著者
平島 洋 奥平 清昭 中本 淳 村上 浩之 鈴木 裕武 山上 隆正 西村 純 太田 茂雄 並木 道義 宮岡 宏 佐藤 夏雄 藤井 良一 小玉 正弘
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙科学研究所報告. 特集 (ISSN:02859920)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.115-134, 1986-10

1985年7月に, 南極昭和基地の共役点であるノルウェーにおいてオーロラ観測の国際共同観測を実施した。日本側の大気球観測は, 地上から直接観測することが難しい降下電子, 自然電波および電離層電場等の時間および空間変動の観測が目的であった。気球搭載観測器としては, オーロラX線撮像装置とVLF受信機であった。日本側の気球は1985年7月2日と7月5日の2回放球した。本論文では, 7月5日に放球され, 観測されたオーロラX線現象について述べる。オーロラX線撮像装置として, 従来から用いていた無機シンチレータを1次元に配置したものと, 厚型のリチウム・ドリフト型Si(Li)半導体検出器の2次元撮像装置を用いた。解析の結果, このオーロラX線現像は, 7月6日23時25分(U. T.)頃に始まり, 数分間継続し, 約50km/minの速度で北西から南東の方向に移動していたことが明らかになった。
著者
友近 晋
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
東京帝國大學航空研究所報告
巻号頁・発行日
vol.10, no.120, pp.24-44, 1935-04

航空研究所報告第97號(1933)に於いて著者は一つの無限平面壁の近くに置かれた平板に働らく揚力を計算し,色々な數値計算を遂行して,揚力が迎へ角及び平板の壁からの距離によつて如何に變るかを研究した.そしてその理論的結果は,少くとも定性的には,從來しられてゐる實驗結果とかなりよく合ふことを示した.ここに提出する短い報文は上の報告の續きで,更に詳細な數値計算の結果を示すものである.斯様な追加計算を遂行した理由は,前報告發表後に知れた實驗結果と理論とを詳しく比較したい爲である.前報告發表後間もなく著者は瑞西のDATWYLER博士から一書を受け,氏もまた地面効果に就いての或る理論的研究と實驗的研究とを遂行したことを知つた.そして,氏の實驗結果によると,迎へ角が實用的範圍にある場合,平板(翼)の後端が壁に近づくに從つて揚力が非常に増大するが,著者の理論的結果は果して同様な結果を興へるや否やといふ興味ある問題が起つた.しかし,殘念ながら,前報告で遂行した數値計算の範圍では揚力増大の傾向は認められるも,この問題に對して,はつきりした理論的解答を與へることは不可能である.そこで,更に詳しい計算を遂行し,平板の後端がかなり壁に近い場合の揚力を計算し,その結果を著者が着英後に入手したDATWYLERの報文に於ける實驗結果と比較した次第である.計算の結果は第2圖,第3圖,第4圖に示す通りであるが,DATWYLERの實驗結果とかなりよく合ふことが認められる.附録は二つの平行な平面壁の間に置かれた平板に働らく揚力に就いての補遺的計算の結果な示す.即ち,平板の中點が平面壁の丁度中間になくて,それから或る有限な距離だけ離れてゐる場合の揚力の近似式を,平板の幅が壁間距離に比べて小さいといふ假定のもとに導出した結果を示すものである.この様な計算は既にROSENHEADも行つたが,報告第101號(1934)に示した様に揚力に對するROSENHEADの一般式は正しくないから,それから導出された該近似式も亦正しくないのである.
著者
平田 安弘 中田 篤 松尾 弘毅 猿渡 輝一
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙科学研究所報告 (ISSN:02852853)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.1-24, 1983-03

The launcher building became operational since the summer of 1981. It was introduced primarily to guarantee the launch operation of sounding rockets under the unfavorable conditions. Prior to launch, a part of the roof slides to make a 4.6m×5.8m window. And the rocket, carried in on the mobile launcher, ascends through it. It covers launch azimuth and elevation angles of 130∿160 deg. and 70∿85 deg., respectively. Its design philosophy, layout and operation along with the measurement results of the lift-off environment are given in this report.
著者
友近 晋 梅本 一
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
東京帝國大學航空研究所報告
巻号頁・発行日
vol.14, no.185, pp.471-558, 1939-11

有限な幅を持つ非壓縮性完全流體の二次元的噴流の中に置かれた平面翼の受ける力を理論的に研究することは,理論的に興味あるばかりでなく,實際問題の立場からも極めて重要である.何故かなれば,この問題はGottingen型風洞の中に矢高の小さい薄い翼型を斷面に持つ翼模型を置く樣な實際の場合と緊密な關聯があるからである.この問題は,既に十年以上も前に,佐々木達治郎博士により適當な等角寫像を應用して嚴密に解かれたが,諸種の量に對する嚴密な式が極めて複雜であるために,同博士は唯迎角が10°である場合のみの數値計算を遂行されたに過ぎなかつた.その後,佐々木博士はその理論的結果を我國に於ける幾つかのGottingen型風洞に於いて同一の翼模型に就いてなされた實驗結果と比較されたが,爾來迎角が10°以外の他の値を採る場合に就いての嚴密な數値計算は遂行されてゐない樣である.然しながら,迎角の種々の値に對する嚴密な數値計算を遂行して,噴流の自由表面が平面翼の揚力に及ぼす干渉が迎角と共に如何に變るかを吟味することは興味あることと思はれる.斯樣な吟味をすることが本論文の目的の第一のものである.一方に於いて,噴流の中に置かれた翼の受ける揚力の問題はKαRMαN, GLαUERT及びPISTOLESIによつて夫々近似的に取扱はれ,揚力に對する近似式が互に異なれる形で與へられてゐるが,もつと合理的な近似式は嚴密な式からも導出することが出來る筈である.この樣に揚力の嚴密な式からその近似式を導出することが本論文の第二の目的である.本論文の主な目的は上述の二つであるが,便宜上,問題を嚴密に解くために必要な等角寫像に關する議論から敢へて出發し,嚴密な種々の計算を遂行して先づ揚力その他の量に對する嚴密な一般式を求めた.そして,特に平面翼の中點が上流無限遠に於ける噴流の中心線上にある樣な實際的に重要な場合を考へ,迎角が5°,10°,15°である場合に對する非常に面倒な嚴密な數値計算を遂行して,平面翼の揚力が噴流の自由表面のために如何なる影響を受けるか,又その影響が迎角と共に如何に變るかを吟味した.平面翼の幅を2α,無限遠に於ける噴流の幅をD,噴流の中で平面翼の受ける揚力をL,又同じ翼が無限に擴がつてゐる流れの中に置かれた場合に受ける揚力をL_0とすると,L/L_0なる比の値は2α/Dなる比の値が増すに從つて減少することが知れる.又,2α/Dの或る一定値に對するL/L_0の値は迎角βの値が増すに從つて,極めて僅かではあるが,増加することが知れる.然し,その樣な増加の割合は極めて小さいので,βが5°,10°,15°の樣な實用的範圍の値を採る時には,此等の場合に對してL/L_0を縱軸に採り2α/Dを横軸に採つて描いた曲線は,特に2α/Dが0.15より小さい時には,殆んど互に重なつてゐると看做すことが出來る.次に,揚力及びその他の量に對する嚴密な式から出發し,相當面倒且つ困難な近似計算を遂行することによつて,平面翼の中點が上流無限遠に於ける噴流の中心線上にある場合に就いて,揚力の近似式を2α/Dの羃級數の形で求めた.斯樣な近似計算は著者の一人友近が1934年英國Cαmbridgeに滯在中他の研究の餘暇に遂行したものであるが,最近計算を再吟味しすべての結果の正しいことを確めた次第である.L/L_0に對する吾々の近似式によつて計算したL/L_0の近似値と,同じ量に對する嚴密な値とを比較して,吾々の近似式の適用範圍を吟味した.迎角βの値の如何に關係なく,2α/Dが大體0.2より小さい場合には,吾々の近似式は正確な値に充分近い樣な良い値を與へることを知つた.本論文に於いて求めた種々の量に對する嚴密な式は極めて複雜であるから,嚴密な數値計算を遂行することは非常に困難である.吾々は,迎角βが5°,10°及び15°なる三つの場合に就いて,副變數qの幾つかの値に對し嚴密な數値計算を遂行したが,同樣の計算を他の場合に繰返へすことは殆んど實現不可能に近い位である.この意味に於いて,實用的な場合にL/L_0に對して相當良い近似値を與へるところの吾々の近似式は實際的立場から見て重要であると思ふ尚ほ,吾々の近似式は平面翼の場合に對する揚力その他の種々の量の嚴密な式から導出したものであるが,矢高の小さい薄い翼に對しては適用しても差支へないであらう.又,二次元的噴流の中に置かれた平面翼を取扱つて得られた吾々の近似式は,Gottingen型風洞の中に矢高の小さい薄い翼型の斷面を持つた翼模型を置く場合に對しても,大した誤なしに,適用することが許されるであらう.實際,吾々の理論的結果を,約十年前我國に於ける幾つかのGottingen型風洞に於いて遂行された同一の翼模型に對する實驗結果と比較した結果によると,豫想の通り,吾々の近似式はGottingen型風洞の中に翼模型を置く樣な實際の場合にもかなり良く適用されるのである.
著者
菅原 敏 橋田 元 石戸谷 重之 並木 道義 飯嶋 一征 森本 真司 青木 周司 本田 秀之 井筒 直樹 中澤 高清 山内 恭
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙航空研究開発機構研究開発報告 (ISSN:13491113)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.77-87, 2005-02

第45次南極地域観測隊行動の一環として,南極昭和基地においてクライオジェニックサンプラー回収気球実験が実施された.実験は2回実施され,2003年12月26日と2004年1月5日にそれぞれ気球が放球され,高度10kmから30kmにおいて成層圏の大気サンプルを採取することに成功した.大気サンプルの採取が終了した後,観測器はパラシュートによって海氷上に着地し,無事にヘリコプターで回収された.日本に持帰った後にサンプル容器の内圧を計測したところ,採取された成層圏大気サンプルの量は,9〜18L(STP)であり,さまざまな大気成分の分析をするために十分な量のサンプルが得られていた.今後進められる分析の結果を,1998年の実験結果と比較することにより,南極成層圏における大気成分の長期変動などが明らかにされるものと期待される.
著者
FUJII Kozo
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
The Institute of Space and Astronautical Science report (ISSN:02856808)
巻号頁・発行日
vol.648, pp.1-21, 1992-12

Computational Fluid Dynamics, with the aid of supercomputers, are becoming in the matured stage for both physical research problems and practical engineering problems. Currently, a method handling complex body configurations and increasing accuracy of the simulations are important topics in the CFD research. In the present paper, new zonal method is proposed to solve these problems. This is an extension of the FSA (Fortified Solution Algorithm for generality, originally called FNS : Fortified Navier-Stokes), zonal method that the present author proposed in the past to improve the local accuracy of the flow field to be simulated. In the present method, The FSA concept is used as an interface strategy and both overset and slightly overlapped zonal methods can be treated in the similar manner. Multi-block method can also be incorporated. Implementation of this idea into existing explicit and implicit codes are easy and both the treatment of complex body configuration and the improvement of the local grid resolution are enabled with a slight modification of the conventional programs. Some of the applications are given and these application examples indicate that the present unified zonal method can be an effective CFD tool for complex flow physics and complex body configurations.
著者
堀越 二郎
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
東京大学宇宙航空研究所報告 (ISSN:05638100)
巻号頁・発行日
vol.1, no.3, pp.109-121, 1965-07

この調査研究の目的はBAC(英)・Sud Aviation(仏)協同のCONCORDE(マッハ2.2),ボーイング(マッハ2.7)およびロッキード(マッハ3.0)3計画の最近の進ちょく状態,SSTの開発および運航に伴う技術的・経済的および心理的な一般問題,あわせて上記3種類の設計の特徴および一般的特性について簡潔な知識をうるためである.現在SSTについての最大の問題は,技術やSST自体の直接運航費よりも広い意味での経済性にあるようだ.技術者の立場からの最大の興味は,同一目標をねらったボーイング案およびロッキード案,すなわち高翼面荷重の可変後退翼機と低翼面荷重の固定デルタ翼機のいづれに軍配が上るかにある.
著者
井口 俊夫
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
東京大学宇宙航空研究所報告 (ISSN:05638100)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.1001-1018, 1978-08

成層圏中の微量成分を観測する目的で,気球搭載用質量分析装置を製作した.装置はそれ以前の物に比べ,分析器部分を磁場偏向型の物から四重極型の物にかえるなど,改良がなされた.この装置を用いて1977年8月30日に気球観測を行った.得られたデータを検討した結果,観測装置に問題があるように思われた.それを明らかにするために室内実験を行った.その結果,イオン・ポンプからのガスの再放出,イオン・ソースでの反応,イオン化に伴う二次生成物の影響など問題が多く,成層圏中の大気組成を正確には測っていないことが明らかになった.これら気球実験および室内実験を通して明らかになった装置の問題点と今後の展望について述べる.
著者
田中 昌宏 建部 修見
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙航空研究開発機構研究開発報告 (ISSN:13491113)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.67-75, 2012-03

大規模な科学データ処理のため,計算機クラスターによる高性能な並列処理が必要とされている.特別な並列プログラミングを必要とせずにこれを実現するため,私たちはワークフローシステムPwrake を開発している.Pwrake はRake というビルドツールをベースにしており,これによりプログラミング言語を活用した高度な科学ワークフロー定義が可能となる.Rake に並列分散機能およびGfarm ファイルシステムのサポート機能を拡張したものがPwrake である.Pwrake の性能評価のため,天文画像処理ソフトウェアMontage のワークフローをRake で記述し,Pwrake を用いて実行時間を測定した.Gfarm で実行した結果はスケーラブルな性能向上を示し,ローカルストレージの利用を高めることで性能が14% 向上した.さらに2 拠点のクラスタを用いた測定においてもスケーラブルな性能向上を達成した.
著者
山本 明 吉田 哲也 安楽 和明 稲葉 進 井森 正敏 上田 郁夫 音羽 真由美 折戸 周治 木村 誠宏 佐貫 智行 鈴木 純一 田中 賢一 西村 純 野崎 光昭 槇田 康博 松永 浩之 松本 浩 元木 正和 矢島 信之 山上 隆正 吉村 浩司 Golden Robert Kimbell Barbara Mitchell Jon Ormes Jonahtan Righter Donald Streitmatter Robert
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙科学研究所報告. 特集 (ISSN:02859920)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.103-119, 1996-03

超伝導マグネット・スペクトロメーターを用いた宇宙粒子線観測・気球実験(Balloon Borne Experiment with a Superconducting Magnetic Rigidity Spectrometer)は,宇宙起源反粒子探索及び宇宙粒子線の精密観測を目的とする日米・国際共同実験として推進されている[1-7]。NASAおよび宇宙科学研究所を相互の代表機関とし,東京大学,高エネルギー物理学研究所,神戸大学,ニューメキシコ州立大学が研究に参加している。日本側グループがスペクトロメーター本体を準備し,アメリカ側グループが気球の飛翔,制御を担当している。この実験計画は,1980年代にNASAを中心に検討されたASTROMAG計画の準備研究に於て,ソレノイド型超伝導マグネット・スペクトロメーターの構想を提案し,基礎開発を行なった事から,その第一段階となる気球実験としてスタートした[8-9]。この実験協力が1987年にスタートして以来6年の準備期間を経て,1993年に第一回の気球飛翔実験に成功した。1994年には第二回,1995年には第三回・気球飛翔実験に成功した。実験は,北磁極に近いカナダ北部のマニトバ州リンレークからアルバーター州ピースリバーにかけて実施され,合計約50時間の科学観測に成功し,実験機器も無事回収されている。これまでにBESS93の気球飛翔実験についてデータ解析を完了し,運動エネルギー500MeV以下の運動エネルギー領域で,反陽子を4イベント検出した[10-12]。この結果は,低エネルギー領域(<500MeV)での初めての明確な宇宙線反陽子の観測として評価を受けている。BESS93&acd;95の総合的なデータ解析からは,途中経過として,運動エネルギー<1.2GeVに於て,合計&acd;50イベントの反陽子候補を検出している。また反ヘリウムの探索については,1993年&acd;1995年のデータを合わせ,従来の観測よりも一桁高い感度での存在上限値(反ヘリウム/ヘリウム比=8×10^<-6>,@95%CL)を得ている[13-15]。実験は,結果が現われ始めた段階であるが,経過と現状を報告する。
著者
西脇 仁一 川口 恒夫
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
東京帝國大學航空研究所彙報
巻号頁・発行日
vol.192, pp.265-309, 1940-08

この頃の様に發動機の性能が向上したり,又飛行機の速度が増したりすると,油冷却器の抵抗も却々大きなものとなつて來る.本實驗は現在各種飛行機に實用されてゐる各種滑油冷却器の抵抗並びに放熱試驗等を行ひ,航空機用としての性能を比較した.實驗に使用した冷却器は平行板型(ヴィカース,ランブラン),蜂の巣型2種,空冷發動機用環状型(圓管型,偏平管型)の6種類である.實驗の結果,蜂の巣型冷却器が航空機用としては性能が勝れてゐる.供試冷却器が少いので詳しくは分らぬが,蜂の巣型冷却器で管長の長い方が性能としてはよい様である.(これは水冷却器と同様の性質である,この點に關する詳細は續報に譲りたい).本實驗では冷却液として水及び油を使用して比較した,一般に油を使用すると,水の場合に比べ油の粘性の影響で放熱量が低下する,この低下の度合は流量や油の温度にもよるが,油の通路が狹くて曲つてゐると低下の度合が少くて濟む様である.本文中には滑油冷却器設計の資料として實驗データを記載して置いた.
著者
斎藤 芳隆 山上 隆正 松坂 幸彦 並木 道義 鳥海 道彦 横田 力男 広沢 春任 松島 清穂
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙科学研究所報告. 特集 (ISSN:02859920)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.1-10, 2003-03

宇宙科学研究所気球部門では,1991年以来,10kg程度の観測器をより高高度に到達させる気球を開発してきた.1999年からは,厚み3.4μmの気球用ポリエチレンフィルムを用いた気球を製作し飛翔実験を重ね,順次気球の大型化を進めてきた.本年,2002年5月23日に体積60,000m^3の気球を製作し,飛翔実験を行った.気球は正常に上昇し,高度53.0kmという気球到達最高高度の世界記録を実に30年ぶりに塗り変えることに成功した.
著者
近藤 一夫
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
東京帝國大學航空研究所報告
巻号頁・発行日
vol.10, no.126, pp.195-262, 1935-08

本論文は双極座標によつて表し得る圓弧に圍まれた斷面を持つ風洞の境界影響を一般的に論じたものである.翼幅に沿ふ揚力分布を一樣であると假定して,數種の重要な場合に就きプラントルの補正量を與へる公式を導出した.