著者
高坂 佳宏 村山 弘之 中山 文彦 河内 順
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.71, no.3, pp.777-780, 2010 (Released:2010-09-25)
参考文献数
14
被引用文献数
1 3

症例は69歳,女性.頭痛,発熱を主訴に当院受診.項部硬直を認める以外異常な神経所見はなかったが,髄液検査にて高度の細胞数上昇を認め,髄膜炎の診断にて内科に入院し,抗菌薬治療を行った.入院時の髄液培養は陰性だったが,血液培養にてStreptococcus bovisが検出されたため,軽快退院後,消化管腫瘍精査を行ったところ,S状結腸に2型の癌を認めたため外科へ再入院し,S状結腸切除術,D3郭清を施行.病理結果は中分化腺癌,ss,ly1,v1,n1,Stage IIIaであった.本邦では,Streptococcus bovisと大腸癌との関連性の認識がまだまだ低いと考えられるため,文献的知見を加えて報告する.
著者
古賀 明俊 城戸 英希 藤堂 省 川上 克彦 中山 文夫
出版者
The Japanese Society of Gastroenterological Surgery
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.13, no.4, pp.285-294, 1980

15例の膵のインスリン産生腫瘍を報告した.12例はインスリノーマでこのうち1例は異所性で, すべて単発性で, 良性であった.2例は過形成, 1例は組織学的に異常所見はなかった.全例にWhippleの三主徴があり, 血中高インスリン値, 種々の誘発試験を組合わせることにより診断が確実になる.選択的血管造影は72.7%に陽性であった.逆行性膵管造影も間接的診断法になる.手術は膵尾部切除2例, 膵体尾部切除2例, 膵頭十二指腸切除1例, 異所性腫瘍摘出1例, 腫瘍核出術9例である.術中血糖値の測定は腫瘍摘出成功の判定に有効で, 30分以上の持続的上昇を確認する必要がある.手術成績は14例が治癒し, 1例は術後肝不全で死亡した.
著者
中山 文子 藤岡 由美子
出版者
学校法人松商学園松本大学
雑誌
松本大学研究紀要 (ISSN:13480618)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.139-153, 2011-01

本研究では、大学生と高校生の食事を主とした生活習慣と精神的健康について検討した。大学生(同居)・大学生(一人暮らし)・高校生の3郡比較をした結果、一人暮らしの学生は生活習慣・食事内容が低得点だったが、精神的健康度は一番高かった。関係を検定すると、特に一人暮らしの学生に生活習慣・食事内容と精神的健康度の相関関係が多く認められた。
著者
中山 文子
出版者
松本大学地域総合研究センター
雑誌
地域総合研究
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.63-72, 2016-07

本研究の目的は乳幼児育児中の母親の置かれている現状を明らかにし、求められている支援を探ることである。対象者は塩尻市乳幼児健診(4ヶ月、10ヶ月、1歳半)を受診した母親合計99名であった。育児に関する生活実態と現在の気分(POMS)についてアンケート調査を行った結果、「趣味を楽しめている人」と「仲間がいる人」は気持ちが安定している傾向があった。また「子どもの特徴に不安を感じている」場合に「疲れ」や「混乱」が高いことが明らかとなった。求めている支援については約半数の人が「専門家との相談」や「家事育児のサポート」を希望しているが利用に結びついていない実態、また半数以上の人が気軽に話ができる仲間がほしいと思っていることが明らかとなった。
著者
古賀 明俊 城戸 英希 藤堂 省 川上 克彦 中山 文夫
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.13, no.4, pp.285-294, 1980

15例の膵のインスリン産生腫瘍を報告した.12例はインスリノーマでこのうち1例は異所性で, すべて単発性で, 良性であった.2例は過形成, 1例は組織学的に異常所見はなかった.全例にWhippleの三主徴があり, 血中高インスリン値, 種々の誘発試験を組合わせることにより診断が確実になる.選択的血管造影は72.7%に陽性であった.逆行性膵管造影も間接的診断法になる.手術は膵尾部切除2例, 膵体尾部切除2例, 膵頭十二指腸切除1例, 異所性腫瘍摘出1例, 腫瘍核出術9例である.術中血糖値の測定は腫瘍摘出成功の判定に有効で, 30分以上の持続的上昇を確認する必要がある.手術成績は14例が治癒し, 1例は術後肝不全で死亡した.
著者
中山 文
出版者
神戸学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究は中国と日本における女性演劇の可能性を探るものである。楊小青演出の『班昭』のヒロイン像が、女性ばかりで演じられる越劇と男女合演の昆劇では大きく変化していることを明らかにした。また中国女性演劇の現状を把握するために、大阪で女性演出家銭〓の講演会を実施した。さらに国によるジェンダー認識の差異を明らかにするために、『それでもワタシは空を見る』上海公演をサポートし、日中女性演劇人による座談会を行った。
著者
中山 文 成田 静香 野村 鮎子 濱田 麻矢 西川 真子 松尾 肇子 林 香奈
出版者
神戸学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

この研究の目的は、現代中国の中国文化(文学・演劇・映画など)に表れたジェンダーを明らかにすること、および文化の根底にある中国人のジェンダー観念を歴史的に考察することであった。我々は、平成15年度〜16年度(2003年4月〜2006年3月)にかけて、これをテーマとする研究会を計22回開催し、平均して毎回14〜15名の参加者を得た。2004年3月7日の国際シンポジウム「中国演劇におけるジェンダーの表象」では、パネリストとして、中国から中国の女性演劇である越劇の監督である楊小青氏、中国戯劇家協会の重鎮で『中国戯劇』の副主編である黎継徳氏を迎え、日本側からは中山文(神戸学院大学)、伊藤茂氏(神戸学院大学)、細井尚子氏(立教大学)が加わり、中国の越劇と日本の宝塚との比較やジェンダーの表象について討論した。また、2005年6月25日〜26日には、日中の女性演劇の比較をテーマとする国際シンポジウム「男らしさ・女らしさの作り方-越劇と宝塚」を開催した。宝塚からは、草野旦氏(演出家)・磯野千尋氏(宝塚歌劇団専科、男役)・一原けい氏(宝塚歌劇団専科、女役)、越劇(中国の女性演劇)からは、楊小青氏(演出家)・陳雪薄氏(杭州越劇院、男役)・周俊氏(杭州越劇院花旦、女役)を迎え、実演を交えて、一般にも広く公開した。このほか、研究会では、中国のジェンダーを歴史的に考察するための入門書『中国女性史入門-女たちの今と昔』(人文書院2005年3月)を編纂・出版した。この書は、中国女性の歴史を、婚姻生育・教育・女性運動・労働・身体・文芸・政治ヒエラルキー・信仰の8つのテーマに分けて解説したもので、すでに書評などで高い評価を得ている。