著者
西川 功 合原 一幸
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集 第58回理論応用力学講演会
巻号頁・発行日
pp.117, 2009 (Released:2009-10-22)

結合位相振動子系である蔵本モデルにおいて、素子数が有限の場合にはカオスが起こる[O. V. Popovych et al., 2005]。同様に、他の位相振動子、リミットサイクル振動子、カオス振動子のそれぞれの結合系においてもカオスが起こる。このように、結合振動子系におけるカオスは普遍的な現象である。 我々は、蔵本モデルにおけるカオスを調べる。同期現象の時刻tにおけるオーダーパラメータR(t)の時刻0からtまでの時間積分LR(t)は、区間[0, t]における同期の強さを表わす。LR(t)は拡散を示し、その拡散係数はクラスターの形成に伴いピークを持つことが分かった。
著者
芹澤 慎一郎 伊藤 朋之
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集 第63回理論応用力学講演会
巻号頁・発行日
pp.193, 2014 (Released:2015-02-24)

粉粒体流動に関しては,粘性流体におけるナビエ・ストークス方程式に相当する構成方程式が確定していない.粉粒体が構成粒子から成る微細構造を有していることから極性流体理論に基づくモデルが提案されているが,実用に至っていない.本報告では,流氷群の解析のために提案されたHiblerの粘塑性モデルを極性流体理論に基づいて拡張し,巨視的な特徴量としての粉粒体の摩擦角,および微視的な特徴量しての粒径をパラメータとして含む粉体流動モデルを提案した.また,Smoothed Particle Hydrodynamicsを用いた数値解析を通じて,提案したモデルに対する各パラメータの影響を検討した.その結果,粒粒体の流動に際して回転運動と並行移動を伴う流動部と非流動部に別れる現象を提案した流動モデルによって再現した.また,粉粒体の巨視的特性として内部摩擦角に依存した安息角の形成,ならびに微視的特性として極性流体の特徴長さである粒径と流動性の関係性を示した.
著者
新野 宏
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集 第58回理論応用力学講演会
巻号頁・発行日
pp.2, 2009 (Released:2009-10-22)

Tornadoes and dust devils are violent small-scale vortices in the atmosphere. Although they have affected human lives significantly, their smallness and short lifetime have prevented detailed investigations until re-cently. In the present talk, our current understandings of these vortices are reviewed and future subjects to be studied are proposed.
著者
福武 毅芳 濁川 直寛 田地 陽一
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集 第64回理論応用力学講演会
巻号頁・発行日
pp.OS3-02-01, 2017 (Released:2018-11-13)

In order to understand the response of strong motion at the ground landfill in Tokyo Bay area, we conducted a seismic response analysis of a wide area. The area is a reclaimed land in Tokyo Bay, and it was modeled by three-dimensional FEM over 100m depth 8km north-south east-west 10km. Alluvium was expressed by the non-linear model. In the results of the displacement distribution and acceleration distribution, we found that there is a strong correlation with the alluvium base contour and buried valley.
著者
西川 智 福島 誠一郎 矢代 晴実
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.57, pp.49, 2008

2007年7月の新潟県中越沖地震では、柏崎市にある自動車部品メーカーが被災したことにより、全国の日本の主要自動車メーカーが生産停止を余儀なくされた。地震時の企業のBCP(事業継続計画)を考える上では、サプライチェーンに依存した操業形態を有する企業の定量的なリスク評価手法が必要である。本論文では、サプライチェーンを構成する複数箇所の事業所の立地と、それぞれの地点での被害リスクを組み合わせ、企業の業務停止期間を定量的なリスク評価手法を提案する。これは、企業にとって、顧客への財・サービス提供の中断が長期化すれば、顧客の離反を招き、仮に長期間の休業後業務再開をしても、市場復帰が困難となるということに着目している。本論文では、直列型、並列型、併用型の3タイプのサプライチェーンが、東京23区、関東地方、東京300km圏の3つのスケールに生産拠点を展開した場合に、各地点の地震リスクとそれによる各拠点の業務停止期間のリスクカーブをもとに、サプライチェーン全体の業務停止期間を定量的に把握する手法を提案し、その有効性を検証した。
著者
小山 宏史 木村 暁
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集 第59回理論応用力学講演会
巻号頁・発行日
pp.176, 2010 (Released:2011-01-21)

細胞は、細胞分裂を繰り返すことで増殖する。細胞分裂において細胞の形状はダイナミックに変化する。細胞形状の変化は、細胞表層の細胞骨格と呼ばれる構造物の動態が力学的パラメータに翻訳されることによって引き起こされると考えられている。しかしながら、細胞表層の力学的パラメータが時空間的にどのように変化するか、あるいは背景にある力学的パラメータの制御構造は十分に理解されていない。本研究では、細胞形状の変化を精緻に観測し、その観測データと弾性の理論に基づいた数理モデルを組み合わせることで力学的パラメータの時空間的変化を予測することを試みた。その結果、力学的パラメータが細胞全体にわたってダイナミックに変化していることが予想された。さらにこの結果は、これまで細胞分裂の主要な力学的要素と考えられてきた収縮環と呼ばれる構造物に加えて、細胞全体にわたる力学の制御が重要な寄与を果たしていることを示唆している。
著者
藤原 宏志
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集 第57回理論応用力学講演会
巻号頁・発行日
pp.195, 2008 (Released:2008-09-01)

本研究では,MR Elastography による生体組織の弾性率の再構成逆問題に対し,積分型の同定公式を提案し,実測データへの適用例を示す.生体弾性率の同定は,初期癌や細胞組織の壊死に対する非侵食検査法などへの応用が考えられており,MRE を用いた再構成手法としては short wave length 法,数値微分法が提案されている.本研究で提案する積分型公式は,MRI により得られる先験情報をもちい,数値計算が高速であること,および 3 次元データへの適用が容易であるなどの特徴を有する.
著者
小林 智紀 高木 通俊 高倉 葉子
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集 第61回理論応用力学講演会
巻号頁・発行日
pp.202, 2012 (Released:2012-03-28)

本研究は高揚力装置の一種であるGurney Flapの空力特性を,NACA4412形状翼を用いて実験的に求めたものである.Gurney Flapは高速走行する自動車に装着されることの多い高揚力装置であり,1970年代にDan Gurney氏によって考案された装置である. 実験条件はRe=6.5×105であり,Gurney Flapの大きさは翼弦長に対して0%,1%,2%,3%,4%,5%,6%の高さの装置を装着する.実験よりC<>L</>曲線の変化の傾向を維持した状態での揚力係数は高さが4%のものが最も高く,翼のみの状態に比べ2倍の効果を発揮した.また変化の傾向が異なるが揚力係数がより高くなるFlapもあった.抗力係数は高揚力装置の高さを高くするほど同じ迎角でも上昇する傾向を示した.揚抗比はFlap高さが低い状態ほど高く,4%の高さの装置を装着している状態では装着していない状態と比較して74%まで減少した.これらの結果よりGurney Flapは翼重量の増加を最小限として揚力係数を得たい場合や動力の余力があり抗力係数を考慮する必要性が低い場合に最大限の能力を発揮する.
著者
市川 武志 福永 守高 牧野 国雄 横山 敦士 山田 敏郎
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.51, pp.265, 2001

シリコンウェハスライス工程はLSI製造の精度向上のために非常に重要である.ウェハ軸と結晶軸のずれをもたらすため,シリコンウェハのそりは深刻なトラブルとなる.この軸ずれは後の研磨では解消できない.このような現象についての数値解析は有用と思われるが,そのような報告は今のところない.著者らは連成熱_-_応力マトリクスを用いた新しい有限要素モデルを提案する.そのモデルでは,スライスされた要素の熱伝導と剛性はゼロになる.切削熱がそりの第一の原因と仮定された.切削により発生する熱は,実験と数値解析の温度を比較することで求めた.200ミリウェハのそりは数値解析より4.21マイクロメートルと見積もられた.300ミリウェハについては3.7-8.5 マイクロメートルのそりと見積もられた.数値解析の結果は切削熱が小さければ,そりも小さくなることを示した.切削熱がシリコンの破壊と摩擦により発生すると考えられる.数値解析結果は破壊熱が主たる原因であると示唆した.
著者
田中 真人 藤川 正毅 儀間 麻衣
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集 第61回理論応用力学講演会
巻号頁・発行日
pp.88, 2012 (Released:2012-03-28)

本発表では,丸め誤差のない新たな数値微分近似手法として複素数階微分法を提示する.本手法を大変形材料構成則の応力および整合接線剛性の導出に応用した事例を紹介する.ここでは,陰的解法の代表的な汎用FEMソフトウェアであるAbaqus/Standardの材料構成則のユーザサブルーチンUMATを例にとり,その実装方法について示す.また,いくつかの数値計算例を通して,本手法の有効性を示す.
著者
和田 尚樹 ベリシェフ ミハイル
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.58, pp.237, 2009

密度不均質な弦を辺とする有限グラフを考え,そこにおけるサイクルの存在の特徴づけに関する逆問題を論じる.本研究では,グラフ上でのLaplacinの固有値と固有関数の境界における値を既知とし,BC法に基づき波動方程式の解の性質を用いた手法を提案する.
著者
高木 健 木下 健 寺尾 裕 井上 憲一 田中 進 小林 顕太郎 山田 通政 高橋 雅博 植弘 崇嗣 内山 政弘 江嵜 宏至 佐藤 増穂 岡村 秀夫
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.132-132, 2006

この論文では、環境負荷の小さい基幹エネルギー源として、帆走型洋上発電施設を提案している。この施設は、台風を避けながらかつ好適風力を求めて日本のEEZ内を航行するのが特徴である。また、このコンセプトの目標として、水素社会が実現される頃に、環境負荷が最も少ない基幹エネルギーとして成立することを目指している。試設計によれば、この施設は台風を上手に避ける運動性能と、充分な強度を有することが判った。また、フィージビリティ・スタディによれば、この施設3900個で石炭から得られるエネルギーに相当する日本全体の発電量の18%のエネルギーを代替することができ、2002年のCO2レベルの10%を削減できることがわかった。
著者
河府 賢治 越智 光昭 武居 昌宏 田所 誠
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集 第56回理論応用力学講演会
巻号頁・発行日
pp.66, 2007 (Released:2007-07-18)

静止粒子充填層の内部を流体が通過する充填層透過流動現象において,流体の流速と圧力損失の関係を知ることは極めて重要である。この関係式の一つにErgun式がありよく用いられている。ところが条件により,この式による圧力損失計算値と実験値とに大きな誤差が生じることも知られている。そのため修正Ergun式が各種提案されているが,その適用範囲は極めて狭く,実用的ではない。そこで本研究では既存研究における壁面の影響を考慮するとともに,粒子形状因子として直線率を新たに定義し,適用範囲の広い修正Ergun式を提案し,実験値と比較を行った。その結果7種類の形状粒子および空気速度0~6.0m/sの広範囲において,この式による誤差が6%以内に収まることが分かった。
著者
加藤 直樹 高野 真希子 木田 哲量 近藤 勉 今野 誠 須藤 誠 加藤 清志
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.59, pp.196, 2010

滑走路や高速道路舗装に使用されているようなコンクリート平版が弾性基礎上にある場合、半無限ばりの解析では、従来はその変形および曲げモーメント分布は単純な逆ベル形であったが、本研究によれば減衰部に極性の交番する変形が発生することが明らかになった。この事実は設計にあたり、単純曲げではなく曲げ疲労強度を考慮すべきことを示唆してる。そこで本報告は、半無限舗装版に車輪型点荷重を受ける場合、コンクリート版に引張ひび割れが発生する実状にかんがみ、地盤反力係数(地盤安定処理の程度)と応力やたわみを2000~3000m超という長手方向版長Lに対し、幅員B=100m程度でB/L=1/20~1/30を考慮し、はりにモデル化して解析を進めた。なお、幅員方向応力分担能をはり状に仮定し、版厚の影響についても考察した。また、応力解析にあたり、とくに目地なし半無限版を想定し、たわみ、曲げモーメント、地盤係数等の相関関係を総合的に考察し、舗装版設計上の限界特性値や地盤安定処理についての指針を明らかにし、両振り曲げ疲労対策としての高強度筋使用と鉄筋法の提案を行ったものである。
著者
岡澤 重信 濱崎 透 田中 智行
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集 第60回理論応用力学講演会
巻号頁・発行日
pp.117, 2011 (Released:2011-09-29)

近年,科学技術の進歩により航空機・リニアモーターカーなど輸送機器の高速化が進んできており,宇宙空間に目を向けると地上では想像もできないような超高速度での現象が多数存在している.そしてこの様な高速度状態において小さな物体との衝突では貫通問題が起こりうると考えられ,輸送機器の安全性に重大な影響を及ぼす可能性がある.そのためこのような貫通問題を取り扱うことは非常に重要であり,製品サイクルの短い今日においては,開発コストを抑えるため正確なシミュレート技術もあわせて必要になると考えられる.そこで本研究では,超高速衝突化における貫通の様子を再現するため,速度依存性を考慮した解析手法の開発を行うこととする.速度依存性を再現するため,本研究ではJohnson-Cookモデルを用いることを提案した.さらに提案された解析コードの妥当性を検討するため,実験結果との比較を行う.
著者
田中 英紀 都井 裕 前田 一成 酒井 貴洋
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集 第54回理論応用力学講演会 講演論文集
巻号頁・発行日
pp.117, 2005 (Released:2005-04-08)

コンクリートの損傷破壊挙動に対し、Drucker-Pragerの降伏条件を用いた弾塑性損傷構成式を定式化し、2次元有限要素解析プログラムにインプリメントした。コンクリートの材料試験結果から構成式中のパラメータを決定し、コンクリート構造要素の破壊挙動の有限要素解析を実施した。さらに、解析結果と実験結果の対応について考察した。
著者
原田 晋
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集 第58回理論応用力学講演会
巻号頁・発行日
pp.6, 2009 (Released:2009-10-22)

International Maritime Organization (IMO) had discussed for developing the harmonized requirements for ships navigating in ice covered waters from middle of 90’s and issued the “Guidance for Ships Operating in Arctic Ice Covered Waters” as MSC (Maritime Safety Committee) / Circ. 1056 and MEPC (Marine Environment Protection Committee) / Circ. 399, in 2002. After that, the International Association of Classification Society (IACS) issued the Unified Requirements (URs) for Polar Class Ships in 2006 in order to supplement the provisions regarding a hull structure and a machinery mentioned in the IMO Guidance. This paper describes the summaries of the IACS URs.
著者
勝山 智男 清野 健 渕上 信子
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集 第51回理論応用力学講演会 講演論文集
巻号頁・発行日
pp.225, 2001 (Released:2002-05-10)

水道の蛇口から滴る水滴の落下現象は、身近なカオスの例として良く知られている。この滴の落下運動を、高速ビデオカメラによる画像解析と流体力学的数値実験の両面から解析した。それにより、従来の落下間隔時系列解析からのみでは得られなかった、低次元ストレンジアトラクタの構造が明らかになった。得られた結果は、これまで多くの実験で観測されてきたこの系の複雑な振舞に低次元写像力学系としての系統的な説明を与える。