著者
野村 鮎子 野村 鮎子
出版者
奈良女子大学文学部
雑誌
奈良女子大学文学部研究教育年報 (ISSN:13499882)
巻号頁・発行日
no.3, pp.1-16, 2007-03-31

中國古典詩文中,有一部分是以自家女性為題的作品。 有悼亡詩、亡妻墓言志銘、先批行状、乳母墓銘、祭亡妾 文等等。這些描寫自家女性的作品都有個共通黠,即這 些女性親人皆己亡故。這是因為前近代的中國士大夫之 間,有著基於「内言不出於梱」(《禮記》)的儒教士規範 而沉默不語的共識,因此在表達親情戸気,往往不得不 透過哀悼的文學形式。 關於書寫女兒的文學,大部分也都是哀悼未婚女兒的 作品,但其中有若干是哀悼己出嫁的女兒之死的持文。 且談論到出嫁女兒之死的作品中,有些還提及女兒在夫 家遭到虐待一事,這點往往容易被人忽略。 本論將討論宋蘇洵〈自尤詩〉、明王樵〈祭女文〉、 明駱問禮〈章門駱氏行状〉等父親哀悼出嫁女兒死於非 命的作品。在〈自尤詩〉中,蘇洵用長達九十八旬的長 篇詩形式,道出季女八娘嫁往母相娘家-程家、卻在 夫家受虐而死的事由。<祭女文〉中,王樵以祭文的形 式描述女兒嫁給愛喝酒又素行不正的丈夫,最後在夫家 遭到虐待以至自殺的悲劇。駱問禮的〈章門駱氏行状〉 則以行状的文體,道出女兒駱復不斷被丈夫章其美施暴, 最後還被通姦罪殺害的經過,這些作品的共通點是:喪 女之痛、對虐待女兒至死的夫家之怨念、為女兒訂下這 椿親事的不是別人正是身父親自己的自責之情、以及 無法將女兒從虐待中拯救出來的悔恨。 無關男性的社會地位、學歴舆職業,虐待女性或家庭 暴力都有可能發生,這一點在今日已然廣為人知。在理 當體現儒家教誨的士大夫家庭中,實際上並非「父子兄 弟夫婦相和順」所言般理想,但虐待或暴力被認為只會 出現在平民或小説世界裡,所以士大夫階層的家庭暴力 幾乎不曾浮出檯面。這可謂為士大夫間一直以來巧妙隐 瞒的縁故。但本論所介紹的,都是士大夫階層的家庭裡 所發生的家庭暴力,而暴露這些暴力的父親也都是士大 夫階層。 前近代中國的女性因為受到「孝」或「從一而終」的 規範,出嫁後就算遭到婆婆或丈夫的虐待,也幾乎不可 的離婚。出身士大夫家庭、有教養的女性多以離婚為恥, 逃避之途唯有一死。而且殉夫之女或守潔自盡的女性往 往被稱為節婦或貞女,會受到朝庭的彰顯,也會被當成 兩家的榮譽,相對於此,身為家庭暴力被害者的女性, 即無法獲得這榮譽。她們反而會視為家門之恥,被虐 待的事實則被巧妙隐瞒。這種情况下,以詩人身份暴露 這些易於被粉飾太平的出嫁女兒受虐而死的經過,正是 身為一個父親對女兒的親情。
著者
三成 美保 粟屋 利江 村上 薫 小浜 正子 鈴木 則子 小野 仁美 長 志珠絵 山崎 明子 桃木 至朗 河上 麻由子 野村 鮎子 久留島 典子 井野瀬 久美惠 姫岡 とし子 永原 陽子 落合 恵美子
出版者
奈良女子大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2020-04-01

「アジア・ジェンダー史」の構築に向けて、次の3つの課題を設定して共同研究を行う。①「アジア≪で≫問うジェンダー史」に関する史資料の収集・整理、②高校「歴史総合」のための「アジア≪を≫問うジェンダー史」教材の作成、③アジア諸国の研究者と協力して「アジア≪から≫問うジェンダー史」研究を発展させることである。研究成果は書籍として刊行するほか、比較ジェンダー史研究会HP(https://ch-gender.jp/wp/)を通じて広く国際社会に成果を公表する。とくに②については、高校教員との対話や共同作業を通じて、ジェンダー視点から歴史教育の発展をはかるためのテキスト・資料を作成・提供する。
著者
筧 久美子 成田 靜香 林 香奈 野村 鮎子
出版者
奈良大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

この研究は、女性の視点から中国の古典文学を読み直すことに主眼をおいたものである。具体的には、古典文学の中で「女」がどのように描かれたか、どのような女性像が形成されたかについて、作品を分析した。個別の研究としては、筧久美子が主に清末の評論を、野村鮎子が宋・明・清の寿序や墓志銘を、林香奈は六朝の詩文を、成田静香は唐の詩文を中心にした。なお、研究メンバーが集まって、東京の中国女性史研究会が出版した『論集 中国女性史』について批評を行い、その一部を研究主担者である筧が「書評『中国女性史』」(『女性史学』11号)として公表した。さらに筧は女性の称謂や『列女伝』についても考察をすすめ、「漢語称謂-女性語を中心に」(新村出記念財団報15号)、「『列女伝』という書物」(女性史総合研究会会報No.86)などを発表した。六朝時代を担当した林は、「妬婦」(嫉妬する女)に関する研究をすすめ「『妬婦』考補説-恐妻家の記録-」(『言語文化論叢』6号)を発表している。明・清時代を担当した野村は、女性の寿序についての研究をすすめ、明清時代に女性の寿序という新しい散文の文体が流行することを、当時の「孝」と「家」の思想から分析した。これは、中国から出版された『明清文学とジェンダー』に「明清女性寿序考」というタイトルで収められている。
著者
野村 鮎子 筧 文生
出版者
奈良女子大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本邦には、これまで宋代総集に関する体系的な研究はなかった。宋代文学に関する研究のほとんどは、詩人とその別集(個人の詩文集)についての研究であり、宋代総集の意義は看過されてきたといっても過言ではない。本研究は、『四庫提要』の34種の総集についての解読と国内外の善本所蔵機関への調査を中心としたものである。その成果は『四庫提要宋代總集研究』(汲古書院 2013 年1月)として公開した。
著者
中山 文 成田 静香 野村 鮎子 濱田 麻矢 西川 真子 松尾 肇子 林 香奈
出版者
神戸学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

この研究の目的は、現代中国の中国文化(文学・演劇・映画など)に表れたジェンダーを明らかにすること、および文化の根底にある中国人のジェンダー観念を歴史的に考察することであった。我々は、平成15年度〜16年度(2003年4月〜2006年3月)にかけて、これをテーマとする研究会を計22回開催し、平均して毎回14〜15名の参加者を得た。2004年3月7日の国際シンポジウム「中国演劇におけるジェンダーの表象」では、パネリストとして、中国から中国の女性演劇である越劇の監督である楊小青氏、中国戯劇家協会の重鎮で『中国戯劇』の副主編である黎継徳氏を迎え、日本側からは中山文(神戸学院大学)、伊藤茂氏(神戸学院大学)、細井尚子氏(立教大学)が加わり、中国の越劇と日本の宝塚との比較やジェンダーの表象について討論した。また、2005年6月25日〜26日には、日中の女性演劇の比較をテーマとする国際シンポジウム「男らしさ・女らしさの作り方-越劇と宝塚」を開催した。宝塚からは、草野旦氏(演出家)・磯野千尋氏(宝塚歌劇団専科、男役)・一原けい氏(宝塚歌劇団専科、女役)、越劇(中国の女性演劇)からは、楊小青氏(演出家)・陳雪薄氏(杭州越劇院、男役)・周俊氏(杭州越劇院花旦、女役)を迎え、実演を交えて、一般にも広く公開した。このほか、研究会では、中国のジェンダーを歴史的に考察するための入門書『中国女性史入門-女たちの今と昔』(人文書院2005年3月)を編纂・出版した。この書は、中国女性の歴史を、婚姻生育・教育・女性運動・労働・身体・文芸・政治ヒエラルキー・信仰の8つのテーマに分けて解説したもので、すでに書評などで高い評価を得ている。
著者
筧 文生 野村 鮎子
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

日本の宋代文学研究は、一部の古文家や詞の作者を除いて質・量ともに唐代のそれに及ばないのが現状である。この原因の一つには、別集に関する基礎研究の不足があげられる。そこで、我々は清朝考証学の精髄というべき『四庫全書總目提要』宋代別集の部の研究に着手した。『四庫全書』は北宋別集として115家122種の別集を著録している。平成10年度には、この122種の別集の解題すべてについて訳注をつけるという作業を行った。平成11年度は、その中でも特に重要な文学者50家56種の別集提要を選んで整理分析を行い、その成果をまとめた『四庫提要北宋五十家研究』(筧文生・野村鮎子著 汲古書院 2000. 2)を上梓した。また、野村鮎子はこれに関する論文「『四庫提要』にみる北宋文学史観」(立命館文学563号 2000. 2)を発表した。『四庫提要北宋五十家研究』は、日本学術振興会の研究成果公開促進費の助成を受けて出版したものであり、今後、宋代文学研究に必備の文献となるものと確信している。また、版本の研究については、平成10年度は国内の研究機関・所蔵機関を中心に調査し、平成11年度夏には、中国における宋代文学研究の中心である四川大学古籍整理研究所に赴き、日本国内では見ることのできない版本を閲覧する機会を得た。これらの版本研究の成果は上記の本と論文に結実している。ただ、南宋別集は北宋別集の数倍の量があるため、作業が思うように進捗せず、出版に至らなかったことは残念である。数年のうちにはこれを整理し、南宋編の出版をめざしたい。