著者
那谷 耕司 菅原 明
出版者
岩手医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

EXTL3はヘパラン硫酸の生合成に関与する糖転移酵素である。本研究では膵β細胞特異的にEXTL3を欠失したマウスを作製した。このマウスでは膵β細胞の増殖能が低下しており,ランゲルハンス島に特徴的なマントル・コア構造が認められなかった。またインスリン分泌が低下しており,耐糖能異常が認められた。以上の結果から, EXTL3が合成するヘパラン硫酸が,膵β細胞の増殖,インスリン分泌機能において重要な役割を果たしていることが明らかとなった。
著者
黒澤 勉
出版者
岩手医科大学
雑誌
医事学研究 (ISSN:09126597)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.111-128, 2002-12-10
著者
松政 正俊
出版者
岩手医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

1.3亜種を含むUca lactea complex,およびU.vocans complexを対象にして,日本の沖縄本島と西表島,タイ国のプケット島とラノン,オーストラリアのダーウィンにおける合計10の個体群について,雄の大型鋏脚の左右性と大型鋏脚が再生肢である割合,およびサイズ組成を調査した。左の鋏脚が大型である個体(左利き)の割合と再生肢を持つ個体の割合を種間,亜種間,同亜種個体群間(日本とタイ国の種類のみ),および同一の個体群の世代間(コホート解析により分離)で比較した。その結果,両種における利き腕の左右比の維持機構は同一のものとは考えにくく,左右比がほぼ1であるU.lactea complexでは頻度依存型の調節が重要であり,右利きの個体が90%以上と卓越するU.vocans complexでは利き腕の左右性は淘汰に中立であると推定された。2.大型鋏脚を使った雄の求愛行動や闘争に伴う血中乳酸値の変化を,沖縄本島のU.l.perplexaを対象にして野外で彼等の行動を制御した実験によって検討したところ,これらの社会行動が嫌気呼吸の産物である血中乳酸濃度を有意に増加させること,すなわち相当のエネルギーコストを要することを明らかにした。このことから,本亜種を含むU.lactea complexでは,大型鋏脚を使う求愛や闘争に関わる形質は選択圧を受けると推定された。3.沖縄本島のU.l.perplexaの闘争を,巣を保持している定住雄同士と,定住雄と放浪雄間のものに区別して観察・比較したところ,闘争様式と闘争時間に相違が認められた。このことより,雄の定住性は,雄間闘争の様式を変化させて雄間に働く競争の度合いに影響すると考えられた。上記のうち1は学会にて発表済み(投稿準備中),2は学術論文として公表済み,および3は現在論文投稿中である。
著者
黒澤 勉
出版者
岩手医科大学
雑誌
医事学研究 (ISSN:09126597)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.87-122, 2000-12-10
著者
田中 潜次郎
出版者
岩手医科大学
雑誌
医事学研究 (ISSN:09126597)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.119-266, 1997-12-10
著者
鍵谷 忠慶
出版者
岩手医科大学
雑誌
産学が連携した研究開発成果の展開 研究成果展開事業 地域事業 地域イノベーション創出総合支援事業 シーズ発掘試験
巻号頁・発行日
2009 (Released:2016-04-26)

インプラントは、歯科領域の欠損補綴において、義歯と並んで重要な役割を演じているが、埋入してから補綴が完了するまでに時間がかかる点が短所となっている。本研究は細胞接着・遊走促進作用、および骨形成促進作用をもつタンパク質を純チタン表面にコーティングすることで、治療に費やす時間を短縮し、感染リスクの低減可能な新しいインプラント材料を開発することを目的とする。
著者
石渡 隆司
出版者
岩手医科大学
雑誌
医事学研究 (ISSN:09126597)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.135-151, 1991-11-30
著者
燕 軍 相澤 幸夫 磯貝 純夫 人見 次郎
出版者
岩手医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

僧帽筋の二重神経支配について数多くの研究がなされたが、主に支配神経のニューロンの局在分布に注目し、これらの運動ニューロンの軸索が副神経と頚神経前枝の2つルートを通って筋に入ることが明らかになった。しかし、二つルートを経由するニューロン局在の違いの有無、頚神経経由する線維に運動成分について、もっと具体的に論じていない。我々は、実験動物(ラット)を利用し蛍光色素DiIと組織化学染色法で頚神経前枝と副神経との交通枝を経由して僧帽筋に分布する神経線維の筋内分布領域も同定し、さらに、ニューロンの逆行性標識に信頼性の高い蛍光色素DiIとDiOを用いて、副神経の運動ニューロンの分布を調べ、3D再構築法を加えて立体的にこのニューロングループの脊髄前角内の局在を観察した。結果、僧帽筋を支配する線維の運動ニューロンは、副神経根を経由するものと頚神経前根を経由する二種類のニューロンが脊髄前角の同じ領域に存在しているけれども、主には背側に向かって走行し脊髄の背外側から出る軸索と、腹側に向かい脊髄を出るものがあることを初めて明らかにした。さらに、同じ領域に局在している、副神経根を経由する線維は主にαニューロンで、頚神経前根を経由する線維は主にγニューロンであることも明らかにした。一方、頚神経由来する線維の末梢の筋内分布を調べた結果、筋紡錘に分布する線維が多数認められ、また運動終板に分布する少数の線維も認められ、γ運動線維とα運動線維と判断できた。これらの実験により、僧帽筋を支配する運動ニューロンの脊髄前角における局在領域とニューロンの種類は、筋内の分布様式と一致し、僧帽筋の二重神経支配の仕組みが明らかとなった。しかも、本研究の結果によって、臨床に副神経切断されたにもかかわらず、僧帽筋の「弱い」随意運動が依然観察される結果に対しても説明できる。一方、副神経核のニューロンは同じ領域に局在しているにもかかわらず、軸索の伸長が背腹両方向であることについて、ラット胚を用いて解析も進めている。
著者
黒沢 勉
出版者
岩手医科大学
雑誌
医事学研究 (ISSN:09126597)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.23-124, 1992-12-10
著者
大塚 耕太郎 鈴木 友理子 藤澤 大介 米本 直裕 加藤 隆弘 橋本 直樹 岩戸 清香 青山 久美 佐藤 玲子 鈴木 志麻子 黒澤 美枝 神先 真
出版者
岩手医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

医療、精神保健、および家族、社会的支援制度に該当する領域(法律、生活相談)、教育など幅広い領域におけるゲートキーパー養成プログラムを内閣府と協力して作成した。また、内閣府との共同で全国へ研修会やITを通じた普及を図り、ファシリテーター養成のためのプログラムを提供した。うつ病、統合失調症、不安障害、物質依存という4つの精神疾患の危機対応法プログラムとファシリテーター養成プログラムの開発を地域の精神保健に関する関係機関と共同で行い、有効性や妥当性を検証した。
著者
三枝 聖
出版者
岩手医科大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

早期入植双翅目昆虫の入植条件の把握と寒暖境界期の死後変化と死体昆虫相について基礎的知見を得るために,寒暖境界期および長期屋外ブタ屍留置実験とブタ肉片屋外留置実験を行った。寒暖境界期のブタ屍の死後変化は膨満期がみられないまま緩徐に進行すること,死体昆虫相は晩秋および春期で共通すること,晩秋の早期入植双翅目は大型幼虫ないし抱卵成虫にて越冬している可能性が示唆されたこと,これらの結果から,死体現象や死体昆虫相から当該期の死後経過時間を推定する際には注意が必要なことが明らかとなった。また,盛夏に死体昆虫相が減少する要因として,早期入植クロバエ科の活動が鈍化することが示唆された。
著者
木村 桂 齋野 朝幸 佐藤 洋一 黒坂 大次郎
出版者
岩手医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

プロテアーゼ活性化型受容体(PARs)はGタンパク共役型受容体の一種である。涙腺でのPARsの機能をCa2+イメージング法にて検討した。RT-PCRでPAR2のみの発現を認めた。PAR2刺激によって細胞内Ca2+の上昇を認め、この上昇は細胞外Ca2+除去によっても消失せず、PLC抑制薬やIP3受容体抑制薬でも阻害されなかった。Ca2+流入機構では、低濃度Gd3+等の投与で完全抑制されず、NO donorの投与で流入の増強を認めた。以上から、PAR2は細胞内ストアを刺激して[Ca2+]iの上昇を引き起こすが、これはIP3非依存性の反応と考えられ、Ca2+流入機構としてNCCEが優位に働いている。
著者
八重樫 由美 坂田 清美 小野田 敏行
出版者
岩手医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

肥満割合の高い県北地域と全国平均に近い地域の小学4年生の児童・保護者にアンケート調査を実施した。児童のアンケート結果から、県北地域の児童は肥満の少ない地域と比して、バス・車での通学が多い、勉強時間が短い、相談相手がいない、給食の残食が多い、おやつをあまり摂取しない、野菜摂取量が少ないことが分かった。保護者のアンケート結果から、県北地域で栄養を考えた献立にしていない、自身の健康感があまりよくない傾向がみられた。
著者
小野 美知子
出版者
岩手医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

研究期間内に実施した、ヘンリー・ソローの教育哲学に関する研究及びその成果として挙げることができるのは、子供の頃にソローが経営する学校の生徒でもあった、ルイザ・メイ・オルコットのソロー観、他の哲学者たちとの比較においてソローの自由と教育に関する見解を論じた"Thoreau and Freedom"、「成長」との関連における四季の循環の意義についての論文の三編、および2013年に音羽書房鶴見書店から出版された、ソローの教育哲学と自然観察に関する著書、Henry D. Thoreau: His Educational Philosophy and Observation of Natureである。
著者
作山 正美 小山 薫 足澤 輝夫 小笠原 義文
出版者
岩手医科大学
雑誌
岩手医科大学教養部研究年報 (ISSN:03854132)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.87-91, 2003-12-31

北国の中年男性を対象として歩行数や身体組成の調査・測定を行い、季節間における歩行数や体脂肪率に差がみられるかについて検討した。その結果から、歩行数の季節差については夏>秋>春>冬の順で、夏と冬の間に539歩の差がみられたが、有意差は認められなかった。また、体脂肪率の季節差については秋>春>冬>夏の順で、秋と夏の間には2.3%差と顕著な差が認められた。このようなことから、肥満や生活習慣病の予防のための運動では、寒さに向かっていく季節における適切な運動量(歩行数)を確保するための継続可能な運動プログラムの作成とその実践が重要であることが示唆された。
著者
花木 賢一
出版者
岩手医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究では免疫不全マウスを用いた実験を障害すると考えられる主要な日和見感染症起因微生物であり、感染マウスの糞便に排出される黄色ブドウ球菌、マウス肝炎ウイルス(MHV)、マウスノロウイルス(MNV)、肺パスツレラを単一の方法で同時に検出を可能にすることを目的として等温遺伝子増幅法(LAMP法)の開発を行った。MHVとMNVに対しては62℃90分の反応で検出する逆転写LAMP法をそれぞれ完成させた。また、黄色ブドウ球菌に対しては薬剤耐性能と消毒薬耐性能も同時に判別する3つのLAMP法を完成している。肺パスツレラを検出するLAMP法は特異プライマーの設計ができておらず、検討継続中である。