著者
吉川 仁 川田 朋和 西村 直志
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集 第56回理論応用力学講演会
巻号頁・発行日
pp.279, 2007 (Released:2007-07-18)

レーザ超音波非破壊試験において、対象物の表面で計測される速度波形データ を用いて表面クラックを決定する。はじめに、パルスレーザにより対象物内部 に励起された弾性波動場を計測波形データから復元する。次に、復元されたレー ザ励起弾性波動場を表面クラックへの入射波とし、表面クラックによる散乱波 動場を時間域境界積分方程式法を用いて数値的に求める。表面クラック近くの 対象物表面にてレーザ計測された速度波形データと対応する数値解との比較を行い、 表面クラックの位置やサイズを決定する。本報では、提案手法により表面クラッ クの位置、サイズが、高い精度で決定できる事を示す。
著者
遠藤 廣太 中山 司
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集 第61回理論応用力学講演会
巻号頁・発行日
pp.210, 2012 (Released:2012-03-28)

2次元通路を歩行する群集の移動パターンに関する数値シミュレーションを報告する.本研究では群集の移動を流体の流れに見立て,流れの支配方程式を粒子法の一つであるSmoothed Particle Hydrodynamics(SPH)法で解く.一つの粒子を一人の人間に見立てることで,粒子の移動をラグランジュ的に追跡しながら計算する.群衆を目的地に誘導する計算テクニックとしてポテンシャルフィールドという考え方を採用し,ポテンシャルフィールドの勾配に比例する仮想的な力を外力として個々の粒子に作用させる.また,粒子に対して視野に相当する情報を与えるために,SPH法におけるカーネル関数の形状を変える.カーネル関数の形状や流体の動粘性係数に相当する係数の大きさなどの違いによる群集の行動パターンを考察するとともに,複雑な形状の通路にポテンシャルフィールドを張る方法を考案した.
著者
山口 敦嗣 吉村 忍 山田 知典
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.340-340, 2006

階層型領域分割法はWS/PCクラスタを含む多様な並列計算機に適した連立一次方程式ソルバーであり、ライセンスフリーでソースコード公開のADVENTURE_Solidなどに用いられてきた。本研究では、数千自由度級の動的地震応答弾塑性有限要素解析を行うための基礎的技術の開発を目的とし、動的繰り返し弾塑性解析機能を構築し、その基本性能を確認した。
著者
渡邉 祥 代田 健二
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集 第63回理論応用力学講演会
巻号頁・発行日
pp.53, 2014 (Released:2015-02-24)

位相最適化手法により導出される最適化問題は,非適切問題であることが知られている.そのため最急降下法を適用すると,数値不安定現象が発生する.畔上は,数値不安定現象の原因を設計空間と勾配の属する関数空間の違いと考え,H1勾配法を提唱した.一方,数値不安定現象を起こす原因としては,離散化誤差,丸め誤差,測定誤差がある.測定誤差がない場合は,高精度数値解法と多倍長計算を用いることにより,非適切問題の近似解を高精度に得られることが示されている.位相最適化問題において測定誤差は存在しないため,高精度数値解法・多倍長計算が有効であることが期待できる.本研究では,高精度数値解法とH1勾配法を組み合わせた高精度最適設計手法の開発を行う.高精度数値解法として任意多点差分法,多倍長環境として exflibを採用する.ポアソン方程式・静弾性方程式による位相最適化問題に対する数値実験を実施し,開発手法の有効性を検討する.
著者
比嘉 吉一 井山 裕文 玉城 龍洋 伊東 繁
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.62, 2013

不発弾の爆破処理時に生ずる衝撃波伝ぱ挙動,土砂の飛散およびクレーター深さといった爆破特性を明らかにする目的から,土,周囲空気および爆発物を非線形有限要素解析ソフトウェアであるHyperWorks-RADIOSS((c)Altair Engng., Inc.)によりシミュレーションモデルを作成した.これら作成したモデルに基づく一連の数値シミュレーションにより,爆発現象がクレーター深さと直径,土中および空気中に放出される過圧力に及ぼす影響について観測した.これら計算力学手法に立脚した計算結果は,不発弾処理時の避難区域設定に有用なデータとなる.
著者
北澤 一善
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.60, pp.267-267, 2011

強く束縛されたフェルミオン(トップクオーク)-反フェルミオン(反トップクオーク)対が標準模型ヒッグス・ボソンの原始形(240個のグルーボールで形成されるフラーレン型準結晶)へ凝縮する際に放出すると考えられる1光子(492 MeVのエネルギーを保持)が、カラー磁場中において擬スカラー・南部・ゴールドストーン・ボソン(アクシオン)へ転化する可能性が、超新星残骸Cassiopeia Aに関する最近のγ線観測データより示唆される。その後、生成したアクシオンは更に2光子に崩壊した後、それらの多励起子作用により原始ヒッグス・ボソンを素励起し、自身は2×240組の電子対となる。一方、ヒッグス・ボソンは最終的に切頂八面体(tr-O)の擬スカラー・メゾン(スピン0)集合体に形態変化することを示す。この(重い)アクシオンの存在は「強い力のCP不変性問題(=極小θの自然性)」を解決させるので、観測による確認が大いに期待される。又、上記2過程においてそれぞれ予測される超伝導状態について議論する。
著者
ウン シ ハン マトゥッティス ハンスーゲオルグ
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.59, pp.163-163, 2010

粉体や多孔質媒体に関するさまざまな現象(例えば、砂漠にある風紋や山崩れなど)は粒子周囲の流れに深い関係を持っている。このような現象を解析するには、巨視的およびメゾスコピックな物理量が得られるシミュレーションを必要とする。我々の研究グループは粒子離散要素法と流体の有限要素法を組み合わせることによって、粒子のシミュレーションを行う。本研究では、修正デロネー三角形分割を用いて自動メッシュ生成プログラムを開発した。また、非構造三角形メッシュを正三角形に釣り合わせる緩和アルゴリズムを用いてメッシュの最適化を行った。
著者
黒川 博充 江澤 良孝
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集 第56回理論応用力学講演会
巻号頁・発行日
pp.141, 2007 (Released:2007-07-18)

近年、極限設計が求められる一方で、ロバスト設計技術が強く求められている.本研究はロバスト性を考慮した多目的形状最適化技術を開発することを目的としている.本研究ではいくつかの穴の空いた片持ち梁をモデルとし、穴の位置と半径を設計パラメータとする.ロバスト性の評価は独自の評価関数を使用する.
著者
長尾 大道 中野 慎也 樋口 知之
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集 第59回理論応用力学講演会
巻号頁・発行日
pp.173, 2010 (Released:2011-01-21)

2008年6月14日に発生した岩手・宮城内陸地震による微気圧変動が、震源域から400km以上離れたCTBT夷隅微気圧観測点で検出された。この音波波形は、適切な固体地球と大気の1次元結合モデルおよび断層モデルを設定することにより、30秒以上の長周期帯では十分に説明できることが分かっている(Nagao et al. [2008])。本研究では、データ同化の手法を用いてこれらのモデルパラメータの事後分布を精密に推定し、地震データとは異なる情報を持つと考えられる微気圧データが、固体地球科学にどのような貢献をもたらすことができるかを検討する。具体的には、地震と微気圧の観測波形および固体地球-大気モデルのノーマルモードから求めたシミュレーション波形とを、粒子フィルタ法およびMCMC法を組み合わせたハイブリッド法により比較し、モデルパラメータの事後分布を推定する。特に微気圧データを含めた場合と含めない場合とで比較し、微気圧データが震源パラメータの事後分布に与える影響を調べる。
著者
箱山 智之 桑原 利彦
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集 第61回理論応用力学講演会
巻号頁・発行日
pp.111, 2012 (Released:2012-03-28)

金属板材から円管試験片を製作し,サーボ制御円管バルジ試験機を用いて,軸力と内圧を負荷することにより,線形応力経路における大ひずみ塑性変形特性を測定する試験方法を考案した.本試験方法を590MPa級高張力鋼板に適用し,二軸引張応力下での塑性変形特性を詳細に測定すると同時に,最適な降伏関数の同定を行った.その結果以下の知見を得た.(1)590MPa級高張力鋼板において相当塑性ひずみ換算で16%までの等塑性仕事面の測定ができ,最大主ひずみ0.24までの応力-ひずみ曲線の測定に成功した.(2) 次数6又は次数8のYld2000降伏関数が本供試材の変形挙動を概ね良く再現できることがわかった.実験値の再現精度をさらに向上させるためには,異方硬化の定式化が必要と考える.
著者
村上 真也 岩山 隆寛
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.59, pp.206-206, 2010

2次元乱流は多数の渦の運動とみなせるため, 個々の渦の動力学を調べることが2次元乱流のよりよい理解の助けになるだろう. そのような問題意識の下, Melander, et al.(1987)は非一様な渦度分布を持つ楕円渦の軸対称化過程を研究した. 楕円渦はその軸対称化過程において, フィラメントを放出することが知られている.Melanderらはフィラメントが誘起する速度場が楕円形をした等渦度線を軸対称化させるか否かについて, 定性的見積りを行った. 我々はこれを数値的に調べ, フィラメントが楕円渦の軸対称化に与える効果を議論した.その結果, フィラメントは初期には大きく軸対称化に寄与し, のちの時刻ではほとんど影響を与えないことが分かった. これはMelanderらの定性的議論と整合的である.一方, コアによって誘起される速度場は軸対称化と反軸対称化の両方に振動的に寄与することが分かった.