著者
代田 稔 麻生 健治 岩淵 明
出版者
日本細菌学会
雑誌
日本細菌学雑誌 (ISSN:00214930)
巻号頁・発行日
vol.21, no.5, pp.274-283, 1966
被引用文献数
1 14

50ml of fermented milk, containing 1 to 2&times;10<sup>8</sup>/ml of live Lactobacillus acidophilus strain Shirota (LAS) and 180ml of market milk were orally administration daily to healthy infants (2-6 years) for 35 days, and its effect on the constitution of microflora in feces was investigated, using appropriate selective media.<br>In control group, normal microflora in one gram of feces was found to consitute of 10<sup>8</sup>-10<sup>10</sup> of Bifidobacterium classified to three physiological type, 10<sup>6</sup>-10<sup>9</sup> of enterobacteria group in which E. coli was predominant, 10<sup>3</sup>-10<sup>5</sup> of lactobacillus group consisting of 60% of L. acidophilus and other lactobacilli (L. plantarum, L. casei and heterofermentives), 10<sup>4</sup>-10<sup>7</sup> of enterococci, and 10-10<sup>4</sup> yeasts.<br>During the first 7 days of adminstration, lactobacillus in feces increased to 10<sup>6</sup>-10<sup>8</sup>/gram and this level persisted during the whole administration period. This lactobacillus was serologically identified to be LAS. In contrast, enterobacterial group and enterococci decreased by a facter of 1/100 and 1/50, respectively. When administration was stopped, LAS decreased gradually and one to two weeks after became undetectable, while the suppressed groups recovered to original level. Concomitant with this change, the pH of the feces rised from 5.0-7.5 to original value, 6.7-8.7. Other members in feces were not siginificantly affected through the period of experiment.<br>These results led to the conclusion that LAS survives in human intestinal tract though it does not establish permanent residence, and alter the consititution of microflora, being especically antagonistic against E. coli and enterococci. The antagonistic activity of LAS is discussed.
著者
代田 稔 鷹取 常時
出版者
日本細菌学会
雑誌
日本微生物學病理學雜誌
巻号頁・発行日
vol.31, no.15, pp.1943-1962, 1937

各種抗體ノ保存ニ用フル消毒劑ノ優劣ヲ視ヤウト思ツテ7種ノ藥品ヲ用ヒテ二年間實驗ヲ行ツタ. 藥品ヲ用ヒズニ密閉シテ貯エタモノガ最モ良ク, 保存ニ用ヒル藥品デハ硼酸, 石炭酸, とりぱふらびん及ビやとれんガ優良デ, ほるまりんガ最モ惡イ事ヲ知ツタ.
著者
代田 稔 田中 愛三
出版者
日本細菌学会
雑誌
日本微生物學病理學雜誌
巻号頁・発行日
vol.29, no.9, pp.947-953, 1935

B.Acidophilusノぶいよん培養生活産物ノ溶血性ニ付キ實驗シ, 併セテコノ細菌性溶血素ノ抗原性ニ就テモ實驗セリ.<BR>(本論文ノ1部ハ昭和9年4月東京ニ於ケル, 第8回微生物學會ニ於テ, 又概要ハ同年6月奉天ニ於ケル, 第1回滿鮮醫學會ニ於テ演述セリ)
著者
代田 稔
出版者
日本細菌学会
雑誌
日本微生物學病理學雜誌
巻号頁・発行日
vol.27, no.10, pp.1224-1243, 1933

溶血素ヲ産生スル細菌ノ種類, 溶血素ヲ産生スル條件, 産生シタ溶血素ノ種類, 性質, 作用等ニ就テ全般的ニ論ジ次ニ各菌ノ溶血素ニ就テ述べ, 併セテ余ノ實驗ノ結果ヲモ附記シタ.
著者
丹羽 允
出版者
日本細菌学会
雑誌
日本細菌学雑誌 (ISSN:00214930)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.439-449, 1975-05-25 (Released:2009-02-19)
参考文献数
89
被引用文献数
2 2
著者
大野 尚仁
出版者
日本細菌学会
雑誌
日本細菌学雑誌 (ISSN:00214930)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.527-537, 2000-08-25
参考文献数
48
被引用文献数
2 8

&beta;ゲルカンは真菌, 細菌, 植物など自然界に広く分布している。&beta;グルカンは各々の生物において生物学的な機能を発揮するのは勿論の事, 生物間のやり取りにおいても様々な役割を演じ, あるいは産業上も重要な素材であることから注目されている。ここでは&beta;-1,3-グルカンの構造と生体防御系修飾作用について我々の実験成績を中心に要約した。真菌&beta;グルカンは細胞壁成分として存在する不溶性&beta;グルカン並びに, 菌体外に放出される可溶性&beta;グルカンに大別される。&beta;グルカンは特徴的な高次構造をとり, 可溶性高分子では一重並びに三重螺旋構造をとる。&beta;グルカンは様々な生物活性を示すが, その中には高次構造依存的なもの, 例えば, マクロファージからの酸化窒素産生やリムルスG因子の活性化, 並びに非依存的なものがある。&beta;グルカンが示す活性の多くは免疫薬理学的に有用なものが多いが, 喘息の増悪因子としての作用や非ステロイド性抗炎症薬の副作用増強作用などの有害作用も示す。更に&beta;グルカンは体内に分解系が無いので蓄積する傾向を示し, その期間は数ヶ月以上にわたる。またこの間, 活性の一部は持続的に発揮する。一方で, &beta;グルカンの生物活性を適切に評価できる <i>in vitro</i> 評価系は少なく, &beta;グルカンの免疫修飾作用を分子レベルで解析するには, 新たな評価系の開発が望まれる。
著者
河村 好章
出版者
日本細菌学会
雑誌
日本細菌学雑誌 (ISSN:00214930)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.493-507, 1998-08-25 (Released:2009-02-19)
参考文献数
78
被引用文献数
3 2

Streptococcus 属は, 人および動物に様々な疾患を起こさせる菌種を含み臨床細菌学上重要な属であるが, 溶血性および Lancefield により確立された血清学的分類法を重要視する余り詳細な生化学性状データによる分類や遺伝子レベルでの分類の見直しが著しく遅れていた。1980年代後半より, ようやく遺伝子レベルでの分類の再編成が行われ, 新菌種, 新属の提案を含む数多くの分類学的提案がなされ, その分類が整理されつつある。本小文では Streptococcus 属の分類の現状について, その分類学的経緯などを織り交ぜながら解説するよう努めた。また我々が取り組んでいる mitis group の菌群の分類学的検討と現在提案している新菌種2菌種について紹介し, 最後に Streptococcus 属菌種の同定キットによる同定の現状と問題点について触れた。
著者
赤池 孝章
出版者
日本細菌学会
雑誌
日本細菌学雑誌 (ISSN:00214930)
巻号頁・発行日
vol.70, no.3, pp.339-349, 2015-08-26 (Released:2015-08-26)
参考文献数
40
被引用文献数
7 8

一酸化窒素(nitric oxide, NO)や活性酸素種(reactive oxygen species, ROS)は, 非特異的感染防御機構において重要な役割を演じている。細菌, ウイルス, 真菌といった病原体の種類の如何に関わらず, 感染病態においては, 誘導型NO合成酵素(inducible NO synthase, iNOS)が誘導される。iNOSは, 病原体の持つ様々な菌体由来成分が, 対応する病原体分子パターン認識受容体群(pattern recognition receptors)であるToll-like receptorによって認識されることによって誘導され, さらに感染に伴って産生される炎症性サイトカインやインターフェロンなどによって相乗的に誘導が増強される。iNOS誘導に伴って過剰に産生されたNOは, 感染局所のROSと反応し, パーオキシナイトライトなどの化学反応性に富んだ活性酸化窒素種となり, 特に細菌感染において, 強力な抗菌活性を発揮し, マクロファージ等の貪食細胞による自然免疫と感染防御機能に重要な役割を演じている。その反面, NOやROSは, 宿主の細胞・組織を損傷し酸化ストレスをもたらす。一方近年, NOとROSが生体の酸化ストレス応答の生理的なレドックスメディエーターとして機能していることが明らかになってきた。NOとROSによるレドックスシグナル制御は多岐にわたっており, 感染防御機構と感染・炎症が関わる病態を理解する上で重要な課題であるだけでなく, 感染症の新たな予防・治療戦略の構築に大きく貢献するであろう。
著者
大林 静男 田中 米次郎 植松 典昭
出版者
日本細菌学会
雑誌
日本細菌学雑誌 (ISSN:00214930)
巻号頁・発行日
vol.16, no.4, pp.354-358, 1961-04-25 (Released:2011-06-17)
参考文献数
12
被引用文献数
1 1