著者
佐道 直身
出版者
埼玉医科大学
雑誌
埼玉医科大学進学課程紀要 (ISSN:0287377X)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.27-35, 2000-03-31
著者
林 昌樹 勝浦 一雄
出版者
埼玉医科大学
雑誌
埼玉医科大学進学課程紀要 (ISSN:0287377X)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.1-5, 2000-03-31

Feynmanが初めて量子コンピュータのアイデアを発表したのは15年前のことである。このアイデアはその後いろいろな分野の理論家によって議論されてきたが, 実現が大変難しく, 理論家の思考実験の域をでていなかった。ところが最近量子コンピュータの基本となる量子ゲートが実験室で実証されてからにわかに注目を浴びるようになった。本稿では量子コンピュータの基本的な原理と現状について紹介する。
著者
赤羽 明
出版者
埼玉医科大学
雑誌
埼玉医科大学医学基礎部門紀要 (ISSN:0287377X)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.17-28, 2004-03-31

2001年6月,群馬大学附属図書館に登録待ちの明治期教科書(和本)を見出し,物理及び理科関連書を中心に目録化と調査を開始した.2年を経過し自然科学系教科書の目録が作成された.本稿では,明治期から昭和初期までの理科教育課程を授業科目の名称に着目しつつ概観する.とくに目録中の教科書から明治19年の小学校令前後の理科教育を知るために,後藤牧太・他著『小学校生徒用物理書』と学海指針社編著『小学理科新書』について内容の比較を行い,個別科目(物理,化学,博物,生理など)から理科への転換について考察した.また,その後,約120年を経た現行教育課程の理科学習内容についても比較検討を行った.
著者
永田 暢子
出版者
埼玉医科大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究の目的は、急性白血病患者の抱く希望の内容、希望に作用する要因および希望を支える看護師の関わり方を明らかにすることである。初発の急性白血病患者に対して半構成的質問紙を用いた面接調査を行った。急性白血病患者にとって重要な希望は病気の治癒であった。患者は不安を抱えつつも治療を重ねることで自分なりの対処方法を獲得し、治癒へ向かっていることを実感していた。看護師は、患者が安楽に治療を受けられるよう環境調整を行う必要がある。
著者
佐々木 惇 中里 洋一 横尾 英明
出版者
埼玉医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究において我々は、グリオーマ組織内tumor-associated macrophages (TAM)に関して、ヒト悪性グリオーマとS100β-v-erbBトランスジェニックラット発症グリオーマ組織を用いて、画像解析による定量的検討と統計学的解析を行い、悪性度の高いグリオーマでTAMの活性化が優位に強いという興味深い成果が得た。さらにラット発症グリオーマはヒト悪性グリオーマと異なり、M2タイプのTAMが少ないことが見出した。以上の結果は、英文雑誌、国内学会とシドニー大学でのセミナーにおいて発表した。
著者
奥田 晶彦 折茂 彰
出版者
埼玉医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

F9あるいはP19細胞は、哺乳動物(マウス)の発生初期を反映する培養細胞であり、これらの細胞にレチノイン酸等を加えることにより、細胞が分化し、神経あるいは心筋を成す細胞等に変化させることができる。それ故、これらの細胞は哺乳動物の初期発生を研究する上でよいモデルシステムとなっている。また、これらの細胞を用いた研究から転写に関して興味深い報告が数多く成されている。その1つがレチノインレセプター(RAR)β2遺伝子の発現に関するものである。この遺伝子のプロモーターは、RAR認識配列を2つ有しており、この遺伝子の発現は自分自身の遺伝子産物により自己調節されている。但し、この遺伝子の発現にはRARだけでは十分ではなく、初期胚特異的に発現する転写補助因子が必要であることが実験的に証明されている。私は、1998年に初期胚特異的転写補助因子UTF1をクローン化した。UTF1のアミノ酸配列を注意深く見てみると、種保存領域の中にLxxLLモチーフが2つ存在していることがわかった。そこで、私はUTF1が、上記の初期胚特異的転写補助因子に相当するのではないかと考え研究を始めた。まず、COS細胞への遺伝子導入実験によりUTF1が確かにRARβ2遺伝子のプロモーターを活性化する能力をもつタンパク質であることがわかった。且つ、この活性化は、プロモーター上に存在するRAR認識配列を介したものであることが確認された。また、GSTプルダウンアッセイによりUTF1とRARが直接結合することが確認された。但し、この結合は、レチノイン酸及びRARのAF2領域に非依存性であることが明らかになり、TIF-2等のステロイドホルモンレセプター補助因子とは、異なる様式で結合することがわかった。
著者
和田 信 明智 龍男 柳原 一広 大西 秀樹
出版者
埼玉医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

外来にてがん化学療法を受ける患者の必要としている支援(ニード)を把握するため、質問票を用いた調査を行った。SCNS-SF34(ニード評価尺度)、EORTC QLQ-C30(QOL 評価尺度)、HADS(不安抑うつ評価尺度)の各日本語版を含む質問票に対し、埼玉医科大学国際医療センター通院治療センターで222 名、名古屋市立大学外来化学療法室で216 名の患者から、有効な回答を得た。
著者
許 俊鋭 五條 理志
出版者
埼玉医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

我々は、細胞移植を用いた不全心治療をテーマに研究を重ねてきた。その中で、細胞培養の操作が必要な治療における最も大きなハードルは、細胞培養における安全性の確保である。現在までの細胞培養は、その多くが開放系で行ったものであり、閉鎖培養系の応用はほとんど実施されていなかった。本研究では、MABIO internationalより市販されている最も小ささ閉鎖式細胞培養容器を使用し、そのFeasibility/Safetyを1年目の実験にて検討し、十分臨床応用が可能であることを確認した。本年度の計画としては、この閉鎖細胞培養を用いた臨床応用を行うこととしていた。しかしながら、年度の初めに厚生労働省より"ヒト幹細胞を用いる臨床研究に関する指針"の草案が示され、9月1日には発布された。我々が用いた閉鎖式培養容器は、完全には閉鎖となっておらず、GMP基準を満たすためには、従来の開放系細胞培養系と同様に大規模なCell Processing Centerが必要となり、臨床研究に進むことができない状況となった。このような社会情勢の変化の中で、本研究では、当初の目標の1つであった長期間の培養を経た細胞の安全性の評価を目標に、大動物を用いてin vivoの検討を行うこととした。ビーグル犬を対象に、骨髄細胞を採取し間葉系細胞のPrimary cultureから5-10 Passagesを経た細胞をドナーとして、同じビーグル犬の心臓へ戻し移植を行い、病理学的検討を行った。1年目の実験と同様に、感染等の問題は発生しなかった。また、長期細胞培養による細胞の癌化に関しては、標本を詳細に検討したが異型細胞を含め、癌細胞を認めることはなかった。ここまでの研究結果にて、培養容器のみを閉鎖系にした細胞培養はFeasibility及びSafetyに関しては問題ないが、完全機械化によるRobotic Culture Systemが試作されており、完全閉鎖系培養システムとして期待される。培養による細胞癌化は、5-10 Passagesでは認めることはなく、過度な増殖刺激を加えない限り問題となることはないと考える。
著者
三谷 幸之介 大林 富美 岸本 充弘
出版者
埼玉医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

本研究では、ウイルスベクターを利用した相同組換えにより染色体遺伝子を修復する究極の遺伝子治療法の開発を目的とする。1、アデノウイルスベクターヘルパー依存型アデノウイルスベクター(HDAdV)によるヒト細胞での相同組換え効率を検討するため、正常ヒト繊維芽細胞においてHPRT遺伝子座を標的とし、細胞あたり10^<-5>から10^<-6>の頻度で遺伝子ノックアウトを達成した。また、相同組換えによってファンコニ貧血A群(FANCA)遺伝子変異を修復する頻度を測定するために、正常FANCA遺伝子座の一部をコードするHDAdVを作製し、患者由来B細胞株(BCL)に感染させた。しかし、相同組換えによるFANCA遺伝子の修復も、染色体上のランダムな位置へのベクターの組み込みも、いずれも検出できなかった。2、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターHDAdVと同様に、HPRTノックアウトベクターとFANCA修復ベクターを構築した。宿主域の異なる各種AAVベクターを調製し、正常BCLを感染させたところ、1 x 10^<-5> - 6 x 10^<-6>の頻度で染色体に組み込まれた。そのうち、AAV2とAAV8由来のベクターで、細胞当たり1 - 2 x 10^<-6>の頻度でHPRTノックアウトを達成したFANCA患者由来細胞BCLに対しても、3 x 10^<-5>の頻度でHPRTノックアウトを得た。ヒト造血細胞における遺伝子ノックアウトは初めての例である。さらに、FANCA修復ベクターを用いて遺伝子修復を試みたが、修復細胞は検出されなかった。3、相同組換えの促進と非相同組換えの抑制の試みマウスHprt相同領域をコードするプラスミドDNAをマウスES細胞へエレクトロポレーションし、UV damage endonuqleaseの強制発現またはPARP1阻害剤での細胞処理による相同組換えの促進と、DNA-PKcs阻害剤の細胞処埋による非相同組換えの抑制を検討したが、いずれの場合も顕著な効果は認められなかった。4、今後の展望HDAdVに関しては、long PCRで相同配列をクローニングした際にエラー(変異)が入って相同組換えを阻害した可能性があるので、BACから直接クローニングする方法でベクターを再構築し、実験を行う予定である。また、FANCA陽性細胞の検出法の精度を改善して、AAVを用いて再実験を行う。
著者
木崎 昌弘
出版者
埼玉医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

白血病の治療は抗癌剤による化学療法が主体であるが、時として致命的な合併症や副作用が問題となる。近年、白血病に対す分子標的療法が注目されているが、本研究においてはより侵襲の少ない新たな白血病に対する分子標的療法の確立を目的とした研究を展開した。緑茶成分EGCG は活性酸素(ROS)を産生し、ミエロペロキシダーゼ(MPO)を介して最終的にはDNA 障害活性の強いヒドロキシラジカルを産生することでヒト骨髄性白血病細胞のアポトーシスを誘導した。そこで、白血病の治癒を目的として、CD34 陽性CD38 陰性分画より、ヒト白血病幹細胞(LSC)を単離し、EGCG によるヒトLSC に対する効果を検討し、白血病に対する新たな分子標的療法確立のための基礎的な検討を行った。
著者
斎藤 博
出版者
埼玉医科大学
雑誌
埼玉医科大学進学課程紀要 (ISSN:0287377X)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.77-84, 1998-03-31

私はラファエロの「アテネの学堂」には, 医師ヒポクラテスが描かれていると推測した。ラファエロは「アテネの学堂」の最上段には神の世界を, 上, 下段に人間の世界として, 左には知の世界を, 右には術の世界を描いた。そして, ギリシア哲学者中, 「神に等しい者」に適う人物を, 上段の人物中に描いた。特に, プラトンとアリストテレスを高く評価し, 中央の王道に二人を配置し, 彼等の頭上には神への道が開かれていた, と表現したのではなかろうか?なお, ラファエロはヒポクラテスを, 技術の守護神アテネの下の上段右に「神に等しい者」として置き, その下段右隅には, 人間である術者, 画家ラファエロ自分自身を署名者として置いて, 「アテネの学堂」を完成させた, と解釈出来ないか?
著者
萩原 弘一
出版者
埼玉医科大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2008

本研究では、(1)薬剤性肺障害に関与する遺伝子が「」common disease-common variant-common origin仮説」に従い日本人に広がった。(2)特発性肺線維症急性増悪に関与する遺伝因子も「common disease-common variant-common origin仮説」に従い日本人に広がった、という作業仮説のもと、両者が同一である可能性、異なる可能性を共に考慮に入れながら、ホモ接合ハプロタイプを用いた全ゲノム関連解析」を始めとする各種解析手法により両者の遺伝子を特定する。両者の遺伝子が同一か否か、比較対照しながら平行して研究する。本年度は、検体収集を開始した。各協力施設から送られてくる加ヘパリン末梢血サンプルより有核細胞を分離し、EBウィルスとともに培養してリンパ芽球細胞株とし、常にDNAを継続採取出来るように準備するとともに末梢血より直接DNAを採取した。各検体に対して同様の処理を行った。薬剤性肺障害、特発性肺線維症急性増悪ともに80例程度の症例を収集することができた。また、アルゴリズムの開発も継続し、HH-GWAS法(投稿中)、HMonHH法(投稿準備中)を開発することができた。HMonHH法は、わずか2名の個人から疾患遺伝子の存在場所を推定する手法である。また一部全ゲノムSNP解析もAffymetrix社SNPアレイ6.0を使用し開始している。