著者
繆 冶煉 アガド マルシャルD. 吉崎 繁
出版者
農業食料工学会
雑誌
農業機械學會誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, pp.43-48, 1996-09-01
参考文献数
11
被引用文献数
1

95%相対湿度の空気中, あるいはまき床で培養した玄米試料の遊離アミノ酸を定量分析した。空気中で培養した玄米に蛋白質および遊離アミノ酸の含有量の変化は見られなかった。一方, 15, 30および40℃のまき床での培養により玄米の遊離アミノ酸総量は23.05mg%からそれぞれ31.18, 54.79および40.75mg%に増加した。遊離アミノ酸の生成は蛋白質の分解に由来し, その過程は一次反応モデルで近似できた。各遊離成分の生成速度は温度によって異なり, それらの含有量は温度および時間の制御によって調整できることが明らかになった。
著者
住田 憲俊
出版者
農業食料工学会
雑誌
農業食料工学会誌 (ISSN:2188224X)
巻号頁・発行日
vol.76, no.5, pp.360-364, 2014-09-01 (Released:2017-03-27)
参考文献数
2
被引用文献数
1
著者
横江 未央 川村 周三
出版者
農業食料工学会
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.70, no.5, pp.55-62, 2008

本研究は, 市販の普通精米と無洗米を用いて貯蔵試験を実施し, 理化学測定と官能試験を行い, 精米の賞味期限を設定することを目的とした。本報では特に貯蔵中の精米の理化学特性の変化について検討した。貯蔵試験は-20℃, -5℃, 5℃, 15℃, 25℃の温度で1年間行った。さらに翌年-20℃, 5℃, 15℃, 20℃, 25℃で6ヵ月の貯蔵試験を行った。その結果, 脂肪酸度は貯蔵に伴い貯蔵温度が高いほど大きく増加したが, 多くの理化学測定項目において普通精米, 無洗米ともに, 温度15℃以下では貯蔵終了時まで変化が認められなかった。炊飯米外観および米飯粘弾性では, 貯蔵前の品質が良い米は貯蔵中の品質劣化が小さく, 貯蔵前の品質が悪い米は貯蔵中の品質劣化が大きかった。

1 0 0 0 OA 用語

出版者
農業食料工学会
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.1-16, 1967-12-01 (Released:2010-04-30)
著者
田尻 智紀 高田 洋吾 川合 忠雄
出版者
農業食料工学会
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.75, no.3, pp.175-180, 2013-05-01 (Released:2014-12-03)
参考文献数
9

本論文では,車輪型移動機構を持つロボットが移動できるような出発地点から目的地点までを結ぶ移動経路の作成を試みた。車輪型機構を持つ農作業用ロボットは,その機構的な要因から段差に進入することができない。そこで,地面の勾配を考慮した経路作成を行った。Q 学習は経路作成によく利用される手法のひとつである。Q 学習を用いて,ロボットに勾配の小さい最適な経路を学習させる。実際のロボットを用いて,段差やスロープのある実環境下で実験を行い,本手法の有効性を調べた。実験結果から,本手法の有効性が確認できた。

1 0 0 0 OA 野菜用機械

著者
千葉 博之
出版者
農業食料工学会
雑誌
農業食料工学会誌 (ISSN:2188224X)
巻号頁・発行日
vol.78, no.6, pp.478-482, 2016-11-01 (Released:2019-12-03)
参考文献数
10
著者
佐藤 次郎
出版者
農業食料工学会
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.385-391, 1973

With the progress of power farming, the number of farmer's blacksmithies has been decreased every year, as their main jobs ars to produce and repair Japanese-hoes. But I believe that their traditional technique is unique and excelent, and worth transmiting.<br>Following is the representative process and technique of producing Japanese-hoes by farmer's blacksmithies in Fukushima prefecture.<br>1) SS4IP, soft steel is used most often as the base steel of the hoes. Tamahagane (steel made from iron sand), Nabehagane (pan-bottom substitute for steel) and Zenihagane (coin substitute for steel) are used as the substitute for hard steel, and Nabehagane is used most often among them. Nabehagane and Zenihagane, so called by farmer's blacksmithies, are both old cast irons.<br>2) Pine-charcoal or Chestnut-charcoal are always used in forging, as the temperature of heating rises rapidly with them. Most tools for forging are self-makes by farmer's blacksmithies.<br>3) Ordinarily, Japanese-hoes are made through five steps, that is, preparing, cutting, forging, quenching, and finishing, and the process consists of eighteen unit operations. The main operations of them are marking-off, chiseling, drowing down, teyori (twisting), tewari (cutting), forge welding, and quenching. The operation of forge welding consists of crushing Zenihagane of Nabehagane into small pieces, placing them on the base steel, and melting them by heating over 1100&deg;C. After then the welded steel is forged ten to twelve times. Quenching is the operation of heating the hoe up to 850&deg;C and putting it into water of 30&deg;C. Forge welding and heat treatment are the most delicate techniques in making hoes.

1 0 0 0 OA コンバイン

著者
松原 一晃
出版者
農業食料工学会
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.74, no.6, pp.408-413, 2012-11-01 (Released:2014-02-20)
著者
呂 慶云 後藤 清和 西津 貴久
出版者
農業食料工学会
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.72, no.3, pp.291-296, 2010-05-01 (Released:2013-03-05)
参考文献数
9
被引用文献数
2

「GABA富化玄米」は健康食品であり,「発芽玄米」として市販されている。本報においては,GABA富化条件(温度,時間,送気等)のGABA含有量,発芽率,質量損失等の発芽玄米の品質に対する影響を検討した。また,GABA富化時に浸漬水での微生物の繁殖を抑制するために電解酸性水を使用し,効果を検討した。その結果,富化条件と「GABA富化玄米」の品質の間には種々の関係が存在することが明らかとなった。
著者
田中 芳夫 小川 洋司
出版者
農業食料工学会
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.61-67, 1990
被引用文献数
5

温州ミカンを対象とした果実収穫ロボット用視覚センサの開発を目的として, パソコンベースの色彩画像処理による果実検出法を検討した。<br>カラーTV出力を容易に利用できる手法として, カラー濃淡画像の判別しきい値法によるしきい値処理および色差信号による特定色度領域の抽出法を検討し, それぞれの手法を直射日光下の野外の果樹園における画像に対して適用した。いずれの方法も, 反射, 影等の外乱下で良好に果実を検出することが可能であった。
著者
稲野 一郎 大波 正寿 鈴木 剛
出版者
農業食料工学会
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.69, no.3, pp.59-66, 2007

直播てんさいの出芽率を確保するために, 播種前工程における鎮圧法を明らかにした。低地土においてはハローパッカによる中層鎮圧に加え, ロータリハロー付属のローラによる鎮圧を施すことで, 深さ10~20cmのコーン指数を1.0MPaに高め, 目標出芽率85%を確保できた。ハローパッカは, ディスクハローに比べ, その作業後のロータリハローのPTO軸所要動力が1.5kW増加する。一方, 多湿黒ボク土でハローパッカを2回施工したところでは, 作土下層部に不透水層ができ出芽率が低下した。低地土における出芽率85%を確保するための土塊径4.75mm以下の割合と深さ10~20cmのコーン指数の組み合わせは, 土塊径4.75mm以下の割合58%で1.0MPa以上, 60%で0.9~1.0MPa, 65%で0.9MPa未満であった。
著者
長広 仁蔵
出版者
農業食料工学会
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.257-267, 1982

本研究は, およそ10PS {7.5kW} ぐらいまでの小形汎用空冷ロータリ機関を基本設計する際に必須の (1) 正味平均有効圧, ガスシール類の最適スキマ, 主要部品の設計寸法比などの設計基準値, および (2) 主要部品の適正材質, ロータハウジングのトロコイド面の表面処理方法, 適正潤滑油などを明らかにする目的で行われたものである。<br>第1報では, 二つの試作機関に関し最終的に得られた全開出力性能とこれに関連する諸事項, および機関の負荷運転時における高温燃焼ガスの主吸気通路への漏れなどが主原因する体積効率の低下現象すなわち出力性能の向上限界などの諸問題を取扱った。<br>引続き第2報以下において, (1) 出力性能に影響を及ぼす諸因子の検討, (2) 低負荷域における不整燃焼とその対策, (3) 排気ガス組成および排気ガス温度低減対策, (4) 機関の冷却および (5) 耐久性などに関する諸問題を取扱う。
著者
水島 晃 野口 伸 石井 一暢 寺尾 日出男 行本 修 山本 聡史
出版者
農業食料工学会
雑誌
農業機械學會誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.63, no.4, pp.96-102, 2001-07-01
参考文献数
22
被引用文献数
2

本研究は内界センサによる推測航法を採用することで極力ローコストな自動直進車両の開発を目的としている。航法センサとして地磁気方位センサ (Geomagnetic direction sensor; GDS) とジャイロスコープを使用し, センサを複合化することでセンサ精度, 直進精度の向上を図った。第1報では, ジャイロスコープに比較的精度の高い光ファイバージャイロ (FOG) 方式を採用し, センサ精度の評価と複合化手法を検討するために, 自律走行トラクタによる自動直進走行試験を行い, その性能を評価した。センサの複合化にはカルマンフィルタを適用し, 車両の運動モデルを構築することで車両方位と横方向偏差を推定した。カルマンフィルタによってGDSとFOGを複合化することで, 個々のセンサ単独による推測航法よりも精度の高い自動直進走行システムを開発することができた。
著者
望月 裕貴 飯田 訓久 栗田 寛樹 趙 元在 村主 勝彦
出版者
農業食料工学会
雑誌
農業食料工学会誌 (ISSN:2188224X)
巻号頁・発行日
vol.77, no.6, pp.464-469, 2015

<p>本研究では,自脱コンバインロボットによる隅刈制御手法の開発を行った。隅刈とは,コンバインが圃場の4隅で旋回するために必要なスペースを作るための刈取作業である。4条刈自脱コンバインロボットにより実験を行った結果,稲の踏み倒しや刈残しをせずに十分な旋回スペースを作ることが可能であった。目標経路に対する走行精度は,隅刈行程時の横偏差で最大0.102m,旋回後に次刈取経路に対する横偏差で最大0.064m,方位偏差で最大8.10°であった。</p>
著者
斎藤 正博 玉城 勝彦 西脇 健太郎 長坂 善禎
出版者
農業食料工学会
雑誌
農業機械學會誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.74, no.4, pp.312-317, 2012-07-01
参考文献数
9
被引用文献数
1

自脱コンバインをベースとし,RTK-GPS,方位センサによる位置,方位情報に基づいて収穫作業を行う無人自脱コンバインを開発した。センシングデバイスや制御アクチュエータ等をモジュール化し,デバイス間の通信規格として CAN バスを採用した。100 m &times; 30 mの圃場での小麦収穫の作業精度は,長辺方向で RMS0.04 m,短辺方向で RMS0.08 mであり,刈り残しや踏み倒し無く収穫作業が可能であった。無人自脱コンバインの収穫作業全体の作業能率は,手動で行った最外周の周り刈りと排出作業を含めて 18.7 a/hであった。
著者
瀧川 具弘 バハラヨーディン バンチヨー 小池 正之 ウサボリスット プラティアン
出版者
農業食料工学会
雑誌
農業機械學會誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.64, no.5, pp.60-67, 2002-09-01
参考文献数
10
被引用文献数
2

タイ製コンバインを用いた稲収穫作業受託者の役割と活動状況についてタイ国中央平原の Nong Pla Mor 区での聞き取り調査結果を中心に報告した。タイ製コンバインは普通コンバインの一種で, 価格は輸入製品に比べ安価であった。このコンバインは, 1990年代初めから普及し始め, 現在は約3,000台程度が稼働している。収穫作業委託は, 経費が安価で, かつ適期に短時間で作業が実施できる点で評価されていた。Nong Pla Mor 区では後継者がいる農家は少なく, 将来はコントラクタへの作業全面委託を選択肢と考える農民が多かった。この種のコントラクタは100km以上に及ぶ地域を移動しながら年間7月以上にわたって受託収穫作業を行っていた。このような広範囲での活動は, 作業受委託を仲介する地域の実力者でもある仲介者 (タイ国でナイナーと称する) によって支えられていた。