著者
瀧川 具弘 バハラヨーディン バンチョー 小池 正之 ウサボリスット プラティアン 佐久間 泰一 楊 印生
出版者
農業食料工学会
雑誌
農業機械學會誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.64, no.5, pp.51-59, 2002-09-01
参考文献数
14

タイでは, 経済発展に伴い農村での労働力減少, 高齢化が進行しており, 併行して大形農業機械を使用する受託農作業システムの普及が着実に進んでいる。本研究では, 中央平原の Nong Pla Mor 区を対象とした調査に基づき, このような受託農作業者 (コントラクタ) の運用実態を報告する。ここでは, Nong Pla Mor 区でのコントラクタ利用の特徴的な状況についてアンケート調査により農民意識と技術受容構造の関係について調べた。調査地では, 全農家が耕起から収穫までの諸作業でコントラクタを利用していた。こうした受託農作業では, 小形農業機械を利用した互助的形態と, 高価な大形機械を利用する半専業的形態とがあった。後者には, 乗用トラクタによる耕起作業受託とタイ製普通コンバインを用いた収穫作業受託が該当した。
著者
アブドゥラカシム ワンラット 小池 正之 瀧川 具弘 長谷川 英夫 余田 章 バハラヨーディン バンチョー ウサボリスット プラティアン
出版者
農業食料工学会
雑誌
農業機械學會誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.77-85, 2005-03-01
参考文献数
13
被引用文献数
1

本研究は, 移動中の車両荷重によって変化する土中応力を, 乾燥密度の変化として把え, 土壌の締固め状況を予測することを目的としている。土中応力は, 八面体応力変換器を用いて実測した。またニューラルネットワークモデルは, 乾燥密度が土の物理的特性と応力関連変数の関数であるとして構築した。乾燥密度の予測では, rms値誤差は4.28%, 相関係数は0.838であった。さらに感度解析により, 垂直応力とせん断応力は, 土の締固めの主要な影響因子であることが分かった。締固めの発生し易さは, 主に初期乾燥密度と含水比に依存した。
著者
ジュンユセン パユンサク 瀧川 具弘 小池 正之 長谷川 英夫 バハラヨーディン バンチョー
出版者
農業食料工学会
雑誌
農業機械學會誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.61-69, 2005-03-01
参考文献数
12
被引用文献数
2

本論文では, 農用車両にけん引されるトレーラの地点への誘導のために利用できる軌跡制御器の開発を報告する。この制御器は, 軌跡を直交座標での多項式で表現するフィードフォワード制御を行うご制御の目的は, トレーラを与えられた地点まで軌跡に追従走行して到達することである。トラクタ・トレーラの運動モデルを用いてエラーが存在しない条件で行ったシミュレーションでは, このフィードフォワード制御は目的地点への走行可能であることを確認できた。しかし, 誤差がある場合, 後退時には目的地点での位置誤差が無視できない程大きくなった。そこで, 軌跡周りに線形化したシステム方程式を用いて設計したフィードバック制御を, 後退時の走行安定化と目的地点での誤差縮小のために導入した。フィードバック系の設計には極配置法と最適制御とを用い, 両者を比較した。シミュレーションでは両フィードバックともシステムを安定化できたが, 最適制御理論により設計した制御器が極配置法に比べ優れていた。
著者
ジュンユセン パユンサク 瀧川 具弘 小池 正之 長谷川 英夫 バハラヨーディン バンチョー
出版者
農業食料工学会
雑誌
農業機械學會誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.70-76, 2005-03-01
参考文献数
10
被引用文献数
3

第1報で提案した軌跡制御を, 実規模のトラクタとトレーラを用いて試験した。トラクタ・トレーラの位置はデッド・レコニング法で計算し, 試験はコンクリート路面上で行った。試験の結果, 後退時にはフィードフォワード制御のみではトレーラを目的地点に誘導できないが, フィードバック制御の導入により誘導が可能となることを確認した。フィードバック制御では, 極配置法と最適制御との比較も行った。目的地点での位置誤差については両者に大きな差はみられなかった。しかし, (8m, 3m) 地点への誘導中にみられた軌跡からの位置誤差は, 極配置法で14cm, 最適制御で9cmであった。これらデータより, 軌跡追従性では最適制御が優れることを示していた。

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出版者
農業食料工学会
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.706-707, 1976 (Released:2010-04-30)
著者
横江 未央 川村 周三
出版者
農業食料工学会
雑誌
農業食料工学会誌 (ISSN:2188224X)
巻号頁・発行日
vol.76, no.2, pp.170-178, 2014-03-01 (Released:2017-03-27)
参考文献数
17
被引用文献数
1

パネルは官能試験における重要な分析機器である。本研究では官能試験においてパネルの地域間差や年齢間差が米の官能評価に与える影響について検討した。さらに,米の官能試験において,官能試験の経験がないパネルを用いた際のパネル数が官能評価の精度に与える影響について検討した。その結果,米の官能評価ではパネルの地域間差は認められなかった。パネルの年齢間差は特定の傾向は認められなかったが,パネルの年齢は官能評価の結果に影響を与える可能性があることがわかった。また,官能試験の経験のないパネルであっても,その人数を40人以上とすることで精度が良い官能評価が可能であることがわかった。
著者
川村 周三 夏賀 元康 河野 慎一 伊藤 和彦
出版者
農業食料工学会
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.95-104, 1996 (Released:2010-04-30)
参考文献数
17

機器分析による米の食味評価法が開発され実用化されている。しかし, 機器分析による米の食味評価が官能試験の食味評価に換えて利用できるか, それぞれの機器で得られた食味評価に相関があるか, などの客観的データに少ない。そこで, 近赤外分光法を利用した3機種と電磁波を利用した1機種を用い, 61種類の米の機器分析と官能試験とを行った。機器分析による食味評価と官能試験の総合評価との相関は低かった。したがって, これらの機器は食味評価として数値を示すほどの精度はなく, 食味別に米をグループ分けすることに用いるのが適当であった。各機器の食味評価値の間に互換性はなかった。機器分析法による米の食味評価の今後の発展のためには食味評価尺度の統一が不可欠である。
著者
飯田 岳 野口 伸 石井 一暢 寺尾 日出男
出版者
農業食料工学会
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.87-93, 2000-03-01 (Released:2010-04-30)
参考文献数
40

精密ほ場管理技術による適切な窒素施肥管理が, 収量増加, 環境保全や生産コスト削減の面から期待されている。本研究はマシンビジョンを用いた作物窒素ストレスのリモートセンシングシステムの開発を最終目標とし, 本報ではシステムの構想を概略した。既往のディジタル葉緑素計や葉色カラースケールに対し, 葉面反射率を測定するマシンビジョンによる窒素ストレス診断法を提案した。トウモロコシ葉面の分光反射特性を調べた結果, 反射測定においては550nm, 650nm分光が窒素ストレス推定に適していると判断し, 今後屋外実験においてマシンビジョンに装備する光学バンドパスフィルタの波長帯を550nm, 650nmに決定した。
著者
鳥居 信平
出版者
農業食料工学会
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.3, no.4, pp.251-262, 1939-12-25 (Released:2010-04-30)
著者
富樫 千之 松森 一浩 上出 順一
出版者
農業食料工学会
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.60, no.5, pp.83-89, 1998-09-01 (Released:2010-04-30)
参考文献数
11

ディーゼル機関の代替燃料の一つとして研究している植物油 (ナタネ脱酸油, パーム脱酸油) および両油と軽油の混合油の動粘度と噴霧粒径の関係を調べた。噴霧粒径の測定は前報と同様に受止め液をシリコン油とする液浸法とし, 動粘度は供試植物油と軽油の混合割合および燃料噴射温度を変えて調整した。その結果, 各噴射温度において供試油の動粘度が高くなるにつれて, 平均噴霧粒径は連続的に大きくなり, 2油種間に相違は認められなかった。さらに, 噴射温度が異なっても, 平均噴霧粒径は供試油の動粘度との関係で1本の曲線に整理できることを明らかにした。