- 著者
-
土田 まつみ
三浦 正江
- 出版者
- 日本カウンセリング学会
- 雑誌
- カウンセリング研究 (ISSN:09148337)
- 巻号頁・発行日
- vol.44, no.4, pp.323-335, 2011 (Released:2016-03-12)
- 参考文献数
- 21
- 被引用文献数
-
1
本研究の目的は,小学校における不登校の予防を目的として,心理的ストレス尺度の結果に基づく理解と働きかけといった一連の介入アプローチの効果を検討することであった。計22学級の児童に対して,学校ぎらい感情,ストレス反応,学校ストレッサー,ソーシャルサポートの測定尺度を実施し,学校ぎらい感情の高得点者をスクリーニングした。学級担任と心理学の専門家とで,当該児童のストレス状態について情報・意見交換を行い,それに基づいた介入を学級担任が行った。その結果,当該児童の学校ぎらい感情が介入後に低減することが示された。さらに,学級担任を対象とした面接の結果,本アプローチは効果的で負担感が少なく,特に児童のストレスについて学校スタッフ間での共通理解が得られる点が有効だと報告された。最後に,スクールカウンセラーと学級担任,学級担任と同学年・学校の教師との協働の可能性が議論された。