著者
東 剛志 菅原 民枝 中田 典秀 山下 尚之 三野 芳紀 田中 宏明 大日 康史
出版者
環境技術学会
雑誌
環境技術 (ISSN:03889459)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.226-232, 2014-04-20 (Released:2014-05-13)
参考文献数
42
被引用文献数
1

本研究は,下水処理場に流入する流入下水中のインフルエンザ治療薬のタミフル及びリレンザの濃度をモニタリングすることにより,ある地域におけるインフルエンザ患者数を把握することが可能であることを示した最初の報告である.まず,2010-2011年及び2011-2012年におけるインフルエンザの流行シーズンに,京都市において流入下水中のタミフル及びリレンザの濃度を継続モニタリングした結果に基づいて,同市におけるインフルエンザ患者発生数を推計した.次に,処方せんに記載された医薬品情報の集計を元に疾病の流行を把握する,薬局サーベイランスによるインフルエンザ患者数との対応性について比較検討した.その結果,両者の相関関係が高く増減推移や患者数に良い一致をみた.これらの結果は,下水処理場に流入する薬剤を基に特定疾患の患者数の推定を行う手法が,新しい疫学調査法として有効であることを示唆している.
著者
山口 晴幸
出版者
環境技術学会
雑誌
環境技術 (ISSN:03889459)
巻号頁・発行日
vol.29, no.8, pp.596-604, 2000-08-20 (Released:2010-03-18)
参考文献数
7
被引用文献数
1
著者
工藤 章 宮原 昭二郎
出版者
環境技術学会
雑誌
環境技術 (ISSN:03889459)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.209-214, 1986-03-30 (Released:2010-03-18)
参考文献数
3
被引用文献数
2 2
著者
植松 喜稔
出版者
環境技術学会
雑誌
環境技術 (ISSN:03889459)
巻号頁・発行日
vol.3, no.11, pp.777-797, 1974-11-18 (Released:2010-03-18)

ここに述べた諸項は詳細にわたるものではなく, 一つの考え方を提示したに過ぎず, 隔靴掻痒の感を免がれない.研究, 実験活動の複雑多様性に鑑み, その発生廃液処理を単純, 一義的に定立することは不可能に近い.廃液処理方法は収集サイドから考え, また処理装置が決定されればその運転サイドから収集方式が再検討され, より合理的なシステムに収斂してゆくべき性格のものであろう.すなわち, 研究所の性格に応じて, さらに個個の実験室の実態に応じて, それぞれのケースについて, あるいは追試を行ない, あるいは新しい観点に立って開発を行ない, 最良の方式を編み出してゆく必要があろう.収集方式はもっとも収集が容易で, かつ, 何びとも面倒がらずに, またたとえ善意であっても全く遣漏のないようなシステムを確立すべきである.処理において集中方式, 中間的なグループ処理, 実験室ごとの個別処理が考えられ, いずれの方式を個々の研究所に定着させるかは, その性格によって異なろう.しかし, 前二者の方式においても特殊な物質を含む廃液は前処理によって予め対象外の成分, あるいは処理の障害となる成分を除くか, 個別処理に委ねるかしかない.処理対象を無限に拡大することは不可能だからである.所詮, 大がかりな装置よりも小回りのきく, より多くのカテゴリー別に分割された共通の中間的なもので, 例えば可搬式のものをいくつか備えた方が好ましい場合もある.いずれにせよ最終的には廃水の集中処理装置を必要とすることは論を俟たない.ここでは収集方式と物質別の個別処理方法を重点に述べたが, すでに指摘したように類似の性質をもつ有害な化合物群, または類似の方法についての単なる処理指針にすぎない.したがってあらゆる化合物, あるいはいくつかの混在成分の完全処理は期し難い.むしろ物質の性状を熟知している研究者が発想を駆使してそれらの物質の完全分解, あるいは安定な形態へ変える方法を考案することが望ましい.究極的にはもっとも体積が小さく, かつ飛散, 拡散の恐れの少ない, 水不溶性で, かつ安定な形態に移行せしめればよい.結局, 無機性のスラッジとなるわけであるが, これらは廃棄物処理システムが確立されるまで, 個々の実験室ないし研究所において集積厳重に保管せざるを得ない現状である.可溶性塩類およびそれらの溶液は低害性ないしほとんど無害ではあるが, 環境汚染防止の立場から, また, 用水処理におけるそれらの除去の困難性から淡水域へ放出しないことが好ましい.研究所全体の塩類使用量が僅少であれば, あえて問題とするには当たらない場合もあろう.実験廃液の収集, 処理は, 排水の排出基準ないし環境水域の基準を遵守するためではなく, より積極的に水域に一切有害物質を放出しないという思想によって貫かれていなければならない.すなわち収集という行動自体が研究従事者の倫理観として定立されなければならない.処理を経た後にも, なお水は処理水として厳然として存在する.一切排出しない建前である以上, 排出すべき処理水の水質を調べ, 安全を確認した上で廃水処理装置ないし下水道へ放流すべきは当然である.とくに水域へ直接放出される場合には入念な水質監視が必要である.また, モニターされない成分については厳重な注意を注ぐべきであろう.水分析は専門従事者以外のものにとっては複雑多様で手間がかかり, 時間浪費型であるばかりでなく, 時に判断に間達いを犯しやすい.恐らく自己の目的とする実験ほど積極的に, 入念には分析をやらないだろう.そこで簡易分析の導入, 自動モニターの設置が必要となるのである.
著者
中川 真
出版者
環境技術学会
雑誌
環境技術 (ISSN:03889459)
巻号頁・発行日
vol.19, no.7, pp.442-447, 1990-07-30 (Released:2010-03-18)
参考文献数
1
著者
末高 透
出版者
環境技術学会
雑誌
環境技術 (ISSN:03889459)
巻号頁・発行日
vol.2, no.5, pp.343-348, 1973-05-18 (Released:2010-03-18)
参考文献数
11
著者
江成 敬次郎 鈴木 淳
出版者
環境技術学会
雑誌
環境技術 (ISSN:03889459)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.226-230, 1995-04-30 (Released:2010-03-18)
参考文献数
8
被引用文献数
1
著者
中村 豊
出版者
環境技術学会
雑誌
環境技術 (ISSN:03889459)
巻号頁・発行日
vol.11, no.10, pp.739-745, 1982-10-30 (Released:2010-03-18)
参考文献数
17
被引用文献数
1

1 0 0 0 OA ダム湖の生態

著者
森下 郁子 森下 雅子
出版者
環境技術学会
雑誌
環境技術 (ISSN:03889459)
巻号頁・発行日
vol.29, no.12, pp.906-911, 2000-12-20 (Released:2010-03-18)
参考文献数
5
被引用文献数
1 1
著者
横山 慎一郎 足立 良富 棚橋 光彦
出版者
環境技術学会
雑誌
環境技術 (ISSN:03889459)
巻号頁・発行日
vol.44, no.9, pp.506-514, 2015-09-20 (Released:2015-12-30)
参考文献数
23
被引用文献数
1 2

高圧水蒸気圧搾蒸留とは,木材圧縮成形の原理を利用し,蒸気釜内で原料を圧縮成形し,その際生じる圧搾汁の蒸留分を回収するものである.本研究では,スギ(Cryptomeria japonica)およびヒノキ(Chamaecyparis obtusa)枝葉部から,アロマオイルとして用いる精油および固形燃料を,同一工程で作出する技術の確立を目的に,高圧水蒸気圧搾蒸留処理の条件について検討を行った.高圧水蒸気圧搾蒸留処理により,常圧蒸留にて10時間で抽出される量(3.80および11.4 g/㎏)以上の精油(13.2-15.6および26.4-33.6 g/㎏)が40分間で得られることが明らかとなった.また,180℃(1.0 MPa)よりも140℃(0.4 MPa)で処理をした方が,得られる精油の匂い成分が常圧水蒸気蒸留と類似しており,かつ抽出量も多かった.本処理残渣のかさ密度は,スギ枝葉部で約18倍(440 ㎏/㎥),ヒノキ枝葉部で約7倍(460 ㎏/㎥)に向上した.さらにこれらの残渣は,廃棄物固形化燃料としての規格を満たしていた.
著者
Yamada R. Tao G. Zheng J. KOJIMA R. FUJIKAWA Y. SASAKI T. 工藤 章
出版者
環境技術学会
雑誌
環境技術 = Environmental conservation engineering (ISSN:03889459)
巻号頁・発行日
vol.28, no.12, pp.931-939, 1999-12-20
参考文献数
51

Studies on ice cores drilled in Antarctic, Greenland and Canadian Arctic ice caps provide the environmental composition and the climate in the past. This information and further study will help in the understanding of the basic natural processes and the extent of human impact on the environment and climate. This will eventually enable us to predict the future of the environment. This review summarizes the state of the art methodologies used in ice core studies, with highlights on the recent studies in this group.
著者
山﨑 博人 吉屋 愛恵 根來 宗孝 福永 公寿
出版者
環境技術学会
雑誌
環境技術 (ISSN:03889459)
巻号頁・発行日
vol.42, no.6, pp.362-369, 2013-06-20 (Released:2013-06-25)
参考文献数
19
被引用文献数
1 2

3,000~5,300 ㎎/LのNH4-N含有排水を高速で,選択的にNO2-に酸化できる含水ゲルに固定化した 亜硝酸菌群による亜硝酸化反応の最適条件の探索,およびそれら亜硝酸菌種の同定を行った.4L の気泡塔中にモデル排水量の10 wt%の固定化亜硝酸菌群を投入して回分式で反応させた.pH 7.0から8まではpH 値の上昇に伴いNO2-生成量が増加し,pH 8.0では5,300 ㎎/L のNH4-N を5,058 ㎎/L のNO2-N に完全変換した.また,遺伝子解析および顕微鏡観察の結果から共存する硝酸還元菌,Methylobacterium extorquens DM4,の作用でNO3-の生成を抑制する本亜硝酸化反応が進行していることが示唆された.本研究は,コンパクトで安価な消滅型の窒素除去排水処理システムの構築につながるものと期待される.
著者
古井 亮太
出版者
環境技術学会
雑誌
環境技術 (ISSN:03889459)
巻号頁・発行日
vol.31, no.6, pp.442-447, 2002-06-20 (Released:2010-03-18)
参考文献数
6
被引用文献数
1 1
著者
西岡 洋 小寺 浩史
出版者
環境技術学会
雑誌
環境技術 (ISSN:03889459)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.301-305, 2005
被引用文献数
1

シダ植物の重金属含有量を調べるために, 兵庫県内7地域に自生するシダ133試料を採取した.蛍光X線分析法および原子吸光分析法を用いて測定した結果, 以下の事実を得た.<BR>1) ウラジロ科のコシダやウラジロはいずれもマンガンについて比較的高いX線強度が得られた.<BR>2) S1地域において採取したシシガシラには数千ppmの鉛が含有されていた.<BR>3) シシガシラにおける鉛含有量は根茎, 根および葉身の順に高かった.