著者
谷 一郎
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
東京帝國大學航空研究所彙報
巻号頁・発行日
vol.166, pp.304-307, 1938-06
著者
歌島 昌由
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙航空研究開発機構研究開発報告 (ISSN:13491113)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.4-45, 2005-11

世界のラグランジュ点ミッションについて 1978 年8 月打上げのNASA のISEE-3 (International Sun-Earth Explorer-3)により、ラグランジュ点を利用する新しいミッションの世界が開かれた。ISEE-3 は太陽-地球系L1 点のハロー軌道に投入された。太陽-地球系L1 点は主に太陽観測に利用され、1995 年12 月に打ち上げられたESA/NASA 共同ミッションのSOHO (Solar Heliospheric Observatory)が現在もハロー軌道から太陽観測を続けている。太陽-地球系のL2 点においては、2001 年6 月に打ち上げられたNASA のWMAP (Wilkinson Microwave Anisotropy Probe)が最初のミッションである。太陽-地球系のL2 点は、その位置の特性から天文衛星に適した場所であり、今後もHerschel (ESA, 2007 年打上げ予定), Planck (ESA, Herschel と相乗り打上げ), JWST (NASA, 2011年打上げ予定), GAIA (ESA, 2011 年打上げ予定)などの天文衛星の打上げが計画されている。日本の将来計画 日本においても、太陽-地球系L2点から観測する幾つかの天文衛星の検討が行なわれている。赤外線天文衛星SPICA (Space Infrared Telescope for Cosmology and Astrophysics), 高精度位置天文観測衛星JASMINE (Japan Astrometry Satellite Mission for INfrared Exploration), 太陽系外地球型惑星探査衛星JTPF (Japanese Terrestrial Planet Finder)などである。JASMINE はサーベイ観測型ミッションであり、サイズの小さいリサジュ軌道が適しているが、SPICA, JTPF などはポイント観測型ミッションであり、どちらかと言うとサイズの大きいハロー軌道が適している。2005 年3 月に発表されたJAXA 長期ビジョン . JAXA 2025 . には、『月や地球重力圏界(ラグランジュ点)を太陽系に広がる人類活動のための新しい場として活用する「深宇宙港構想」の実現をめざす。』という記述が盛り込まれている。ラグランジュ点軌道の保持の方法 太陽-地球系L1、L2 点周りの軌道は、発散時定数が約23 日の不安定軌道であるため、少なくとも数ヶ月間隔の精密な軌道保持制御が必須である。しかしながら、姿勢制御系などからの大きな外乱がなければ、年間1m/s 程度のΔV で軌道保持できる。これを実現するため、正確な摂動モデルの下でΔV ゼロの基準軌道を前もって設計しておき、それに追従する様に数ヶ月間隔で保持制御が行なわれている。欧米での基準軌道の設計法 欧米では円制限三体問題の3 次以上の解析解を求め、それを初期軌道として、各半周軌道の位置・速度のmatching 条件を満たす解を数値的に求める事で、ΔV ゼロの基準軌道を設計している。この方式はSOHO に対して初めて適用された。本報告のハロー基準軌道の設計法 上記の欧米の方法は高次解析解を必要とする難点があるため、本報告では、非線型計画問題の解法の一つである逐次2 次計画法 (SQP 法; Sequential Quadratic Programming)を使い、高次解析解を求める事なく、ΔV ゼロのハロー基準軌道を設計する方法を示す。摂動としては、地球公転軌道の離心率の影響と月潮汐力を考慮した。この他の摂動として、太陽輻射圧と惑星潮汐力があるが、輻射圧はほぼ一定の加速度であり惑星潮汐力は小さいので、本報告の手法は実際の太陽系モデルにも適用できると考えられる。なお、本報告は、2005 年2 月に発行された『太陽-地球系L2 点周りのリサジュ基準軌道の設計』のハロー軌道版である。
著者
TERADA Torahiko HATTORI Kunio
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
東京帝國大學航空研究所報告
巻号頁・発行日
vol.2, no.16, pp.86-112,Pl.1-Pl.5, 1926-05

Ryutai no Undo ni kwansuru iroirono Zikken no Kekkwa wo matometa Hokoku de, mittuno Bubun ni wakarete iru. I. Kuda no Hyomen no Ana kara morederu Ekitai matawa Gasu ga, mawarino omoi Ekitai matawa Gasu no nakawo tatinoboru Moyo wo sirabeta. (1) Garasuno Hako ni Midu wo ire, sono Soko ni oita suyakino Kuda no nakakara, Iro no tuita, karoi Ekitai wo simidasase, sono Eki ga Midu no nakawo noboru Moyo wo, Syasin ni totte sirabeta. Mata, Eki no nobotte yuku ueno honi, Yane no Katati wo sita Waku ni Kire wo hatta mono wo oki, nobotte kita Eki ga Yaneura ni atumari, sorekara Yane wo morete mata nobotte yuku Moyo wo sirabeta. Sorerano Zikken no Kekkwa wo sankosite, Kakunoko no nakani oite aru Kikyu kara Suiso ga morete iru baaini, moreta Gasu ga Yaneura ni tamaru koto ni tuite no Kangae wo nobete aru. (2) Suiso ga, Kuda no Yokogawa ni akete aru, tiisana Ana kara morete iru tokini, sono ueni denkino Hibana wo mottekite, Suiso ni Hi ga tuku tameno Hibana no Iti no Han'i wo sadameta. Mata sono Suiso no nobotte iru ueno honi, Yane no Hinagata wo oite onazi Koto wo sirabeta. Yane ga aru tokiniwa, nai toki ni kurabete harukani takai Tokoro ni aru Hibana de demo tenkwasite, Suiso no Dekuti ni moetuku koto ga wakatta. II. Tyohokeino Hako no nakano Midu no Tairyu wo sirabeta. Hako no Soko no iroirona Basyo ni Dennetuki wo ire, sore ni yotte okoru Midu no Undo wo, Midu no nakani tirasita arumino Kona wo Syasin ni toru koto ni yotte sirabeta. Zikken no Kekkwa wa iroiro-matimatide aru ga, sorerano Kekkwa wo hikkurumete, tugino yona Kangae wo nobeta. Ekitai no Undo de vorticity no aru Baai niwa, sono vorticity ga ikutukano matomatta Udumaki (whirl) wo katatidukuru 'Kuse' (habit) ga aru. Sono Udumaki no Kazu, Ookisa, Iti nado wo sihaisuru aru, mada sirarenai Hosoku, matawa Kisoku ga 'yososareru'. Kono Kangae wo osihiromete, koremade sirete iru iroirono Ekitai-undo no Okorikata ni tuite, onaziyona Kisoku ga okonawarete ori wa sinai ka to iu Mondai wo motidasite aru. III. Tatumaki no Okorikata wo siraberu Mokuteki de, mukasi Vettin ga Kuki de yatta to onaziyona Zikken wo Midu de okonatta. Sosite, Vettin no Baai to wa sukosi tigatta Kekkwa wo eta. Owarini, Sekiyu no Honowo de dekiru Udomaki no Zikken wo nobete aru.
著者
小田 直樹 杉山 卓也 舞原 俊憲 奥田 治之
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
東京大学宇宙航空研究所報告 (ISSN:05638100)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.823-843, 1977-09

視野1°角の気球望遠鏡により波長2.4μmにおいて我々の銀河系の観測を行い,銀経l=350°〜30°,銀緯|b|O°の領域の表面輝度の分布を得た その輝度分布は,銀経方向に約15゜,銀線緯方向に約7.5°の広がりを持ち,かつl≦10゜に鋭い輝度の集中を示すBulge成分と銀河面上での輝度分布がl=10°〜30゜において平坦でその幅が約4°と非常に狭いDisk成分に大別することができる.微細構造としてl=355゜,b=0°の位置に広がった赤外線源を発見した.→観測された輝度分布には,銀河中心方向に星間塵によると思われる強い吸収が認められた.吸収を受けない前の輝度分布をアンドロメダ星雲との類似性から仮定して,星間塵の分布を求めてみると,CO分子の観測で見出された5Kpc Ringに伴なう大量のダスト以外に,銀河中心に集中したダストが存在することが予想される.これらの結果をもとに,銀河系内における星とダストの分布について1つのモデルを組立て,種々の観測結果との比較を試みる.
著者
渡邉 光男 長谷川 敏 島垣 満 橋本 知之 中村 憲明 永浦 克司 吉田 義樹
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙航空研究開発機構研究開発報告 (ISSN:13491113)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.1-7, 2007-02

LE-7 液体酸素ターボポンプ開発の初期段階において、軸の回転速度よりもわずかに速い(軸の回転速度の約1.1〜1.3倍)回転非同期の軸振動が現れたが、インデューサ入口部のケーシング形状を変更することによりほぼ完全に抑制することができた。液体水素ターボポンプでも旋回キャビテーションによりインデューサが疲労破壊を起こしたことが、H-IIロケット8 号機のLE-7 エンジントラブルの原因のひとつとされた。インデューサに発生するキャビテーションに起因する不安定現象の解明に資するため、インデューサ入口流れを高速度ビデオ、PIVにより可視化しその検証を行った。
著者
林 友直 市川 満 関口 豊 鎌田 幸男 豊留 法文 山田 三男
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙科学研究所報告. 特集 (ISSN:02859920)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.173-184, 1991-06

M-3SII型ロケット(1∿3号機)打上げに用いたレーダ系の構成は, 基本的には地上装置及び搭載機器共に従来のM-3S型ロケットと同様であるが, レーダ搭載機器の性能改善, 小型軽量, 簡素化等信頼性向上の観点から見直しを行ない次のような変更を打なった。(1) 1.6GHz帯レーダトランスポンダ(1.6RT)アンテナの送受共用化(2) 5.6GHz帯コマンドデコーダ(5.6DEC)の更新(3)レーダトランスポンダ電源電圧の18V系への変更レーダ地上装置系(1.6GHz帯4mφレコーダ及び3.6mφレーダ, 5.6GHz帯精測レーダ)はロケット第二段計器部に搭載された各々のレーダトランスポンダからの電波を自動追跡し, 実時間におけるロケットの飛翔経路標定を打なった。さらに, 精測レーダからは飛翔中のロケットに対し電波誘導コマンドコードの送出を行ない, 総べて正常に作動した。しかし, このM-3SII型ロケットでは第二段ロケットエンジンの燃焼ガスによる電波減衰が従来のM型ロケットに比べて大きく生じた。本文では, これらのロケット追跡に用いた地上装置と, 今回変更したレーダ搭載機器の概要と追跡結果並びにデータ処理により得られたロケットの速度・加速度の大きさ及びそれらの方向等について報告する。
著者
村上 義隆 滝沢 実 内田 忠夫 中野 英一郎 大貫 武 堀之内 茂 坂田 公夫
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙航空研究開発機構研究開発報告 (ISSN:13491113)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.1-60, 2004-10

航空宇宙技術研究所(NAL)の次世代超音速機技術研究開発プロジクトは平成9 年に開始し、ロケット打ち上げ式の小型超音速無推力実験機NEXST-1(以下、ロケット実験機)の詳細設計は平成12 年3 月に完了した。その後実験機およびNAL735 ロケットブースターの製作ならびに地上試験を経て、平成13 年11 月30 日に完成した。飛行実験は平成14 年3 月から約1 年間、南豪州ウーメラ実験場内で4 回実施する計画であったが、平成14 年7 月14 日第1 回飛行実験はロケットブースター点火直後の実験機異常分離によって失敗に終わった。この結果、実験システムは通信系を含めて見直す事になったが、本報告はオリジナルの設計および試験ならびに第一回飛行実験を通じた運用実績についてとりまとめたものである。ロケット実験機の通信系統は(1)飛行追跡用のレーダ・トランスポンダ系、(2)データ伝送用のテレメータ系、(3)非常飛行停止用のコマンド系の以上3 つの通信系システムで構成されている。設計は、ウーメラの実験場環境を考慮しており、アンテナパターン試験および噴煙損失を考慮した電波リンク解析によって事前評価した。また現地における地上確認試験にも触れた。
著者
小林 康徳
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
東京大学宇宙航空研究所報告 (ISSN:05638100)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.509-548, 1970-07

比較的低高度の地球軌道上を飛行する人工衛星に対する,太陽ふく射・地球のアルビドおよびその赤外温度ふく射による熱入力を計算する方法の展望を行ない,特に,あとの二つに対して重要な効果を持つ衛星表面と地球表面との間の形態係数の求め方について,幾つかの方法を提示した.これらの方法を使用して,ある軌道・姿勢の条件のもとに飛行している衛星に対する熱入力を計算するプログラムが示された.このプログラムを使用して,ある与えられた衛星の最も熱入力の変化が少なくなるような打上げ時刻を選定することができる.球状衛星に対する計算結果が示された.
著者
雛田 元紀 稲谷 芳文 伊地智 幸一 牧野 隆 松田 聖路
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙航空研究開発機構研究開発報告 (ISSN:13491113)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.1-11, 2005-03

The Unmanned Space Experiment Recovery System (USERS) was launched on September 10th, 2002 from Tanegashima Space Center with the H-IIA launch vehicle. On May 30th 2003, the re-entry and recovery operations were successfully conducted, bringing experiment samples and beneficial information back to Earth. USERS became the first national project to succeed in recovery from orbit. In this paper, USERS mission outline is introduced first. Followed by are discussion on the key characteristics of Reentry Module (REM), result of design and development, evaluation of re-entry and recovery operation and flight data. Finally, the obtained reentry system technologies through this project are summarized.