著者
深田 忠徳
出版者
鹿児島国際大学福祉社会学部
雑誌
福祉社会学部論集 = Quarterly journal of welfare society (ISSN:13466321)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.43-52, 2017-07

本研究の目的は、サッカーの授業を行う現場教員へのインタビュー調査から、体育授業における「戦術学習」の実態及びそれに関する教員の意識について明らかにすることである。研究の方法は、サッカーの専門家としての豊富な経験を有する現場教員を選定して、半構造化インタビューを実施した。質問項目は、高等学校学習指導要領解説にある「ボール操作」及び「ボールを持たない時の動き」におけるそれぞれの「例示」に記された内容を設定した。結果、「安定したボール操作」というサッカーの基礎的技術となる個人スキルが獲得されていないなかで、「ボールを持たない時の動き」といったより専門的かつ戦術的なプレイが求められることに対して、教員側は指導に対して苦慮しており、学習指導要領と現場とは泥離しているとの認識があることが明らかになった。

2 0 0 0 IR 甑島の植物

著者
木戸 伸栄 キド ノブヨシ Kido Nobuyoshi
出版者
鹿児島国際大学福祉社会学部
雑誌
福祉社会学部論集 = Quarterly journal of welfare society (ISSN:13466321)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.75-96, 2016-02

甑島は、鹿児島県薩摩半島のいちき串木野市の沖合約45kmにある。上甑島、中甑島、下甑島の3つの島からなり、長さは38km,幅10km、面積117.56km²、最高標高地点は下甑島の尾岳(603m)である。自然景観や植物群落が残されていることから平成27年3月16日国定公園に指定された。5回の調査で、105科403種(シダ植物15科40種、裸子植物5科5種、被子植物双子葉71科276種、被子植物単子葉14科82種)の植物を観察した。特記すべき植物として、サツマノギク、ホタルプクロ、ツメレンゲ、ニシノヤマタイミンガサ、カノコユリ、ニシノハマカンゾウ、ダンギク、ダルマギクがある。 調査日:2015年4月11~12日 上甑島 中甑島 2015年4月18日 下甑島 2015年6月6~7日 下甑島 2015年9月19日 下甑島 2015年10月5日 上甑島Plants of Koshikishima are 105 family 403 species (Pteridophyta 15 family 40 species, Gymnospermae 5 family 5 species, Dicotyledoneae 71 family 276species, Monocotyledoneae 14family 82species) in five investigation Koshikishima was appointed in the quasi-national park on March 16, 2015. The plant which should mention speciallyare Dendranthema ornatum, Campanula punctata, Orostachys japonicas, Cacalia yatabei var. occidentalis, Liliumspeciosum, Hemerocallis fulva var. aurantiaca, Asterspathulifolius, Caryopteris incana.
著者
深田 忠徳 フカダ タダノリ Fukada Tadanori
出版者
鹿児島国際大学福祉社会学部
雑誌
福祉社会学部論集 = Quarterly journal of welfare society (ISSN:13466321)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.25-33, 2015-03

The purpose of this study, on the basis of historical documents related to soccer, is to reveal the watching formof soccer spectators in Japan.This study analyzed the spectators, referees and players.They are all memberswho constitute a soccer game. It is possibleto reveal watching form of soccer spectators from the overall structure of the game, by to consider them. Consequently, thewatching form of soccer spectators was not formed only by them. The rough play of players and the low skills of thereferees, had affected the watching form of soccer spectators.By soccer spectators interact with each other the referees and players who are a member of the game, the watching formof soccer spectators have been formed.
著者
佐々木 陽子
出版者
鹿児島国際大学福祉社会学部
雑誌
福祉社会学部論集 = Quarterly journal of welfare society (ISSN:13466321)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.1-12, 2015-01

科学技術の進展は法律上の親子関係、特に父子関係に二つの問題を投げかけた。一つは、生殖補助医療による子の親は誰かという問題である。生殖補助医療をめぐる法整備がなされない中、最高裁判所は生殖補助医療による多様な親子関係を、自然生殖による親子関係を前提に明治時代に制定された民法の解釈から判断してきた。しかし、これらの判断は、生殖補助医療の急速な進展により、前提となっている自然生殖による親子関係についての民法解釈をめぐる疑義に答えが出されないままなされた面がある。科学技術の進展がもたらしたDNA鑑定の精度の向上は、この前提である自然生殖による親子関係を揺さぶるという、いま一つの問題を投げかけた。最高裁は、婚姻中に妻が懐胎して生まれた子については血縁主義を貫かず、婚姻制度を重視することで、自然生殖によって生まれた子と、生殖補助医療により生まれた子を含めた親子法制の整合性を図ることを選択したといえる。
著者
帖佐 尚人
出版者
鹿児島国際大学福祉社会学部
雑誌
福祉社会学部論集 = Quarterly journal of welfare society (ISSN:13466321)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.17-26, 2014-10

「親のライセンス化」論は、子の出産・養育に先立って、全ての親に一定のライセンス取得手続きを要求することで不適格な親(incompetent parent)を排除し、全ての子どもが適格性を有する親による保護・養育を受けられるようにすることを企図したもので、1980年にアメリカの倫理学者H.ラフオレットが提唱して以降、賛否両論の活発な議論が展開された。しかし、実のところこの主張は極めて極端なものであり、あくまで思考実験レベルでの議論にとどまるものであると捉えるのが妥当であろう。そこで本稿では、この「親のライセンス化」の代替策、つまり親の権利制約をより少ない次元にとどめつつも、一方で児童虐待を事前的レベルで抑制し得る理論・制度を探求することを目的として、アメリカの児童精神医学者J.ウェストマンの青年期妊娠・出産規制論を検討する。彼の主張は、別稿で取り上げた上記のラフオレットの代替的理論とは異なり、「親のライセンス化」という発想の実質的な放棄を試みている点で特徴的と言えよう。
著者
綱川 菊美 ツナカワ キクミ Kikumi Tsunakawa
出版者
鹿児島国際大学福祉社会学部
雑誌
福祉社会学部論集 = Quarterly journal of welfare society (ISSN:13466321)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1・2, pp.16-23, 2022-10-01

本稿では、現在、世界的に進展しつつあるDIX (デジタルトランスフォーメーション)に対し、日本ではレガシー問題を抱えたままであること、また次世代インターネットWeb3.0を巡る新しい動きが勢力を増していることについて記した。プロックチェーン技術の可能性を利した新たなサービスシステムが急激に進展し、STEM教育の申し子たちが牽引する、新たな経済社会の一端について展望した。
著者
佐々木 陽子 ササキ ヨウコ Yoko Sasaki
出版者
鹿児島国際大学福祉社会学部
雑誌
福祉社会学部論集 (ISSN:13466321)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.1-14, 2013-07

本稿は、義親の介護を担う「介護嫁」の孕む問題を、以下の二点に焦点をあて論じる。一つは、厚生労働省などの公的データーに依拠し、「誰に介護を希望するか」の期待値と「誰が実際には介護を担っているか」の現実値のギャップが「嫁」についてはいかに大きいかを捉え、それを介護労働の無償性との関連で考察する。いま一つは、相対的に高齢な「介護嫁」は夫に代わって義親を介護する事を自明視する心性を内面化しながらも、親身にまた長きにわたり介護者となっても、法定相続人にはなれないとの法の孕む問題を考える。法律レベルでは、「嫁」の介護労働の無償性に対し、いくつかの救済の道が用意されている。例えば、遺言や生前贈与あるいは養子縁組をし法定相続人になることで、嫁の介護に対する財産的保障を担保したり、また「嫁」に介護を丸投げしてきた義理の兄弟姉妹に遺産相続がなされる場合、彼らに不当利得返還請求を行う事などがあげられる。だが、法律が想定する人間類型は、明確な権利主体として自己決定しうる自立した人間を前提としている。権利を行使しないのは、その人間の自立心のなさゆえであるとの見方を「介護嫁」にあてはめることの過酷さを考えたい。
著者
佐々木 陽子 ササキ ヨウコ Yoko Sasaki
出版者
鹿児島国際大学福祉社会学部
雑誌
福祉社会学部論集 (ISSN:13466321)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.1-14, 2016-07-01

日本とメキシコとは14時間もの時差があり遠く離れている。しかし、死者に飲食物を供える習俗を共有している。西欧の献花台にあるのは、ろうそくと花のみで、西欧の合理主義的見地からは「死者は食べない」と言われる。日本では、死してものどが渇き飢える死者・像が受容される。日本のお盆では今もって一部の地域では墓前飲食が行われている。メキシコの11月1日・2日の「死者の日」は、お盆同様に死霊を墓で歓待し飲食物で迎える。日本では迎え火をたいて霊魂が迷わないようにと、メキシコではオレンジ色のマリーゴールドの花びらを墓から家路までまいて死霊が迷わずに到着できるように配慮され、死者は家人に招き入れられる。日本との類似性を見出しつつも、メキシコではガイコツのお菓子・おもちゃが充満し、「死を笑う心性」「死しての平等」の譜誰と歪んだ平等性は、メキシコの歴史と深い死生観に根差していることを考えさせられる。

1 0 0 0 IR 悪石島の植物

著者
木戸 伸栄 キド ノブヨシ Nobuyoshi Kido
出版者
鹿児島国際大学福祉社会学部
雑誌
福祉社会学部論集 = Quarterly journal of welfare society (ISSN:13466321)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.27-45, 2014-10

悪石島は、周囲12.64km、面積7.49km²、最高標高の御岳は584mである。標高400m位から上の高い所にはオニクラマゴケ、アラゲサクラツツジ、ハクサンボク、ヤブツバキ、ヘツカリンドウ、サツマイナモリ、フユイチゴ、タマザキヤマビワソウなどが見られる。2回の調査で、89科233種の植物(シダ植物9科25種、裸子植物3科3種、双子葉植物65科159種、単子葉植物12科46種)を観察できた。分布上特記すべき植物として、ソメモノカズラ、タマザキヤマビワソウ、サツマイナモリ、オキナワクルマバナ、オイランアザミ、アダン、クロツグがある。調査日:2014年1月28日 2014年2月22日
著者
木戸 伸栄 キド ノブヨシ Nobuyoshi Kido
出版者
鹿児島国際大学福祉社会学部
雑誌
福祉社会学部論集 = Quarterly journal of welfare society (ISSN:13466321)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.95-107, 2017-10

御在所岳は志布志市の北に位置し、標高530mの山である。2回の調査で、86科228種(シダ植物7科21種、裸子植物5科5種、被子植物双子葉65科177種、被子植物単子葉9科25種)の植物を観察した。調査日:2010年11月1日 2016年3月12日
著者
茶屋道 拓哉 山下 利恵子 有村 玲香 大山 朝子 高橋 信行 チャヤミチ タクヤ ヤマシタ リエコ アリムラ レイカ オオヤマ アサコ タカハシ ノブユキ Takuya Chayamichi Rieko Yamashita Reika Arimura Asako Oyama Nobuyuki Takahashi
出版者
鹿児島国際大学福祉社会学部
雑誌
福祉社会学部論集 = Quarterly journal of welfare society (ISSN:13466321)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.21-30, 2020-12-01

本研究は2020年度における鹿児島国際大学福祉社会学部のソーシャルワーク実習(社会福祉士養成課程)を素材に、COVID-19流行下における①学内代替実習の具体的プログラム内容、②学内代替実習の運営、③実習の5者関係から見た学内代替実習に対する一定の評価、について精査した。学内代替実習プログラムは当事者不在になりがちであったが、「ソーシャルワーク視点・地域アセスメントの可視化」を試みた実習指導者によって実習生とイメージの共有化を図ることができていた。ただし、実習を取り巻く5者関係から再検証すると、実習生が体験すべき「リアリテイ」については不足し、実習生自身の課題が何なのか向き合う機会(成長の機会)の確保が課題であった。また、学内代替実習の運営については様々な課題があったものの、担当するスタッフのチームワークや組織マネジメントによって対応することが可能であった。
著者
大山 朝子 オオヤマ アサコ Asako Oyama
出版者
鹿児島国際大学福祉社会学部
雑誌
福祉社会学部論集 = Quarterly journal of welfare society (ISSN:13466321)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.2-19, 2018-12

本稿は、社会福祉サービスにおける地域の中核的行政機関として位置づけられている福祉事務所の動向をふまえ、福祉事務所における実習体制およびプログラム等から実習教育の現状を整理し、今後の課題を展望することを目的とした。その結果、福祉事務所における社会福祉実践体制の変化による受入れ先の縮小化、実習指導者の確保の困難さ、実習の受け入れ体制の不統一性等の課題が確認できた。課題を解決するには、福祉事務所に対し、実習の協力を義務づけるような政策的な姿勢が必要である。と同時に福祉事務所側に実習生を受入れることの意義を理解してもらうことが不可欠である。
著者
木戸 伸栄
出版者
鹿児島国際大学福祉社会学部
雑誌
福祉社会学部論集 = Quarterly journal of welfare society (ISSN:13466321)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.75-94, 2015-10

口永良部島は屋久島の西方12kmに位置する。海岸線長49.67km、面積38.04km²、最高標高657m、(古岳)である。2014年8月3日に34年ぶりに噴火し、現在火口半径2km以内は警戒レベル3で入山規制がなされていた。そのため今回の調査は火口半径2km以外のひょうたん型の突き出た半島を主に調査を行った。この調査で、101科280種の植物(シダ植物9科25種、裸子植物5科5種、双子葉植物71科185種、単子葉植物16科65種)を観察した。 シカとヤギによる食害が広くみられた。調査日:2015年5月3~5日
著者
佐々木 陽子 ササキ ヨウコ Yoko Sasaki
出版者
鹿児島国際大学福祉社会学部
雑誌
福祉社会学部論集 (ISSN:13466321)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.1-15, 2015-10-01

「老い」から「死」への連なりは、我々の多くが辿ることになる道程である。だが、特殊な場合を除き、若さとは「老い」も「一人称の死」も忘却して生きることのできる特権的時代であり、若者の時間は未来にある。それに対し、老人の時間は過去にある。近年、ボーヴオワールの『老い』の翻訳本が、40年ぶりに新装版として再出版された。本書は、「老い」をめぐる通時的・共時的な先行研究の宝庫であり、民族学、文学、社会学、文化人類学などの知見を用いて「老い」を鳥撤的に描き出す。老いに付きまとう孤独感や不安は、人間存在の実存的な問いを投げかけつつも、階級などの変数によって「老い」のあり様の差異をも告発する。現代社会における若さの賛美は、裏を返せば「老い」の隠蔽であり、さらには、「一人称の死」の不可視化にも連なる。だからこそ、今「老い」を改めて問い返すことに意味があると考える。本稿の「老い」の考察を通じて、その後、棄老物語分析へと繋げていきたい。
著者
井手口 彰典
出版者
鹿児島国際大学福祉社会学部
雑誌
福祉社会学部論集 (ISSN:13466321)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.87-99, 2013-03-01

「同人音楽」と呼ばれる実践が日本で拡大・浸透を続けている。同人とは本来 「趣味を同じくする仲間」を意味する言葉であったが、今日ではいわゆる「オタク系文化」と密接に関連した語として理解されていると言ってよい。オタク(やその文化)は現代日本を象徴する現象として既に世界的に知られており、その研究も活発であるが、しかし一方で同人活動については、未だ手つかずの課題が多く残されているように見受けられる。ならば、同人活動の一端である同人音楽について論じることは、単に新興の音楽実践の内情を明らかにするというのみならず、現代日本文化の一側面を理解する上でも大きな意義があると言えるのではないか。そこで本論文では、まず同人音楽の具体的な活動内容を記述し、次いで当該実践を支える4つの環境要因の抽出を試みる。さらに同人音楽の本質を「妨げられない」という点に求め、その可能性を考究する。
著者
木戸 伸栄
出版者
鹿児島国際大学福祉社会学部
雑誌
福祉社会学部論集 (ISSN:13466321)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.43-55, 2016-10-01

蘭牟田池は薩摩川内市祁答院町にあり、面積0.63平方キロメートル、周囲長2.7km、最大深2.7mの火山湖である。水面の標高は295mで「泥炭形成植物群落」として国指定の天然記念物になっている。4回の調査で、91科281種の植物(シダ植物8科14種、裸子植物5科7種、双子葉植物63科196種、単子葉植物15科64種)を観察した。調査日:2011年10月30日 2013年8月26日 2015年10月13日 2016年2月19日
著者
木戸 伸栄
出版者
鹿児島国際大学福祉社会学部
雑誌
福祉社会学部論集 (ISSN:13466321)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.43-55, 2016-10-01

蘭牟田池は薩摩川内市祁答院町にあり、面積0.63平方キロメートル、周囲長2.7km、最大深2.7mの火山湖である。水面の標高は295mで「泥炭形成植物群落」として国指定の天然記念物になっている。4回の調査で、91科281種の植物(シダ植物8科14種、裸子植物5科7種、双子葉植物63科196種、単子葉植物15科64種)を観察した。調査日:2011年10月30日 2013年8月26日 2015年10月13日 2016年2月19日