著者
熊野 雅仁 天野 美紀 有木 康雄 上原 邦昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.369, pp.1-6, 2004-10-14
被引用文献数
5

本論文では,編集を意識した映像撮影を支援,教示することを目的として,映像文法を背景とするリアルタイムカメラワーク判定に基づいた撮影ナビゲーションシステムを提案する.カメラワークの解析法についてはいくつかの研究が行われているが,本システムでは,カメラワーク解析のリアルタイム性が要求されるため,処理速度が速く,また,手ぶれやカメラワークの安定性を十分に検証できる方法として投影法を用いた手法を採用した.カメラワーク解析により出力された結果からショット検出を行い,ショットを14通りの状態に分類し,編集には使用できない使用不能区間の表示,また,映像文法に従って編集に最も適した映像区間の表示を行う.これにより,撮影者は効率的に取り直しの作業を行うことができ,また,撮影した映像で編集に適した部分を瞬時に把握することが可能となる.
著者
中村 哲也 瀧 敬士 野宮 浩揮 上原 邦昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.91, no.11, pp.2579-2588, 2008-11-01
被引用文献数
3 13

近年,時系列データの分類に関する研究が盛んに行われている.しかし,既存の類似度測定手法は,データ整合,ノイズ,計算コストなどの問題がある.また,座標値のみの計算ではあらゆる時系列データを安定して分類できないという問題もある.これは,時系列データがもつ波形の振幅,振動数,概形などの特徴も考慮する必要があるからである.本論文では,前者の解決のために類似度測定手法Angular Metrics for Shape Similarity (AMSS)を提案する.AMSSは時系列データをベクトル列として扱い,ベクトルの角度を比較して類似度を計測している.角度の比較にはコサイン類似度を用い,ノイズのような類似しない部分を無視している.また,動的計画法で系列間の類似度を計算して,データ整合の問題を解決している.一方,後者の解決のために,それぞれの特徴に合わせた分類アルゴリズムを複数用意し,アンサンブル学習の枠組みを導入したメタアルゴリズムにより,それらを組み合わせて分類を行う.その結果,個々の識別器を単独で利用するよりも分類精度が向上することを示す.
著者
安村 禎明 坂野 大作 上原 邦昭
出版者
一般社団法人 言語処理学会
雑誌
自然言語処理 (ISSN:13407619)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.297-313, 2007-04-10 (Released:2011-03-01)
参考文献数
11

本論文では, Web上の評判情報を有益に活用するために, レビューなどの評価文書をポジティブ (おすすめ) とネガティブ (おすすめしない) という極性値に分類する手法を提案する. 本手法では, 全体評判情報と部分評判情報という2つのレベルで評判情報を捉える. 全体評判情報とは評価文書の対象全般に関わる評価表現のことを指し, 部分評判情報とは対象の一属性に関する評価表現のことを指す. 全体評判情報の極性値は評価文書の極性値と一致すると考えられるため, まず全体評判情報を用いて評価文書を分類し, 全体評判情報がない場合は部分評判情報を用いて分類する. これら2つのレベルの評判情報を考慮することで分類精度の向上が期待できる. さらに, これら2つのレベルの評判情報を用いることで, 評判情報の信頼性評価の一手法を提案する. ここでは, 評価文書の極性値とその中の部分評判情報の極性値が異なる場合にその部分評判情報は信頼性が高いと評価する. 映画のレビューを用いた評価実験の結果, ナイーブベイズを用いた分類手法よりも本手法の方が良い結果が得られた. また, 提案した評価指標が評価文書の信頼性評価の1つとなりうることを示唆した.
著者
宮西 大樹 関 和広 上原 邦昭
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.1-10, 2014-06-30

マイクロブログ検索には,単語を用いた疑似適合フィードバックによるクエリ拡張が有効である.しかし,単語は意味的・時間的な曖昧性を持つため,単語を用いたクエリ拡張は有効に機能しない場合がある.そこで,本稿では,単語や2語以上の単語の組合せであるコンセプトを用いた疑似適合フィードバックによるクエリ拡張手法を提案する.さらに,提案手法は検索クエリと同時期に出現するコンセプトの頻度の時間遷移に関する情報を疑似適合フィードバックに組み入れることで,マイクロブログサービスのリアルタイム性を考慮する.代表的なマイクロブログデータであるTweets2011コーパスを用いた実験から,提案するコンセプトを用いたクエリ拡張によって,検索クエリに適合し,かつ情報量の豊富な文書を効果的に検索できることを示す.Incorporating the temporal property of words into query expansion methods based on relevance feedback has been shown to have a significant positive effect on microblog searching. In this paper, we propose a concept-based query expansion method based on a temporal relevance model that uses the temporal variation of concepts (e.g., terms or phrases) on microblogs. Our model naturally extends an extremely effective existing concept-based relevance model by tracking the concept frequency over time. Moreover, the proposed model produces important concepts that are frequently used within a particular time period associated with a given topic, which have more power to discriminate between relevant and non-relevant microblog documents than words. Our experiments using a corpus of microblog data (the Tweets2011 corpus) show that the proposed concept-based query expansion method improves search performance significantly, especially when retrieving highly relevant documents.
著者
白浜 公章 松岡 悠太 上原 邦昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.414, pp.129-134, 2011-02-10

本論文では,ユーザから与えられたサンプルから,クエリーにマッチするショットを検索する映像例示型検索手法を提案する.特に,異なる撮影技法・状況で撮影された多様なショットを検索するために,'ラフ集合理論'を用いて,サンプルから複数の検索ルールを抽出する.また,少数のサンプルから検索可能なショットの範囲を拡張するために,"バギング"と"ランダムサブスペース法"を導入する.具体的には,サンプルと特徴量の次元をランダムに変更して構築した分類器によって,大きく異なるショットが特徴づけられるようになる.さらに,計算コストを削減するために,"MapReduce"という並列プログラミングモデルを用いて検索プロセスを並列化する.実験では,TRECVID 2009の映像データを対象として,本手法の有効性を示す.
著者
神野良太 上原邦昭 JINNO Ryota UEHARA Kuniaki
雑誌
SIG-DOCMAS = SIG-DOCMAS
巻号頁・発行日
no.B101, 2011-12-14

As the location-acquisition technologies become increasingly pervasive, tracking themovement of objects from trajectory datasets are more and more available. As a result, discoveringfrequent movement patterns from such a dataset has recently gained great interest. However,trajectory dataset is usually large in volume and exceeds the computation capacity of traditionalcentralized technologies. We propose a new approach to discovering patterns over a massive dataset based on distributed storage and computing. We apply the proposed approach to differentreal-world datasets in different conditions. We also discuss the results and possible future researchdirections.
著者
高橋 宏圭 安村 禎明 上原 邦昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. KBSE, 知能ソフトウェア工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.386, pp.31-36, 2011-01-17

本稿では,ブログから注目話題の早期発見を行う手法を提案する.本手法では,一部で話題になりその後全体に広まった注目話題の出現頻度推移から学習することで,一部で話題になっているものが注目話題に発展するかを判別する.学習には十分な量のラベル付きデータを確保する必要があるが,このためには膨大なコストがかかる.そこで半教師付き学習を用いて注目話題を早期に発見する手法を提案する.本手法ではまず,ブログをカテゴリに分類し,そのカテゴリ内で盛り上がった話題を抽出する.抽出した話題を今後ブログ全体で盛り上がる候補として,分類器で今後盛り上がるかどうかを判別する.実データを用いた実験の結果,半教師付き学習によって注目話題の分類器を作成可能であることを示した.
著者
熊野 雅仁 有木 康雄 上原 邦昭
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 : 映像情報メディア (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.61, no.8, pp.1159-1167, 2007-08-01
被引用文献数
3 1

We aim to develop a video-shooting learning system using video grammar and a real-time, on- and offline navigation system. As an initial step, we have developed an online navigation system that uses video grammar for evaluating users' high-speed camerawork to assist them with effectively shooting shots that can be easily edited. Previous camerawork analysis results showed that by classifying each frame into one of seven camerawork types, high-speed processing accuracy is improved. The system issues three types of alarms depending on the camerawork and the video grammar while a user is shooting that guide the user toward a specified shot. Users thus can naturally acquire a shooting style by trying to decrease the number of alarms and can obtain the specified shot without having to consider the video grammar.
著者
岡村 直人 関 和広 上原 邦昭
雑誌
研究報告音声言語情報処理(SLP)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.9, pp.1-7, 2011-05-09

感染症サーベイランスには,大別して医療機関の情報を利用した方法とWeb情報を利用した方法がある.Web情報はリアルタイム性が高く,感染症の蔓延防止を目的とする感染症サーベイランスに有用である可能性がある.本論文では,Web情報,特にソーシャルメディアを用いた感染症サーベイランスの第一歩として,インフルエンザを対象にTwitterの有効性を実験的に調査する.Twitterに投稿されたインフルエンザの症状を含むtweetの分類を行い,実際のインフルエンザ報告件数との関係を分析する.There are roughly two types of syndromic surveillance; One uses information from medical institutions and another gathers information from the Web. The information used by the latter, such as consumer generated media (CGM), may reflect more real-time events and thus may be more useful for syndromic surveillance since detecting early infection of a target syndrome prevents wider spread of the syndrome. This paper investigates the usefulness of CGM, specifically microblogs, for syndromic surveillance focusing on influenza. We collect a number of microblog posts (tweets) which include symptoms of influenza and study their size and transition against those of reported true influenza cases.
著者
上原 邦昭
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

デジタル映像を対象とする検索システムが従来のデータベースシステムと大きく異なる点は,(1)検索のための効果的な内容記述方式を開発する必要があること.(2)映像コンテンツ自身による分類や構造化が必要なこと,(3)利用者の主観,視点,嗜好などを反映した感性的な検索や,映像のストーリやキーワードによる高度な意味的な検索が求められていることなどである.本年度は,前年度に開発した階層的内容記述形式を用いて,柔軟なストーリ検索が可能な知的映像検索システムを開発した.知的映像検索システムは,階層構造の上位レイヤに記述されたストーリを用いたストーリ検索機能,特定の人物の行動,場所,時相に注目した個別属性検索機能,ストーリに対応する映像をすべて表示させるか,もしくは部分的な映像を表示させる選択的映像表示機能,余分な挿話を省略して映像のダイジェストを作成する映像ダイジェスト機能などを有するシステムである.具体的には,Lehnertの提案したAffect Unitに基づく動画像の内容記述モデルを開発した.本内容記述モデルでは,予め典型的なシーンをプロトタイプとして用意しておき,ボトムアップのアプローチに基づいてストーリの内容記述を行っている.映像データの内容記述モデルでは,ユーザの記述コストが高くなることが問題となるが,本システムでは,プロトタイプを階層構造として管理して,ユーザの労力を軽減するようにしている.さらに,ストーリの内容記述を具体化して,ユーザの主観の差異をできる限り吸収するようにしている.また,本内容記述モデルを用いたシステムをプロトタイプ指向言語AMULETを用いて構築し,具体化についての実験を行った.
著者
関 和広 上原 邦昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LOIS, ライフインテリジェンスとオフィス情報システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.42, pp.1-6, 2010-05-13

ブログやマイクロブログ(Twitterなど)といったソーシャルメディアの利用者の増加に従い,これら新しいメディアからの情報の抽出・利用についての研究が盛んに行われている.本研究では,ソーシャルメディアを実世界のオブジェクトのメタデータと捉え,これが従来の情報検索に及ぼす影響について議論する.特に本稿では,ソーシャルブックマークに注目し,熟練者による従来の統制語彙に基づく索引との比較を通して,情報検索におけるその有用性を検証する.より具体的には,生物医学分野の文献を題材とし,各論文に付与されたMeSH索引語(統制語彙に基づく索引)とソーシャルブックマークサービスの1つであるCiteULikeを利用して付与されたソーシャルタグを比較し,その特徴と有用性を様々な観点から実験的に調査する.実験の結果,情報検索においてソーシャルタグはMeSHと相補的に機能し,ソーシャルタグの網羅性が高まるほど検索精度が向上することが示された.
著者
今中 武 上原 邦昭 豊田 順一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.349-358, 1987-04-15

Prologには プログラムの大規模化に伴う実行効率の低下 高速集合演算機能などの実用的なデータベース操作機能の欠落などの問題点があることが指摘されている.これらの問題点を解決するために 本論文ではPrologと関係データベースを結合したDB-Prologを提案するDB-Prologでは 関係データベースとの結合に非評価方式と評価方式と呼ばれる二方式を用いている.非評価方式を用いて結合されているデータベースは Prologの内部データベースを拡張したものとみなされ ファクト集合が格納される.このファクト集合は データベースの検索機能を用いて実現したユニフィケーションによって高速に検索される評価方式を用いて結合されているデータベースには 数値 文字列データなどが格納され DB-Prologのシステム組み込み述語を用いて操作される.システム組み込み述語には データの追加 削除 検索などを行う述語のほかに 既存のデータベースにアクセスするための述語などが用意されている.また DB-Prologの評価実験を行ったところ ファクト集合が3 000個を越えると DB-Prologの方が従来のPrologに比べて高速にプログラムを実行できることがわかった.さらに 評価方式を用いて結合されている複数の関係データベースに閉じた世界の仮定を行うことで 知識の多世界化などが可能となっている.
著者
福谷 俊行 安村 禎明 上原 邦昭
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.27, pp.549-556, 2008-03-11

稿では,機械学習を用いた新しい 3 次元形状復元の手法を提案する.従来の 3 次元形状復元手法では様々な拘束条件が必要であるが,本手法ではこのような条件を用いずに,1 枚の画像から物体表面の法線ベクトルを復元する.これを実現するために,物体の明度と法線の関係を機械学習を用いて獲得する.まず様々な環境下において 3 次元形状が既知である画像とその法線マップから,k x k の窓を使って窓内の明度・色相と窓の中心の法線を得る.これらの関係を機械学習により獲得し,その結果を用いて未知入力画像における法線を復元する.この復元によって得られた法線を,学習を用いて補正する手法も提案する.また,法線から得られた深さを基に,異常な法線を検出して修正する手法も提案する.顔画像を対象とした実験では,従来手法よりも提案手法の方が高速で精度の高い復元ができた.We propose a new method for 3D reconstruction by a machine learning approach. Existing methods for 3D reconstruction are restricted by various assumptions. However, the proposed method does not use any assumptions and reconstructs normal vectors of an object surface from a single image. To achieve this, we acquire a relationship between brightness and normal vectors of objects by machine learning. First, k x k brightness and hues are obtained from images whose 3D shape is known under various environment in a k x k pixel window and a normal vector is obtained from center of k x k pixel window from normal map. These relations are obtained using machine learning. Then normal vectors of an unknown input image are reconstructed by using these relations. We also propose a method for correcting the reconstructed normal vectors by machine learning and a method for correcting the abnormal normal vectors detected by using the depth map. Experiments using human face images show that the proposed method achieved faster and high-precision 3D reconstruction than existing methods.