著者
伊藤 淑子
出版者
大正大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

女性の知性と論理性が美徳であるとは認められなかった時代に、果敢な声を挙げたマーガレット・フラーの著作を丁寧に分析することが本研究の目的であった。フラーの主著であり、アメリカのフェミニズムの先駆的な本であるにもかかわらず、屈折した論理展開と引用を多用する英語表現の難解さによって、日本ではあまり読まれてきたとはいえない『19世紀の女性』を日本語に訳し、研究期間中に出版した。フラーの主張には矛盾がないわけではない。本質主義的な性差を否定し、徹底した個人主義を貫きながら、フラーは理想的な人間関係の構築と社会改革を唱える。『19世紀の女性』以降の仕事も含め、フラーのキャリア形成を分析した。
著者
長谷川 智子 福田 一彦 今田 純雄 川端 一光 川端 一光
出版者
大正大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では,幼児の食・睡眠と母親の育児行動との関連性を検討するため,2つのインターネット調査を実施した.1次調査では,1000名の母親を対象に,幼児の生活時刻と規則性から5クラスターに分類し(①:夜更かし朝寝坊,②やや夜更かし朝寝坊,③やや夜型,④早寝早起き,⑤週末朝寝坊),母親の育児行動,食行動等に関する違いを検討した.2次調査では42名の母親を抽出し,5日間の子どもの生活時刻と写真法により母親の食事を検討した.その結果,夜更かし朝寝坊の子どもの母親は子どもの夜更かしを促進する行動を行い,母親の外食・偏食が多いこと,極めて簡便な朝食を摂取していることが示された.
著者
村上 興匡 鷲見 定信 村上 興匡 武田 道生 小熊 誠 佐藤 壮広 小熊 誠 武田 道生 佐藤 壮広
出版者
大正大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

沖縄から本土への移住者の文化習慣の変化と、沖縄で進行しつつある本土的な文化慣習が普及する変化(「本土化」)とを比較することで、現在の沖縄で起きている変化は、単に本土の文化慣習が沖縄に移入しているわけではなく、それに先だって、まず本土へ移住した沖縄系移住者が、自らの文化慣習を本土に適応させて新たな形を作り出すということがあり(「沖縄化」)、それが再び沖縄に移入されるという形で、文化変容が起きていることが明らかになった。
著者
村瀬 嘉代子 柏女 霊峰 伊藤 研一
出版者
大正大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1990

われわれは幼児から成人にわたるライフサイクルの中で、(1)両親像、家族像がどのように形成され、成長変化していくか(2)そうした過程の中で変わらず根底にあるものは何かについて、調査研究を進めてきた。結果としていくつかの重要な知見を得た。第1は、年齢、性差を越えて存在する「厳父慈母」原型の存在、第2は発達の節目における両親像、家族像の変客、第3は両親像と適応との密接な関係である。さらに、両親像、家族像が混乱したり、十分に形成されないことが予想される養護施設の子どもを対象に調査研究を行った。(1)実父母の養育が十分とは言えない場合の両親像・家族像のありよう、(2)施設での養育が(1)をどう補い、変容し得るか(3)適応状態に(1)と(2)はどう影響するか、(4)今までの調査結果との比較検討、について新たな示唆が得られることを目的とした。施設は子供にとってみれば、家庭に相当するところであり、その場所への調査に行くことは極めて侵襲的となる危険があるため、方法論としては以前からの子供に対する方法論に加えて、いくつかの慎重な配慮をした。調査研究の結果、幼児被験者数が限られているため、はっきりとした発達傾向を見いだすことはできない。しかし事例の中には生後すぐに実母と分離していて、実親が両親像の形成にほとんど関与していないにもかかわらず、いわゆる典型的な「厳父慈母」的回答をした幼児がいた。小学生以上の場合、現実の生活状況に即した質問をしたため、実際の両親像については明らかにされない。しかし女性職員を通じて「ほめてくれる」「看病」「悲しい時慰めてくれる」体験をし、しかもそれを求めている姿が浮かび上がって来た。また理想の両親の関係として、厳父慈母とよき連携を上げている。このことは両親像や家族像の混乱が想定される場合でも(あるいは混乱があるからこそ)厳父慈母(特に慈母像)が中核に存在していると考えられる。
著者
長倉 真寿美
出版者
大正大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

居宅サービス利用水準が高く、出来る限り住み慣れた家庭や地域で生活を送ることが可能な地域ケアシステムは、地域の現状を把握した上で、限られた資源の中で最も効果が高い方法が選択され、老人保健福祉計画・介護保険事業計画等に組み込まれている。同時に、居宅サービスの提供に関わる機関・施設がネットワークを組み、高齢化の進行等の変化に対応しつつ、介護保険内外の適切なサービスの組み合わせが総合的かつ継続的に提供されるケアマネジメントが行われている。また、看取りへの対応ができていることも重要な要素である。
著者
犬塚 美輪
出版者
大正大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

指導要領の改訂以来,さまざまな言語活動が提案される一方で,それらの提案は十分に整理されているとは言えなかった。そこで本研究課題では,論理的言語力の育成という観点から言語活動の課題を整理し,教科横断的な枠組みと日常的な活動が重要であることを示した。内容理解を高め,教科横断的に実施できる言語活動の枠組みとして「説明を中心とした言語活動」を提案し,数学や文章理解課題での効果を検証した。また,日常的な言語活動を促進するツールとして「マイ・ディクショナリー」と「付箋ノート」を提案した。