)
参考文献数
10

人工知能技術の「責任ある研究とイノベーション(Responsible Research and Innovation: RRI)」のためには多様なステークホルダー間による対話・協働が不可欠である。本研究では,情報学系研究者のほか情報学の倫理的・法的・社会的問題を考える人文・社会科学研究者,政策系の専門家やSFなど創作/編集活動関係者,メディア,一般市民など多様なステークホルダーにアンケート調査を行った。10年後の運転,育児,介護,人生選択,健康管理,創作活動,防災,軍事の8分野では,全体として運転・防災・軍事分野など「知的な機械・システム」の導入に社会的合意が必要とされる分野の機械化には積極的な意見が多い。一方,ライフイベントにおける意思決定や健康管理など個人選択に委ねられる分野は「人間が主体で機械を活用する」傾向にあった。回答者の専門や価値観,経験によって意見は多様であり,個別の技術導入場面において機械と人間の関係をいかに創造的に組み替えていくかの議論が重要である。
著者
大澤 博隆 江間 有沙 西條 玲奈 久保 明教 神崎 宣次 久木田 水生 市瀬 龍太郎 服部 宏充 秋谷 直矩 大谷 卓史
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回全国大会(2018)
巻号頁・発行日
pp.3H2OS25b04, 2018 (Released:2018-07-30)

オンラインサービスでは、ユーザーのコミュニケーション活動とコンテンツが公開される。 このオンライン情報は、ユーザー生成コンテンツの作成サイクルを加速するのに貢献する。 さらにこれらのサービスは、研究者がオンラインテキストを、社会活動の調査研究とも呼ばれる、人間活動を容易に分析するための公的な資源として利用することを可能にする。 しかし特に創造に関わる分野では、コンテンツが公開されている場合においても、プライバシーに関する論争の的になる問題が存在することを認識する必要がある。 本研究では、オンラインファンフィクション小説における性的表現の抽出とフィルタリングを試みた研究が起こした炎上事件のケースを通し、オンライン研究のための新しいガイドラインを作成しようと試みる。 本研究では法と倫理を含む工学と人文学の両方の分野の研究者が、それぞれの専門分野に応じて倫理的、法的、社会的問題を抽出した。
著者
吉添 衛 服部 宏充 江間 有沙 大澤 博隆 神崎 宣次 久木田 水生 小川 祐樹
出版者
ヒューマンインタフェース学会
雑誌
ヒューマンインタフェース学会論文誌 (ISSN:13447262)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.501-512, 2021-11-25 (Released:2021-11-25)
参考文献数
25

We are now faced with the wall of the diversity of values. We are often required to consider or respect the values of other people though, it is not easy to sense them since we tend to think within our scope of knowledge, experience, and imagination. We have worked on how to exchange values and achieve a synergetic effect among people. In this paper, we are presenting our prototype system, called AIR-VAS, aiming to support becoming aware of values in group discussion. AIR-VAS has been developed as the system which recognizes characteristic opinions of a group and shares them among all engaging groups on the discussion. The recognized and shared opinion is based on the values of the people of the group. Through the sharing of opinion, people can know the different viewpoints on the issue of the current discussion, so that AIR-VAS can provide stimulation to people for idea generation. We have developed AIR-VAS on the approach that visualizing statements, which are presented during a discussion, as the word co-occurrence network. We implemented opinion sharing as the process of the network re-construction including presented sub-network as an opinion of a certain group. According to the experimental usage of the developed system, we analyzed the relationship between discussion and visualized information, and discuss what information gives awareness.
著者
江間 有沙 秋谷 直矩 大澤 博隆 服部 宏充 大家 慎也 市瀬 龍太郎 神崎 宣次 久木田 水生 西條 玲奈 大谷 卓史 宮野 公樹 八代 嘉美
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.322-330, 2016

<p>人工知能技術の「責任ある研究とイノベーション(Responsible Research and Innovation: RRI)」のためには多様なステークホルダー間による対話・協働が不可欠である。本研究では,情報学系研究者のほか情報学の倫理的・法的・社会的問題を考える人文・社会科学研究者,政策系の専門家やSFなど創作/編集活動関係者,メディア,一般市民など多様なステークホルダーにアンケート調査を行った。10年後の運転,育児,介護,人生選択,健康管理,創作活動,防災,軍事の8分野では,全体として運転・防災・軍事分野など「知的な機械・システム」の導入に社会的合意が必要とされる分野の機械化には積極的な意見が多い。一方,ライフイベントにおける意思決定や健康管理など個人選択に委ねられる分野は「人間が主体で機械を活用する」傾向にあった。回答者の専門や価値観,経験によって意見は多様であり,個別の技術導入場面において機械と人間の関係をいかに創造的に組み替えていくかの議論が重要である。</p>
著者
吉添 衛 服部 宏充 江間 有沙 大澤 博隆 神崎 宣次
出版者
科学技術社会論学会
雑誌
科学技術社会論研究 (ISSN:13475843)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.120-133, 2018-12-10 (Released:2020-02-10)
参考文献数
8

社会は情報技術の発達とともに,グローバル化・複雑化が進んでおり,人の持つ価値観も多様化してきている.そして,それに伴い,多様で変化する価値に気づき,広い視野を持って物事を捉えることが社会的に必要とされるようになってきている.本研究では,多様な価値観への気づきを与えるには何が必要か検討しながら,その仕組みのシステム化(AIR-VAS)を目指している.今回,気づきを与えるアプローチの一つとして,議論の場で自分達とは異なるグループの考え方や価値観を可視化させ,示すことで,新たな発想や考えを促すような仕組みを検討した.議論における単語の頻出度や共起度などをもとにして,議論をネットワーク構造で表現し,可視化させるプロトタイプシステムの実装を行い,実際に,ワークショップの中でシステムを運用した.本稿では,その結果を踏まえながら,議論の特徴とシステムの提示する情報の関係性やシステム活用の有効性について考察する.
著者
神崎 宣次
出版者
科学技術社会論学会
雑誌
科学技術社会論研究 (ISSN:13475843)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.134-141, 2018-12-10 (Released:2020-02-10)
参考文献数
18

本稿の目的は,ロボットや人工知能技術に関する日本国内での社会的議論の状況に関して,そうした議論に多少なりとも参加している倫理学者という筆者の立場からの見解を示すことにある.そうすることによって,今後の議論のあり方について示唆を行い,より生産的なものとすることに寄与したい.なお,ここでいう「社会的」議論とは,専門家や関係者だけでなく,より広い範囲のステークホルダーが参加した議論を指している.ロボットや人工知能についての議論では,しばしばこの意味での社会的議論が必要と主張されるが,現状では不十分なかたちでしか行われていない.具体的な論点としては,1)情報の過剰さ,2)これらの技術に特有の社会問題の有無,3)既存の議論との連続性,4)価値の問題の重要性という4つを挙げて論じる.
著者
呉羽 真 近藤 圭介 一方井 祐子 稲葉 振一郎 神崎 宣次 寺薗 淳也 吉永 大祐 伊勢田 哲治 磯部 洋明 玉澤 春史
出版者
大阪大学
雑誌
挑戦的研究(開拓)
巻号頁・発行日
2020-04-01

本研究は、宇宙科学技術の社会的インパクトを明らかにし、またその発展に伴って社会が直面する諸課題と対応策を特定することを通して、宇宙科学技術と社会の望ましい関係性を構想することに取り組む。このために、「宇宙文化」、「宇宙と持続可能性」、「宇宙科学技術コミュニケーション」、「宇宙開発に関する社会的意思決定」の4つのテーマに関する研究を実施する。
著者
神崎 宣次 石川 伸一 森山 花鈴 服部 宏充 太田 和彦 斉藤 了文 篭橋 一輝 杉本 俊介 鈴木 晃志郎
出版者
南山大学
雑誌
挑戦的研究(開拓)
巻号頁・発行日
2021-07-09

本研究の目的は次の二つです。第一に、人と各種サービス、技術、自然などの多様な要素の複合体としての都市を、個別の要素に着目するのではなく、それらの複合性に焦点を置いて分析し、都市の現在の問題と今後のあるべき姿を明らかにします。具体的には食、レジリエンス、情報、経済、そして倫理の観点を相互に連関したものとして分析します。第二に、このような学際的研究を遂行するために必要な研究手法を開発するため、プロジェクト組織を工夫することを含めた方法論のパッケージとして本研究をデザインしています。そして、都市を対象とした研究をそのモデルケースとして実施することで、方法論としての有効性を示します。
著者
太田 和彦 神崎 宣次 谷口 彩
出版者
象灯舎
巻号頁・発行日
pp.[1]-58, 2021-02-10

応用哲学会サマースクール「フードスケープをつなぐ」日付:2019年9月場所:総合地球環境学研究所(京都)
著者
神崎 宣次
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, pp.4N2OS26a05, 2020

<p>人工知能や自動運転車などの新規技術の社会への浸透の過程においてELSIの検討が重要という認識は広く共有されるようになっている。その検討の際の重要な概念のひとつに「社会的受容」がある。社会的受容が検討される際にはエネルギー技術関連の先行文献が言及されることが多いが、そこで用いられている社会的受容概念は現にどの程度受容されているか、受容のための条件はどういうものかなどの異なった内容を含みうる多義性を抱えている。この多義性は倫理という観点から、対象となる技術のより詳細な分析を行おうとする際に障害となるものである。 本報告では、[Taebi 2015] が導入している Social Acceptance と Ethical Acceptability の区別を概念分析として更に発展させるという方法によって、この障害を解消する提案を行う。またこのような概念の区分を行うことによって、ELSIとして一括りにされてしまう弊害としてしばしば見落されてしまう、倫理とその他の社会的条件との間にある緊張関係も明らかになる。</p>